藤沼貴の作品一覧

「藤沼貴」の「復活」「戦争と平和」ほか、ユーザーレビューをお届けします!

作品一覧

  • 復活 上
    4.1
    1~2巻1,188~1,276円 (税込)
    『復活』は人間の復活とは何かを問う長篇で,後期トルストイ(1828-1910)の問題意識や到達点が最も多面的に示されている.殺人事件の陪審員として法廷に出たネフリュードフは,容疑者の娼婦が,10年前に自分が誘惑して捨て去った叔母の家の小間使いカチューシャであることに気づき,激しい良心の呵責にさいなまれる.(全2冊)

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  • トルストイの生涯
    -
    1巻1,650円 (税込)
    『戦争と平和』『アンナ・カレーニナ』などの名作を残したロシアの大文豪トルストイ。権力と闘い、内なる生の鉱脈を掘りつづけた巨人の実像に迫り、その82年の生涯を描いた力作評伝。『戦争と平和』『復活』『幼年時代』(以上、岩波書店)等の翻訳で活躍し、トルストイ協会会長を務めた著者の労作(レグルス文庫)を、ハードカバーの第三文明選書として復刊。
  • 戦争と平和 (一)
    3.7
    1~6巻1,254~1,364円 (税込)
    1805年夏、ペテルブルグ。英雄か恐怖の征服者か、ナポレオンの影迫るロシア上流社会の夜会に現れた外国帰りのピエール。モスクワでは伯爵家の少女ナターシャが平和を満喫。だが青年の親友や少女の兄等は戦争への序走に就いていた。愛・嫉妬・野心・虚栄・生死――破格のスケールと人間の洞察。世界文学不朽の名作! 新訳。

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ユーザーレビュー

  • 戦争と平和 (五)

    Posted by ブクログ

    この長編もいよいよ後半。モスクワ市街がフランス軍に制圧され市の大半が焼失、その中でピエールはナポレオン暗殺を考えるが、あっけなく捕虜にされ容疑者たちが銃殺される現場を見る。以来ピエールの中で宗教や政治、妻エレンのことは遠ざかってしまう。捕虜生活の中でプラトンという男と知り合う。これがトルストイの傾倒した老荘思想の持主ということらしい。しかし東洋的なことを言うわけではない。モスクワから逃げ延びたロストフ一家は負傷したアンドレイと偶然落合い、ナターシャとマリアはその臨終に立ち会う。末期のアンドレイも現世のことには興味がなくなっていたようだ。このあたり作者の無常観が漂っている感じだった。そんな中でニ

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    2025年11月27日
  • 戦争と平和 (四)

    Posted by ブクログ

    この巻は前半はマリアの父ボルコンスキー公爵の死 後半はナポレオンのロシアでの初めての敗北のボロジノ戦が描かれています。読んでいてじわじわ来たのは、私のように戦争経験のない人間にはわからない、軍事進攻の残酷さです。特に前半のアンドレイの故郷の荒廃ぶり、彼らが土地を転々としている事実、むろん彼らは裕福な何ヘクタールも農場を所有している豪農の領主なのですが、しかし物語で語られている時間経過でそれは感覚として理解できました。いわば都落ちです。後半の戦場の残酷な描写も克明であり、この時代の戦争ではあるのですが、指導者と現実の戦場の乖離など、読んでいてそうであろうと納得させられました。そんな中でアンドレイ

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    2025年11月12日
  • 戦争と平和 (三)

    Posted by ブクログ

    この巻は戦争関連の事柄は退き、ロストフ家とボルコンスキー家の縁組の話が主で、いろいろな結婚話が出てきます。年若いナターシャを巡る恋愛話が主なのでヒロインかなと思いますが、ソーニャが脇役で地味ながら聡明なこと、またアンドレイの妹のマリアが老父に支配され結婚もできずにいることなど、私もこの歳で読んでみて若い頃には気づかなかったであろう点が多々あり、非常に示唆に満ちた読書体験でした。持参金のあるなしで縁談もうまくいかないことも何度も出てきて、非常にシビアな作品だと思います。また登場人物らの心理描写が巧みで、ほんのちょっとしたことで気持ちが移りかわっていく描写が多かったです。まだ半分まで来たところなの

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    2025年10月26日
  • 戦争と平和 (二)

    Posted by ブクログ

    ピエール、ニコライ、アンドレイの三人を軸に話が進み、決闘や賭博、フリーメーソンと多彩な当時の庶民の暮らしの先端部分が描かれた巻。アンドレイは戦争で負傷し妻をお産で亡くし、フリーメーソンに入会して意気があがっているピエールと距離ができてしまう。またニコライは、妹のソーニャに思いを寄せたが断られたドーロホフに賭博で負けてしまう。ドーロホフはその前にピエールとその妻エレンを巡りピストルでの決闘で負けている。戦争はこの巻ではその背景に退き、複雑な人間模様が主として描かれる。フリーメーソンがこの先どう描かれているか知らないが、この巻での描写は新興宗教のようで不気味に思えた。ピエールはその教義に基づき農民

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    2025年10月15日
  • 復活 上

    Posted by ブクログ

    貴族階級の若者と関係した後に棄てられ、失意のまま娼婦へ身を落とした元小間使い。十年の時を経て彼らは或る事件の陪審員と被告の立場にて再会。書き手次第で三文小説に成り兼ねない題材も文豪の筆に掛かれば重厚なドラマへと昇華する

    人間は自分の中にあらゆる性質の芽をいだいており、その変化によっては自分と似ても似つかないものになることがよくある(四百頁記述の要約)

    人間の本質を的確に捉えたトルストイの見識に改めて感心。若かりし頃の崇高な理念は忘却の彼方へ消し去られ、俗世にまみれたエゴイストへ成り下がったネフリュードフと、彼に尊厳を踏みにじられ堕落したマースロワの二人がどう「復活」していくのか、下巻の展開

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    2024年09月21日

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