【感想・ネタバレ】ゲーテとの対話 上のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年09月17日

素敵な記録。
ゲーテ更年期の朗らかな人柄がエッカーマンの文章からよく伝わってくる。
目の前にゲーテがいるかのような読書体験。
その聡明さと多角的な視点から物事を語る近代文学の大家に接近できて嬉しいです。
中、下も早く読みたい。

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目標に通じる歩み

mac
2022年09月30日

一部ご紹介します。
・「誰でも自分自身が一番よく知っていると思い込んでいる。それで多くの人が失敗し、長いこと迷わなければならない」
・「いつかは目標に通じる歩みを一歩一歩と進んでいくのでは足りない。その一歩一歩が目標なのだし、一歩そのものが価値あるものでなければならないよ」
・「どの詩の下にも...続きを読む、いつ作ったという日付を書いておくことだね。そうしておけば、それがまた同時に君の心の状態の日記として役立つことになる」
・「趣味というものは、中級品ではなく最も優秀なものに接することによって作られる」
・「沈んではいくがいつも同じ太陽だ。年を取ると、ときには死について考えてみないわけにはいかない。死を考えても私は冷静でいられる。なぜなら、我々の精神は絶対に滅びることのないものであり、永遠から永遠に向かって絶えず活動していくものだと強く確信しているからだ。それは太陽に似ている。太陽も地上にいる我々の目には沈んでいくように見えても、実は決して沈むことなくいつも輝き続けているのだからね」
・「重要なことは決して使い尽くすことのない資本、すなわち実力を作ることだ。実力をしっかり身に付け、有用な仕事に力を集中して、君にとって何の成果にもならないこと、君にふさわしくないことは全て放棄したまえ」
・「人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ」
・「今や歴史批評などというものが現れて、英雄的人物など存在しなかった、単なるフィクションか寓話として見なすべきだ、というのだね。しかし、そんなつまらないことを聞いたところでなんになるのか。昔の人がそういうものを創作するほどに偉大であったのなら、我々にだって、せめてそれを信ずるだけの偉大さがあってしかるべきだろうに」
・「自由とは不思議なものだ。足るを知り、分に安んじることを知ってさえいれば誰だってたやすく十分な自由を手に入れられる。誰でも健康に暮らせて、自分の職にいそしむだけの自由があれば、それで十分なのだ」
・「我々はただ黙々と正しい道を歩み続け、他人は他人で勝手に歩かせておこう。それが一番いいことさ」

#深い #タメになる

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Posted by ブクログ 2019年10月06日

この本の特異なところとしては、
「対話」とありながら、プラトン著作集のような人物同士の「」の応酬ではなく、
一貫してエッカーマンの視点から、エッカーマンの心情をも織り交ぜて、ゲーテと対話を行なっている点だ。

このエッカーマン自身の文章の面白さに加えて、着眼点が非常に良い。
お陰でゲーテという人物か...続きを読むら放たれる言葉が綺羅星のごとく、鋭く、ときに深く、ときに含蓄の深さからくる重さから、唸ってしまう。
また、エッカーマンのゲーテへの心酔ぶりが、作品にさらに熱を帯びさせている。

ゲーテが、数々の偉大な精神たちと対話を重ねてきたことがよくわかる。
なぜ、ゲーテの「ファウスト」がこれほどに時を経た今でも残っているのか?
その根源的なものはなんなのか?

もっと言えば、
そんなゲーテのように歴史の各時代の中でも一線を画する人たちの共通項はなんのか?

その問いに深い洞察を与えてくれる書物だ。


抜粋
「人はただ自分の愛する人からだけ学ぶものだ」

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Posted by ブクログ 2012年10月25日

ゲーテとの対話の全三巻のうち第一巻に相当する。
ゲーテの御宅にお邪魔した経緯と、聞いたことと,感じたことを書き留めたもの。

ゲーテの作品を読んだことがある人には興味深い内容。
ゲーテをよく知らない人には、あまり興味が沸かないかもしれない。

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Posted by ブクログ 2012年04月22日

「どの詩の下にも、いつ作ったかという日付を書いておくことだね。~心の状態の日記として役立つことになる。」この文章が読メを始めるきっかけになった。エッカーマンがゲーテと出会い10年間ゲーテの下で過ごした時の対話を日記形式で記録した本。目の前でゲーテが語りかけているようで貴重な本だと思う。芸術、文学、自...続きを読む然学、政治等々幅広いジャンルの事に触れているので理解できない箇所が多いのだが、参考にできる箇所は線を引いている。「もし自分の生まれつきの傾向を克服しようと努めないなら、教養など~」ここ胸にぐさっと突き刺さった。

