あらすじ
二百年の長い間、世界各国で圧倒的な人気をあつめてきた『巌窟王』の完訳。全7冊完結の最終巻。
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Posted by ブクログ
夏休みを利用して7巻まで読み終えました。
財宝を手にして復讐を成し遂げていく様子は痛快で、とても読み応えがありました!
最後の展開には非常に驚かされました。彼は、復讐に燃える不思議な魅力を持つモンテ・クリスト伯であると同時に、ただの船乗りのエドモン・ダンテスでもあるということなのかな? いろいろな人の意見を聞いてみたいです。
何はともあれ「待て、しかして希望せよ!」のかっこよさ。出演回数は少ないのに、強烈に印象に残っています。座右の銘にしようかな。
Posted by ブクログ
完結巻。すべての復讐にけりをつけ、幸せの手助けをし、自分も幸せをやっと掴む。スッキリと終わりました。復讐が厳しすぎる結果になったからか、ダングラールの復讐が弱めになりましたが、スカッとします。
Posted by ブクログ
2ヶ月かけてとうとう読み終わった
濃密な読書体験だったな、フェルナンとダングラールはざまあみろと思うけど、ヴィルフォールはかわいそうだなと思ってしまった。彼ももちろん悪いけど、あの二人はただ自分の利益のためだけど、彼の父が原因だったし、自分があの立場だったらどうしただろうかと思う。
またメルセデスやアルベールなど何も悪くない人たちが不幸になったり、罪のない子供が亡くなったことはダンテスの罪悪感に大きく影響した。
自分自身が幸せになるためにも、最後は良心が大切なんだと強く感じた。
心に残る名作でした。
Posted by ブクログ
遂に最終巻になってしまった。
カドルッスは殺され、フェルナンは自殺。
残る仇はヴィルフォールとダングラールだったのだけど。
マクシミリヤンの最愛の人がヴィルフォールの娘で、毒殺される恐れがあるから助けてくれと頼まれることからモンテ・クリスト伯の復讐劇が狂い始める。
モンテ・クリスト伯としては、憎い仇の家族は当然憎いわけで、死んでもしょうがないと思っていたけれど(何なら裏でけしかけてたけど)、マクシミリヤンに泣きつかれてしぶしぶ助けることを約束する。
その後結局ヴィルフォールの妻と息子が死に、旧悪を暴かれたうえに家族をすべて失ったヴィルフォールは発狂してしまうのだけど、その姿を見たモンテ・クリスト伯は、自分のしてきたことは本当によかったのかと思いはじめる。
そのためダングラールに対して行っていた復讐に対して…。
思えばフェルナンもヴィルフォールも、エドモン・ダンテスにした非道ではなく、その後の悪行により身の破滅を招いたのだ。
エドモンに対していたことといえば、嘘の告発文を警察に届けたことと、冤罪とわかって刑の執行を取り消さなかったことだけ。
司法が適切に機能していたら、エドモンはあのような目に遭うことはなかったのだ。
翻ってダングラールは、自分の手を汚さないだけで、一番ひどいことをしたと言えるけれど、その後の人生で他人にそれほどの悪行は行っていなかった。かも。
エドモンに対する思いは変わらないものの、フェルナンを見捨てた自分を責めるメルセデスを見、復讐のむなしさを知るモンテ・クリスト伯。
復讐することを妄想することはあっても、復讐した後の自分を想像することはそれまでなかったんだね。
ところでモレル氏の窮地を救った時にも思ったんだけど、どうして善行を施すときに勿体をつけるのかね。
今回のマクシミリヤンくんなんて、何ヶ月も苦しい思いをさせられたよね。
さくっと、幸せにしてあげればいいのに。
新聞読者へのサービスなのかしら。
モンテ・クリスト伯がマクシミリヤンくんに最後に残した言葉
「待て、しかして希望せよ!」
待たせすぎだって。
そして、人事は尽くさなくてよいのか?
Posted by ブクログ
長いようで短かく次へ次へと駆け抜けた旅路の終わり。鮮やかな復讐劇もさることながら、幸せを掴む資格のある者にも死ぬほどの苦しみを!も必要だったのかと。結果、希望を捨てず生きることの大切さを教えてもらった。翻訳の山内先生の注意書きがとても親切で、知識の深さを感じ物語と共にすごさに脱帽。読むにあたり、Wikipediaの登場人物は大変役に立った。これから1巻に戻って「あとがき」再読。
Posted by ブクログ
「この世には幸福もあり、不幸もあり、ただ在るものは、一つの状態と他の状態の比較に過ぎないことだ。」そうなんだよ、自分も含め人は幸・不幸は誰かと比べて評価するが、その比較こそが不幸や格差を生むんだ。モンテ・クリスト伯を取り巻く憎悪はまさしくこれだった。デュマさん、降参だ!あなたはとても素晴らしいことを私に教えてくれたよ。今自分が愛するものは何か?今したいことは何か?これは他人と比較して決めるということはしてはいけないんだ。何故ならば、唯一無二の自分の人生なのだから。全7巻、今日からの活力になったよ!
