海外文学 - 岩波書店作品一覧

  • おてんばヨリーとひげおじさん
    5.0
    今日は新しい特急列車がはじめて走る日.車掌のひげおじさんは大はりきり.ところが発車寸前,元気な女の子ヨリーがかけこんできて,列車の下にもぐりこんだハリネズミを助けます.列車の出発はおくれ,とんでもない事件が発覚します! ハラハラドキドキが止まらない,オランダの国民的作家&画家による最後のコラボ作品.

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  • 楽しみと日々
    5.0
    プルースト(1871-1922)が20代前半に書いた短篇小説・散文・詩をまとめた第1作品集.鋭敏で繊細な感受性,細部にわたる緻密な観察,情熱や嫉妬といった心理の微妙かつ執拗な探究,スノビスムへのこだわりなど,大作『失われた時を求めて』にも見られる特徴の数々が本書にはすでに現れている.プルースト入門にうってつけの1冊.

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  • 二年間の休暇 上
    5.0
    休暇で6週間の航海に出ることになっていた寄宿学校の生徒たち。ところが船が流され、嵐の果てにたどりついたのは無人島だった――。少年たちは、時に反目し合いながらも、自らの知恵と勇気で運命を切り開き、島での生活を築きあげていく。〈十五少年漂流記〉として知られるヴェルヌの傑作冒険小説。完訳版。

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  • 高慢と偏見 上
    5.0
    所はハーフォードシア。ベネット家には五人の娘がいる。その近所に、独身の資産家ビングリーが引越してきた。彼は美しくすなおな長女ジェーンに惹かれ、その友人ダーシーは聡明で溌刺とした次女エリザベスを好ましく思うが……。のどかな「田舎の村の家庭生活の絵」の中に、オースティン一流の精緻な人間観察とユーモアが光る。

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  • ギリシア神話
    5.0
    紀元前十一、二世紀以後ギリシア半島に居住したアーリア民族とその子孫が残した奔放で明るい神話の成立ちを解説し、ゼウスを始めとする神々の系譜とその人間的な性格を紹介する。神と人間の闘争と融和の世界を描く「ヘーラクレース物語」「トロイエー物語」など代表的英雄伝説をも巧みに要約し、複雑多彩な神話や伝説を整理した入門書。

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  • アポロドーロス ギリシア神話
    5.0
    従来紹介されてきたギリシア神話は、のちのヘレニズム時代の感傷主義の影響を受けた甘美な物語が多い。ここにアポロドーロスが伝える神話伝説は純粋に古いギリシアの著述を典拠とした、いわばギリシア神話の原典ともいうべきものである。西欧文化のすみずみにまでしみわたっているギリシア神話の系統的・包括的理解に絶好の書。

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  • バッカイ バッコスに憑かれた女たち
    5.0
    「それ行け バッカイ 行け バッカイ」。木ヅタの冠、皮の衣、からだに蛇を巻きつけて、女たちは家を飛び出し山野を疾走する。「小賢しいことは知恵ではない」――陶酔と理性、自然と人智のはざまで、優しく恐ろしい神ディオニューソスと人間の直接対決がはじまる。ギリシャ三大悲劇詩人エウリーピデースの最後の悲劇。

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  • マクベス
    5.0
    11世紀スコットランドの勇敢な武将マクベスは、魔女の暗示にかかり王ダンカンを殺し、悪夢の世界へ引きずり込まれてゆく。シェイクスピア(1564-1616)は、1600年に36歳で『ハムレット』を書いた後、40歳で『オセロー』、41歳で『リア王』、42歳で『マクベス』と、立て続けに4大悲劇を書いた。作者最盛期の作品である。

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  • ゲーテとの対話 上
    5.0
    1~3巻1,122~1,320円 (税込)
    人生を貪欲に生きぬいたゲーテ。その最晩年の汲めども尽きぬ言葉の数々に満ちた対話の記録。

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  • 白鯨 上
    5.0
    1~3巻1,276~1,364円 (税込)
    巨大な白い鯨〈モービィ・ディック〉をめぐって繰り広げられる、アメリカの作家メルヴィル(1819―1891)の最高傑作。本書は海洋冒険小説の枠組みに納まりきらない、法外なスケールとスタイルを誇る、象徴性に満ちあふれた「知的ごった煮」であり、およそ鯨に関することは何もかも盛り込んだ「鯨の百科全書」でもある。新訳(全3冊)

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  • 空をとぶ小人たち
    5.0
    川をはさんで二つの〈模型の村〉――心やさしいポットさんの村と,見物客めあてのプラター氏の村――がありました.ようやくポットさんの村にたどりついた小人の一家は,楽しく暮らしたのもつかのま,プラター氏に誘拐されてしまいます.「小人の冒険シリーズ」4作目.

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  • 暗闇に戯れて 白さと文学的想像力
    4.7
    現代アメリカ文学を牽引し,その構図を一変させた稀有の作家による,革新的な批評の書.ウィラ・キャザー『サファイラと奴隷娘』,ポー,トウェイン,ヘミングウェイらの作品を通じて,アメリカ文学史の根底に「白人男性を中心とした思考」があることを明るみに出し,構造を鮮やかに分析すると共に,その限界を指摘する.

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  • ミヒャエル・コールハース チリの地震 他一篇
    4.6
    領主の不正により飼い馬と妻を失った馬商人が,正義の回復を求め帝国をも巻き込む戦いを起こす「ミヒャエル・コールハース」など,日常の崩壊とそこで露わになる人間の本性が悲劇的運命へとなだれ込む三作品を収録.カフカをはじめ多くの作家を魅了したクライストの,言葉と世界の多層性を包摂する文体に挑んだ意欲的新訳.