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Posted by ブクログ 2010年01月25日

貧しくて教育を受けられなかったエッカーマンが、絵画を求め、学問を求め、ついにゲーテと出会う。彼は、ゲーテの仕事を手伝うことで、さまざまなことを学んでいく。ゲーテの人柄、語った言葉、考えなどなど、素敵な言葉と豊かな感覚にあふれるゲーテに触れられる一冊。

とてもおもしろかった!ゲーテの言葉は、どれも素...続きを読む敵で共感できて、ときには勉強になったりして、ゲーテを先生とすることができたエッカーマンが羨ましいくらい。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

齋藤孝先生おすすめ本。上>中>下の順で面白いので、最後まで読みとおすのに時間がかかりました。斎藤先生の本で要約本で良いのかも。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

ドイツ語題名Gespreche mit Goethe in den letzten Jarens Seines Lebensのとおり、生のゲーテと親交があったエッカーマンによる、ゲーテ最後の9年のなかで交わされた対話の集大成。対話本といってもそのほとんどがゲーテの言葉から成り、ゲーテという人物の生き...続きを読む方や思想が伺える。

ゲーテは『ファウスト』を最初に読み、そこで氏をもっと知りたいと思ってこの本を購入。読みながらまるでゲーテ自身が自分に直接語りかけているような気分になる。

個人的に旅するときの座右の銘として置いている「誰でも旅行をするについては、何を見るべきか、何が自分に大切か、を知っていなければならない」ということばもこの本から得たもの。心に響く名言や人生に影響を与えそうな言葉が多くあり、実際に自分の生き方にも影響を与えている。

ゲーテ好きのみならず、生き方・思想を考える者にもお薦めの一冊である。

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Posted by ブクログ 2020年06月15日

岩波文庫 ゲーテとの対話 上巻。1823年〜1827年のゲーテの言葉をまとめた本。


ゲーテの人生戦略がよくわかる。仕事にしても、人生にしても、対象を小さく絞ったり、自分を限定して他から隔離したり、一つの専門に限定し通暁したり、小さいことからコツコツやる感じ。


芸術論にも 差別戦略がよく現れて...続きを読むいる「特殊なものを描写することが芸術の生命である〜一般的なものは誰にでも模倣される。特殊さが人に受け入れられないか心配する必要はない〜どんな特異なものでも普遍性を持っている」


ゲーテの他人、世界、結果に期待していない言動は好感が持てる
*そう簡単に平和はこない。世の中は謙虚になれるような代物ではない
*他人を自分に同調させるのは馬鹿げている
*性に合わない人たちと付き合っていくことで〜誰とぶつかっても、びくともしないようになる
*正しい行動が 好ましい結果をもたらすとかぎらない

