山下肇のレビュー一覧

  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    グレゴール・ザムザ 満を持して二度寝す。ってポップに言えないくらい家族からの扱いが酷いのなんのってw宮沢賢治の妹とは大違いだよ!ラスト、オー!マイキー かよ!

    断食芸人は片岡鶴太郎氏でしたねw

    カフカ 短編集にもちょいちょいあるけど
    サーカスネタ多いのね

    0
    2025年09月13日
  • ジョゼフ・フーシェ ある政治的人間の肖像

    Posted by ブクログ

    時と場合で次々と立場を変える政治家。信念をもったやつは全員死んだが、フーシェは生き残った。現代にもコロコロ政党変わって生き残ってる政治家いますよね。

    0
    2025年07月09日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    1958年初版なのでフォントの読みにくさはあるものの、訳の言葉に古さを全く感じませんでした。

    1編目は中編の『変身』。
    結末を知らなかったので、この本をどう読んだらいいのか手探りで読んでいきました。朝、いきなり毒虫になった体を苦労しながら動かす姿に、マンガ化するなら笑えるかも、などと想像しながら読んでいきました。しかし結末は…

    まず、毒虫としての表現が凄すぎる。足は勝手に動くし、ねばねばが出るし、虫嫌いのひとは絶対に受け付けないと思います。
    主人公・グレゴールの行動が徐々に虫らしくなっていくところに少し笑ってしまう部分があるけれど、とても哀しい。それに正比例して家族からの扱いがぞんざいにな

    0
    2025年06月10日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    『変身』は再読。断食芸人の覚悟は、ある種の殉教者のようで、どこか神聖ささえ感じた。断食を信じてもらえないのは辛いだろうな、と思った。私には無理だ。予想していたけれど、結末はカフカ的不条理に満ちていて悲しい。

    0
    2025年06月01日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    読書会のために再読。今回ラストの明るい結末について話し合った結果、あれは「毒虫からの解放」ではなく「グレゴールからの解放」だったのではないか?という結論に落ち着いた。「変身」以前のザムザ家で主人公は、転落した父、世間知らずな妹、病弱な母という役名を自己の家族に付し、「自分が家族を支える」という自分の「物語」の中に家族を囚えていたのでは?と考えたのだ。事実「変身」以降、父は働くようになり妹は勉強もするようになった。彼らの向上心を阻んでいたのはグレゴール自身だったという皮肉。

    0
    2024年03月15日
  • ゲーテとの対話 上

    Posted by ブクログ

    素敵な記録。
    ゲーテ更年期の朗らかな人柄がエッカーマンの文章からよく伝わってくる。
    目の前にゲーテがいるかのような読書体験。
    その聡明さと多角的な視点から物事を語る近代文学の大家に接近できて嬉しいです。
    中、下も早く読みたい。

    0
    2023年09月17日
  • ゲーテとの対話 下

    mac

    ネタバレ

    探求と過ち

    一部ご紹介します。
    ・「ある外国の改革を導入しようとする試みは、自国民の本質に深く根ざした要求でない限り、全て愚かなことだ。そうした故意に企てられた革命などは一切成功しないものだよ。なぜなら、そこには神がいないからだ。神はそういったいい加減な仕事には手を出されないからだ。しかし、ある国民の中に、大きな改革への真の欲求があるのなら、神はその国民とともにあり、その改革は成功するだろう」
    ・「私はあらゆる暴力的な革命を憎む。その際、良いものが得られるとしても、それと同じくらい良いものが破壊されてしまうからだよ。私は革命を実行する人々を憎むが、またその原因を作り出す人々も憎む」
    ・「暴力的なこと

    #深い #タメになる

    0
    2022年09月30日
  • ゲーテとの対話 中

    mac

    ネタバレ

    ひとかどのもの

    一部ご紹介します。
    ・「君に打ち明けておくのだが、私の作品は世にもてはやされることは無かろうよ。そんなことを考えてみたり、そのために憂身をやつしたりすることは間違ってる。私の作品は大衆のために書いたものではなく、同じようなものを好んだり、求めたり、同じような傾向を取ろうとしている、ほんの一握りの人たちのためのものなのだ」
    ・「ひとかどのものを作るためには、自分もひとかどのものになることが必要だ。ダンテは偉大な人物だと思われている。しかし彼は、数百年の文化を背後に背負っているのだよ。ロスチャイルド家は富豪だ。けれども、あれだけの財宝は一代にして築き上げたものではない。こういうことには、どれ一