Posted by ブクログ
ダンテスによる復讐劇もいよいよクライマックスです。
長かったですが、ようやくここまで来ました。
残りのターゲットはダングラールとヴィルフォールです。
ヴィルフォールに関しては予想通りといえば予想通りの結末でした。
もっとも、娘のヴァランティーヌに関しては予想通りというわけにはいきませんでしたが。
まあ、注意深く読んでいれば気付きそうですけどね。
ただ後にダンテスが後悔しているように、ヴィルフォール一家に対してはやりすぎの感はありました。
特にエドゥワールは、悪童だけれども犯罪に手を染めたわけではなかったわけですし、気の毒といえば気の毒でした。
思い起こせばダンテスに対する一連の謀略を首謀したのはダングラールでした。
当然どれだけ凄い復讐でお返しするんだろうと思っていましたが、4悪人の中で一番寛大な結末となり、ちょっと意外でした。
ダンテスの中でヴィルフォール一家に対する贖罪意識が尾を引いていたことが一番の理由でしょう。
最後に回されたおかげで命拾いしたのですから、何とも皮肉なもんです。
ただダングラールに関しては、信号機事件の時もそうでしたが、モンテ・クリスト伯の掌で踊らされるピエロのような描かれ方をしているようにも感じられ、確かに死をもって償うという展開はふさわしくないのかな、とも思えました。
そして最終章。
ヴァランティーヌを亡くし、失意の底にいるマクシミリアン。
彼にモンテ・クリスト伯はどういった手ほどきをするのか。
そしてエデはどうなるのか。
ラストの有名な一文はまさにダンテスの生きざまを表しているようで、読み終えて深い余韻が残りました。
完璧なフィニッシュです。
最後に岩波文庫版の山内義雄訳について。
一般では名訳と評価されており、これはこれでありだと思いますが、私にはあまり合わなかったです。
きっと素直に直訳したんだろうなあと思える箇所が散見され、総じてそれらの文は日本語として違和感があり、個人的にはもう一工夫して欲しかったです。
第1刷が60年以上前なので仕方ない面もあるのかもしれませんが、とっつきにくくて内容を理解するのに時間がかかったことは告白しなければなりません。
自分の読解力の無さは棚に上げつつ、歴史に残る娯楽作品の傑作であるからこそ、21世紀の言葉による新訳を出して欲しいなあと思いました。
光文社の古典新訳文庫なんてぴったりだと思うのですが。
Posted by ブクログ
復讐が遂げられてよかったと思い、ちょっと勝ちすぎではと思い、いやエドモンの苦しみはこんなものではなかったと思い、いや子供まで死ぬのはひどい・・・・ぐるぐると、思考が永久ループにはまる。
こんなことが起きない世の中がいいね。
Posted by ブクログ
人情の機微のつまった壮大な物語でした。
モンテ・クリスト伯がなぜモレル父子そろってギリギリまで楽にしてあげないのか、読んでいてずっと腑に落ちなかったのですが、最後に納得しました。
「大きな不幸を経験したもののみ、きわめて大きな幸福を感じることができる」というのは、辛い時に思い出したくなる一節ですね。
味わい深い訳文はまたいつか、自分が年老いた時にもう一度味わいたいと思います。
島から海上遥か彼方に見える白い帆のシーン、印象的で鮮やかに浮かびました。
Posted by ブクログ
ヴァランティーヌは死んでいないってマクシミリヤンに早く教えてあげればいいのに、ってハラハラした。
一度死ぬほど絶望してこそ人生に希望が持てるってか。
そもそもこの話、一番悪いのはダングラールで、メルセデスに横恋慕したフェルナンや、自分や父の立場の保身に走ったヴィルフォールは小者感あったけど、フェルナンやヴィルフォールへの復讐が激しい割にダングラールに甘くない?
ルイジヴァンパやペピーノの登場が久しぶりすぎて、誰だか忘れた。
6巻でメルセデスにアルベールの命乞いをされるまで、非の打ち所がない、隙のないモンテクリスト伯だったのが、どんどん人間らしい迷いとか苦悩とか、これでよかったのかっていう悔恨とかを取り戻していく様子がよかった。エデがモンテクリストを愛してくれてよかった。
一途にヴァランティーヌだけを愛し抜くマクシミリヤンは、王子さまって感じだ。
金色夜叉を、数倍壮大にした感じのお話だった。