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  • ユートピアだより
    4.6
    目覚めると、そこは22世紀のロンドン――緑したたり、水は澄み、革命ののち人々が選びとった「仕事が喜びで、喜びが仕事になっているくらし」に、驚き戸惑いつつ触れてゆく「わたし」。社会主義者にして美術工芸家モリス(1834―96)のあらゆる実践と批判、理想と希望が紡ぎ出す物語。清新な訳文に、豊富な訳注を付す。(新訳)

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  • サラゴサ手稿(上)
    4.5
    1~3巻1,177~1,276円 (税込)
    ポーランドの大貴族ポトツキ(一七六一—一八一五)が仏語で著した大伽藍のような小説.フェリペ五世治下,シエラ・モレナの山中をさまようワロン人衛兵隊長アルフォンソの六十一日間の手記によって,彼が出会った謎めいた人々とその数奇な運命が語られる.作者没後,原稿が四散し,二十一世紀に全容が復元された幻の長篇,初の全訳.(全三冊)

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  • 亜鉛の少年たち アフガン帰還兵の証言 増補版
    4.5
    「国際友好の義務を果たす」という政府の方針でアフガニスタンへ送り出されたソ連の若者たち.やがて彼らは一人,また一人と,亜鉛の棺に納められ,人知れず家族のもとへ帰ってきた…….作家がみずからの目と耳で体験し書き留めた同時代の戦争の記録.作品発表後に巻き起こった裁判の顚末など大幅に増補した,最新の版に基づく新訳.

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  • 迷子の魂
    4.5
    あるところに,忙しすぎて魂をなくしてしまった男がいた.男は医師の助言にしたがい,迷子になった魂をじっと待つことにする.すると――.ノーベル文学賞作家トカルチュクが,コンセホのノスタルジックな絵とともに贈る,子どもたちと,忙しい大人たちのための,大切な魂のものがたり.2018年ボローニャ・ラガッツィ賞受賞作.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • スケッチ・ブック(上)
    4.5
    1~2巻990~1,122円 (税込)
    「アメリカ文学の父」W.アーヴィング(1783-1859)の最高傑作.短篇小説ありエッセイありの雑記帳.上巻には,アメリカ版浦島太郎「リップ・ヴァン・ウィンクル」のほかに,おもに英国の風俗習慣を素描した,格調高い筆致の18篇を収録.上下巻あわせて日本語への翻訳史上初の全34篇を訳出.挿絵多数.(全2冊)[新訳]

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  • ペドロ・パラモ
    4.4
    ペドロ・パラモという名の,顔も知らぬ父親を探して「おれ」はコマラに辿りつく.しかしそこは,ひそかなささめきに包まれた死者ばかりの町だった…….生者と死者が混交し,現在と過去が交錯する前衛的な手法によって紛れもないメキシコの現実を描き出し,ラテンアメリカ文学ブームの先駆けとなった古典的名作.(解説 杉山 晃)※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ぼくが子どもだったころ
    4.4
    貧しい家に生まれたひとり息子は,両親の愛情をまっすぐに受けとめて育ち,働きづめの母親を懸命に支えた.大好きな体操,個性的な先生たち,つらかったクリスマス,大金持ちになったおじ,母親との徒歩旅行……軽妙かつ率直に語られる数々のエピソードが胸に迫る.ケストナーのエッセンスがつまった傑作自伝,待望の新訳.

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  • セカンドハンドの時代 「赤い国」を生きた人びと
    4.4
    20世紀の壮大な実験,ソ連.それが人びとの心になにを残したのか探るため,作家はソ連崩壊後,自殺者の家族や,強制収容所の経験者,民族紛争を逃れた難民,地下鉄テロの被害者,デモに参加して逮捕拘禁された学生らに聞き取りをおこなう――.街頭や台所で交わされるさまざまな市民の声を集め,21世紀のいま甦りつつある抑圧的な国家の姿をとらえた大著.

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  • トーニオ・クレーガー
    4.3
    「僕は旅に出るよ,リザヴェータ.新鮮な空気が必要なんだ」 芸術への愛と市民的生活との間で葛藤する繊細な青年トーニオ.自己を求めて遷ろい,かつて憧れた二人の幻影を見た彼は,何を悟るのか.トーマス・マン(1875-1955)の自画像にして数多の作家が愛読した名作が,原文のニュアンスに忠実,かつ読みやすい訳で蘇る.

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  • 死せる魂(上)
    完結
    4.3
    全3巻792~858円 (税込)
    詐欺師チチコフは戸籍面では生きていることになっている死んだ農奴を買いあつめて,これを抵当にして銀行から金を引出すため,ロシア各地を遍歴する.作者はこの遍歴のなかで,随所に道徳的破綻者を発見し,それに対して鋭い社会的解剖を加え,腐敗したロシアの全貌と,その生活につつまれた「夢」とを白日の下に暴露して,誤った社会制度と国家組織に痛烈な批判を下す.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 戦争は,
    4.3
    戦争は,何も知らない人たちの柔らかな夢に入りこむ.戦争は,物語を語れたこともない.--気づかぬうちに進行する病気のように日常をずたずたにし,野心や憎しみを糧に貪欲に育つ戦争.自らも独裁政権に抗した,ポルトガルを代表する文学者の詩とその息子による絵で,戦争の残酷な本質を描く.今こそ読まれるべき,衝撃的な絵本.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 戦争語彙集
    4.3
    「わたしの家も,この街も,置いていけばゴミになるの?」 「ゴミ」「星」「林檎」……戦争の体験は人が言葉に抱く意味を変えてしまった.ウクライナを代表する詩人が避難者の証言を聴き取り,77の単語と物語で構成した文芸ドキュメント.ロバート キャンベルが現地を訪ねて思索した手記とともに,自ら翻訳して紹介.

