【感想・ネタバレ】モンテ・クリスト伯 7のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年10月15日

今まで読んだ復讐劇の中での最高傑作。人物相関が分かりにくく途中で誰が誰が分からなくなってきた。でもこれでもかという程の伯爵の復讐の仕方に過去に自分を無実の罪に陥れた人達への強い憎しみがひしひしと伝わってくる。

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Posted by ブクログ 2023年03月15日

完結巻。すべての復讐にけりをつけ、幸せの手助けをし、自分も幸せをやっと掴む。スッキリと終わりました。復讐が厳しすぎる結果になったからか、ダングラールの復讐が弱めになりましたが、スカッとします。

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Posted by ブクログ 2023年03月02日

2ヶ月かけてとうとう読み終わった
濃密な読書体験だったな、フェルナンとダングラールはざまあみろと思うけど、ヴィルフォールはかわいそうだなと思ってしまった。彼ももちろん悪いけど、あの二人はただ自分の利益のためだけど、彼の父が原因だったし、自分があの立場だったらどうしただろうかと思う。
またメルセデスや...続きを読むアルベールなど何も悪くない人たちが不幸になったり、罪のない子供が亡くなったことはダンテスの罪悪感に大きく影響した。
自分自身が幸せになるためにも、最後は良心が大切なんだと強く感じた。
心に残る名作でした。

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Posted by ブクログ 2022年12月28日

遂に最終巻になってしまった。
カドルッスは殺され、フェルナンは自殺。
残る仇はヴィルフォールとダングラールだったのだけど。

マクシミリヤンの最愛の人がヴィルフォールの娘で、毒殺される恐れがあるから助けてくれと頼まれることからモンテ・クリスト伯の復讐劇が狂い始める。
モンテ・クリスト伯としては、憎い...続きを読む仇の家族は当然憎いわけで、死んでもしょうがないと思っていたけれど(何なら裏でけしかけてたけど)、マクシミリヤンに泣きつかれてしぶしぶ助けることを約束する。

その後結局ヴィルフォールの妻と息子が死に、旧悪を暴かれたうえに家族をすべて失ったヴィルフォールは発狂してしまうのだけど、その姿を見たモンテ・クリスト伯は、自分のしてきたことは本当によかったのかと思いはじめる。
そのためダングラールに対して行っていた復讐に対して…。

思えばフェルナンもヴィルフォールも、エドモン・ダンテスにした非道ではなく、その後の悪行により身の破滅を招いたのだ。
エドモンに対していたことといえば、嘘の告発文を警察に届けたことと、冤罪とわかって刑の執行を取り消さなかったことだけ。
司法が適切に機能していたら、エドモンはあのような目に遭うことはなかったのだ。

翻ってダングラールは、自分の手を汚さないだけで、一番ひどいことをしたと言えるけれど、その後の人生で他人にそれほどの悪行は行っていなかった。かも。

エドモンに対する思いは変わらないものの、フェルナンを見捨てた自分を責めるメルセデスを見、復讐のむなしさを知るモンテ・クリスト伯。
復讐することを妄想することはあっても、復讐した後の自分を想像することはそれまでなかったんだね。

ところでモレル氏の窮地を救った時にも思ったんだけど、どうして善行を施すときに勿体をつけるのかね。
今回のマクシミリヤンくんなんて、何ヶ月も苦しい思いをさせられたよね。
さくっと、幸せにしてあげればいいのに。
新聞読者へのサービスなのかしら。

モンテ・クリスト伯がマクシミリヤンくんに最後に残した言葉
「待て、しかして希望せよ!」
待たせすぎだって。
そして、人事は尽くさなくてよいのか?

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Posted by ブクログ 2022年10月01日

長いようで短かく次へ次へと駆け抜けた旅路の終わり。鮮やかな復讐劇もさることながら、幸せを掴む資格のある者にも死ぬほどの苦しみを!も必要だったのかと。結果、希望を捨てず生きることの大切さを教えてもらった。翻訳の山内先生の注意書きがとても親切で、知識の深さを感じ物語と共にすごさに脱帽。読むにあたり、Wi...続きを読むkipediaの登場人物は大変役に立った。これから1巻に戻って「あとがき」再読。

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Posted by ブクログ 2022年06月24日

ああ、なんと幸福な読書だったことよ。時間も心も魂も、全て持っていかれる。お昼を食べるの忘れてました。心はエドモンと共に。
読み終えて思わず「はあ〜、デュマすげー」。

