【感想・ネタバレ】失われたものたちの本のレビュー

あらすじ

第二次世界大戦下のイギリス。本を愛する12歳のデイヴィッドは、母親を病気で亡くしてしまう。孤独に苛まれた彼はいつしか本の囁きを聞くようになったり、不思議な王国の幻を見たりしはじめる。ある日、死んだはずの母の声に導かれて、その王国に迷い込んでしまう。狼に恋した赤ずきんが産んだ人狼、醜い白雪姫、子どもをさらうねじくれ男……。そこはおとぎ話の登場人物や神話の怪物たちが蠢く、美しくも残酷な物語の世界だった。デイヴィッドは元の世界に戻るため、『失われたものたちの本』を探す旅に出るが……。本にまつわる異世界冒険譚!/【収録作】失われたものたちの本/シンデレラ(Aバージョン)

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Posted by ブクログ




色んな側面から考え、
空想し、畏怖した。
こりゃ人生の10冊に入る…

人間のもつ勇敢さと醜さ、
生と死、過去と未来、
成長と衰弱、

そういったものの蠢き、
生命の持つエネルギー、
対比のようで一直線上にあることを
体感した一冊だった。と、思う。

なかなかグロテスクな描写もあり、
美しさは美しさだけで出来ている訳ではなく
一筋縄ではいかない。
どちらもあるから美しいとも言えそう。
綺麗事や理想だけじゃないのが余計にリアルで心にくる。

なんか、上手く言葉に出来ないんだよなぁ…
なんだろうこの気持ちは。
ただただ喰らっている。立ち尽くしている。
自分にとってとても大切な部分が、この物語によって確かに動いたことが分かる、んだけど壮大で、今のわたしにはまだうまい言葉が見つからないや。

ジブリ映画の
「君たちはどう生きるか。」のガチ原作
という事で手に取ってみたけど
もう一回映画を見返したくなった。

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2025年07月06日

Posted by ブクログ

第二次世界大戦直前のイギリスから、「赤ずきん」や「白雪姫」のような童話が邪悪な話に変化している世界に迷い込んだ主人公のデイヴィッド。元の世界に戻るために、王様に「失われたものたちの本」を見せてもらうために、木こりや騎士の助けを得て旅をする。不気味なねじくれ男につきまとわれるし、ともかく色々な物語が入っていて、それでもちゃんと冒険譚になっている。最初の部分は、なかなか読み進みにくかったのだけれど、途中からリズムが良くなった。ちょっと、グロテスクな部分もあるし、お伽噺を愛する人には勧められないかもしれない。

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2025年07月02日

Posted by ブクログ

「果てしない物語」や、ナルニアのような物語かな?と思いつつ読み始めました。
色々な童話のかけらが散りばめられた不思議な国で、主人公はさまざまなものと出逢いながら王様の元へ向かいます。
その世界の秘密は? 謎の男の正体は?
最初は様子を見ながらでしたが、途中から、物語の世界に入り込んでいました。私が物語を覗き見たというよりも、その世界を自分も体験したような感じ。
こういう読後感は本当に久しぶりでした!
ねじくれ男的な部分って、私の中にもあるよな、とか。物語を通り抜けて、私自身もディヴィッドと同じく、すこし成長したような感じ。読んだ後は寂しさよりも清々しさがある。
いい物語に出会えたなぁ!

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2025年02月07日

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ネタバレ

ジブリ映画の「君たちはどう生きるか」の理解の助けになるかと、原作(原案?)の一つであるこの小説を読んでみた。

この小説自体の面白さ、テーマ性の力強さに圧倒され、宮崎駿監督はこの要素を取り入れたのかな等と考えつつも物語を楽しむことができた。
しかしこれを読んであの映画を作ったのかと思うと、やはりオリジナリティの天才だと思う。

まずこの本は、物語と人生の密接さを描いている。
数々の童話をモチーフにした物語や展開が描かれ主人公や登場人物の人生に相互に影響し合っているのが分かる。物語は生きており、それを読まれたがっているのだ。
そしてこの本は、ひとりの少年が成長し、大人になるまでを描いているのではない。ひとりの少年が成長し、人生の苦しみや悲しみや傷みを抱えながらも生きて死んでいく様を、登場する物語を通して描いているのだ。
だからこそ、これを読んだ宮崎駿監督は映画のタイトルを「君たちはどう生きるか」にしたのだろう。