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  • ローラ・ディーンにふりまわされてる
    4.3
    フレディは17歳.人気者だけど軽薄な同性の恋人ローラ・ディーンから別れを告げられたのは,今回で3度目.そのたびに大泣きして騒いで,でもいつも,気づけばヨリを戻してる…….ハードな恋の痛みを切実に描き,自尊心と依存の問題に切りこんだパワフルなグラフィック・ノベル.米国で数多の賞に輝いた傑作,待望の邦訳.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ガラン版 千一夜物語 1
    4.3
    1~6巻3,850円 (税込)
    古代ペルシアの王シャフリヤールは,王妃の不倫現場を目撃して以来,一夜限りの妻を娶っては殺す,という掟をつくる.宰相の娘シェヘラザードは自ら王の花嫁に志願し,夜明け前にそらんじている物語を聞かせる.話の続きを聞きたくなった王は次の晩まで彼女を生かしておくことにし,物語は次の晩,その次の晩と続いていく.

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  • ビアス短篇集
    4.3
    『悪魔の辞典』のビアス(1842-1914)はまた,芥川龍之介が「短編小説を組み立てさせれば彼ほど鋭い技巧家は少ない」と評した短篇小説の名手である.北軍の義勇兵として南北戦争の激戦地を転戦したビアスは,そこで人間の生死をつぶさに眺め,人間をみつめ,社会を知った.短篇集『いのちの半ばに』他から秀作15篇を収録.

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  • 少女ポリアンナ
    4.3
    11歳のポリアンナは,牧師の父を亡くして孤児になり,母の妹である独身のポリーおばさんに引き取られた.天真爛漫なポリアンナは持ち前の明るさで,子ども嫌いの気むずかしいポリーおばさんや,孤独に暮らす金持ちの老人など,周囲の人々を変えていく.

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  • きつねのライネケ
    4.3
    ヨーロッパに古くから伝わる物語.ライオン王ノーベルの治める森では,狼,くま,ねこ,にわとり,うさぎと,あらゆる動物たちが,悪がしこいライネケにひどい目にあわされている.言葉たくみに王をだまし,死刑をのがれたライネケは…….ゲーテが叙事詩の形で再話したものを,児童向けに編訳.

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  • ふしぎなオルガン
    4.3
    ドイツの外科医が戦地から故郷の子どもたちに書き送った,ふしぎで美しいおとぎ話.神のみこころにかなった花よめ花むこが教会に入るとひとりでに鳴りだすオルガンの話,ガラスの心臓を持ったおひめさまの話,コショウ菓子が焼けないおきさきと口琴のひけない王さまの話など,20編.どの物語も忘れがたい印象を残します.(改版)

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  • 流刑
    4.3
    反ファシズム活動の理由で逮捕されたパヴェーゼ(1908-50)が南イタリアの僻村に流刑されたときの体験を色濃く映した自伝的小説.背後に峨々たる山々が聳え立ち,眼前には渺々たるイオニア海が広がる逃げ道なしの自然の牢獄.その中で築かれた村びとたちとの静かで穏やかな交流の日々を背景に,流刑囚の孤独な暗い心の裡を描き出す.

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  • クオーレ
    4.3
    ジェノバの少年マルコが母親を捜して遠くアンデスの麓の町まで旅する「母をたずねて三千里」の原作を収録。どこの国でも、いつの時代でも変わらない親子の愛や家族の絆、あるいは博愛の精神を、心あたたまる筆致で描く、デ・アミーチス(1846-1908)の代表作。世界中の人びとに愛読されつづけてきたイタリア文学の古典的名作の新訳。改版

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  • ペトラルカ 無知について
    4.3
    善良だが無知な人間、と同時代知識人に批判されたペトラルカ。アリストテレスこそが〈神〉、その自然哲学に暗いとは、と謗(そし)る敵陣を、人間主義・反権威主義で迎撃し、古典文献収集と言語研究の必要を説いた著者。雄弁の復権、プラトン再読などの基本構想を具体的包括的に述べたルネサンス人文主義(ユマニスム)最初の宣言書。晩年の主著。

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  • 夏のサンタクロース フィンランドのお話集
    4.2
    フィンランドの「童話の女王」アンニ・スヴァンの作品集.民話的なファンタジーと,現実の風景や暮らしを融合させた童話は,およそ百年前から人びとに親しまれてきました.春をむかえにいくお話,妖精や魔物の登場するお話,ドラマチックな愛のお語など,色とりどりの13編をえりすぐり,美しい挿絵とともに紹介します.

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  • モノクロの街の夜明けに
    4.2
    1989年,ルーマニア.独裁が続くこの街で,高校生のクリスティアンは密告者になった.自由を夢見る17歳は,東欧諸国の民主化を伝える海外ラジオに耳をすませ,任務を逆手にとって,世界に真実を知らせようとする――抑圧された人々の祈りが,ついに国を動かすとき.革命の希望と痛みを描く,渾身の歴史フィクション.

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  • 愛蔵版 絵のない絵本
    4.2
    「この世界の⽣活は,⽉にとっては⼀つのおとぎ話にすぎません」ひとりぼっちの若い絵かきのもとへ,夜ごと友だちの月が訪れて,空から見たことを聞かせます.月のまなざしが照らしだすのは,悲哀に満ちた地上の人びとの風景.旅を愛したアンデルセンの詩情あふれる名作を,絵本作家・松村真依子の柔らかな水彩絵で贈ります.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • 黄金の壺
    4.2
    ドイツ・ロマン派の異才ホフマン(一七七六―一八二二)自らが会心の作と称した一篇.緑がかった黄金色の小蛇ゼルペンティーナと,純情な大学生アンゼルムスとの不思議な恋の物語は,読者を夢幻と現実の織りなす妖艶な詩の世界へと誘いこんでゆく.芸術的完成度も高く,作家の思想と表現力のすべてはこの作品に注ぎこまれている.