ツッコミどころもままあるし、ヴァランティーヌさんの件はここまで引っ張るかーとなかなかもどかしかったけど、ここまで引っ張ってこそではあ...続きを読むる。
素晴らしい。ラストの決め台詞ももちろん素晴らしく、あー生きてる間に読めてよかったー。ジンセイベスト10に入ると思われる。

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Posted by ブクログ 2022年02月21日

今回のレビューであるが…
前半は最終巻である7巻のレビュー
後半は全編のまとめとする
もし「モンテ・クリスト伯」を未読だが興味のある方は後半部分を参照いただけると良いかもしれない

泣いても笑ってもとうとう最終巻

毒を盛られながらも生き延びたヴァランティーヌ
体調不良の中、幽霊に遭う(笑)
正体は...続きを読むマクシミリヤンからの助けるに応えることにしたまさかのモンテ・クリスト伯
もちろんモンテ・クリスト伯はやることなす事が完璧なため、ヴァランティーヌすなわちヴィルフォールの屋敷の隣の空家を借り、徹底的に見守るのだ
モンテ・クリスト伯からヴァランティーヌはサン・メラン夫妻と自分を殺そうとする犯人を知り、ショックを受ける(人の良いお嬢様だからなぁ)
モンテ・クリスト伯はヴァランティーヌに必ず命を守ると誓い、自分を信じてほしいと懇願
ヴァランティーヌはその通りにすると誓う
……
が、ヴァランティーヌは死亡
(えー完璧主義のモンテ・クリスト伯がしくじる訳がない!…ってことは…⁉︎⁉︎⁉︎)
マクシミリヤン、父親ヴィルフォール、祖父ノワルティエらが大いに嘆き悲しむ
絶望のマクシミリヤンは自らの命を絶つ決意をする
何とか留まらせたいモンテ・クリスト伯は自身の正体を告白
マクシミリヤンとその家族は父を救ってくれた恩人とわかり感激のあまりよろこびにむせかえる
マクシミリヤンも放心状態になるものの、簡単に気持ちは変わらない
モンテ・クリスト伯はマクシミリヤンに何とかあと1ヶ月だけ生きて欲しいといい、約束させる(何があるのだろう…⁉︎)

さて最大の宿敵であるヴィルフォール
父であるノワルティエの厳しい視線からももはや逃れられない
やるべきことはわかっている
4人に毒を盛った犯人、そう自分の妻に制裁を課すのだ
夫や子供の顔に泥を塗るようなことは、まさかしやしまいと夫人を追い詰める
おれの帰ってくるまでに裁きをつけないでいたなら、この手で逮捕すると言い放ち、外出
外出先はベネデットの公判を行う裁判所である
ここでベネデットは自分の名前を尋ねられ、姓名はわからないが父親の名前ならわかると言い、父の名前と父であるヴィルフォールが生き埋めにしたことまでを告白する(刑務所に面会に来たベルツッチオに全てを聞いた模様)
ついにヴィルフォールも観念し、後任の検事総長からの沙汰を待つと言いフラフラと帰宅する
道中彼は放心していたが、やがて妻のことを思い出す
彼はその女に対し死刑の宣告をしたのだ
自分の罪深さゆえに、妻にも罪という影響を及ぼしたのだ!それなのにこのおれが彼女を罰するなんて…
死なないでくれ…痛烈に願いながら急いで帰宅するが、間に合わず
さらには息子も道連れにしていたのだ
その絶望が絶頂の最中、モンテ・クリスト伯が登場し、正体を明かす
しかしヴィルフォールの息子の死を見たモンテ・クリスト伯はショックを受け自分の復讐の権利を踏み越えてしまったことに気づく
一方のヴィルフォールはとうとう気が狂ってしまう

モンテ・クリスト伯はマクシミリヤンとともにパリに別れを告げる
そしてまずマルセイユでメルセデスに会う 
すっかり落ちぶれた貧しい暮らしとなったメルセデスと息子のアルベール親子
アルベールは二人の明るい未来のためにアルジェリア騎兵隊に志願(立派になったアルベール君!)そしてまさに出帆したばかり
メルセデスは悲しみに一人沈んでいる
ダンテスが復讐鬼になったのも自分のせいだと責めるメルセデス
そんなメルセデスを誠心誠意友人として慰め、そして二人は永遠の別れをする
メルセデスとの別れは辛く、またヴィルフォールの息子までが死んでしまったことで心の大きな変化と対峙するモンテ・クリスト伯
気持ちの整理を続けながら旅を進める
そしてあのシャトー・ディフのかつて自分のいた土牢へ行く
そこで案内人の診察によりファリア司祭の残した書物を手に入れることができ、何かが吹っ切れる