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Posted by ブクログ 2019年05月13日

前々から読んでみたいと思っていたが難しそうなのでついつい敬遠しがちだったのだが、三島由紀夫のインタビューをYouTubeで見たときに「畏敬の念を抱く作家は誰ですか?」と聞かれた時にまず最初にゲーテの名前が出てきたのでそんな事もうっすら気になってついに初めて手にとって読んでみた。エッカーマンがゲーテと...続きを読むの対話を収めた三部作の上。この頃のゲーテはすでに最晩年にあたると思うのだがまだ若いエッカーマンに対する姿勢など非常に芸術に対する姿勢が純粋であるというイメージを抱いた。そしてちょくちょく法務大臣がゲーテの館を訪れたりこの時のゲーテの境遇というのが一体どういうものなのか気になった。何やらすごく盤石な様子なのは窺い知れた。特に感銘を受けたところ→「比較的才能のとぼしい連中というのは、芸術そのものに満足しないものだ。彼らは、製作中も、作品の完成によって手に入れたいと望む利益のことばかり、いつも目の前に思い浮かべている。だが、そんな世俗的な目的や志向をもつようでは、偉大な作品など生まれるはずがないさ。」とか「もし自分の生まれつきの傾向を克服しようと努めないのなら、教養などというものは、そもそも何のためにあるというのかね。他人を自分に同調させようなどと望むのは、そもそも馬鹿げた話だよ。(中略)またそれによってのみ、はじめて多種多様な性格を知ることもできたし、性に合わない人たちとつきあってこそ、うまくやって行くために自制しなければならないし、それを通してわれわれの心の中にあるいろいろ違った側面が刺戟されて、発展し完成するのであって、やがて、誰とぶつかってもびくともしないようになるわけだ。」とか「われわれは、朝起きたときが、一番賢明である。が、また、一番心配も多い。というのは、心配はある意味で賢明と同義だ、それは、受け身の賢明さだろうが。愚者は決して心配をしない。」など。「われわれはただ、黙々と正しい道を歩みつづけ、他人は他人で勝手に歩かせておこう。それが一番いいことさ。」「人を楽しませることができるのは、その人が楽しいときだけだろう。」などなどとても難しい印象ではあるが読めるところも少なからずあった。続きも挑戦してみようと思う。

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Posted by ブクログ 2017年10月15日

エッカーマンが9年にわたる、ゲーテとの対話の数々を蒐集し、自身が価値ありと、あるいは珍しいと思ったものを文字で書きうつしたもの。
世界的名著。

一度読むだけでは到底理解の及ばないもの、これからも読み続けなければいけないし、その価値がある本。

以下抜粋です。
...市民もまた、彼が生まれあわせた身...続きを読む分によって神から定められた分を守っているかぎり、貴族と同じ感じように自由だ。…われわれは自分の上にあるものをすべて認めようとしないことで、自由になれるのではなく、自分の上にあるものに敬意を払うことでこそ、自由になるのた。なぜなら...上にあるものの価値をみとめることで、自分自身がいっそう高いものを身につけ、それと同じとのになる価値があることをはっきりとあらわすからなのだ...

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Posted by ブクログ 2016年03月01日

エッカーマンによる晩年のゲーテの言行録。一八二三年から一八二七年まで。当時の文学に対するゲーテの見解、色彩論にはまりこむゲーテとエッカーマンの様子、ゲーテが見聞した政治的事件についての感想など、「はざま期」(コゼレック)を生きた人間による貴重な証言が豊富に詰まった作品。「いちばん合理的なのは、つねに...続きを読む各人が、自分のもって生まれた仕事、習い覚えた仕事にいそしみ、他人が自分のつとめを果たすのを妨害しないということだ」という言葉には、革命以降のゲーテの作品――『ヘルマンとドロテーア』や『ヴィルヘルム・マイスター』――に一貫して流れる彼の思考が読み取れる。確かにこれは民主主義革命の時代に対する反発であり、現代人が納得できるかどうかはともかくとして、一つの見識であろう。

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Posted by ブクログ 2016年01月11日

文豪ゲーテの晩年に約10年身近で過ごした若き詩人エッカーマンが、ゲーテとの談話や対話を日記のように書き綴った手記。1823年6月~1827年9月を収めた、三分冊の上巻。
そのテーマは、文学、芸術、科学から人生の過ごし方に及び、優れた上達論として読むことができる。
「一方をやれば、他方はおろそかになり...続きを読む、忘れられてしまう。だから、賢明な人というものは、気を散らすような要素は一切しりぞけて、自分を一つの専門に限定し、一つの専門に通暁するわけだよ」
「趣味というものは、中級品ではなく、最も優秀なものに接することによってのみつくられる・・・だから、最高の作品しか君には見せない」
「重要なことは・・・けっして使い尽くすことのない資本をつくることだ」
「ほんとうに他人の心を動かそうと思うなら、決して非難したりしてはいけない。間違ったことなど気にかけず、どこまでも良いことだけを行うようにすればいい。大事なのは、破壊することではなくて、人間が純粋な喜びを覚えるようなものを建設することだからだ」
「シェークスピアは、あまりにも豊かで、あまりにも強烈だ。創造をしたいと思う人は、彼の作品を年に一つだけ読むにとどめた方がいい。もし、彼のために破壊したくなければね」
「芸術には、すべてを通じて、血統というものがある。巨匠をみれば、つねに、その巨匠が先人の長所を利用していて、そのことが彼を偉大にしているのだ、ということがわかる。ラファエロのような人たちが土台からすぐ生いそだつのじゃない。ちゃんと、古代および、かれら以前につくられた最上のものの上に立脚しているのだ」等
200年前に生きた巨人ゲーテの言葉が生き生きと伝わってくる。