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  • アルハンブラ物語 上
    4.2
    1~2巻1,067~1,177円 (税込)
    グラナダの丘に今もその姿を残すアルハンブラ宮殿。アーヴィング(1783―1859)はアメリカ公使館書記官としてスペインに赴き、偶然の幸運からモーロ人の築いた城に滞在した。宮殿の華麗かつ荘厳な姿とそこに暮らした幻想的な日々が、処々に伝わるさまざまな物語を織りまぜて、詩情豊かに綴られる。(全2冊)

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  • モンテ・クリスト伯 1
    4.2
    二百年の長い間、世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳。全7冊のうち第1冊。

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  • おとぎ話はなぜ残酷でハッピーエンドなのか
    4.0
    人間ではない恋人,語るなの掟,開けてはいけない部屋――幸せな人が,幸せを求めて旅に出るでしょうか.むかしむかし,死の恐怖におびえる人々が夢みて語り継いだ物語が,アニメやゲームのモチーフになって現在にも生き続けています.なぜおとぎ話はあり,私たちに何を語るのでしょう.闇と光の物語の,深層に触れてみませんか.

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  • 個性的な人
    4.0
    あるところに個性的な顔をもつ人がいた.その顔はみんなに愛され,画像がネットに溢れた.ところが自撮りを繰り返すうち,顔はやがて輪郭を失ってゆき──.ソーシャルメディア時代にわたしたちは「わたし」とどう向きあえばいいか.前作『迷子の魂』につづき,繊細でメランコリックなイラストとともに描かれる現代のおとぎ話.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ウンラート教授 あるいは一暴君の末路
    4.0
    ハインリヒ・マンの名を世界に知らしめた小説.「ウンラート(汚物)教授」とあだ名される教師は,生徒を追いかけ入った酒場で美しい歌姫の虜となる.転落していく主人公を通して帝国社会を諧謔的に描いた本書は,マレーネ・ディートリヒ出演の映画『嘆きの天使』原作であり,ファシズムを予見した作ともされる.

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  • 無垢の時代
    4.0
    一八七〇年代初頭,ある一月の宵.純真で貞淑なメイとの婚約発表を間近に控えたニューランドは,社交界の人々が集う歌劇場で,幼なじみのエレンに再会する――.二人の女性の間で揺れ惑う青年の姿を通じて,伝統と変化の対立の只中にある〈オールド・ニューヨーク〉の社会を鮮やかに描き出す.ピューリッツァー賞受賞.

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  • 海の沈黙・星への歩み
    4.0
    ナチ占領下のフランス国民は,人間の尊さと自由を守るためにレジスタンス運動を起こした.ヴェルコールはこうした抵抗の中から生まれた作家である.ナチとペタン政府の非人間性をあばいたこの二編は抵抗文学の白眉であり,祖国を強制的につつんだ深い沈黙の中であらがいつづけ,解放に生命を賭けたフランス人民を記念する.

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  • シンデレラはどこへ行ったのか 少女小説と『ジェイン・エア』
    4.0
    『赤毛のアン』『若草物語』『リンバロストの乙女』『あしながおじさん』などの少女小説に描かれる,強く生きる女性主人公の物語はいつ,どのように生まれ,広まっていったのか.英国の古典的名作『ジェイン・エア』が与えた衝撃と,そこから始まる脱シンデレラ物語の作品群を読み解き,現代における物語の意味を問う.

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  • 新訳 紅楼夢 第1冊
    4.0
    1~7巻3,520~4,840円 (税込)
    天上の夢幻境から下界へ降り,輝く美玉を口にふくんだ姿で,栄華を極める大家の御曹司に生まれ変わった賈宝玉(かほうぎょく)と,彼を追ってきた林黛玉をはじめとする,いずれ劣らぬ美少女たち.前世の因縁による運命の翳りをかすかに予感させつつ,賈家のおばあさまの絶対的な庇護の元に彼らは出逢い,壮麗なドラマがここに幕を開ける.

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  • 終戦日記一九四五
    4.0
    大人は子どもよりも愚かではないか? 『エーミールと探偵たち』などで知られる児童文学作家ケストナー(1899-1974)が第三帝国末期から終戦直後にかけて右往左往する大人たちの姿を活写する.皮肉とユーモアたっぷりの日記から見えてくるのは,いまなお繰り返される戦争の愚劣さにほかならない.「1945年を銘記せよ」.

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  • 小説の技法
    4.0
    セルバンテス,カフカ,プルーストなど,誰もが知っている名著名作の作者たちとその作品に言及しながら,「小説とは何か」「小説はどうあるべきか」を論じるクンデラ独自の小説論.2011年刊行の改訂版を底本とした新訳決定版.存命の,世界で最も著名な作家の一人,クンデラ(1929- )による知的刺激に満ちた文学入門.

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  • パロマー
    4.0
    中年男性,職業不詳,妻と娘1人,パリとローマにアパートを所有.それがパロマー氏だ.彼は世界にじっと目を凝らす.観察に徹しようとする彼は,しかし….視覚的・文化的・思索的経験という3種の主題領域がそれぞれ記述的・物語風・瞑想的に書きあらわされ,三層に三重に積み重なって27の短篇が響き合う,不連続な連作小説.

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  • キリストはエボリで止まった
    4.0
    反ファシズム活動の罪で政治囚として一僻村に流刑に処された作者=主人公カルロ・レーヴィ(1902―75)が目のあたりにした,南イタリアの苛烈な現実.現代文明から隔絶した,キリスト以前から変わることのない,呪術や神話が息づく寒村での生活を透徹した視線で描きだす,戦後のイタリア文学を代表する傑作.

