青い眼がほしい

青い眼がほしい

1,144円 (税込)

5pt

誰よりも青い眼にしてください、と黒人の少女ピコーラは祈った。そうしたら、みんなが私を愛してくれるかもしれないから……人間としての価値や美しさは白人の世界にのみ見出され、そこに属さない黒人は存在意義も認められていない。白人が定めた価値観を痛烈に問いただす、ノーベル賞作家の鮮烈なデビュー作。

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青い眼がほしい のユーザーレビュー

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    Posted by ブクログ 2023年08月22日

    デビュー作?
    とんでもない作品だ。
    比べるべき作品は、『苦海浄土』しか思い浮かばない。

    差別を僕らはある決まった物語の尺度でしか見ていなかった。

    その奥底、本当の意味をトニ・モリスンの言葉、表現で初めて知る。しかし、それは序の口という印象だ。悲惨に底はない。

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    Posted by ブクログ 2023年05月18日

    文章の素晴らしさに驚いた。「秘密にしていたけれど、1941年の秋、マリーゴールドはぜんぜん咲かなかった」「秘密にしていたけれど」の言葉の意味が持つ親密さ、打ち明け話、信用、このニュアンスが持つ子供の無垢さ。それが差別、暴力の助長につながる。そこをとてもうまく同居させている。

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    Posted by ブクログ 2023年01月30日

    読んだ本は1994年6月30日初版発行の早川書房の本、黒人女性だから書ける本、深く重い印象、ピコーラと言う黒人の女の子の名前が記憶に残る、著者と訳者が1931年の同年生まれ。

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    Posted by ブクログ 2022年07月06日

     1941年のオハイオで、黒人の少女ピコーラは「青い眼にしてください」と熱心に祈っていた。黒い肌で縮れ毛の自分は醜い。美しかったら、不幸な人生は違っていたに違いないのだ。ピコーラは貧しく、学校ではいじめられ、父親の子どもを宿すことになる。
     語り部を担当する少女がいるにはいるが、物語はあちこちに飛び...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2022年03月24日

    差別を受かる黒人の精神的苦痛の表現がすごい。読めてしまう。
    嫉妬心と羨望。ミスターヘンリーの淡緑色の言葉。

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    Posted by ブクログ 2021年09月17日

    自分の容姿を醜いと思い込み美しい青い眼に変われるよう祈る少女ピコーラ。いつか自身の持つ美しさを見つけ人生を変えて行く物語かと期待していたが…更に厳しい苦難が。

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    Posted by ブクログ 2019年12月02日

    差別や暴力の本質を、自分はまだ理解できていなかった……。強者や多数派から弱者に向かうのは、その通りなのですが、そんな簡単な話でもない気がします。差別や暴力の本質は、その弱者の内に巣くい、川の水が上流から下流に流れるように、弱者・マイノリティの中の、さらなる弱者に行き着くところが、本質なのかもしれない...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2018年11月11日

    「1941年の秋、マリゴールドはぜんぜん咲かなかった」という少女の独白でこの物語は始まる。でも、マリゴールドの鮮烈な黄色い花の色を思い描く間もなく、直後に「マリゴールドが育たないのはピコーラが父親の赤ん坊を宿していたからだと考えていた」と文章は続く。少女が播いた種はひとつも花を咲かせず、少女と同年代...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2019年05月07日

    なぜかフォークナーを思い出す。貧困、人種、人間関係。ああ、20世紀のアメリカ文学よ。読み終わった後、もう一度最初を読み直すと合点がいく、こういう構成だったのかと。さいごに分かるわけですよ、あのひらがなの見出しの意味が。
    なあ日本人よ、青い目がほしいと望む黒人を、果たしてわたしたちは笑えるか? 髪の毛...続きを読む

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    Posted by ブクログ 2024年01月22日

    筆者に初めて触れたのは「ホーム」を読んだ時。朝鮮戦争から戻った兄妹の無残な、救いのない話。あたかも御須メルを文でなぞるような癒しと救いの魂を感じた。

    先日フォークナーを久しぶりに読み、難解で捉えようのなかった偉大なノーベル賞作家に再度くらいついてみる気になったから。
    読むという行為は「単に頁を捲り...続きを読む

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