一方のダングラールは、モンテ・クリスト伯の策略により、とうとう金銭的に完全追い詰められ、逃亡を決意
そして道中のイタリアで山賊ルイジ・ヴァンパの手下に捕まる
金のものを言わせてきたダングラールに相応しい仕打ちが始まり、苦しむ
散々苦しんだところにモンテ・クリスト伯が登場し、毎度の如く正体を明かす
結局ダングラールは5万フラン貰い、自由を得る(だいぶ甘い復讐に感じるが、モンテ・クリスト伯も既に心の整理がついたからなのだろう)

さてモンテ・クリスト島にマクシミリヤンを招待したモンテ・クリスト伯
例の生き続けるという約束の1ヶ月である
マクシミリヤンの死に対する希望は変わらず
モンテ・クリスト伯がどれだけ慰めても、励ましても、頑として死にたいと言う
どうにもマクシミリヤンの心が変わらないことを知り、モンテ・クリスト伯は最後の手に出るのだが…
そう死んだとされたヴァランティーヌの登場
(でもなぜここまで引っぱったのかよくわからない…)
そしてエデを自由にしようとするが、エデはモンテ・クリスト伯と別れるなら死ぬと言う(やったー!)
モンテ・クリスト伯は
〜わたしを敵に対して立ちあがらせ、わたしを勝たせてくだすった神さまは、わたしの勝利の果てに、こうした悔恨の気持ちを残させたくないと思っておいでなのだ
わたしは、我と我が身を罰しようと思っていた
ところが神さまはわたしをお許しくださろうとおっしゃるのだ〜
そう考え、運命を受け入れエデと生きる決意をする
そして最後にマクシミリヤンへの手紙
〜この世には、幸福も不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態の比較にすぎない…
きわめて大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができる
人間の智慧は、すべて次の言葉に尽きる
待て、しかして希望せよ!〜


いやいや最初から最後まで一貫して面白い!
この長さで延々惹きつけ続けられるのもなかなかじゃありませんか

【自分なりの解釈とまとめ】
モンテ・クリスト伯は大きく分けて3遍から成るように思う
最初の一部目はエドモン・ダンテスという青年を知るための紹介とそこから地獄に落とされ14年もの間獄中生活で全てを無くし死の極限まで行きながらも、復讐のために残された何かを搾り出しながら生まれ変わろうとするまで
第二部はモンテ・クリスト伯となり、巧妙な復讐劇を仕掛け、実行
第三部は復讐が終わり、何を思いどう生きるのか

【なぜ面白いか】
当初復讐劇で7巻もどう展開するのか⁉︎
そんな風に読みはじめたのだが…
散りばめられたジグソーパズルのピースが、圧巻の方法で回収され収まるところにピタっとハマる
痛快さ
また復讐と言えども直接的に手を下すわけではなく、家族や過去の弱点、人の欲望や野心を洗いざらい見つけ出しジワジワと炙り出す
使えるものはとことん使う
金で解決することは惜しまない
この辺りのエンタメ度の高さは見事

そしてモンテ・クリスト伯の人柄 
徹底した努力と鍛え抜かれた精神力
恩は決して忘れない、約束は守るその人情深さ
完璧に見えても迷ったり葛藤する人間臭さ
作中でも皆がモンテ・クリスト伯に惹きつけられるが、読み手もまた然りなのだ
そうどれだけ非情な復讐鬼と化したかに見えたものの、やはりエドモン・ダンテスなのだ!
そして彼の心情の見せ方が実に上手い
エドモン・ダンテスとしての苦しみと絶望は徹底的に一人称で読み手に見せる
しかしモンテ・クリスト伯となり、ある程度復讐の目処が立つまでモンテ・クリスト伯側の心境や胸の内は我々には見えないのだ
そのため彼が今何を感じ、これからどうしていくのか全くわからないのだ!
だが終盤から少しずつ心の叫びが溢れ出す
何の迷いもなかった復讐劇に思わぬことが起こり、心が乱れ出す
溜まり溜まった彼の心の圧が噴き出る様は素晴らしく心が揺さぶられた
そして最後は哲学だ
「とにかく復讐して幕が降りる…」という作品ではない
モンテ・クリスト伯の葛藤や神への問いかけ
全ての復讐が終わった後、彼が何を思い、どう感じ、どう始末をつけ、どう行動するのか
きちんと責任持ってデュマが描き切る  
そこに読者が満足するのではなかろうか