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  • 荒涼館 一
    4.0
    「おまえはおかあさんの恥でした」──両親の名も顔も知らず厳しい代母に育てられたエスターと,あまたの人を破滅させてなお継続する「ジャーンダイス訴訟」.この二つをつなぐ輪は何か? ミステリと社会小説を融合し,呪われた裁判に巻き込まれる人々を軸に,貴族から孤児まで,19世紀英国の全体を書ききったディケンズの代表作.(全四冊)

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  • 風の妖精たち
    4.0
    天性のお話じょうずといわれたモーガンが,自分の家に集まってくる子どもたちを夢中にさせたフェアリー・テイルズ.風の妖精たちに踊りの秘術を習った粉ひきの娘,声をぬすまれた少年のために旅に出る少女の話,土の精と知恵くらべをする農夫の話など7編.豊かな想像力と人生への深い愛情で,読者を空想の世界へと誘います.〈改版〉

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  • りこうすぎた王子
    4.0
    洗礼式のお祝い会で,妖精に「おまえはりこうすぎる王子になるがいい!」といわれたプリジオ王子.りこうすぎるせいで,きらわれ者になってしまいました.ところがロザリンドひめと出会ったそのときから王子は一変,火をふく竜の退治にいどみます.迫力たっぷりの挿絵はロバート・ローソン.すみずみまでゆかいな物語です.

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  • 完全版 チェルノブイリの祈り 未来の物語
    4.0
    一九八六年四月二六日,その事故は起こった.人間の想像力をこえる巨大な惨事に遭遇した人びとが語る個人的な体験,その切なる声と願いを,作家は被災地での丹念な取材により書きとめる.消防士の夫を看取る妻,事故処理にあたる兵士,汚染地に留まりつづける老婆――.旧版より約一・八倍の増補改訂が施された完全版.解説=梨木香歩

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  • ラテンアメリカ民話集
    4.0
    1巻1,012円 (税込)
    ラテンアメリカに広く分布し代表的なもの,日本の昔話に関係がありそうなものを中心に三七話を精選.それぞれの民話が世界の他地域でどのように変奏されているかなどについて,簡略適確な解説を付す.内容により,動物譚,本格民話,笑話,形式譚に分類.スペイン語文化圏であるアメリカ南西部旧メキシコ領で採話された民話も含めた.

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  • ソポクレス オイディプス王
    4.0
    オイディプスが先王殺害犯人の探索を烈しい呪いの言葉とともに命ずる発端から恐るべき真相発見の破局へとすべてを集中させてゆく緊密な劇的構成。発端の自信に満ちた誇り高い王オイディプスと運命の逆転に打ちひしがれた弱い人間オイディプスとの鮮やかな対比。数多いギリシア悲劇のなかでも、古来傑作の誉れ高い作品である。

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  • 艶笑滑稽譚 第一輯
    4.0
    1~3巻1,034~1,122円 (税込)
    「未来に於ける私の最高の栄誉」となる作品とバルザックが自負した『艶笑滑稽譚』。社会・風俗への諷刺をこめた、エロティックで大らかな笑いの世界は、文豪の隠れた名作として愛されてきた。ヨーロッパ伝統の滑稽話の形式とラブレー等の語彙を借りた原文の古めかしい味わいを、流麗な日本語に移し替える。図版多数。(全3冊)

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  • カフカ寓話集
    4.0
    迷路のような巣穴を掘りつづけ、なお不安に苛まれる大モグラ。学会へやってきて、自分の来し方を報告する猿…。死の直前の作「歌姫ヨゼフィーネ」まで、カフカ(1883-1924)は憑かれたように奇妙な動物たちの話を書き続けた。多かれ少なかれ、作者にとっての分身の役割を担っていたに違いない、哀しく愛しい彼ら。

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  • 目で見ることばで話をさせて
    3.9
    わたしは物語を作るのが好き.11歳の少女メアリーは,島のだれとでも手話で話し,いきいきと暮らしています.一方馬車の事故で死んだ兄さんのことが頭を離れません.ある日傲慢な科学者に誘拐され,ことばと自由を奪われて…….手話やろう文化への扉を開く,マーサズ・ヴィンヤード島を舞台にした歴史フィクション.

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  • 月と篝火
    3.9
    イタリアの寒村に生まれ育った私生児の〈ぼく〉は,下男から身を起こし,アメリカを彷徨ったすえ,故郷の丘へ帰ってきた――.戦争の惨禍,ファシズムとレジスタンス,死んでいった人々,生き残った貧しい者たち……そこに繰り広げられる惨劇や痛ましい現実を描きながらも美しい,パヴェーゼ(1908-50)最後の長篇小説にして最高傑作.

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  • 磔のロシア スターリンと芸術家たち
    NEW
    3.8
    ゴーリキー,ショスタコーヴィチ,マンデリシターム,エイゼンシテインら,スターリンによる大粛清の時代をかい潜った六人の作家や芸術家たちは,「独裁」といかに闘い,生き残り,死んだのか.かれらの秘められた事情とは何か.1990年代以降に公開された文献をもとにその真相に迫る,著者入魂の大佛次郎賞受賞作.

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  • 祭の夜
    3.8
    裏切りと復讐,自殺と自由,不条理な争い,暴力,弾圧,階級の差異――.均斉のとれた構造のうちに複雑な内容が秘められた,パヴェーゼ文学の原質をなす《詩・物語》全十篇.当時エイナウディ社で働いていたカルヴィーノが遺稿から編み上げた生前未発表の短篇集で,いずれの作品も詩的想像力に満ち溢れ,完成度がきわめて高い.

