ジョン・コナリーのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
色んな側面から考え、
空想し、畏怖した。
こりゃ人生の10冊に入る…
人間のもつ勇敢さと醜さ、
生と死、過去と未来、
成長と衰弱、
そういったものの蠢き、
生命の持つエネルギー、
対比のようで一直線上にあることを
体感した一冊だった。と、思う。
なかなかグロテスクな描写もあり、
美しさは美しさだけで出来ている訳ではなく
一筋縄ではいかない。
どちらもあるから美しいとも言えそう。
綺麗事や理想だけじゃないのが余計にリアルで心にくる。
なんか、上手く言葉に出来ないんだよなぁ…
なんだろうこの気持ちは。
ただただ喰らっている。立ち尽くしている。
自分にとってとても大切な部分が、この物語 -
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Posted by ブクログ
前作から15年の月日が経っていることを感じさせる一作だった。物語は作り手の変容や時代の変容と共にあるのだと同じ著者の本を読んでいくとつくづく感じさせられる。
前作が母を失い、義母と馴染めない少年の成長譚で、今回は一人娘が事故で植物状態となったシングルマザーの心の回復の物語。主人公のセレスは失われたものたちの国で32歳の記憶も精神も保ったまま16の姿になって旅をする。前作がまだ幼く様々な事によって経験をつみ大人となっていくのと異なり、今回セレスはまず今までの経験を踏まえて様々な事に冷静に対処していく。ただ思春期の頃に戻ることでもう一度子供心も取り戻しつつ、大人としての生き方を再度見直していくこと -
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Posted by ブクログ
「果てしない物語」や、ナルニアのような物語かな?と思いつつ読み始めました。
色々な童話のかけらが散りばめられた不思議な国で、主人公はさまざまなものと出逢いながら王様の元へ向かいます。
その世界の秘密は? 謎の男の正体は?
最初は様子を見ながらでしたが、途中から、物語の世界に入り込んでいました。私が物語を覗き見たというよりも、その世界を自分も体験したような感じ。
こういう読後感は本当に久しぶりでした!
ねじくれ男的な部分って、私の中にもあるよな、とか。物語を通り抜けて、私自身もディヴィッドと同じく、すこし成長したような感じ。読んだ後は寂しさよりも清々しさがある。
いい物語に出会えたなぁ!
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Posted by ブクログ
ネタバレジブリ映画の「君たちはどう生きるか」の理解の助けになるかと、原作(原案?)の一つであるこの小説を読んでみた。
この小説自体の面白さ、テーマ性の力強さに圧倒され、宮崎駿監督はこの要素を取り入れたのかな等と考えつつも物語を楽しむことができた。
しかしこれを読んであの映画を作ったのかと思うと、やはりオリジナリティの天才だと思う。
まずこの本は、物語と人生の密接さを描いている。
数々の童話をモチーフにした物語や展開が描かれ主人公や登場人物の人生に相互に影響し合っているのが分かる。物語は生きており、それを読まれたがっているのだ。
そしてこの本は、ひとりの少年が成長し、大人になるまでを描いているのでは -
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Posted by ブクログ
ネタバレ失われたものたちの国
よみおわりました。
宮崎駿監督が引退を決めたのに、復活するきっかけになった物語(の続編)になります。
ジョン・コナリーの児童書になりますが、
けっして甘ったれた内容ではありません。
前作は少年ディヴィッドが『ねじくれ男』に招かれ異世界に行ってさまざまな苦難を乗り越えて成長していきます。
続編は事故で植物人間になってしまった娘を看病していた女性が異世界に飛び込んでしまいます。
かなり芯のある(強気)女性セレスですが、なぜか十代の女の子に戻ってしまいます。そして前作の主人公ディヴィッドや色んな人物と出会います。
内容はかなりグロい部分があり、スパイスが強めです -
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Posted by ブクログ
ネタバレデイヴィッドは本当の自分がどう在るべきかを、他者から教えてもらいたかった。理想化された大人ではなく、正しいあり方を示してくれる存在を求めていた。だからこそ彼は現実ではなく、物語の中に救いを探し、登場人物たちの言葉に期待を寄せた。語られる物語はおとぎ話のような、めでたしめでたしではなく、妙に現実味を帯びたトゥルーエンドのようだった。太宰治が「本を読まないということは、その人は孤独ではないという証拠である」と述べたように、デイヴィッドの読書量と想像力は、そのまま彼の孤独を示している。終盤で、いい子になったデイヴィッドは、ただ従順になったわけではない。彼は失いたくない世界があり、避けていても無視して
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Posted by ブクログ
母親の死、父親の再婚と義理弟の誕生、戦争…とあらゆることに傷つけられてきた主人公デイヴィット。義母と義理弟への憎しみを胸に抱きつつ庭を彷徨っていると、岩の割れ面から異世界へ閉じ込められてしまった。デイヴィットは帰れるのか?
題名が素敵で気になってたけど、ダークな世界観だとも聞いてたので、読むのを躊躇してた。今回旅行するにあたって本をいくつか購入することになり、夫と同時読みしようという流れになって読み始め。
めっちゃ面白かった。ダークであることに間違いはないんだけど、童話チックな語り口なので、そこまで生々しくないし、デイヴィットがどう窮地を切り抜けるかが気になりすぎてページをめくる手を押さえ -
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