アドベンチャーであり、ミステリーであり、サスペンスであり、ヒューマンであり、ラブロマンスまである、しかし哲学さえも感じる痛快で究極の復讐劇エンターテイメント
ちょっと褒めすぎだが、しっかり楽しめ大満足であった

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Posted by ブクログ 2020年08月11日

「この世には幸福もあり、不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態の比較に過ぎないことだ。」そうなんだよ、自分も含め人は幸・不幸は誰かと比べて評価するが、その比較こそが不幸や格差を生むんだ。モンテ・クリスト伯を取り巻く憎悪はまさしくこれだった。デュマさん、降参だ!あなたはとても素晴らしいことを...続きを読む私に教えてくれたよ。今自分が愛するものは何か?今したいことは何か?これは他人と比較して決めるということはしてはいけないんだ。何故ならば、唯一無二の自分の人生なのだから。全7巻、今日からの活力になったよ!

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Posted by ブクログ 2020年06月28日

全七巻にわたる19世紀フランスの復讐劇。
圧倒的なモンテクリスト伯の人物像と、散りばめられた復讐の種、伏線が少しずつ芽吹いていく様子は極上のエンターテイメント。

他方、復讐もまた希望の一つであるとしても、それが果たして正しいことなのか、幸福をもたらすものなのか、問いは突き付けられる。

“待て し...続きを読むかして希望せよ!”
最後に送られた言葉がモンテクリスト伯、そしてデュマの答えでしょうか。

読み終えてしまって悲しい。

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Posted by ブクログ 2018年06月07日

絶望と希望の第七巻!
ヴィルフォールへの復讐は、思わぬ命までも奪うこととなった。
悩めるモンテ・クリスト伯が訪れたのは、
あのシャトー・ディフ。
ヴァランティーヌ、マクシミリアン、メルセデス、そしてエデ。
彼らの運命は?そして最後の一人、ダングラールへの復讐は?
フランス版大河小説は、これにて完結。...続きを読む
ボヴィル氏(意外と登場回数多し)、ペピーノ、ルイジ・ヴァンパ、
そしてジャコポと、1,2巻での登場人物が再登場します。
最終巻は多少退屈に感じる場面や独白が多いのですが、
超人的だったモンテ・クリスト伯の人間としての部分が
ここで噴き出しているようにも思われます。
復讐について懐疑的にもなった彼がシャトー・ディフで
見出したのが、あのファリア司祭の著作!
過去は未来への指針というべきか・・・感動してしまいました。
ヴィルフォールの絶望は、自らが犯した罪・・・子ども!
ダングラールはの絶望は、積み上げた富の喪失。飢えの恐怖。
マクシミリアンの絶望は希望へ。
メルセデスの希望はアルベール。
モンテ・クリスト伯とエデは・・・「待て、しかして希望せよ!」
今回は世界地図帳を側において読書しました。
実在するモンテ・クリスト島とマルセイユ、
コルシカ島の位置関係、
ノルマンディーのトレポール(ル・トレポール)や
ノワルティエ氏の待つリヴールヌ(リヴォルノ)の場所等を
確認しながら読むのも面白かったです。

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Posted by ブクログ 2018年03月25日

ダンテスによる復讐劇もいよいよクライマックスです。
長かったですが、ようやくここまで来ました。
残りのターゲットはダングラールとヴィルフォールです。

ヴィルフォールに関しては予想通りといえば予想通りの結末でした。
もっとも、娘のヴァランティーヌに関しては予想通りというわけにはいきませんでしたが。
...続きを読むまあ、注意深く読んでいれば気付きそうですけどね。
ただ後にダンテスが後悔しているように、ヴィルフォール一家に対してはやりすぎの感はありました。
特にエドゥワールは、悪童だけれども犯罪に手を染めたわけではなかったわけですし、気の毒といえば気の毒でした。

思い起こせばダンテスに対する一連の謀略を首謀したのはダングラールでした。
当然どれだけ凄い復讐でお返しするんだろうと思っていましたが、4悪人の中で一番寛大な結末となり、ちょっと意外でした。
ダンテスの中でヴィルフォール一家に対する贖罪意識が尾を引いていたことが一番の理由でしょう。
最後に回されたおかげで命拾いしたのですから、何とも皮肉なもんです。
ただダングラールに関しては、信号機事件の時もそうでしたが、モンテ・クリスト伯の掌で踊らされるピエロのような描かれ方をしているようにも感じられ、確かに死をもって償うという展開はふさわしくないのかな、とも思えました。