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  • シュトッフェルの飛行船
    3.8
    10歳の少年シュトッフェルは,湖のほとりのちいさな村で,ボートこぎをして両親を助けています.まずしい暮らしをなげく両親の会話を聞いて,シュトッフェルはとんでもない計画を思いつきました.飛行船にもぐりこめば,アメリカで成功したおじさんに,助けを求めに行くことができる!──シュトッフェルの冒険が始まります.トーマス・マンの娘による1930年代の作品.【解説・天沼春樹】

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  • 庭師の娘
    3.8
    メスメル博士のお屋敷に,庭師の父親と住むマリーは,修道院で勉強中です.だけど,マリーが考えているのは植物のことばかり.本当は父親のように庭の仕事をやりたいのです…….18世紀末のオーストリアで,時代や社会の制約にもめげず,自分の道をひらいていく少女を描く歴史フィクション.

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  • シェイクスピア物語 上
    3.8
    メアリー(1764-1847)とチャールズ(1775-1834)のラム姉弟が,シェイクスピアの戯曲38篇のなかから4大悲劇をはじめ20篇を選んで,それぞれ物語に改作したもの.多くの言語に翻訳され,ロングセラーとして200年以上にわたって世界中の少年少女や大人たちに愛読されてきた.(全2冊)

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  • 魯迅 東アジアを生きる文学
    3.8
    多くの教科書にその作品が採用されている魯迅は、日本で最も親しまれてきた外国の作家の一人である。東アジアの都市遍歴という視点でその生涯をたどった評伝。ハリウッド映画を楽しむ近代的都市生活者として魯迅を描きだしながら、その作品が東アジア共通のモダンクラシックとして受容されてきたことを明らかにする。

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  • カルヴィーノ アメリカ講義 新たな千年紀のための六つのメモ
    3.8
    これからの文学に必要なもの――それは「軽さ」「速さ」「正確さ」「視覚性」「多様性」……である。神話や古今の名著名作、さらには科学者や宗教家の文献までをも考察の対象に収めながら、自らが作家として目指してきたところを示し、紀元3000年にいたるまでの長大な未来を視野に入れて疲弊した現代文学を甦らせる処方を語るカルヴィーノの遺著。

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  • バウドリーノ 上
    3.7
    時は中世,十字軍の時代――.神聖ローマ皇帝フリードリヒの養子となった農民の子バウドリーノが語る数奇な生涯.驚異に満ちた東方世界で出会う一本足の俊足スキアポデス,一角獣を連れた美女,胸に顔があるブレミエス族,大耳を広げて滑空するパノッティ族など,史実と伝説とファンタジーを織りまぜて紡ぎだす破天荒な冒険ロマン.(全二冊)

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  • 少年キム 上
    3.7
    舞台は十九世紀、英領インド。イギリス人の孤児キムは、チベットからきたラマと〈矢の川〉を探す旅に出る。やがて才能を見出されて、優秀なスパイとして育てられたキムは、大国の覇権争いのただなかに身を投じるが……。天才キプリングが少年の数奇な運命を描き、インドの豊かな風景と多彩な人びとを活写した、大河冒険小説。(黒田硫黄・画)

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  • トリストラム・シャンディ 上
    3.7
    プルーストやジョイス等の“意識の流れ派”の源流とも先駆的作品ともいわれる本書だが、内容・形式ともに奇抜そのもので、話しは劈頭から脱線また脱線、独特の告白体を駆使して目まぐるしく移り変る連想の流れは、いつか一種不思議なユーモアの世界をつくり出し、我々はただ流れに身を任せ漂うばかりである。一七六〇―七年。

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  • 破砕
    3.6
    「この車に乗ったら最後,お前の身体は,一から十まで作り変えられる」.師に見出され殺しの道を歩みはじめた彼女は,死と隣り合わせの最終訓練に臨む.人を破壊する術を身につけることは,人として,女としての「普通」の一生を粉々にすること──.伝説の殺し屋誕生を濃密に描き出す,戦慄と陶酔ほとばしる『破果』外伝.

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  • シェイクスピアの記憶
    3.5
    分身,夢,不死,記憶などのテーマが,先行諸作品とは異なるかたちで変奏される,端正で緊密な文体によるボルヘス最後の短篇集.本邦初訳の表題作のほか,「一九八三年八月二十五日」「青い虎」「パラケルススの薔薇」を収録.二十世紀文学の巨匠が後世にのこしてくれた,躊躇なく《ボルヘスの遺言》とよぶべき四つの珠玉.

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  • なぜ孫悟空のあたまには輪っかがあるのか?
    3.5
    花果山のてっぺんの石から生まれたサルの孫悟空.彼のあたま,そして彼の武器である如意金箍棒には,なぜ「輪っか」がはまっているのか? 唐代の,玄奘三蔵のインドへの旅から約九百年.中国の人びとの想像力が育て,明の時代に完成した小説『西遊記』.その深く魅力的な世界を,若い人たちに向けて分かりやすく解説します.

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  • アリブランディを探して
    3.5
    ジョセフィン・アリブランディは,恋に,大学受験に大忙しの,オーストラリアの女子高生.お母さんは未婚でジョセフィンを産んでおり,おまけにアリブランディ家はイタリア系移民.ジョセフィンは,他人から貼られるレッテル全てから解放されたいと,切に願っています.そこへ,一度も会ったことのなかった父親が現れ…….