ラストシーンで木こりは出ているのに母親は結局出てこないことに疑問はあったが、少年の頃の母の死は乗り越えるべき壁だという捉え方をしているのかもしれない。

元ネタとなった童話は全て知っているわけでもないので、機会があったら読んでみたいと思う。
素晴らしい読書体験に感謝。

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2024年12月06日

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久しぶりに壮大なファンタジーの世界に引き込まれ、夢中で読んだ。思った以上に血生臭い表現も多かったが、それはファンタジーの世界、許容範囲だ。
少年の生きる世界は第二次世界大戦下のイギリス。彼の抱く感情は誰でも思い当たることのあるものばかり。怒り、孤独、迷い、恐怖、信頼、勇気。彼が少しずつ成長していく様子は頼もしいし、私の知っているものとは違うストーリーの童話がいくつも出てきて面白い。いろんな気持ちを思い出させてくれる、面白い冒険譚だった。

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2024年09月11日

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映画「君たちはどう生きるか」まんまの展開で、あれ?原作こっち???特に序盤は読んでいるのが辛かったけど、中盤からは一気にファンタジー色強めになって面白かった。文体と物語のテーマからから「児童文学なのか?」と思ってたけどしっかり大人向けでびっくりした。生きていくってことは、1人では完結しないんだなとしみじみ感じた。

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2024年07月06日

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宮崎駿さんが好きなので多少バイアスはかかっていると思うけど、世界観に飲み込まれる作品。面白い。

お母さんを亡くした男の子がダークファンタジーの世界へ入るお話。グリム童話の黒いギャップが描かれていて、この男の子の精神状態が映されていたと思う。

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2025年09月14日

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不幸な境遇の少年が、不思議な童話の世界に迷い込んでしまう。そこでの体験や出会いを通じて、少年の成長を描いた物語。

誰もが知っている童話が絶妙に歪み、狂っていて、何故そうなったかもストーリーにうまく組み込まれており、読みながら非常に引き込まれた。
全体的に少年版の不思議の国のアリスのようなイメージなので、アリスが好きな人は特に楽しめると思う。

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2025年10月27日

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血の匂いのただよう暗い森にわけいり、獣の息遣いを耳元で聞くような本。こどもの頃に、初めて完訳グリム童話(金田鬼一訳)を読んだ時の衝撃を思い起こされた。とりかえしのつかない過去の美しい残滓を、かきあつめて懐かしむ姿がかなしい。でも物語の外も光に満ちているだけではない、誰にとっても。

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2025年09月21日

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ダークファンタジー、若干ホラー寄り。
序盤は物語に入り込めなかったが、ドンドン楽しめてくる。
表現がキツい部分が多いので、子供にはおすすめ出来ないかな。

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2025年08月04日

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ネタバレ

デイヴィッドは本当の自分がどう在るべきかを、他者から教えてもらいたかった。理想化された大人ではなく、正しいあり方を示してくれる存在を求めていた。だからこそ彼は現実ではなく、物語の中に救いを探し、登場人物たちの言葉に期待を寄せた。語られる物語はおとぎ話のような、めでたしめでたしではなく、妙に現実味を帯びたトゥルーエンドのようだった。太宰治が「本を読まないということは、その人は孤独ではないという証拠である」と述べたように、デイヴィッドの読書量と想像力は、そのまま彼の孤独を示している。終盤で、いい子になったデイヴィッドは、ただ従順になったわけではない。彼は失いたくない世界があり、避けていても無視しても、他人という存在は消えてはくれないことに気づいた。そしてその現実を前に、勇気を出して自分を変えることを選んだ。現実と向き合い、自分の感情とも向き合う中で、変わらない世界のなかで変えられるものがあるとすれば、それは自分の心だけだと気づいたのだ。他者にも心があることを理屈ではなく、痛みを通して知ったからこそ、彼は自分を変え人に優しくなったのだと思う。それは誰かのためではなく、デイヴィッド自身が納得して選び取った変化だった。その姿勢はとても誠実で迷いなかった。

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2025年08月01日

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母親の死、父親の再婚と義理弟の誕生、戦争…とあらゆることに傷つけられてきた主人公デイヴィット。義母と義理弟への憎しみを胸に抱きつつ庭を彷徨っていると、岩の割れ面から異世界へ閉じ込められてしまった。デイヴィットは帰れるのか?