そして最終章。
ヴァランティーヌを亡くし、失意の底にいるマクシミリアン。
彼にモンテ・クリスト伯はどういった手ほどきをするのか。
そしてエデはどうなるのか。
ラストの有名な一文はまさにダンテスの生きざまを表しているようで、読み終えて深い余韻が残りました。
完璧なフィニッシュです。

最後に岩波文庫版の山内義雄訳について。
一般では名訳と評価されており、これはこれでありだと思いますが、私にはあまり合わなかったです。
きっと素直に直訳したんだろうなあと思える箇所が散見され、総じてそれらの文は日本語として違和感があり、個人的にはもう一工夫して欲しかったです。
第1刷が60年以上前なので仕方ない面もあるのかもしれませんが、とっつきにくくて内容を理解するのに時間がかかったことは告白しなければなりません。
自分の読解力の無さは棚に上げつつ、歴史に残る娯楽作品の傑作であるからこそ、21世紀の言葉による新訳を出して欲しいなあと思いました。
光文社の古典新訳文庫なんてぴったりだと思うのですが。

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Posted by ブクログ 2017年01月22日

復讐が遂げられてよかったと思い、ちょっと勝ちすぎではと思い、いやエドモンの苦しみはこんなものではなかったと思い、いや子供まで死ぬのはひどい・・・・ぐるぐると、思考が永久ループにはまる。
こんなことが起きない世の中がいいね。

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Posted by ブクログ 2016年01月28日

人を本気で愛して憎んだエドモンだからこそ、開けたラストシーン。これから先苦しみ、憎しみがあったとしても、それも含めて円熟していく人生でありますよう。

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Posted by ブクログ 2016年07月14日

人情の機微のつまった壮大な物語でした。
モンテ・クリスト伯がなぜモレル父子そろってギリギリまで楽にしてあげないのか、読んでいてずっと腑に落ちなかったのですが、最後に納得しました。
「大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができる」というのは、辛い時に思い出したくなる一節ですね。...続きを読む
味わい深い訳文はまたいつか、自分が年老いた時にもう一度味わいたいと思います。
島から海上遥か彼方に見える白い帆のシーン、印象的で鮮やかに浮かびました。

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Posted by ブクログ 2013年03月11日

復讐の果てにあったものは何だったのか?
復讐と赦し。

なんてのかなあ?
父親達には復讐を、子供達には手をさしのべてと言うか。
復讐の相手にかかわ人であっても、そのために人を不幸には出来ないという思いの方が強い人なんだなというか。

復讐を心に誓って、それだけを目標としつつも、19際の頃のエドモンと...続きを読む本質は変わらず。


最後に、もう一度、24年前に得られるはずだった幸福を手にすることができた。ってことが、一番かな、と。そうして私が(私?)が幸せになって欲しいと思った人たちが幸せなったから、満足(*´∀`)

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Posted by ブクログ 2013年03月02日

Best3に入るくらい大好きな小説のひとつ。
大学生の時に挑戦したけど、とても読みやすい長編小説で、始終楽しみながら読み進めることができたのを覚えている。
ダンテスを不憫に思う分、その復讐劇は痛快で仕方がない(笑)
しかも天の裁きであるかのごときその巧妙な手口がマジかっこいい。
これを読んでる時は自...続きを読む分の中でモンテクリスト伯ごっこ(モンテクリスト伯のように振る舞う)が流行りました(笑)
そのくらい影響力をもった名作!
誰かに復讐を考えている方は是非(笑)

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Posted by ブクログ 2012年09月27日

こういう結末が訪れるのか。ああ。よかった…… 思わず涙ぐむ! 傑作というものは、こうして読み継がれていくんだな。

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Posted by ブクログ 2018年11月25日

最後の言葉「待て、しかして希望せよ!」が胸に刺さる。
素晴らしい作品だった。
終わってしまうのが嫌でページをめくるのが遅くなっていく程だった。
しばらくはこの余韻に浸っていようと思う。

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Posted by ブクログ 2017年08月16日

 所蔵する文庫が古すぎて、まだカバーも無い頃のもののため、ずっと岩波文庫だとばかり思っていたが、実は角川文庫だった。
 角川版は全6冊。今もまだ文庫に入っているのかもわからないが。

 当作品を通じての楽しみの一つに、主人公の常識はずれの富豪ぶりがある。
 スーパーカーブームの子供の頃、「こち亀」中...続きを読む川の家には色違いのカウンタックが12台もあることをうらやましく思ったことを初めとして、古今東西の作品中のお金持ちたちの行動に、そうではないわが身を照らし合わせながら楽しむ感情はよくよく理解できるものだろう。

