齊藤昇の作品一覧
「齊藤昇」の「アルハンブラ物語」「コッド岬」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
ああ……なんて切ない話しなんだろう。アメリカのノーベル文学賞受賞作家の代表作『怒りの葡萄』同様に、こちらも傑作。短いので新潮文庫版と読み比べてみました。
あらすじ:
カリフォルニア州で農場を転々とする二人の出稼ぎ労働者。ジョージは、小柄で抜け目のない性格。一方レニーは、体が大きく腕力もあるけど頭の方はアレな感じ。まるで正反対の凸凹コンビですが、レニーを育てたクララおばさんが亡くなってからは、ジョージがレニーの面倒をみて、レニーはジョージなしでは生きていけません。体だけ大きい子どもみたいな性格のレニーは、あちこち働く農場で問題を起こしては、ジョージの庇護のもと、一緒に次の農場を目指すのでした。
Posted by ブクログ
なんともいえない読後感が残る名作だと思う。
貧しい渡り労働者のジョージとレニーは、いつか自分たちの土地を持つという夢を語り合う。現実には、労働者の多くが同じような夢を持つが叶わない。厳しい現実の中でもジョージが夢を語れたのは、相手がレニーだったからだろう。レニーはジョージの言うことを信じて素直に土地を手に入れるのを楽しみにしていて、否定的なことを言わない。それだけに、最後は切なかった。
黒人の馬屋番のクルックスの部屋での会話が印象に残っている。
「人間はあまり寂し過ぎると、病気になっちまう」(p.122)
訳者解説で、タイトルの由来が知れたのも良かった。