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1812年冬の戦争とは何か。追撃するパルチザン、敗走するナポレオン。解放軍突入の朝、紅顔の少年兵が一発の銃弾に斃れた。ペーチャの姿がフランス軍捕虜ピエールの目に焼きつく。耳には老兵プラトンへの止めの銃声と犬の唸り声が──死者の河を渡り、いま還るべき平和とは何か? 巨大な問いを後世に残して、全六巻完結! 新訳。
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Posted by ブクログ
歴史に残る名作、大作の1つ。本当にそう。 名作を読んだ時、今まで読んだ本の大部分がへぼく見えてしまう。 読みこなすには一度ではすんなり入ってこない部分もあるけれど、登場人物の人間ドラマは生き生きと、戦争などはシーンが浮かぶように描写。 死がたくさんあるけれど、最初は思いもかけなかった人たちが結び...続きを読むつく。 『アンナ・カレーニナ』を読んだ時もそうだったけど、先が見えない大きな何かに包まれて生き、私たちはとても小さな存在でありながら今生きているという気持ちになる。 エピローグ2では、権力の定義、必然性と自由について、トルストイの哲学的な歴史の考察が書かれていた。
人物がとにかく多いし日本史選択の私にはなんのことやらさっぱり、カタカタ多いなわからんっ…と悲壮な気持ちで読み進めましたが、段々巻を重ねるうちにその壮大な物語の展開に引き込まれて行きました。個人的にはソーニャがやっぱりなんだかかわいそうだなぁ、と思いました。所々挟まれるトルストイの歴史考察はなかなか難...続きを読むしくて、一度読んだだけでは理解できません。また読み返したいと思います。(長いから時間のあるときに…)
歴代Best3に入る愛読書。 愛読書といっても社会人になったばかりのときに一度読んだきりだが、その感動は語り尽くせないほどであった。 最初は登場人物多くて苦戦したが、後々その人間関係が複雑に絡み合って繋がっていく壮絶なストーリーに大興奮だった。 戦争という大きな時代の中だからこそ見つけられた本当の平...続きを読む和。 いつかもう一度読み返したい!
物語部分より、エピローグ2(トルストイの歴史考察)が強烈過ぎる。 そのため、小説の印象が薄くなってしまった。 考察を読んで思ったことは、トルストイはギリシャ哲学も学んでたんだなということ。 物語の方で、級数(数学Ⅱ・Bで習う)という単語も出てきたり、著者の学識の深さに驚いた。
トルストイ本人曰く、長編小説でも叙事詩でもないらしいが、こんなに長い小説は久しぶりに読んだ。(翔ぶが如く以来かな。) 登場人物はWikipediaによれば全部で559人とのこと。 歴史のうねり、という言葉がぴったりくるような、大河小説。 ロシア人のヨーロッパに対する感情が漸く理解出来るようになった気...続きを読むがする。 小説の筋と直接は関係ない歴史論とかが異様に長いが、執筆動機を窺い知ることが出来るし、作者本人としてはどうしても端折れなかったんだろう。
この巻で印象的だったのはペーチャとプラトン・カタラーエフの死。あまりに呆気ない終わり方。人は生まれる前は長い月日を母の胎内で過ごし、期待と希望を浴びながら誕生する。物事も最初はドラマチックに始まるのに終わる時はあっけない。人の一生も同様なのかもしれない。 最後は二組の夫婦がそれぞれいい家庭を築きハ...続きを読むッピーエンドに終わってはいるが、個人的にはソーニャがとても不憫に感じる。 伯爵夫人あたりが、いい縁組でも探してあげるべきだと思うが…彼等にとってソーニャは使用人程度の存在だったのだろうか。 何はさておき、長い時間かけて読んできたけど、人の心の動きや変化が大変リアルで興味深い、やはり名作だと思った。
ナポレオンとの戦争の前後の、ロシア貴族の家族のお話。 トルストイ自身も貴族だったんだとか。 戦争の話あり、恋愛の話あり、の大河ドラマだったな。
ナポレオン軍の退却 ピエールの救出 ナターシャとの再会 有名なエピローグ第一部はその後の後日談。 ナターシャが太り、健康な主婦となっている。 子供にアンドレイと名付けているのは泣かせる。 ニコライとマリアは理想的な夫婦に。 ソーニャに対する冷たい扱いはどうしたことかと思うが、現実によく起こりそうな...続きを読むことであり、これぞトルストイのリアリズム。 エピローグ第二部はトルストイのナポレオン戦争に関する考察。 作品中にもところどころあらわれる論文部分は、最初はもっと大量にあって、まわりの反対で最低限まで切り詰めたそうだが、それでも多い。特に興味があれば別だが、そうでなければ作者がそうしたいんだから仕方がないとあきらめて、適当に読み飛ばすしかない。 というふうに、かなりいい加減に読んでしまいました。 トルストイはトルコとのクリミア戦争(1853-1856)に参加し、激戦を経験しているので、アンドレイやニコライやピエールが経験する戦争に関する描写はそのとおりなのだろう。 けれども、どこか牧歌的に思えるのは、われわれはトルストイの見ていない第一次、第二次世界大戦を経験しているからだろう(トルストイは1910年に亡くなっている)。 われわれはもっと悲惨で冷酷で残酷な戦争を経験しているが、トルストイが幸いにも見ずにすんだその戦争の方が、彼がこの作品のあちこちで述べている戦争哲学や歴史哲学、すなわち戦争とは、計画的・戦略的に行われるものではなく、誰も把握できないままでたらめに進んでいくものであり、また、ひとりの英雄や将軍が世界を動かしているではなく、かれらは歴史によって動かされる表象にすぎず、多くの人々の無意識の力、歴史の力が世界が動かしているのだという理論により近いようだ。 トルストイの先見を物語るものなのだろう。
完読してこその感動というのもあります。 エピローグの最後の最後は別物として(難しいので)後日、ゆっくりと読まなければ・・・・。
トルストイの歴史観が最後や途中に展開されるあたり、司馬遼太郎感ある。最後の解説にあった、丸くなって輪になって平和、というのはなるほどなと思った。アンナカレーニナと違って、ナターシャは女性らしい魅力を失って太った幸せな母になる。プラトン・カラターエフは丸く表現されている。主人公ピエールも肥満。 アンド...続きを読むレイやペーチャは死んで、マリアとナターシャはそれぞれニコライとピエールと結婚して幸せになる。ソーニャがかわいそうすぎる気がするけどそこはあまり描かれない。ギスギスしないんだろうか。ソフィアは賢さを表すから、感情の争いには無縁なんだろうか。 関係ないけど、トルストイという名前は太っているという意味だと初めて知った。
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戦争と平和
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トルストイ
藤沼貴
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