題名が素敵で気になってたけど、ダークな世界観だとも聞いてたので、読むのを躊躇してた。今回旅行するにあたって本をいくつか購入することになり、夫と同時読みしようという流れになって読み始め。

めっちゃ面白かった。ダークであることに間違いはないんだけど、童話チックな語り口なので、そこまで生々しくないし、デイヴィットがどう窮地を切り抜けるかが気になりすぎてページをめくる手を押さえられなかった。ラストもいい感じ。

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2025年07月28日

Posted by ブクログ

美しいのにどこかグロテスク、それでいて純粋、そんな印象が強い。
12歳、多感なデイヴィッドが入り込む物語の世界が怖くもあり、同時にワクワクもした。
背景に第二次世界大戦があるからだろうか、おとぎ話の中にもその影響は及んでいる。その中を彷徨う少年の冒険から目が離せない。子供の頃読んだ冒険ものと同じフォーマットだが、バラエティーに富むと同時に純粋さゆえの残酷さが際立っていて面白かった。ボーナストラック的についている「シンデレラ(Aバージョン)」の結末は笑ってしまった。

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2025年07月20日

Posted by ブクログ

和訳の小説に慣れていない為、読み終わるまでに時間がかかってしまったが、読後感がとても良かった。外国のブレイブ・ストーリーのよう。

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2025年07月10日

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ダークファンタジー好きには刺さると思う1冊。
例えるとアリス・イン・ワンダーランドと似た世界線
私はとても面白いなと思った。

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2025年02月18日

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序章はよくある少年の成長譚なのかと思った。
一筋縄ではいかない、絶望が支配する世界が物語に深みを与え血肉になっている。

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2025年02月10日

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映画『君たちはどう生きるか』のヒントになった本ということで読んでみました。悪意がふんだんに出てきてすごかったですが、面白かったです。深いなあと思いました。

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2025年02月04日

Posted by ブクログ

勝手に想像していたよりとてもダークな世界だった。あらすじを見ても生易しい物語でないのはわかるが、それでも思っていたよりもずっとダークであった。
はじめの現実世界での主人公の立場や心情、物語の中で主人公が出会う登場人物達と経験。全てが重くて読み進めていくとどんどん気持ちが沈んでいった。
主人公は子供ということだが、子供であろうと大人であろうと、主人公の立場や経験は受け止められるのがとても難しいものだと思う。そのような状況だけでなく、そこに主人公の心情が細かく書かれていたのがなによりこの本の感銘を受けた部分だった。ただ状況を書き並べるだけならいくらでも出来るだろうが、心情がこれでもかと書き並べてられている。だからこそ暗い気持ちになったり共感したり恐怖したりして最後まで飽きなく読み進められた。
主人公はとても強い子だ。自分もそうでありたいと思うが、実際主人公の立場になったらどうだろう…恐怖と混乱で全然頭が回らなくてすぐエンドになりそう。

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2025年01月17日

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ダークファンタジー!
なかなかにグロいシーンが多々あり、途中手を止めてしまいそうになりましたが最後まで読み進めることができました。

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2024年10月29日

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終盤ぐっと輪郭が見えてきたような、見方が変わるような感覚になった。空想世界を作りながら読むとか、自分だけの物語になるとか、そんなのを感じて凄くよかった。自分の通り過ぎてきた物語を...って言葉なんか好き。

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2024年08月31日

Posted by ブクログ

ネタバレ

予想していたよりダークなファンタジーだった。

宮崎駿監督の映画「君たちはどう生きるか」という作品は、本書を結構モチーフにしているというレビューを見かける。先にこの本を読んだが、いずれ映画も観たい。

有名な童話(白雪姫やヘンゼルとグレーテルなど)が色々と登場するのももちろん好みなのだが、主人公・デイヴィッドを助けてくれる謎の国の良い人たちが命懸けで救ってくれたり、おかしな世界ではあるが現実的な考え方をしていたり(それがむしろおかしさを感じるが)、キャラクターが魅力的だ。
ねじくれ男が執拗い狼を始末し、デイヴィッドは私だけのものだ、という場面はゾクッとした。
ねじくれ男の正体がほとんど明かされない中で、たまに現れては嫌なことをして去っていくので、敵か味方か、という謎さ加減が強めで面白い。

