山下肇のレビュー一覧

  • ゲーテとの対話 上

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    岩波文庫の「ゲーテとの対話」は上・中・下巻の三巻からなる。上巻は原著「その生涯の晩年における、ゲーテとの対話」の第一部(1823年から1827年まで)を収録している。

    著者であるエッカーマンが、ゲーテとの談話や対話をまとめたもの。まえがきに書いあるように、著者のフィルターを通したゲーテである。

    「これは私(エッカーマン)のゲーテである」

    「私(エッカーマン)が彼(ゲーテ)をどのようにとらえ、どのように再現することができたか」


    詩人・作家のエッカーマンが書いた内容は、当然のことながら芸術、殊に文学に関する話題がほとんどを占めている。

    何を求めるかによって、本書の評価は変わってくるだろ

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    2025年03月22日
  • 変身・断食芸人

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    「グレゴール.ザムザはある朝、何やら胸騒ぐ夢がつつづいて目覚めると、ベッドの中の自分が一匹のばかでかい毒虫に変わっていることに気がついた」
    あまりにも有名なこの書き出し。
    もう読んだ気になっていて今まで読まずにいたらしい、今回初めて読んだ。読み進めるうちに
    そのうち蚕になるんだろうか?美しい蝶になるんではないかと期待したが、あっけなく裏切られた。
    グレゴールの引きこもった後の家族の在り方がなんとも言えない。よかったと言えばよかったのだろうが、グレゴールのつらくても我慢してやってきた事がすべて無駄だったようで悲しい。否定されたグレゴールが、空回りしている時の自分と重なる。どっと疲れる。
    断食芸人

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    2024年08月10日
  • 変身・断食芸人

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    ネタバレ

    読め、読めと言われていたがなかなか機会がなかった変身をついに読むことにした。
    変身も断食芸人も作中で自らの意思ではどうにもならないような障害に突き当たる。
    両方とも最後は主人公が死に、主人公は何を成したわけでもなければ死後讃えられるわけでもない。むしろその逆だ。
    私はこのようなタイプの小説に慣れていないので、読後の感情は決していいとは言えなかったが、これもおそらく自らの不勉強の致すところであろう。
    10年、20年後に読むとまた違う感を得るのかもしれない。
    話は変わるが、今年2024年はカフカ没後100年にあたるらしい。時間がなくて2、3年後回しにしていたのがたまたまこのような年に読めたことも何

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    2024年04月24日
  • 変身・断食芸人

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    変身について
    ・物語はグレゴールの主観でしかないため場面を想像しながら読むとコメディ的な面白さのある作品だった。
    ・好きな場面は母がグレゴールの部屋の家具を片付けるのを制止するところ。家具が無くなってしまうとグレゴールが人間であった事を否定するのと同じように、グレゴールがグレゴールである事はその周囲の認知によって成り立っている事なのだろうと思った。(グレゴールだけではなく人間全ての話)また、毒虫がグレゴールである根拠などなくそれが結果的に家族の不信感に繋がっているように感じた。
    ・その場で行われてる事の描写が事細かく描かれておりカッティングの悪い映画のような印象を受けてしまった。

    追記批評文

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    2022年10月12日
  • 変身・断食芸人

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    ひきこもりが関係している気がしたがどう解釈するか悩む。読み返すたびに感想が変わる気がする。そこに面白さがあるのかもしれない。

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    2020年08月31日
  • ゲーテとの対話 中

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    岩波文庫 ゲーテとの対話 

    1828年〜1832年のゲーテの言葉。

    中巻はゲーテが死んで終わる。下巻はどうなるのか?


    ゲーテの晩年は 自然から人間を見る傾向が強くなっている。生命と自然が一体になっている感じが 死生観へつながっている。


    自然科学的な著書「色彩論」が評価されていない点について 納得していない様子。色彩論に関してはニュートンすら誤っており、真実を知っているのは 自分だけとする論調。上巻で大作に要注意と言いながらも、ゲーテ自身 大作の罠にはまっている気もする


    ゲーテ「一人で仕事をするのはよくない。何事か成し遂げようと思ったら、他人の協力と刺激が必要」は御意。

    ゲーテ

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    2020年06月16日
  • 変身・断食芸人

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    「変身」
    褐色で、多数の足を持ち、はい回るとぬらぬらした体液の跡が残る…虫
    営業マンのグレゴール・ザムザが、ある日とつぜん
    そんな虫に変身してしまう
    聖書の時代なら、そんな不条理も神の試しと捉え
    家族たちも、最後まで献身的であろうとするのかもしれない
    しかしそれを許さないのはおそらく
    世間体の悪さであろう
    つまり「みんな明日の食事にも不安を抱えているというのに」
    「そんな虫を飼っておく余裕が一体どこから湧いて出るんだ!?」という
    世間からの無言の問いかけである
    それを取り繕うかのように、家族たちは働き始め
    やがて、ほかならぬグレゴールの用意してくれた自宅の
    その大きさに無駄を感じはじめる

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    2016年10月12日
  • ゲーテとの対話 上

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    読みつつ思ったことは、ゲーテの話が妙に鼻につくと言うところ。
    もちろん偉大な作家であり、詩人であり、科学者でもあるゲーテのことを知ろうと思って読んだのだが、合わないなと感じた。
    所々ではっとするようなことを言っていると思うことも多いし、豊富な人脈、鋭い洞察力、そして人間味がゲーテを魅力的な人物にしているのだろう。
    また、背景にある当時の知識人たちやその著作の知識があれば、もっとおもしろかったのかもしれない。

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    2013年07月13日
  • ゲーテとの対話 上

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    はっとする良いことをそこかしこで言ってるんだが、基本的に芸術家向けの内容だと思う。これを読んで水木しげるさんは自分の創作活動に影響を受けたのだなあ。会社員が読んでも役に立つわけではない^^;

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    2012年07月06日
  • ゲーテとの対話 上

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    エッカーマンが晩年のゲーテとのやりとりを収めたもの。日記という形式を取っている為、やや冗長のきらいがある。また、200年近くも前の出来事なので、知らない人が一杯出て来ていまいちピンと来ない。
    しかし、詩人であり芸術に関する造詣が深く、光や植物の研究など自然科学に関しても一流と言われる鉄人じゃなかった哲人 ゲーテ。彼が長い間考えてきたことや彼の価値観、人柄などがエッカーマンのお陰で知ることができる。
    正直なところ、忙しい受験生やビジネスマン、主婦などにはお薦めしないが、芸術や学問(特に自然科学)を志す人は読んでおくべきだろう。
    しっかし、エッカーマンは日付や曜日間違えすぎ!いい加減だなぁ。

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    2009年10月04日