 最終巻、魅力あるサブキャラの一人である、山賊ルイジ・ヴァンパが、人質に対して高額の食事代を請求する場面。先日読み直した「怪人二十面相」の一シーンを思い起こした。
 つながりがあるかどうかは定かではないが、そんな「もしや?」を想像するのも、こう言った古典を読む面白さではないか。

 

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Posted by ブクログ 2012年01月08日

 何度も読んでいる。
そのたびに、新たな感動がわきあがる。

 エドモンが好きだ。
だが、復讐をすべてなし終えた男の心には
何が残ったのか。
いつも考えてしまう。

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Posted by ブクログ 2021年08月28日

連続する復讐劇。発狂、死をもたらし、なお飢えと死の恐怖を味わわせ、終結をみる。のマクシミリアンに自死の直前まで真実を打ち明けず、不幸のどん底を体験させる必要はあったのだろうか。興奮した復讐者が我に返って、茫然と去っていく。そんなラストシーンだった。2021.8.28

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Posted by ブクログ 2020年12月26日

ヴァランティーヌは死んでいないってマクシミリヤンに早く教えてあげればいいのに、ってハラハラした。
一度死ぬほど絶望してこそ人生に希望が持てるってか。
そもそもこの話、一番悪いのはダングラールで、メルセデスに横恋慕したフェルナンや、自分や父の立場の保身に走ったヴィルフォールは小者感あったけど、フェルナ...続きを読むンやヴィルフォールへの復讐が激しい割にダングラールに甘くない?
ルイジヴァンパやペピーノの登場が久しぶりすぎて、誰だか忘れた。
6巻でメルセデスにアルベールの命乞いをされるまで、非の打ち所がない、隙のないモンテクリスト伯だったのが、どんどん人間らしい迷いとか苦悩とか、これでよかったのかっていう悔恨とかを取り戻していく様子がよかった。エデがモンテクリストを愛してくれてよかった。
一途にヴァランティーヌだけを愛し抜くマクシミリヤンは、王子さまって感じだ。
金色夜叉を、数倍壮大にした感じのお話だった。

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Posted by ブクログ 2018年08月23日

モンテ・クリスト伯爵の復讐が終わった。ただ、ダングラールへの復讐の方法が他の二人に比べて甘くないか?おそらく、この人は痛い目に会っても全然反省しないで、翌日からケロっとまた金だけが生き甲斐の俗っぽい暮らしを繰り返すんじゃないのか?
それにしても、ダングラール家は男爵も夫人も娘も、揃いも揃って低俗でし...続きを読むたたか。この人達はいかなる環境でもするっと蛇のように生き抜いていくのだろう。それはそれで天晴れだ。

反対にヴィルフォールへの復讐は最も過酷だ。他の二人が嫉妬から来る単なる嫌がらせなのに対して、彼自身はダンテスに何の恨みもなく、立場上最も罪が重いのは間違いない。にも関わらず気の毒に思えてしまう。

勧善懲悪である意味出来すぎで突っ込みどころ満載ではあったけど、キャラクターがなかなかいい味を出していて、ストーリー展開も波乱に満ちていて一大絵巻物として楽しめた。

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Posted by ブクログ 2017年10月28日

エドモン・ダンテスの復讐劇完結。
新聞の連載小説だけあって読者の興味を失わせないための工夫がされていて大変な長編だが最後まで夢中で読み通すことができる。
しかし、今ではさすがに翻訳が古すぎると感じる。
残虐な場面や差別的表現などをどう翻訳するか難しい課題が多いが、新訳ができれば再度のブームになると思...続きを読むうのだが。

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Posted by ブクログ 2012年10月23日

20年ぶりくらいに再読。あらすじを知って上で読むと、案外脱線が多いことに気づきます。本筋とは関係ないんだけど、作者の筆が止まらなくなってしまった様子がうかがえ、さすが天才の所業だと苦笑せざるを得ません。

この本の最大の関心事はモンテ・クリスト伯による復讐劇がどのように行われるのかという点なのですが...続きを読む、フェルナンとヴィルフォールはそれぞれ合法的な手段により自滅に追い込むわけで「悪い奴が墓穴を掘る」という少年少女向けの物語にとしても十分許容される筋立てになってます。ところがダングラールへの仕打ちだけが酷くて、一体何なんだと。こればかりは不思議でなりません。

結論としては、壮大は復讐譚として不変の魅力を備えた物語ではありますが、ちょっと欠点も目立ちます。やはり「ダルタニアン物語」のほうが個人的には好きですね。

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Posted by ブクログ 2012年02月06日

「待て、しかして希望せよ!」


累計2000ページ読破しました。達成感すごい!