    #深い #タメになる

    0
    2022年09月30日
  • ゲーテとの対話 上

    mac

    ネタバレ

    目標に通じる歩み

    一部ご紹介します。
    ・「誰でも自分自身が一番よく知っていると思い込んでいる。それで多くの人が失敗し、長いこと迷わなければならない」
    ・「いつかは目標に通じる歩みを一歩一歩と進んでいくのでは足りない。その一歩一歩が目標なのだし、一歩そのものが価値あるものでなければならないよ」
    ・「どの詩の下にも、いつ作ったという日付を書いておくことだね。そうしておけば、それがまた同時に君の心の状態の日記として役立つことになる」
    ・「趣味というものは、中級品ではなく最も優秀なものに接することによって作られる」
    ・「沈んではいくがいつも同じ太陽だ。年を取ると、ときには死について考えてみないわけにはいかない

    #深い #タメになる

    0
    2022年09月30日
  • ゲーテとの対話 下

    Posted by ブクログ

    感嘆させられることが多くて、その度にそれをせっせと書き留めた。
    水木しげるさんが戦場でお守りは落としても、この本だけは肌身離さず持ってたらしい。
    あの人もきっと、ゲーテの優れた、有益な言葉に励まされたんじゃないかと思った。

    0
    2021年08月24日
  • ゲーテとの対話 下

    Posted by ブクログ

    こうした古典を読みつけてないため、読破するのは難しいかと思っていたが、1ヶ月かかって読破した。

    この本を開く前は予想もしなかったが、おもわずふふっと笑ってしまったり、読みながら涙したり…… 様々な感情が自分自身の中で渦巻いた。ゲーテとエッカーマンの戻らないかけがえのない時間がこの本には詰まっている。

    もちろん、私の頭では理解できない部分が多いが、現代にも通じる言葉も多く、線を沢山引いた。
    日頃モヤモヤしていて言葉に出来ないことも、心にスっと入るようにゲーテが表現していて、読んでいて胸がすく思いがした。
    同時に、ゲーテならこのコロナ禍に生きていたらどのような言葉を残したのか?日々起こる出来事

    0
    2021年04月10日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    『100分で名著』でカフカ『変身』の回を見て、カフカにとても共感し読みたくなった。
    「起きたら巨大な虫になっている」というストーリーは、虫が大の苦手な私にとって想像するだけでも鳥肌が立つほどの嫌悪感があり、この小説を読むことは一生ないだろうと思っていた。
    番組を見て良かったと思う。

    読むにあたってどの翻訳で読むか迷ったが、新潮や角川と比べて翻訳が一番新しい岩波を選んだ。
    翻訳小説の日本語の読みづらさが少し苦手なのだが、岩波文庫改訳版(2004年)はわりと読みやすくて良かった。
    この本には『変身』と『断食芸人』の2作品が収録されている。

    (以下、ネタバレを含みます)


    『変身』
    突然何か大

    0
    2021年03月19日
  • ゲーテとの対話 下

    Posted by ブクログ

    一貫して、
    永遠真理、普遍の法則を探究しているゲーテの深遠な洞察が光るエッカーマンとの対談。

    幸福について
    学びについて
    生きるということについてなど語られる。

    「私は、作家という天職についているが、大衆が何を求めているとか、私が全体のためにどう役立っているかなどということを決して問題にしてこなかった。
    それどころか、私がひたすら目指してきたのは、自分自身というものをさらに賢明に、さらに良くすること、自分自身の人格を高める、自分が善だ、真実だと認めたものを表現することであった。」

    人のためにと自分を犠牲にして行う行為に幸せはなく、全体の幸せとは、自分自身を幸せにし、その上でまわりにも良い

    0
    2021年01月02日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    言わずと知れたカフカの名作である。

