教養としてのアメリカ短篇小説

教養としてのアメリカ短篇小説

1,870円 (税込)

9pt

4.4

戦争、奴隷制、禁酒法……背景を理解すれば、作品がもっとよくわかる

「黒猫」のプルートはなぜ黒いのか? 書記バートルビーはなぜ「しない方がいい」と思うのか? 度重なる戦争の歴史、色濃く残る奴隷制の「遺産」等、アメリカという国、そこに暮らす人々の特異な歴史的・文化的・社会的背景を踏まえて短篇小説を読み解く。これまで主にマイノリティや越境者の文学に注目してきた著者が、メルヴィル、フィッツジェラルド、フォークナー、ヘミングウェイ、サリンジャー等、アメリカ文学の「王道」といえる作家に挑む、アメリカ文学入門の新・定番!

〈目次〉
暴力と不安の連鎖―ポー「黒猫」
屹立する剥き出しの身体―メルヴィル「書記バートルビー‐ウォール街の物語」
英雄の物語ではない戦争―トウェイン「失敗に終わった行軍の個人史」
共同体から疎外された者の祈り―アンダソン「手」
セルフ・コントロールの幻想―フィッツジェラルド「バビロン再訪」
存在の基盤が崩れるとき―フォークナー「孫むすめ」
妊娠をめぐる「対決」―ヘミングウェイ「白い象のような山並み」
人生に立ち向かうためのユーモア―サリンジャー「エズメに‐愛と悲惨をこめて」
美しい世界と、その崩壊―カポーティ「クリスマスの思い出」
救いなき人生と、噴出する愛―オコナー「善人はなかなかいない」
言葉をもたなかった者たちの文学―カーウ゛ァー「足もとに流れる深い川」
ヴェトナム戦争というトラウマ―オブライエン「レイニー河で」
愛の可能性の断片―リー「優しさ」

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教養としてのアメリカ短篇小説 のユーザーレビュー

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感情タグBEST3

    Posted by ブクログ

    教養としてのアメリカ短編小説
    2025.5.21

    「書記バートルビー」を読んだ。
    グローバル文学という大学の講義で触れた文。初めて読んだ時は理解しがたい登場人物が溢れていて、何が何やらよくわからなかった。
    しかし筆者の考察を読み、なるほど!こんな捉え方があるのね!と驚かされた。

    特に驚いたのは「

    0
    2025年05月21日

    Posted by ブクログ

    「教養としての」とは言いつつも、かなり濃密な内容だった。
    米国文学に共通する寂しさに私はずっと惹かれている。
    ポーの「黒猫」では、トニモリスンの言っていたように、黒人が脅威のイメージを背負わされている。白人性という幻想に縋るも裏切られ、言葉にならない叫び(殺害)をするしかない貧困層の白人。摂食障害文

    0
    2024年10月14日

    Posted by ブクログ

    アメリカという国を文学を通して勉強しましょうという本だと考えると、アメリカ文学に興味ない私のような人でもすんなりと読めると思うので、そういうおすすめのしかたをしていこうと思います。人に勧められる良い本でした。

    0
    2024年08月22日

    Posted by ブクログ

    一気読みしてしまった。ヘミングウェイ、オコナーをもっと読みたくなった。ベトナム戦争などのワードの解説が簡潔でわかりやすすぎてびっくりした。他の著作もよもーう。

    0
    2025年02月26日

    Posted by ブクログ

    歴史が浅いだけにいびつな軋轢の中で秩序を構築してきたアメリカ。短編小説を通してそのうねりの中を生き抜いた人々の心理がよく伝わった。特にベトナム戦争前後の米国の戦争観のパラダイムシフトにはとても興味を持った。

    0
    2025年01月05日

    Posted by ブクログ

    本の読み方が深まると同時に、
    アメリカという国への理解が
    深まる好著。
    この本をガイドにアメリカ文学の
    世界に挑戦したい。

    0
    2022年05月04日

    Posted by ブクログ

    アメリカ文学をアメリカという国の成り立ちをしっかりと踏まえて読み解くとどう読めるのかを紹介している。

    ポーの『黒猫』にアメリカの根深い問題である人種(黒人に対する暴力)と飲酒が描かれていることを知り驚いた。戦争と男らしさ、そこから生まれる弱き者(女性、性的マイノリティ等)に対する蔑視等がアメリカ文

    0
    2022年04月17日

    Posted by ブクログ

    思えば文学評論を読むのは学生時代以来かもしれない。しかも私は短編小説はあまり読まないので、本書で取り上げられた作品も、読んでいるのはポーの「黒猫」くらい。
    にもかかわらず、たいへん面白く読めた。アメリカ人の精神構造を醸成してきた地理的、歴史的事情が、アメリカ文学にも多大な影響を与えていることが平易な

    0
    2022年03月15日

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