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Posted by ブクログ 2015年03月07日

偉大な芸術家の日常を目の当たりに出来る本。
まだ途中までしか読んでいないけれど、
世界的に名を遺した人たちが、どんな世界観を持っていたか、
現代人が踏襲するべきことなど、少し読んだだけで圧倒される。

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Posted by ブクログ 2011年12月15日

ゲーテの書生として、薫陶を受けたエッカーマンが、
師と過ごした年月を語る。若々しい恋の歌であるマリーエンバート悲歌を
作ったときのエピソード、老いたゲーテが語るところなど、
やりとりがなかなか面白い。
まとめると『老ゲーテ 若い才能 ほめ育て 文学史の中 足跡刻む』といったところでしょうか?

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Posted by ブクログ 2011年05月14日

ゲーテとの対話部分も面白いですが、筆者自身の半生部分も面白い、というか、驚かされます。色々揶揄されたりしていますが、彼自身の才能がなければ、この本はできていないと思います。

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Posted by ブクログ 2011年02月03日

若い時期にゲーテと出会い、彼をとりまく人々との親交から多くを学ぶエッカーマン。スコットのアイバンホーなどゲーテがお薦めする本はこれから読みたいと思う。偉大な人物が何を考えどう暮らしていたのがわかる貴重な本。また人の成長はかかわる人物によるところが大きいことを感じさせる。この本に10代のころに出会って...続きを読むいたら。

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

基本的にゲーテの発言のみを読みましたが、分量はそれなりにあります。詩についての解釈が多い中にもわれわれに直接響く言葉があります。賢人ゲーテの存在が当たり前なエッカーマンを多少羨ましく思ったり・・・。

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Posted by ブクログ 2013年07月13日

読みつつ思ったことは、ゲーテの話が妙に鼻につくと言うところ。
もちろん偉大な作家であり、詩人であり、科学者でもあるゲーテのことを知ろうと思って読んだのだが、合わないなと感じた。
所々ではっとするようなことを言っていると思うことも多いし、豊富な人脈、鋭い洞察力、そして人間味がゲーテを魅力的な人物にして...続きを読むいるのだろう。
また、背景にある当時の知識人たちやその著作の知識があれば、もっとおもしろかったのかもしれない。

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Posted by ブクログ 2012年07月06日

はっとする良いことをそこかしこで言ってるんだが、基本的に芸術家向けの内容だと思う。これを読んで水木しげるさんは自分の創作活動に影響を受けたのだなあ。会社員が読んでも役に立つわけではない^^;

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Posted by ブクログ 2009年10月04日

エッカーマンが晩年のゲーテとのやりとりを収めたもの。日記という形式を取っている為、やや冗長のきらいがある。また、200年近くも前の出来事なので、知らない人が一杯出て来ていまいちピンと来ない。
しかし、詩人であり芸術に関する造詣が深く、光や植物の研究など自然科学に関しても一流と言われる鉄人じゃなかっ...続きを読むた哲人 ゲーテ。彼が長い間考えてきたことや彼の価値観、人柄などがエッカーマンのお陰で知ることができる。
正直なところ、忙しい受験生やビジネスマン、主婦などにはお薦めしないが、芸術や学問(特に自然科学)を志す人は読んでおくべきだろう。
しっかし、エッカーマンは日付や曜日間違えすぎ!いい加減だなぁ。俺みたい(笑)

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