今なら国語辞典も読破できそうな気がする…!

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Posted by ブクログ 2023年02月03日

長い長いモンテクリスト伯ことエドモンド
ダンテスの復讐の旅は終焉を迎えた。
それは復讐で全てがクリアになる事では
なく、心の痛みも伴う旅路だった。
悪人には懲罰を善人には幸福の糧を
分け与えたモンテクリスト伯。
その中で愛したメルセデスとの最期の別れ
ヴォフールにした復讐では、罪のない子供が
予想外...続きを読むに亡くなってしまった事。
牢獄での14年間の苦しみと復讐に人生を捧げ
最期はやっとエドモンドダンテスとして
エデとの幸せを掴んだ。
待っていれば、いつか希望は訪れる。

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Posted by ブクログ 2017年12月05日

テンポよく進むので,7冊もあるのに飽きない
最後,若干ベタな終わり方だったように思うが,間違いなく娯楽小説の傑作

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Posted by ブクログ 2014年08月12日

19世紀フランスの小説家アレクサンドル・デュマ(デュマ・ペール、1802-1870)の代表的長編小説、1841-1845年執筆。19世紀のフランスはしばしばその政体を変えており、物語も第一帝政・復古王政・百日天下・七月王政という歴史的情況を重要な背景としている。また、近代市民社会が勃興するのにともな...続きを読むい新たな近代的メディアとしての大新聞が誕生することとなったが、当時は各紙が新聞小説を掲載することで読者獲得を図った時期でもある。本書も或る大新聞に2年間にわたり連載されたもので、物語も大衆性・通俗性を帯びている。


  □ 第一巻

1815年、ルイ18世の復古王政下。エドモン・ダンテスが、人生の幸福から一転、ナポレオンの「百日天下」に巻き込まれるような形で政治的謀略に嵌められて無実の罪を着せられ、牢獄に幽閉されるまでを描く。筋の起伏が明白かつ豊かで読んでいて実に楽しい。特筆すべきは、やはり獄中に於ける老学者ファリアとダンテスとの遣り取りだろう。ファリアは獄中で且つ病魔に侵されながらも、脱獄の為の諸計算やその実行に必要な様々な工具類や縄梯子、更には精密な日時計や紙・ペン・インクそしてロウソク等々を気の遠くなるような長い時間と絶えること無き創意を重ねて作り上げていた。そればかりでなく、様々な言語の単語帳を作って勉強したり、持ち前の学識を用いてイタリア統一に関する大論文まで執筆しているというのだから驚く。舌を巻いたダンテスから「紙とかペンとかインクとか、それをおもらいになったのですか」と尋ねられてファリア曰く、

「いや。わしがつくった」

痛快な一言。不撓不屈の精神と強靭な知性(「順序は、あらゆる問題にとっての鍵だ・・・」)に、清々しさを覚える。そして、ダンテスが陥った謀略の真相をファリアが次々と暴いていく過程は探偵小説の如く(「・・・、犯人を見付けるためには、まずその犯罪によって利得する者を求めよ!」)、また旧家の財宝の秘密を探ってモンテ・クリスト島を暗号解読さながらに導き出す過程は冒険小説の如く、読んでいて胸が躍る。

個人的には、条件が限られた閉鎖空間の中で知性と創意を躍動させる情況に、昔から不思議と魅了されてきた。なお、幼少の私に今は亡き祖父が聞かせてくれた『巌窟王』は、ちょうどこの場面だった。


  □ 第二巻

1829年、投獄より14年を経て、脱獄。この有名な脱獄場面は、読む者にまさに冒険活劇の興奮を与える。その後、モンテ・クリスト島の財宝を手にし、故郷へ。そこで、父の既に亡きこと、14年前に自身を陥れた者たちによる謀略の真相と彼らのその後、許嫁の行方、そして昔日の恩ある船主モレル氏の窮状を知る。嘗ての雇い主であり庇護者でもあったモレル氏に対するダンテスの恩返しは、モレル氏が困窮の最後に於いてまで家族や部下の船員たちに失うことなく示し続けた気高く腹蔵無き真の愛情とともに、読む者に大きな感動を与えるだろう。

