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オイディプスが先王殺害犯人の探索を烈しい呪いの言葉とともに命ずる発端から恐るべき真相発見の破局へとすべてを集中させてゆく緊密な劇的構成。発端の自信に満ちた誇り高い王オイディプスと運命の逆転に打ちひしがれた弱い人間オイディプスとの鮮やかな対比。数多いギリシア悲劇のなかでも、古来傑作の誉れ高い作品である。
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Posted by ブクログ
高校生時代、世界史で暗記させられたのを思い出し、購入した。ギリシア文学初心者の私にとっても読みやすく、一息に読んでしまった。
ああ!知っているということは、なんというおそろしいことであろうか──知っても何の益もないときには。 神々の名にかけてたのむ、知っていることがあるのならば、どうかそっぽを向かないでくれ。われらみな歎願者となって、おんみの前にこうしてひざまずいているものを。
ずっとドキドキしながら、目を見開いて読み切ってしまいました。 王が問い詰める場面では、ああああ、その辺でやめとこうよ…なんてつぶやきながらハラハラハラハラ。 あぁ舞台で見てみたい!
テーバイ国のライオス王は神から「お前は自分の子に殺される」と神託を受ける。怖くなったライオス王は生まれたばかりの息子オイディプスを野獣がうろつく山中に捨てる。捨てられたオイディプスは羊飼いに助けられて、子のいないコリント王に献上される。オイディプス、コリント王子として育てられ成長。ある日、オイディプ...続きを読むスは神から「お前は父を殺し、母と交わる」と神託を受ける。オイディプス、おぞましい神託を回避しようと隣国テーバイ(じつは生まれ故郷)へ逃げる。途中、傲慢な老人に会い、侮辱されたので殺した。それが父ライオスだったが、オイディプスは知らない。テーバイに入り、スフィンクスを退治した功から、オイディプスはテーバイ王に即位。実の母の夫となる。妃となった母と交わる。が、オイディプスは知らない▼テーバイ国に疫病が流行。オイディプスは神に救いを求めると、神は言う「ライオス殺害の犯人を見つけて処罰せよ。そいつが災いの源だ」。オイディプス、犯人探しをしているうちに、自分こそが犯人であると気づき絶望。妃(じつは母)は息子オイディプスを捨てた罪、息子と交わった罪に苛まれ発狂、首を吊って自殺。オイディプス、首を吊りぶら下がる母を見て凄まじい叫び声をあげ、金の針で自分の両目を突き刺す。オイディプス「もはや見てはならない。わが恐ろしき苦しみも、呪わしき罪も。この目は見てはならない人を見、知りたいと願った人を見分けられなかった。これからは闇の中で見るがいい」。ソフォクレスSophoklē̃s『オイディプス王』悲劇 BC5世紀 ※神々が導くとき、人間はそれから逃れられない。 *最大の盲点は「自分自身」 ※スフィンクス。道行く人になぞなぞを出して、解けない者を食べてしまう化物。オイディプスにスフィンクスが出したなぞなぞ「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩くものはなんだ」。答えは人間。はいはい赤ちゃん、成人、杖つく老人。 〇イオカステ。オイディプスの母。 〇クレオン。母イオカステの弟。 〇アンティゴネ。オイディプスと母イオカステとの間にできた娘。 〇テイレシアス。盲目の老人。予言者。オイディプスが犯人だと指摘。 オイディプスの娘アンティゴネ。兄が戦死した後、兄は国法に反したとして埋葬を禁止される。しかし彼女は埋葬した。家族を埋葬するのは自然の法だ。国法に反していても。ソフォクレスSophoklē̃s『アンティゴネ』 ※自然法の原型。 真理の言葉は単純である。ソフォクレス +++++++++ 総大将アガメムノン。トロイア戦争から帰ると妻とその愛人に殺される。妻はわが娘を夫アガメムノンに殺されていた。愛人の方も、父がアガメムノンの父に殺されていて恨みがあった▼倒れた者を、さらに蹴りつけようとするのが人間の生まれつきの性である(ミケーネ王)▼少しも羨望せず、友人の成功を喜ぶほど、強気性格をもつ者は稀である▼苦しみの報酬は経験である。アイスキュロス『アガメムノン』悲劇 BC5世紀 プロメテウスは人間に火を与え、ゼウスの怒りに触れ、罰として岩山に縛り付けられる。ゼウスに従う様子のないプロメテウスは、地中深くに埋められてしまう。アイスキュロス『縛られたプロメテウス』 真の悲しみは苦しみの支えである。アイスキュロス『断片』 メデイア。女。夫と子供2人。ある日、夫(イアソン)がコリントス王に気に入られ、王の娘(グラウケー)を嫁にもらうことに。夫はメデイアを捨てる。メデイアは夫の裏切りに自尊心を傷つけられ、夫を憎み、夫への復讐を始める。夫の新妻(グラウケー)に、毒の冠を「贈物」として渡す。冠をつけた新妻(グラウケー)は炎に包まれ、助けようとしたコリントス王もろとも焼死。さらに元夫(イアソン)との子供2人も剣で刺し殺す。駆け付けた元夫(イアソン)の前で、メデイアは子供の遺体を抱え、笑みを浮かべている。