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  • 牛乳屋テヴィエ
    3.5
    ユダヤの伝統と信仰を墨守してつましく暮らす牛乳屋のテヴィエ。だが彼の娘たちは旧弊な考え方の父に逆らい、異教徒や革命家の青年などと結婚し、次々と親元を離れてゆく。ユダヤ人集落(シュテートル)のしきたりを破って伝統の枠から飛び出してゆく娘たちの姿に民族離散(ディアスポラ)の主題を重ねた、イディッシュ文学の金字塔。『屋根の上のバイオリン弾き』の原作。

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  • ケストナーの戦争日記 1941-1945
    3.3
    「決めたぞ.戦時下の日常で起きた重要なことを,きょうからひとつひとつ書き残すことにする.」(一九四一年一月十六日)――戦時下に密かにつづられた日記.第三帝国の下劣さ,馬鹿らしさを批判し,空襲や迫害など戦争の中の日常を鋭い観察眼で描いたこの記録から,今わたしたちは何を読み取ることができるだろうか.

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  • 独裁者の学校
    3.3
    「ところで俺は,替え玉何号なんでしょうか?」 暗殺された大統領の替え玉を養成する「独裁者の学校」.大臣たちは彼らを使い回して権力の座に居座ろうとするが,思わぬ政変が起きる.果たしてその行方は….ナチ時代を生き抜いたケストナーが痛烈な皮肉で独裁体制のメカニズムを暴く.反骨の作家,渾身の戯曲.

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  • 回想のブライズヘッド 上
    3.3
    第2次大戦中,物語の語り手ライダーはブライズヘッドという広大な邸宅の敷地に駐屯する.「ここは前に来たことがある」.この侯爵邸の次男でライダーの大学時代の友セバスチアンをめぐる,華麗で,しかし精神的苦悩に満ちた青春の回想のドラマが始まる.20世紀イギリスの作家ウォー(1903-66)の代表作.(全2冊)

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  • ポリアンナの青春
    3.3
    『少女ポリアンナ』から6年後.成長したポリアンナは,ポリーおばさんといっしに滞在先のドイツから帰国した.幼友だちのジミーは見違えるような青年になっており,恋が芽生える.みずみずしい青春編.

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  • 13枚のピンぼけ写真
    3.2
    第一次世界大戦時の北イタリア.父と兄たちが戦場へいったあと,13歳のイオランダと妹は,母親とも離ればなれになってしまう.戦争が激しくなるなか,家族の秘密を知った姉妹は,祖母を探す危険な旅を決意する…….もつれた家族の糸をほぐし,生きる力をつかみとっていく少女の感動の物語.ストレーガ賞児童書部門受賞作.

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  • 紋切型辞典
    3.2
    ここに編まれたおよそ1000の項目は、衣服、飲食物や動植物に関するもの、礼儀作法の規範、身体と病気についての俗説、芸術家、歴史的人物の逸話と彼らの評価など、多岐にわたる。フローベール(1821-80)はその記述に様々な手法を駆使して、当時流布していた偏見や言葉の惰性、硬直した紋切型の表現を揶揄し、諷刺してみせた。

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  • 冬物語
    3.0
    「カミロ,お前は見なかったのか?――おれの妻は浮気女だと」.王妃の密通という〈物語〉にふと心とらわれたシチリア王は,猛烈な嫉妬を抱き…….人は心の〈冬〉をいかに生き延びるのか.円熟した筆が物語を自在に操り,悲喜劇交錯するドラマを描く,シェイクスピア晩年の傑作. 清新な翻訳が原文の豊かなリズムを伝える.

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  • 15の夏を抱きしめて
    3.0
    15歳で死んだトーマス.元恋人のオルフェー,母親,衰弱した祖父には,まだ彼の姿が見える.一方,トーマスも,思い出にしばられるオルフェーや,崩壊しそうな家族のようすを,静かに見守っている.人は大切な人を失ったとき,どのように立ち直ってゆくのか,「生」の喜びとは何かを描く.

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  • スペイン文学案内
    3.0
    1巻1,122円 (税込)
    日本ではあまり知られてこなかったスペイン文学の豊饒な世界を案内するハンディーな文庫版文学史.全体を二部構成とし,I「スペイン文学の動向」では文学史の流れを簡潔に概説し,II「主要な作家と作品」では,セルバンテス,ケベード,カルデロン,ガルシア・ロルカその他にスポットを当て,それぞれの特色と魅力をわかりやすく伝える.※この電子書籍は「固定レイアウト型」で作成されており,タブレットなど大きなディスプレイを備えた端末で読むことに適しています.また,文字だけを拡大すること,文字列のハイライト,検索,辞書の参照,引用などの機能は使用できません.

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  • ブレイスブリッジ邸
    3.0
    『スケッチ・ブック』『アルハンブラ物語』とならぶ,W.アーヴィング(1783-1859)の傑作.ブレイスブリッジ邸での婚儀に招かれた語り手が,邸に集う人びとの様々な姿や悲喜こもごもの出来事を丹念に見聞きして語る.英国の牧歌的な風景と伝統的な風俗風習を背景に展開する秀逸な作品.本邦初訳.(イラスト=R.コールデコット)

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  • サラムボー 上
    3.0
    前三世紀のカルタゴの傭兵反乱に想を得た,フローベールの一大歴史絵巻.大国カルタゴの統領の娘にして女神に仕える神官サラムボー.傭兵たちの信望厚い隊長マトーは,彼女への許されぬ情念を胸に,反乱軍の指導者となる.「触れてはならぬ! 女神のヴェールです!」――東方の沙漠に花開く,荒々しく残忍な古代の夢.(全二冊)

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  • から騒ぎ
    3.0
    「確かに私はあらゆる女性に愛される,あなたは別だが」──アラゴンの貴族クローディオーとメシーナの知事の娘ヒーローは,互いに好意を寄せる仲.ベアトリスとベネディックは,会えば必ず激しい舌戦.シェイクスピア喜劇,屈指の機知溢れるやりとりで,二つの対照的な恋を描く.その台詞の躍動感をいきいきと正確に伝える新訳.

