あらすじ
文学、芸術、諸外国の文化……。読者もまたゲーテと語っているかのような愉しさに満ちた、ゲーテ読本。
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探求と過ち
一部ご紹介します。
・「ある外国の改革を導入しようとする試みは、自国民の本質に深く根ざした要求でない限り、全て愚かなことだ。そうした故意に企てられた革命などは一切成功しないものだよ。なぜなら、そこには神がいないからだ。神はそういったいい加減な仕事には手を出されないからだ。しかし、ある国民の中に、大きな改革への真の欲求があるのなら、神はその国民とともにあり、その改革は成功するだろう」
・「私はあらゆる暴力的な革命を憎む。その際、良いものが得られるとしても、それと同じくらい良いものが破壊されてしまうからだよ。私は革命を実行する人々を憎むが、またその原因を作り出す人々も憎む」
・「暴力的なことや、突飛なことは全て私の性に合わないのだ。それは自然に適っていないからね」
・「探求と過ちは結構なことだ。探求と過ちを通して人は学ぶのだからね。しかも、単に事実を学ぶだけでなく、その領域全体に明るくなる」
・「偉大な先人と交わりたいという欲求こそ、高度な素質のある証拠なのだ」
・「何も詩や芝居を作ることだけが生産的なのではないよ。行為という生産性だってあるのだ。多くの場合、この方がはるかに有意義なのだよ」
・「私が勧めたいのは決して無理をしないことだ。生産的でない日や時間には、いつでも、むしろ雑談をしたり、居眠りでもしてた方がいいよ」
・「本物の自由主義者は、自分の使いこなせる手段によって、いつもできる範囲で、良いことを実行しようとするものだ」
・「私の考えでは、誰しも、自分自身の足元から始め、自分の幸福をまず築かねばならないと思う。そうすれば、結局間違いなく、全体の幸福も生まれてくるだろう。『全体の幸福のために働かねば、個人の幸福は築くことはできない』という考え方は、全く非実際的で実行できないことのように思うね。もしめいめいが個人として、その義務を果たし、めいめいがその身近な職業の範囲内で有能であるなら、全体の社会福祉も向上するだろう。私の言いたいことは、父親は家のために、職人はお得意先のために、牧師は人間同士の愛のために、力を尽くせ!そして警察は、我々の喜びを妨げるな!ということさ」