    ある朝グレゴール・ザムザは何やら不穏な夢から覚めると1匹の大きな毒虫になってしまう。無論、タイトルの「変身」はその激的な冒頭文のことを指しているのであろう、そう思った。
    毒虫になったザムザは部屋から出られずに1人で生きることは出来なくなったため家族が養ってあげることになった。なんて優しい家族なんだ。人間の食べものは食べられずに残飯を好んで食べ、人の言葉を失った代わりに虫の鳴き声で話し、本当にただのでかい毒虫になってしまったのである。そしたら家族もかつてはザムザだったその毒虫を「ただの毒虫」として扱うようになっていく。
    嗚呼そうか、タイトルの「変身」とは家

    0
    2020年07月09日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    大人になって『変身』を読んでみると、先の見えない介護に疲れ果てた家族の話に読めてしまって、悲しくて悲しくてたまらなくなる。

    0
    2019年11月13日
  • ゲーテとの対話 上

    Posted by ブクログ

    この本の特異なところとしては、
    「対話」とありながら、プラトン著作集のような人物同士の「」の応酬ではなく、
    一貫してエッカーマンの視点から、エッカーマンの心情をも織り交ぜて、ゲーテと対話を行なっている点だ。

    このエッカーマン自身の文章の面白さに加えて、着眼点が非常に良い。
    お陰でゲーテという人物から放たれる言葉が綺羅星のごとく、鋭く、ときに深く、ときに含蓄の深さからくる重さから、唸ってしまう。
    また、エッカーマンのゲーテへの心酔ぶりが、作品にさらに熱を帯びさせている。

    ゲーテが、数々の偉大な精神たちと対話を重ねてきたことがよくわかる。
    なぜ、ゲーテの「ファウスト」がこれほどに時を経た今でも

    0
    2019年10月06日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    「変身」を読むのは久しぶりです。新潮文庫の高橋訳に馴染んでいましたが、2004年改版のこの岩波文庫の山下肇・山下萬里訳、新鮮に感じました。あらためて、うーん、不条理の傑作ですね。併録の「断食芸人」、初めて読みましたが、考えさせるものでした。

    0
    2019年07月17日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    変身のみ読んだ。
    やはり有名な小説。人間の内面をえぐり出すような内容である…。自己は他者により構成されるという哲学者の言葉を体現している。
    そして物語が進むにつれて、両親や妹も他者により変わり果てていき、主人公自身も虫として生きるようになる。

    そして、もう一つ重大な事は、変身してしまった虫の描写が非常にあっさりしているという点なのではないだろうか。カフカ自身、生前挿絵などに虫の姿をはっきりと描かないよう指示していたという…。「虫」とはいったい何か。考えさせられる一冊。

    0
    2019年06月19日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    変身の描写はどこまでも淡々と、死にゆくグレゴールの最後の思考の一葉も伝えない。死にゆく彼が誰を思っていたのか、何を思っていたのか。それらは見るものが自由に空想するほかはない。
    妹の心、両親の心。グレゴールの心は人のまま、けれど家族の心はグレゴールを人とみなさなくなる。人の半分は人に作られているのだと思う。

    グレゴールの死を見つけた老婆がこの物語のアクセントだと思う。他人であり、元のグレゴールを知らず、毒虫であるグレゴールに話しかける変わり者であり、危機的状況の時には彼女は周りの人間の恐怖をなくすような、つまり、恐怖と恐怖をぶつけ合うことで周りは正気を保つように感じる、そのために彼女は雇われて

    0
    2019年05月31日
  • 変身・断食芸人

    Posted by ブクログ

    ひさびさに読んだ。
    「変身」
    一家の生計を担う長男が再起不能で働けなくなって、妹や両親が元気になり、しまいに彼を見捨てるお話。タイトルから想像する、いわゆる、新しい自分に脱皮していくような物語を予想して若い頃、初読みして衝撃を受けた。いま、読み返しても、いたたまれない気持ちになる。

    「断食芸人」
    人間はただ生きていくために食べるのではないことを考えさせられる。上手い食べ物にはありつけなかったが、旨い食べ物にはなれた男。

    0
    2018年05月14日