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  • 娘たちの空返事 他一篇
    3.0
    スペイン新古典主義演劇を代表する劇作家モラティン(1760―1828)の代表作二篇.「娘たちの空返事」は,親の言いつけに従順にしたがい老人との結婚を承諾するも,愛する若者との未来を捨てきれない娘の葛藤を描く.『娘たちの「はい」』の新訳.併収する「新作喜劇」は,当時の腐敗した演劇界を皮肉るモラティンによる一種の演劇論.

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  • イワンとふしぎなこうま
    3.0
    三人兄弟のすえっ子でおきらくなイワンは、ふしぎな小馬を手に入れて、王さまのうまや係をつとめることに。欲深な王さまから無理難題をふっかけられますが、小馬の助けをかりて切り抜け、火の鳥をつかまえたり、天空の館へ旅立ったりと冒険を重ねます。ロシアの詩人エルショーフが民話をもとに詩の形式で書いた物語。新訳。

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  • 闇の奥
    -
    アフリカの奥地に象牙採集をする人々の上に起こった事件を作者自身の体験にもとづいて書いた作品。『颱風』『青春』と共にコンラッドの中短篇の代表作であるが、作品の芸術的根強さにおいて他の二つを凌ぐ。ここには作者の原始に対する驚異と文明に対する呪詛とが熱病のような激しさであらわされている。

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  • ペンテジレーア
    NEW
    -
    彼女が斃れたのは,あまりに力強く咲き誇ったから! ――掟により,戦で負かした男としか結ばれぬアマツォーネの女王ペンテジレーア.戦場で英雄アキレスと相まみえ,愛と誇りが激しく衝突する.受け身でない愛を貫こうとする彼女だが,二人の思いはすれ違い,破滅へと向かってゆく.鬼才クライストが描く壮絶な悲劇.新訳.

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  • 台北人
    -
    上海のダンスホールの華だった女性と,それに翻弄される男たちを描く「永遠の尹雪艶」,老軍人がかつての日々を回想する「国葬」など,国共内戦と国民政府の亡命という歴史を背景に,戦後の台湾で故郷喪失者として生きる人びとの姿を活写し,失われた世界への哀惜や喪失の痛み,新天地で生きる苦悩を鮮烈につづった傑作短篇集.

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  • ミーチャの恋・日射病 他十篇
    -
    「文字通り貫かれたのだ.この恐るべき日射病に,甚だしい愛に,甚だしい幸福に!」――亡命ロシア人作家イワン・ブーニン(1870-1953)は人間を捕らえる愛の諸相を精緻な文体で描いた.見知らぬ女性との一夜の記憶が鮮やかさを増す「日射病」,初恋の歓喜が嫉妬の情に蝕まれていく「ミーチャの恋」など,珠玉の中短篇集.

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  • 物語の作り方 ガルシア=マルケスのシナリオ教室
    -
    おもしろい物語はどのようにして作るのか? いったい何がきっかけで物語は成長し,新たに生まれ変わるのか? ガルシア=マルケスとプロのシナリオライターの仲間たちがキューバに集結.視聴者に訴えかけるストーリーづくりの秘法を語り合う.稀代のストーリーテラー,ガルシア=マルケスによる,実践的〈物語の作り方〉道場!

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  • フリードリヒ・シュレーゲル 断章集
    -
    1巻1,155円 (税込)
    「ロマンティックな文学のみがひとり無限であり,ひとり自由であり,そして詩人の恣意はいかなる法則の重圧も被らない」 Fr.シュレーゲル(1772-1829)が「イロニー」「反省」などを用いて既存の価値観を打破し,「共同哲学」の樹立を試みた断章群は,ロマン派のマニフェストとして,近代の批評的精神の幕開けを告げる.

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  • あの子を自由にするために
    -
    マーサズ・ヴィンヤード島に暮らす14歳のメアリーは,ボストンの屋敷に囚われたろうの少女を助け,手話を教えてほしいと,依頼を受ける.希望を胸に旅立ったメアリーだが,屋敷は大いなる秘密を抱えていた.少女は誰なのか,救いだすことはできるのか.ろうの作家による話題の歴史フィクション『目で見ることばで話をさせて』続編.

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  • 『失われた時を求めて』の謎 隠された構造を探る
    -
    1巻7,480円 (税込)
    『失われた時を求めて』は幾重もの謎に包まれている.──長篇はいかに誕生したのか? 対比されているのはスワン家とゲルマント家なのか? ヒロイン・アルベルチーヌはなぜ捉えどころがないのか? 「私」という一人称の仕掛けとは?──小説と批評を総合した希有なる作品の隠された構造を,草稿研究の先駆者が精緻に読み解く.

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  • 「人間喜劇」総序・金色の眼の娘
    -
    フランス社会の書記として,社会の全体を写し取る――長短九十の小説から成る「人間喜劇」の壮大な構想を,作家みずから述べた「総序」は,近代文学の重要なマニフェスト.その詩的応用編として,『金色の眼の娘』を併収.植民地生まれの美少女と非情な伊達男の恋は,黄金と快楽,人種と性の交差の中でどこへ向かうのか?

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  • シーリと氷の海の海賊たち
    -
    10歳のシーリは,海賊船にさらわれた妹ミーキを取り戻すための旅に出る.海賊たちとその親玉シロガシラを追って氷海をめぐるなか,シーリは自然の厳しさだけではなく,過酷な状況でくらす人びとがほかの生き物をこき使ったり,弱者を押しのけたりするような,世界の問題にも立ち向かっていく.骨太なファンタジー.

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