脱獄を果たしたダンテスの相貌は、「眼には深い悲しみがしめされ、その悲しみの底からは時折、世を厭う心と憎悪の心との暗澹たる閃きが迸り出て」、「自分自身にさえ自分がわからないのだった」。ダンテスは、この世が、神の存在のもと善悪が真っ当に報われる"最善"の世界ではないことを痛感し、神に代わって神が為すべき正当なる報いを実行しようと決意をした。「・・・、遅かれ早かれ、正直者にはたしかにお賞めがありましょうし、悪いものにはきっと報いがありましょう・・・」。これは実に畏怖すべき決意である、人間が神に取って代わろうと、人間自身が決意するのだから。ダンテスにあっては、最早、ライプニッツ(1646-1716)が唱えた「弁神論=世界最善説・予定調和説」など全くの無力である。ここに、ヴォルテール(1694-1778)によるライプニッツ批判(『カンディード』など)を通過して、神に対する奴隷状態からの、人間の倨傲とも呼ぶべき自律の兆候が読み取れる。善への報い(モレル氏への恩返し)が果たされれば、残るは悪への報いのみである――神ならぬ人間が為すそれは、「復讐」と呼ばれる。人間が神に代わってその役割を果たそうとするとき、人間は、次第に唯名化していく神という観念から自律しようとするとともに、人間性という観念をも超え出てしまいかねない。

「なさけよ、人道よ、恩義よ、さようなら・・・・・・人の心を喜ばすすべての感情よ、さようなら! ・・・・・・私は善人に報ゆるため、神に代わって行った・・・・・・さて、いまこそは復讐の神よ、悪しき者を懲らすため、御身に代わっておこなわしめたまえ!」


  □ 第三巻-第七巻

エドモン・ダンテスはモンテ・クリスト伯爵を名乗り、巨万の富をその力の背景として、復讐の鬼神となって、パリへ、モンセール家へ、ダングラール家へ、ヴィルフォール家へ、入り込んでいく。そこは「価値ありげな顔をせよ、しからば世間も価値をつけよう」という欺瞞の準則が罷り通っている俗物社会だ。効率的な利益の獲得という即物的な無内実を糊塗する為につけられる仮面。仮面の下が虚無であることを自他に対して欺瞞的に隠蔽する為だけの仮面。目前に迫った死がその仮面を剥ぎ取る段になって初めて、仮面の下には何も無かったということが、他ならぬ自己自身に対して突きつけられるだろう。仮面は、その下が実は虚無でありながらさもそこに意味ある何かが存在するかのように仮構する為のものでしかないが、こうした俗物"界(champ)"にあっては当の仮面そのものが内実そのものであるかのような倒錯が起こるだろう。「社交"界"」とは、そうしたルールに則ったゲームだと云える。

人間が神に取って代わろうとするとき、逆説的に、当の人間は悪魔じみてくる。

「『わたしは、いままで神の摂理という言葉を聞かされていた。だが、それを見たこともなければ、またそれに似たようなものさえ見なかった。したがって、わたしは、それが存在しているとは思わない。わたしは神の摂理そのものになりたい。なぜかというと、わたしの知っているかぎり、この世においてもっとも美しい、偉大な、そして崇高なことは、自分の手で賞罰を与え得ることにほかならないのだから』。すると、悪魔は、首うなだれて、溜息をつきました。『・・・。わたしがお前のためにしてやれること、それは、お前を神の摂理の使徒の一人にしてやることなのだ』。取引はできました」


  □

長大な物語は次の句で結ばれる。

 【待て、しかして希望せよ】

ここでは、「待つこと」そして「希望すること」が可能とされる。しかし、神なるものが完全に無化されている現代にあっては、ニヒリズムが行き着くところまで行き着きニヒリズムがニヒリズム自体に捩れを来している情況にあって、これは余りにオプティミズムが過ぎないか。現代にあっては、希望を徹底的に否定し断念した上でそれでもなお「待つ」という自己矛盾を含んだ態度以外に不可能ではないか。希望は、語られた途端に口の端をボロボロと崩れ落ち、語るに堪えぬ紛い物と化す。しかしここで居直ってしまうなら、それは即物的なシニシズムに到るしかない。それを峻拒するならば、希望を予定することなく、その上でなお、「待つ」しかない。何を? それは決して語られることなく。

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Posted by ブクログ 2012年12月29日

借本。
全7巻読み終えたのですが、ラストが若干…。
物足りなさを感じつつ、ハッピーエンドがなんとなく解せない気も…
あっけなかった気がします。
伯爵に危機があると、もっと個人的には楽しめたかも?

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