一部ご紹介します。
・「君に打ち明けておくのだが、私の作品は世にもてはやされることは無かろうよ。そんなことを考えてみたり、そのために憂身をやつしたりすることは間違ってる。私の作品は大衆のために書いたものではなく、同じようなものを好んだり、求めたり、同じような傾向を取ろうとしている、ほんの一握りの人
...続きを読むたちのためのものなのだ」
・「ひとかどのものを作るためには、自分もひとかどのものになることが必要だ。ダンテは偉大な人物だと思われている。しかし彼は、数百年の文化を背後に背負っているのだよ。ロスチャイルド家は富豪だ。けれども、あれだけの財宝は一代にして築き上げたものではない。こういうことには、どれ一つとっても、人が想像するよりもっと深い根があるものだ」
・「我々は素質を持って生まれてくるのだが、しかし我々が成長していくのは、広い世界の数知れぬほどの影響のおかげであり、この世界から、自分にできるものや、自分にふさわしいものを身に付けるからなのだ。大事なことは真実を愛する魂、真実を見出したら、それを摂取するだけの魂を持っていることだよ」
・「経験を積むとなると、先立つものは金だよ。私が飛ばす洒落の一つ一つにも、財布いっぱいの金貨がかかっているのだ。今自分の知っていることを学ぶために、50万の私の財産が消えていったよ」
・「才能があるというだけでは、十分とは言えない。利口になるには、それ以上のものが必要なのだ。自分への投資、すなわち経験を積むことが必要だね」
・「人間の到達できる最高のものは、驚異を感じるということだよ」
・「自分自身を知るのは、楽しんでいるときか、悩んでいるときだけだ。悩みと喜びを通してのみ、自分が何を求め、何を避けねばならぬかを教えられるというわけだね」
・「どんな年齢にも、その前後の年齢と比べて一長一短があるものだ。それは植物が、緑の葉の時期から、花の時期に移り、やがて種子や実の時期へ行き着くのと同じことなのさ」
・「年をとると若いころとは違ったふうに世の中のことを考えるものだ。そこで私は、デーモンというものは人間をからかったり馬鹿にしたりするために、誰もが努力目標にするほど魅力に富んでいて、しかも誰にも到達できないほど偉大な人物を時たま作ってみせるのだ、というふうに考えざるを得ないのだよ。ラファエロやモーツアルト、シェークスピアのようにね」