また、3人の医者を奴隷にした女狩人がやること自体がなかなか残酷で、人間と動物のキメラを、頭と胴体を切り落とし繋ぎ合わせて作るというのを生き甲斐としており、デイヴィッドも狐と合体させられそうになったが、ケンタウロスの話をするとその気になって自身が馬と合体しようと考え、デイヴィッドに手伝わせる〜が、女狩人の首を切断した時に逃げ出そうとし、鍵がかかっておりすぐ家から出ることができないでいるも、水薬で止血して慌てて追いかけてきた女狩人。
女狩人が失敗作と呼ぶ、頭が動物で身体が人間のキメラたちがいつの間にか家の前に集まっており、出てきた女狩人を取り囲んで報復するという。
また、ヘンゼルとグレーテルもどきの童話も魔女が焼かれて死ぬのは原作通りではあるが酷く、その後、弟は母が恋しい余り姉と一緒に暮らすのが嫌になって出ていくも、母のような包容感のある女性に招かれて家に入るも、二度とその弟の姿を見たものはいない〜と〆るなど。
本当は怖いグリム童話のような、そんな話がチラホラあった。

話の出だしの取っ掛りが、実の母親が死んで再婚相手が先生で、どれだけ優しく接してこようとも僕の母親には決してなれないんだ!(むしろ優しくされるほどイラつく。パパは本当のママのことを忘れてしまったのか?あんなに仲が良かったのにそんな女とベタベタしやがって…)という複雑な子供心の話でありながら、そこまで展開はないので、話が長く感じた。

時どき、人を失う恐怖に囚われてしまうあまり、彼らが生きている現実を心から享受できていないのではないかと自分を疑うんだ。p276


最後まで読んでみて、これは大人向けではなく子供向けだなと感じた。道中のグロさはあるが、少年の精神的成長は子供にこそ読んで欲しいと思った。が、子供にそのことがどのくらい汲み取れるかどうか。そう考えると大人向けなのか?
ねじくれ男は完全なる悪役だった。
人に近い狼は王様の想像の産物だった。

木こりが実は生きていたのは凄く嬉しかったし、デイヴィッドもこの世を全うしてまた再会するというのもとても良い世界観だと思ったが、躊躇なく剣で人を殺すようになったデイヴィッドの姿であったり、読後感がなんともどろっとした濃厚な大人の童話を読んだような感じだった。

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2024年09月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

がちむず
がち読みにくい
アリス殺しの序盤みたいな感じ
終盤ギリギリまで読みにくすぎて全然身が入らなかったけど最後は大満足。なにこれ〜
デイヴィッド良かったね勇敢だったね

ループ=人狼
ループたち=人狼の群れ
リロイ=人狼の長
狼=ただの狼

ブルード=ハルピュイアの群れ
ハルピュイア=人面の翼獣 神話
トロル=ずんぐりとした象みたいな肌の顔は醜い猿


シンデレラAバージョン、めっちゃ面白い

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2024年08月10日

Posted by ブクログ

ネタバレ

宮崎駿監督の「君たちはどう生きるか」から。

読んでみると分かるが、かなりインスパイアされているなという印象。大まかな枠組み殆ど一緒じゃないかな。
中には、これ「もののけ姫」では…と思うシーンもあった。
児童書好きの私は、とても大好きな本になった。物語は読まれたがっている、という言葉に胸をぎゅっと一掴みにされた。物語の持つ無限の広がり、それは子供の頃から地続きで、今も広がり続けているのだ。今夜はデイヴィットと行った王国や、失われたものたちの本のことを考えながら眠りにつこう。

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2024年07月25日

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有名なおとぎ話のパロディを連ねながら少年の成長物語になっている。読んでいて物語の世界に入り込んでしまう

戦争が背景になっているところ、片親が亡くなって再婚するところ、暗くて残酷な雰囲気と不安感、主人公の夢とも現ともつかない世界で話が展開するところ、「パンズ・ラビリンス」によく似ている。ほぼ同時期の作品である

