【感想・ネタバレ】戦争と平和 (二)のレビュー

あらすじ

ロシアはナポレオンとの決戦に突入。アウステルリッツ戦で生死不明だったアンドレイが帰還した夜、妻は男児を出産し死亡する。遺産相続したピエールははめられて結婚、妻の不倫から決闘する。 一方ロストフ家の若者たちは恋する年頃。 それぞれの人生が続く中、歴史はロシアをティルジット条約の屈辱へと導いていく。(全6冊)

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Posted by ブクログ

ピエール、ニコライ、アンドレイの三人を軸に話が進み、決闘や賭博、フリーメーソンと多彩な当時の庶民の暮らしの先端部分が描かれた巻。アンドレイは戦争で負傷し妻をお産で亡くし、フリーメーソンに入会して意気があがっているピエールと距離ができてしまう。またニコライは、妹のソーニャに思いを寄せたが断られたドーロホフに賭博で負けてしまう。ドーロホフはその前にピエールとその妻エレンを巡りピストルでの決闘で負けている。戦争はこの巻ではその背景に退き、複雑な人間模様が主として描かれる。フリーメーソンがこの先どう描かれているか知らないが、この巻での描写は新興宗教のようで不気味に思えた。ピエールはその教義に基づき農民たちを潤沢な父の遺産で解放しようとするが、かえって彼らが生活に苦しむことになったという著者の記述はとても皮肉めいている。トルストイの視点は非常に現代的で、数世紀も昔のものとは思えない小説である。

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2025年10月15日

Posted by ブクログ

この2巻では、主要なキャラクター3名、ピエール、アレドレイ、ニコライにそれぞれ試練が訪れる。

特に本書の後半で行われるアンドレイとピエールとの「人生の意味」ついての議論は本巻のクライマックスだ。

アンドレイは、アウステリッツでのナポレオン軍との戦闘で重傷を負って帰郷、さらに追い打ちをかけるように出産時に最愛の妻リーザを亡くし、軍での出世も人生への希望も失ってしまう。一方、妻エレナとの関係の悪化により、人生に絶望していたピエールは、秘密結社フリーメーソン(!)に入会したことにより再び人生の希望を見いだしていた。

この二人の議論は突き詰めれば「人生とは、善か悪か」ということであり、著者レフ・トルストイが人間の生きる意味をピエールとアンドレイとのやりとりを通して、深く読者に問いかけてくる。

この『戦争と平和』が上梓されたのが1869年(日本で言えば、明治維新の翌年)、今からちょうど150年前だが、「人生とはなにか?」と人生に悩む人々の苦悩は150年前でも今でも全く変わりないのだ。

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2019年06月10日

Posted by ブクログ

読みやすいのだが、登場人物が多いため混乱してくる。
私に学歴がないためだと思うが、ティルジットの会見をこの本で初めて知った。
また、オーストリア皇帝と神聖ローマ帝国の皇帝の名前が一緒なのはなぜ?ということで調べたら、神聖ローマ帝国がナポレオンのせいで解体されてもフランツ2世が皇帝を維持するためにオーストリア皇帝になった(オーストリアは、それまではオーストリア帝国ではなく、単なるオーストリア。皇帝ができたから、オーストリア帝国に名前が変更された)。

色々勉強になる本だ。

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2025年07月16日

Posted by ブクログ

 少しずつ話が動いてきて、歴史上の出来事も、話の中に絡んでくる。ピエールよりも、アンドレイの方が波乱万丈な人生のような気がする。

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2024年02月04日

Posted by ブクログ

ネタバレ

ニコライやアンドレイが一旦家に帰って、彼らの家の話が展開されたりするのでまだ話についていけた。最後に、ロシアとフランスが講和していて、アレクサンドルとナポレオンが勲章を交換しあっているの、世界史を知らないからか急展開で、何があった?って驚き。ニコライを一途に愛しているソーニャが良い。

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2023年04月30日

Posted by ブクログ

ネタバレ

アウステルリッツの戦いで、戦争の描写に移る。

血気盛んで、祖国のために戦うという盲信さは当時の人々がそうあったのかと想像させられた。

ベズーホフ伯爵となったピエールを取り巻く、財産目当ての謀略と裏切り、そして地位と財産という当人と分離して見える価値観に翻弄される様に、滑稽さと哀れな感覚を覚えた。

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2020年09月09日

Posted by ブクログ

人間のちょっとした無意識的動作や表情に対するトルストイ先生の描写は繊細かつ新鮮。人間の本質は100年単位ではそうそう変わらないんだな、と思うこと多々。
偉大な群像劇を通勤途中のチョイ読みで読み続けていくのは勿体無いので残りは夏休み中に纏めて読もうかな。

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2017年07月16日

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戦争で負傷したアンドレの手紙による家族の動揺が描かれ、

個々で恋愛感情が動いていく

壮大なスケールの中の人物描写が言うまでもなくすばらしい

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2009年12月03日

Posted by ブクログ

1巻と同じく相変わらず戦史ものとして読むとしたら物足りない。前半はアウステルリッツ戦なのだが、全く戦いの進展も両軍の作戦も分からないうちにどちらが勝ったかもよく分からず終わってしまう。
しかしながら、1巻よりロシア文学(トルストイ?)特有のどろどろとした人間の内面を描くという部分は面白くなってきている。人間の多面性を描くという点では、俊逸だと思う。所詮人間一人が知りえることは自分の周りのことだけであり、周りのことを意図的に作られてしまうと真実は分からないという当たり前のことが上手く描かれている。ロシア人のしたたかさ、当時の皇帝に対するロシア人の憧憬が良く分かる。

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2023年05月06日

Posted by ブクログ

第二部第二篇まで。

巨額の遺産を相続したピエールの結婚と破綻と決闘。フリーメイソン加入。
アンドレイのアウステルリッツ参戦と負傷。

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2020年07月16日

Posted by ブクログ

戦争の記述は少々読みにくかったものの、そのほかの人間模様は興味深い。
理想主義者のアンドレイが失望して行く様、もともと平和主義で人当りのいいニコライが戦闘の高揚感を楽しんでしまう様。そうなんだね、多分。戦争は嫌いだ、反対だと言っていても、いざその中に置かれると人間は意外とその状況を楽しんでしまうのかもしれない。
相反して状況を傍観しながら決して自分はその中に染まらず、只管己のみのボルツには反感を覚える。でも実際には多い、こういう人。

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2017年01月20日

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