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一家の大黒柱として勤勉に生きてきた青年ザムザ。ある朝目覚めてみると、彼は一匹の毒虫と化していた―。確たる理由もなく、とつぜん一人の青年をおそう状況の変化。その姿をたんたんと即物的に描くカフカ(一八八三―一九二四)の筆致は、荒涼たる孤独地獄を私たちに思い知らせてやまない。カフカ生前発表の二篇を収録。(改訳)
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Posted by ブクログ
『変身』は再読。断食芸人の覚悟は、ある種の殉教者のようで、どこか神聖ささえ感じた。断食を信じてもらえないのは辛いだろうな、と思った。私には無理だ。予想していたけれど、結末はカフカ的不条理に満ちていて悲しい。
読書会のために再読。今回ラストの明るい結末について話し合った結果、あれは「毒虫からの解放」ではなく「グレゴールからの解放」だったのではないか?という結論に落ち着いた。「変身」以前のザムザ家で主人公は、転落した父、世間知らずな妹、病弱な母という役名を自己の家族に付し、「自分が家族を支える」という自分の...続きを読む「物語」の中に家族を囚えていたのでは?と考えたのだ。事実「変身」以降、父は働くようになり妹は勉強もするようになった。彼らの向上心を阻んでいたのはグレゴール自身だったという皮肉。
言わずと知れたカフカの名作である。 ある朝グレゴール・ザムザは何やら不穏な夢から覚めると1匹の大きな毒虫になってしまう。無論、タイトルの「変身」はその激的な冒頭文のことを指しているのであろう、そう思った。 毒虫になったザムザは部屋から出られずに1人で生きることは出来なくなったため家族が養ってあげ...続きを読むることになった。なんて優しい家族なんだ。人間の食べものは食べられずに残飯を好んで食べ、人の言葉を失った代わりに虫の鳴き声で話し、本当にただのでかい毒虫になってしまったのである。そしたら家族もかつてはザムザだったその毒虫を「ただの毒虫」として扱うようになっていく。 嗚呼そうか、タイトルの「変身」とは家族が激的に変わっていく様も表しているのか。 現実世界で人間は毒虫になんぞに変身しない。でもどうだろうか?ある日を境に家族が変わっていく様は現実にも腐るほどあるではないか。そこにあるのは美談ではなく残酷な現実である。そうか、だからカフカは「変身」を淡々と即物的に書いたのか。
大人になって『変身』を読んでみると、先の見えない介護に疲れ果てた家族の話に読めてしまって、悲しくて悲しくてたまらなくなる。
「変身」を読むのは久しぶりです。新潮文庫の高橋訳に馴染んでいましたが、2004年改版のこの岩波文庫の山下肇・山下萬里訳、新鮮に感じました。あらためて、うーん、不条理の傑作ですね。併録の「断食芸人」、初めて読みましたが、考えさせるものでした。
ひさびさに読んだ。 「変身」 一家の生計を担う長男が再起不能で働けなくなって、妹や両親が元気になり、しまいに彼を見捨てるお話。タイトルから想像する、いわゆる、新しい自分に脱皮していくような物語を予想して若い頃、初読みして衝撃を受けた。いま、読み返しても、いたたまれない気持ちになる。 「断食芸人」 ...続きを読む人間はただ生きていくために食べるのではないことを考えさせられる。上手い食べ物にはありつけなかったが、旨い食べ物にはなれた男。
言わずと知れたカフカの代表作、「変身」。 だけど、個人的には「変身」よりも同録の「断食芸人」が面白かった! 断食を続けることで、自分の想像を超えた域にまで達しようとする断食芸人。 もちろん彼の思考は世間には受け入れてもらえない。むしろ、社会から隔絶された場に追いやられていく。 なぜ断食を続けるのか...続きを読む、世間が変わり断食芸人の心にも微かな変化と戸惑いも生まれてくる。 カフカはやっぱり、示唆的な話が多い。もはや全て示唆に富んだ「お伽話」のよう。 惹きこまれた。
カフカ 「変身」 2回目読んだ時にやっと物語のあらすじが分かった。 朝起きたら毒虫になったグレゴール。今までは家族を養う大黒柱的な存在だったが虫になったことで立場は一転、みんなの邪魔元に成り下がってしまう。 そんなグレゴールはかつて、妹を音楽学校に進学させたいという夢を持っていた。 そんな思いやりに...続きを読む溢れた優しい兄なのだが、自身の姿が毒虫になったことで、家族からぞんざいに扱われ、自尊心を失っていく様が痛ましい。 最初はグレゴールを献身的に世話していた妹でさえ、ご飯を足で蹴り与えるなど次第に愛がなくなっていく。 何か相手にしてあげたいこと、優しさに溢れた思いやりを持っていたとしても、自分の立場や姿によってそれが正しく伝わらないことがある。更には予想に反して屈曲したり180度誤解されて伝わってしまう危険があるのだな。 虫になって家族から邪険に扱われるグレゴールを見ていてそんな風に思った。 それは例えばパジャマ姿で選挙活動を行っていても、身なりであの人は「身だしなみが適当だから言っていることも信頼できないだろう」と判断されてしまうことだったり、無職の状態で「あなたを幸せにします!結婚してください!」とプロポーズして玉砕されてしまうことだったり。 胸に秘めている情熱は立派でも、体裁が伴っていなければ相手には正しく受け取ってもらえない。 常々、自分を磨くことの意義を痛感させられた。 そして、醜い毒虫になっても、 父からリンゴをぶつけられ負傷しても、バイオリンを演奏する妹を見ようと這いずって部屋から出ていった愚直なグレゴールに同情してしまった。 妹のグレーテには彼の真意を少しでも理解してもらいたかった・・・。 「断食芸人」 オーナーから断食は40日までと決められ、もっと長くできるのに!と反抗していた芸人だが、自らの体型を把握しておらず、実はガリガリで腰から持ち上げられてしまうくらいの体重なのは喜劇。 それに、なぜ断食をするのか?と聞かれ、 「食べたいものがこの世にないから」 って、なんじゃそりゃ・・・。 大食いの人間へのアンチテーゼか! と突っ込みたくなった。
変身はもう感想書いたので断食芸人の方 自分の欲求が満たされず忘れられて死ぬなんてことがあっていいんか!!!! 頭を抱えた
カフカの断食芸人を文字面は知っていたが、改めて読んだ。断食という行為の無常さ。腹は減るのに、何かを失って、何かを得ることのアイロニー、そして何かを失うことによって得られる快感。ただそれも度がすぎると、何かを失いすぎると周りの人間は見ても目もくれないと言う。不思議な矛盾とでもゆうか、断食と言う、何か失...続きを読むうと言う行為。同時に自己の限界を試す自己検査の行為。またまたそれのどちらでもあるかそのどちらでもないか話を読むに進めると、主人公の断食芸人はやはり誰かから注目を集めたくて断食をやっている。ただその断食にもプライドがある。誰かが自分を見ていなかった時でも断食を続け、断食を軽視する人間に対して常に懐柔されるのではなく、追従するのではなく、ともかく、その断食と言う行為にこだわり暮らしていく。そして最後に真実がわかる。断食芸人は断食以外のことができないのだ。個人の能力とそれを発揮する社会との距離感、そして行き過ぎた、自我は淘汰される不条理、短い文章の中に自己認識のファクターが詰め込まれている。
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変身・断食芸人
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フランツ・カフカ
山下肇
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断食芸人
試し読み
変身
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大阪弁で読む『変身』
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