みじかい解説を読んで「あー、ここはこう読むのか」となった

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2024年07月06日

Posted by ブクログ

ネタバレ

誰しもがそれぞれに持つ内面の物語についての物語。
母親を亡くしたデイヴィッドは、新しい家族の中に自分の居場所を見失い家族関係がぎくしゃくしていたところをねじくれ男に付け込まれて物語の世界に誘い込まれるが、そこで大きく成長して戻ってきて、親子関係を見つめなおす。

ジブリの映画「君たちはどう生きるか」の元ネタになったと言われている本。公式にそう言われているのかは知らない。
映画を先に観てから読んだが、なるほど対応関係は分かる。
しかし原作と言えるほど、この物語を忠実に映画化しているわけではない。映画版はかなり翻案されており、設定や枠組みを拝借したという程度に見える。

吉野源三郎の「君たちはどう生きるか」は戦前の本だし、映画の舞台もこの本の舞台も第二次世界大戦中ということで、それなりに古い本なのかと思いきや以外にも2000年代の作品。読んでみれば新しさは感じられると思う。

やたらと長かったが、逆にこの長さが読み応えに直結していてよいのかもしれない。

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2024年06月15日

Posted by ブクログ

小さい頃に読んだおとぎ話の世界は久しぶりだったので、わくわくした!
残虐なシーンが結構あると聞いていたけれど、かなり非現実的なのでそこまで気にならなかったな~

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2025年10月20日

Posted by ブクログ

事前情報なく読む。

これは宮崎駿さんの「君たちはどう生きるか」のモチーフになった本?。映画は説教臭いタイトルで、面白くなさそう(失礼すぎ)だったので見てないのですが、この本を読んだ今は俄然気になってます。

序盤は大好きな母を失った後の新しい家族の形に馴染めない男の子のモヤモヤ。この坊やがある事をきっかけに異世界へ。そこからは一気にファンタジーの世界へ。異世界に入ってからは、誰もが知ってるグリム童話が私たちが知ってる内容とはかなり解離したどす黒い形で表現され、いい意味での大きな違和感あり。ハイブリッド生物がでてくるのは最近の物語だなぁと思ったり(でも基本は馬、剣、城などのファンタジー)。グロシーンもあったりしてどの世代に読ませたいのだろうと思ったり。

少年の冒険、成長譚なんだけど、脇を固める大人達が彼の成長を近く遠くでしっかりフォローしていてハラハラドキドキ、ラストは疾走感マックスで最後まで楽しめます!映画見たい。

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2025年08月13日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ダークファンタジーというくくりの物語を初めて読んだ。
中々グロかったけど、子供の恐怖心による想像で形作られた世界線、という設定は良かった。
登場するおとぎ話も皮肉な結末で、好きだった。
人から大事にされているのに、新しい存在が入ってきた時に疎外感を感じて、愛されたい、愛されているという実感が欲しい、という願望は誰にでもあって、子供たちのその願望をエネルギーに変換して自らの生に活かしているねじくれ男はきゅぅべえ的立ち位置で良かった。

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2025年05月29日

Posted by ブクログ

君たちはどう生きるかの素となった本であるということで読んでみた。結構似たような物語だった。デイヴィットは結局自分の世界で生きることを選んだ。目先の欲望に負けずに、今に立ち向かった。現実世界は苦しいことだってたくさんある。でも、それから逃げてしまうより大きな後悔を生んでしまう。だからこそ、いっときの感情に流されず、一度立ち止まって考えるということが大事だと思った。

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2025年01月23日

Posted by ブクログ

失われたものたちの本
少年が物語の世界へ入り込む系の話に弱く、手に取る。

病気で母親を亡くした少年、父には新しい女性と再婚、子供までできて少年は自分の居場所を失ってしまう。
そんな時、彼方から声が聞こえてきて物語の世界に飛び込む。

童話風の語りで進むためロングバージョンの話を聴いている感じで進む
荒れ果てた物語の王国では、合間に読んだ探偵モノの殺人よりも数倍惨いことが起きていて、よくある昔話の原型はグロさが強いという話を思い出す。
終盤はこれまた昔話風の"それから"の話が怒涛の勢いで話が終わる。

ちょっと疲れたけど、登場人物たちが少年にとっての何の象徴なのかを追いつつ楽しみながら読めた。(ただ長くは感じた。)

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2024年07月21日

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