数年前に1巻だけ読んで放置してたのを再読。
びっくりするほど面白くて一気に全巻読んだ。「待て、しかして希望せよ」を見たくて…(なんでこの時期にまた読み始めたのかは察してください)
好きなキャラクターは主人公とユージェニー嬢だな。当時の価値観ではユージェニーのような思考の女性は変人扱いされたんじゃない
...続きを読むかなぁと思うけど、それでも自由を選んだのはすごい。
メルセデスはあの時代であの選択をしたのは仕方ないよなと思う一方で、嫌な女だなぁと思わせる何かを感じた。正直ダンテスが最後にメルセデスを選ばなくて良かった…
1巻の辛い展開を乗り越えてからが最高に楽しかった。嫌な奴は徹底的に嫌な奴として描かれていて最高。そこに見える嫌な奴らしい矜持の高さ(ヴィルフォールとか)は結構好き。
恐らく人生で一番楽しいはずの青年時代を奪われ、恋人も奪われ、それでも救われた(と自分は思ってる)のは復讐譚としてはとても良い終わり方だったと思う。復讐なんて虚しいだけだ!みたいなクソみたいな綺麗事を言うキャラクターがいなくて良かった。
キリスト教への信仰が色濃く描かれていて、今の時代の日本人の自分には理解しにくいところもあったけど、それだけ絶大なものであったことはよくわかる。復讐を終えて自分も命を終える、みたいなキリスト教に反するようなことをしなくてほっとした。
あと、主人公の何が好きって、エデのような美しい美女(美少女)を側に置いておきながら男としてそっちの方に流されないところ。恋人ではなく娘のように思っているところが健全で素敵すぎるんだよな…文章からでもエデの可愛らしさがこんなに滲み出てるのにその鋼の精神なんなの?
復讐の神のような振る舞いをしても微かに残るエドモン・ダンテスとしての名残があるのが苦しく感じるけど、そこがたまらなく好きだ。
てっきり3人に対する復讐は最終的に全員殺すのかと思っていた。社会的に殺すというのは相手に大ダメージを与えると今も昔も周知されてるんだな…
この人この後どうなったの?みたいな人が多すぎるけど、復讐を達成したらもう用はないもんな。番外編みたいなものないのか…
また時間をおいて読みたい。違う人の翻訳も読んでみたいな。