ユーザーレビュー 新訳 紅楼夢 第7冊 曹雪芹 / 高鶚 / 井波陵一 第6冊と最終巻の本冊は補作とのことだが、作品世界をきちんと締めくくっており、読後感は収まりが良い。読書もこのあたりまでくると、登場人物の行く末に何かしらの感慨があり、長い物語につきあった時の独特の感動がある。堪能した。なお、各冊の巻頭にある「本冊の読みどころ」は、ネタバレなので、物語世界に慣れてきた...続きを読む第5冊あたりからは、先に読まない方がよかったなと、今になって思う。 Posted by ブクログ 新訳 紅楼夢 第6冊 曹雪芹 / 高鶚 / 井波陵一 6巻からは補作者によるものだが、物語はここがクライマックス。物語の運びがやや先を急ぎすぎる感はあるが、5巻までの長い読書で、頭はすでに紅楼夢の物語世界に入り込んでいるので、むしろそれくらいのテンポの方が小気味よい。ヒロインの死はあっけなく、周りの反応もややそっけないが、それがかえって胸にしみる。 Posted by ブクログ 新訳 紅楼夢 第5冊 曹雪芹 / 井波陵一 主人公の宝玉が、彼の理想とする少女たちとの宴を楽しんだ第63回あたりを境にして、主人公一族がついに没落の道筋をたどりはじめる。一族に関わる人々の関係がぎくしゃくし始め、ある者は病に倒れ、ある者は死を選ぶ。いびり殺し、殺されたようなケースも一つだけでない。様々な悲劇が矢継ぎ早に起こり、それは、大観園の...続きを読む夢を打ち壊す持ち物検査と主人公の侍女晴雯の死で、ひとつのクライマックスを迎える。悲劇はその後も、次巻からの補作に引き続き描かれるが、本巻だけでも十分、破滅のカタルシスを味わうことができる。それまでの一族の繁栄と宴の描写がとてつもなく長かっただけに。 Posted by ブクログ 新訳 紅楼夢 第4冊 曹雪芹 / 井波陵一 主人公一族の庭園では相変わらず、主人公美少年とそれをとりまく様々なタイプの少女たちが、漢詩をつくり宴会を開き浮き世離れした生活を続けている。ただ、それを支える一族の財政に影が差してくる。いよいよ物語が動き出す予感。次巻が楽しみ。 Posted by ブクログ 新訳 紅楼夢 第3冊 曹雪芹 / 井波陵一 本冊では、主人公一族の女たちが次々と催すイベントが描かれる。ひとつのイベントが開かれるとその答礼としてすぐ別のイベントが開かれると言った調子で、物語の進展はほぼない。ただそれぞれの女たちのキャラクターや人間関係が、読者にとって馴染みのものとなっていく。筋を追う楽しみは求めてはいけない。この世界の身を...続きを読む浸すことを楽しめるかどうか。暇のない人には勧めない。 Posted by ブクログ 井波陵一のレビューをもっと見る