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Posted by ブクログ
ピエール、ニコライ、アンドレイの三人を軸に話が進み、決闘や賭博、フリーメーソンと多彩な当時の庶民の暮らしの先端部分が描かれた巻。アンドレイは戦争で負傷し妻をお産で亡くし、フリーメーソンに入会して意気があがっているピエールと距離ができてしまう。またニコライは、妹のソーニャに思いを寄せたが断られたドーロホフに賭博で負けてしまう。ドーロホフはその前にピエールとその妻エレンを巡りピストルでの決闘で負けている。戦争はこの巻ではその背景に退き、複雑な人間模様が主として描かれる。フリーメーソンがこの先どう描かれているか知らないが、この巻での描写は新興宗教のようで不気味に思えた。ピエールはその教義に基づき農民たちを潤沢な父の遺産で解放しようとするが、かえって彼らが生活に苦しむことになったという著者の記述はとても皮肉めいている。トルストイの視点は非常に現代的で、数世紀も昔のものとは思えない小説である。
Posted by ブクログ
この2巻では、主要なキャラクター3名、ピエール、アレドレイ、ニコライにそれぞれ試練が訪れる。
特に本書の後半で行われるアンドレイとピエールとの「人生の意味」ついての議論は本巻のクライマックスだ。
アンドレイは、アウステリッツでのナポレオン軍との戦闘で重傷を負って帰郷、さらに追い打ちをかけるように出産時に最愛の妻リーザを亡くし、軍での出世も人生への希望も失ってしまう。一方、妻エレナとの関係の悪化により、人生に絶望していたピエールは、秘密結社フリーメーソン(!)に入会したことにより再び人生の希望を見いだしていた。
この二人の議論は突き詰めれば「人生とは、善か悪か」ということであり、著者レフ・トルストイが人間の生きる意味をピエールとアンドレイとのやりとりを通して、深く読者に問いかけてくる。
この『戦争と平和』が上梓されたのが1869年(日本で言えば、明治維新の翌年)、今からちょうど150年前だが、「人生とはなにか?」と人生に悩む人々の苦悩は150年前でも今でも全く変わりないのだ。
Posted by ブクログ
1巻と同じく相変わらず戦史ものとして読むとしたら物足りない。前半はアウステルリッツ戦なのだが、全く戦いの進展も両軍の作戦も分からないうちにどちらが勝ったかもよく分からず終わってしまう。
しかしながら、1巻よりロシア文学(トルストイ?)特有のどろどろとした人間の内面を描くという部分は面白くなってきている。人間の多面性を描くという点では、俊逸だと思う。所詮人間一人が知りえることは自分の周りのことだけであり、周りのことを意図的に作られてしまうと真実は分からないという当たり前のことが上手く描かれている。ロシア人のしたたかさ、当時の皇帝に対するロシア人の憧憬が良く分かる。
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