あらすじ
妻の死後、 田舎に隠棲する傷心のアンドレイを甦らせたのはナターシャだった。 だが若さゆえの過ちから少女は誘惑者の手に。 苦境を救おうと奔走するピエールが冬空に見たのは、ナポレオンとの再対決を予感させる、巨大な1812年の彗星だった…… 新訳(全6冊)
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Posted by ブクログ
この巻は戦争関連の事柄は退き、ロストフ家とボルコンスキー家の縁組の話が主で、いろいろな結婚話が出てきます。年若いナターシャを巡る恋愛話が主なのでヒロインかなと思いますが、ソーニャが脇役で地味ながら聡明なこと、またアンドレイの妹のマリアが老父に支配され結婚もできずにいることなど、私もこの歳で読んでみて若い頃には気づかなかったであろう点が多々あり、非常に示唆に満ちた読書体験でした。持参金のあるなしで縁談もうまくいかないことも何度も出てきて、非常にシビアな作品だと思います。また登場人物らの心理描写が巧みで、ほんのちょっとしたことで気持ちが移りかわっていく描写が多かったです。まだ半分まで来たところなので、今後のあらすじがどうなるのか興味津々です。
Posted by ブクログ
ここ(3巻)まで来ないとこの本の良さが理解できなかった。1巻の時にさんざんに酷評したことを反省しているが、あの時点ではこんなに引き込まれることになるとは思っていなかった。この本は単なる小説ではなく、トルストイが考える戦争というものを表現している本だとやっとで理解した。ナポレオン戦争はナポレオンの英雄的な天才性によって勝ち進んだものではなく、戦争の中で一人の人間が担える役割や与える影響はたとえそれが皇帝であろうとも極わずかどころか皆無であり、人間の集団性とその中の個々人の動きの総和によってすべてが左右されるというトルストインの戦争観に全く賛成である。途中に入る訳者の解説も大変的を得ていて、本当に面白い。
Posted by ブクログ
本巻はついに恋愛小説編に突入!
妻を亡くしたアンドレイ・ボルコンスキー公爵(31)とロストフ伯爵家の次女ナターシャ(16)との恋愛、そして同じくナターシャの兄のニコライといとこのソーニャ(18)との恋愛がメインで語られている。
この時代の貴族の結婚というのは、財産目当てというか、いわゆる政略結婚が大きなウエイトを占めている。特に、貴族の男性にとっては持参金をたくさん持ってくる金持ちの貴族の娘と結婚することが一番の幸せだと言われていたんだね。
ロストフ伯爵家は財政が火の車なので、長男のニコライにはぜひ金持ちの貴族の娘と結婚して欲しいと両親は思っているのだけど、当のニコライは無一文(これは言い過ぎか)の娘であるソーニャと両思い。う~ん。どうなるんだろう。
それにしても、本巻で描かれる16歳のナターシャと18歳のソーニャの可愛らしさ、美しさは文章から溢れんばかり。男性読者にとっては眼福ですね。
「文章だから見えるはずないだろ」って突っ込みが来そうだけど(笑)。
見えないけど、頭の中でありありとイメージされるんですよ!凄まじく美しく可憐な美少女が!
このあたりの描写の素晴らしさは、「さすがレフ君やるじゃん!」って感じです(ロシアが誇る大文豪トルストイをレフ君呼ばわりする大馬鹿者がここにいます←)。
という訳で、やっとこの超大作『戦争と平和』も各巻約500ページ(しかも細かい文字がページびっしり)の3冊を読み終え、全体の半分が終わりました・・・。
よし、この調子でサクサク読んでいこう!(白目)
Posted by ブクログ
戦争が描かれてない巻だった。
ロシア帝国の生活の一部を知ることができた。
狼猟だったり、オペラが上流階級の嗜みだったり、ダンスパーティーだったり(後者2つは、世界共通の気がする)。
最後部分のアナトールを殺したくなった。
いたいけな少女を騙して楽しいのかね?
アンドレイが、もう少し早く帰ってきてくれれば、こんなに事態が悪くならなかったのに、と感じてしまう。
Posted by ブクログ
ナターシャみたいな若い派手な人には、一年アンドレイを待つことができなかったんだろう。それは愛じゃないと思うけどな。ソーニャみたいに静かに待てる人がニコライと婚約できてよかった。最初の、アンドレイがナターシャに出会う前と後で古木のナラの木の見え方が変わる場面は授業で昔読んだ気がする。
Posted by ブクログ
ピエールがフリーメイソンに入信し、愛や美徳の探求を始めるも、どこか方向違いで自堕落な様子が滑稽に思えた。
対して、親友のアンドレイが多くの真理的なものを心得ていていながらも、世界に絶望感を抱いている様子が対照的な存在としての二人を如実に感じさせた。
ナターシャが多くの男性から求愛を受ける魅力的な女性として描かれているが、どのような意味を持つのか、奔放さ、無垢さ、溢れ出る生といった事柄が人間の上級の価値だと作者が言っているのだろうかと考えた。
それにしても、アナトールの誘惑に負けて破滅してしまう運命はやるせない。
Posted by ブクログ
私が読んだのは、新しい「藤沼 貴訳」の方です。
どうして、みんな、ナターシャが良いのでしょう。どうも、私は、世間知らずなわがまま娘のような気がして、イヤですね。
マリアやソーニャには、けっこう感情移入して読んでしまいます。マリアは、一生を老いた父と、母のいない甥の世話ために捧げてしまうのでしょうか。ソーニャは、やっぱりニコライとは結婚できないのでしょうか。
それにしても、アナトールとエレンの兄妹は、本当にイヤなやつです。ピエールとエレンとの結婚生活は、今後、どのようになるのでしょう?
そして、時代背景的には、ナポレオンのフランス軍とロシア軍との対決が避けられなくなる状況です。4巻は、きっと、この長い物語の起承転結の「転」にあたる部分に入るのではないか、と思います。
Posted by ブクログ
大戦争の合間での貴族同士の華やかで打算的(一部直情的)な恋愛劇。いかにも共感するところ無さそうな設定なのにぐいぐい読めた。後半戦が楽しみだ。、
Posted by ブクログ
ナターシャはトルストイが“全力をこめて創造した魅力的なロシア女性像”らしい。
だけど、おバカさんにしか見えない。そこが面白いんだろうな。
いろんな恋愛の形が書かれている。
レビューは最終巻で。
Posted by ブクログ
面白かった…!やはり戦争と平和はここまで来ないと良さがわからないかもしれぬ。
毒親と子の関係、いろんな恋愛などが描かれていて人間ドラマがめちゃくちゃ重厚。
マリアが可哀想。ソーニャ賢い。ピエール(';ω;`)