山内義雄の作品一覧
「山内義雄」の「あら皮」「狭き門」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山内義雄」の「あら皮」「狭き門」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
東京外国語学校を卒。『チボー家の人々 第1部 灰色のノート』(ロジェ・マルタン・デュ・ガール)、『狭き門』(アンドレ・ジッド)などの翻訳を手がける。フランス文学者。1973年で死去。
小説・文芸
Posted by ブクログ
海外文学に触れた経験といえば、ガキの頃のモモとハリーポッターくらいというズブの素人なもので、正直なところ読み始めてしばらくは独特な表現に慣れず、「もっと簡潔に話せよ!町田康か!」とか「こいつら顔赤くなったり青くなったりしすぎで病気だろ!」とか、違和感と共に読んでいた。
しかし、主人公が監獄にブチ込まれるくらいからはコッテリ文章にどんどんのめり込んでいき、獄中でスーパーご都合主義チートジジイに出会うことを事前に知っていながらも、緊迫した展開と迫真の心理描写でドキドキすることになった。
そこからは熱が冷めることなく、残り2000ページくらいを駆け抜けた(まあ正直言うと、ローマにいた間だけは「この下り長くねえか?今なにやってる時間なのこれ!?」と思ったが…)。
感想としては、単純にエンタメとして面白いし、「ヒュ~!やってやったぜ!ざまーみろ!」という復讐劇の楽しみも格別だったが、なんというか、いやー人間だなー!人間味だなー!!という感じだった(は?)。
復讐対象のどうしようもない連中だけでなく、その周辺の人物も含め、迷い、後悔、欺瞞、自己保身、激情、嫉妬といった、ネガティブな人間味が濃厚に描かれる。そうすると読んでいくにつれ復讐対象のやつらにも魅力を感じてきたりする。「みんなそういう嫌な側面ってあるよな、人間って誰しも弱いよな…」みたいな。そもそもそいつらにしても、純粋な悪意と明確な意志でもって主人公を投獄に追いやったかというと、そうでもないわけで。そして、そんなネガティブな情動が渦巻く中だからこそ、一筋の高潔さをもった何人かの人物が一層輝く。
言うまでもなく、主人公は大変魅力的。復讐鬼に変貌した後の、神の代行者かのような超然とした言動は格好いいし、そんな中でも「あれ、これでいいんだっけ…?」とか「やべっ、やりすぎた!」とか迷ったり焦ったりと人間味も出してきて、でもしっかり無双して爽快感を提供してくれるダークヒーロー優等生だ。
主人公以外では、ノワルティエが個人的に好きになった。初登場時は「なんか厄介そうなおっさんがチラッと出てきたな」くらいにしか思わなかったが、終盤には「うおー!ジジイいいぞ!ジジイがんばれ!!」とファンになっていた。
とまあ、めちゃ長いが、情熱的で修辞的な表現に慣れてくればスルスル読み進められて、夢中になっているうちに読み終わると思う。