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Posted by ブクログ
そうか、わたしはアフリカ系の人が書いた本を読んだことがないんだ。
いままで意識していなかったけど、本書を読み進めるうちに気がついた。
「奴隷たちの心や想像力や振る舞いに目を向ける学問には価値がある。けれども、主人たちの心や想像力や振る舞いに人種のイデオロギーがどんな影響を与えたかを見ようとする本気の知的努力にも、同様に価値がある。」
モリスンは「白人男性至上主義」「進歩史観による人種主義」これらで構築された、普遍的な価値が評価する、アメリカ文学を「黒人奴隷が白人アイデンティティに与えた影響」として、ヘミングウェイやハックルベリーフィンの冒険を例に具体的に考察している。
黒人たちは、強制的にアフリカから連れてこられたにもかかわらず、白人の自己保身のために動物的な階級へ格下げされ、人間的な意思疎通の可能性を閉ざされ、呪物化されて恐れられ、白人たちの醜さを投影され、貶められた。
当事者側からなされたこうした指摘や考察は、今後あらゆる分野で必要になってくることだろう。
ジェンダー、フェミニズム、貧困格差。
当事者の視点を受け入れなければ、それはいつまでも前時代的な何かのまま、止まってしまう。
本書を読んでいる最中、偶然、日本の音楽グループがMVでコロンブスとナポレオンとベートーヴェンに扮して、新大陸発見と類人猿との踊りを演出し、炎上したというニュースがあった。
知らないということがどういうことなのか。
それを改めて知る良い機会となった。
Posted by ブクログ
都甲先生が訳していたので。
ブロティーガンやブコウスキーを読んだ時からの何となくの直感だけど、アメリカ人の抱える悲しみは絶対日本人のそれに通底するところがある。
被差別階級を非人間的な存在として苦しみから逃れるとか、いやもっと言語的なレベルで…
本編もよかったけど、先生の解説だけでもかなり読む価値がある。今まで白人が差別してきた人々が自由を獲得し、境界線を侵犯してくるのではないかという不安を描く上でゴシックロマンスという形式が最適であったとか、「中立的」「科学的」言説と人種主義の強い力だとか。
ヘミングウェイと看護師もフェミニズム的に読むと面白そう。白人が白人ぽさを出すために髪を染めるとか、すごくかなしいなとも思った。
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