エウリピデス『メデイア』悲劇 ※女は臆病で、戦争に怯える。しかし、夫婦の間の誠が踏みにじられると女は残虐で非情な心となる。 長い話を切り詰めて、短い言葉で適切に語るのは賢人である。エウリピデス『アイオロス』 心の底を傾けた深い交わりは禁物。 愛情の紐は解けやすくしておいて、会うも別れるも自由なのがよい。エウリピデス『ヒッポリュトス』 待っていたことはやって来ず、思いがけないことがやって来る▼すでに過ぎ去った困難を思い出すことは、何と快いことか。プルタルコスの道徳論より▼経験こそが人にとり万事の教師となる▼沈黙は真なる英知の最上の応答なり。エウリピデス +++++++++ リュシストラテ。若い女。アテネの男たちにスパルタとの戦争を止めさせるため、ギリシア全土(スパルタ含む)でセックス・ストライキを提案。戦争をやめないなら、セックスしてあげない。女たちはアクロポリスを占拠、軍資金を差し押さえ籠城。しばらくすると、禁欲に堪えられない男女が続出。そこに敵国スパルタの使者がやってくる。使者は禁欲のあまり男根を勃起させている。アテネの男たちも男根を勃起させている。禁欲はあまりにもつらいため、両者に和平交渉が成立、平和が訪れる。アリストファネスAristophanes『女の平和』喜劇・反戦 BC5世紀 ※ペロポネソス戦争、ビアズリーの絵 賢者は敵から多くを学ぶ。アリストファネス『鳥類』
最初にいつ読んだのか覚えていないのですが、そのおかげで大変面白かったです。 当然あらすじは知っているわけですが、かなり緊迫感を味わえました。 特に第3エペイソディオン以降は、第2以前と比べて短く、テンポが上がるように感じるのですが、その中で悲痛な展開を畳みかけてくるのでたまりません。 父殺しと母子...続きを読む相姦の運命。これ自体は合理的な設定ではないというのは、既にアリストテレスが『詩学』15章で指摘しているのですが、その運命の枠内において迫真の物語が展開されているのがすごいんですよね。 オイディプスは、運命を覆すことのできない無力な人の子に過ぎないし、怒りによって他人(クレオン)を無実の罪で死刑にしかけてしまうような欠点もあります。 それでも悲惨な目の前の状況から逃げずに知力を振り絞り続けるところは尊敬に値するし、オイディプスのこうしたキャラクター性があるからこそ、作者のプロット(アリストテレスのいうペリペティアとアナグノリシス)が最大限に生きてきます。 スピード感のある対話部分に比べて、コロス部分(パロドス、スタシモン)については意味が取りづらかったです。 原文の感じを出そうとした意図は伝わるのですが、私の読解力の低さもあって、別の解説本にお世話になることにしました。 末尾の解説は充実しています。 特にアリストテレス『詩学』の関係箇所引用は、復習の手間が省けて嬉しいところ。
オイディプス王
あってはならない恋愛で、それが叶ってしまったことによる辛さ悲しさに共感する。西洋文学の中ではとっつきやすくページ数も少ないため読みやすいと思う。
オイディプス劇という言葉は、よく使われるので知っているが、実際に『オイディプス王』を読んだことはなかった。古代ギリシャの文脈があまりわからずに読んでも十分面白かったと思う。 ギリシャ悲劇に興味を持ったのは『誰のために法は生まれた』がきっかけで、よくわけもわからずに法学部に入ってしまって途方に暮れてい...続きを読むるときの一筋の希望の光かもしれないと思ったのを覚えている。実際に(やっと)読んでそれは多分間違っていないと感じることが出来た。
基本会話文で書かれており、ページ数も多くないので、すごく読みやすかった。有名な話なので、ある程度内容も知っていたのもあるかも。 父親を殺し、母親と交わるという話は冷静に考えてみてもぶっ飛んだ話だが、これがいわゆる"エディプス・コンプレックス"の元になっている。 前半オイディプ...続きを読むス王からは王としての威厳が感じ取れるが、真実に近づくにすれ絶望的な心境に陥っていく姿が印象的。なんとも儚い。 「父と子の戦い」と言われると、なんとなくスターウォーズのルークVSベイダーを思い出してしまう。ひょっとして『オイディプス王』の影響を受けていたりするのか、、?
運命を聞いて逃げようとしたのに、結局予言通りになってしまった悲しい話。オイディプスの娘たちへの想いを語るとき、とても辛い気持ちになった。
ギリシア神話。率直なところでは、非常な驚愕と共に心の内で叫びをあげる程に恐るべき作品だと感じた。まさに驚異・驚嘆であり、その震えをこの身で感じたまま、作品そのものを抽象的に述べることが許されるならば、爆破と爆発であったと表現しても過言ではない程の、怒涛の劇的進行だった。オイディプス王は、所謂フロイト...続きを読むの提唱したエディプス・コンプレックスで有名であり、並のひとであれば知る物語であるし、ラカンにおいても最重視する項目であるから、概要はわたしも以前から知っている。むしろ知っているからこその驚異が文面にあり、最低でも二度読むか、確実に記憶に留めて序盤を正確に回想することが想定されているだろうと考えられてしまう程に、緻密に言葉が選ばれているように思われた。オイディプスは、終局において装飾品を手に取り、絶叫と共にこれを自らの両目に幾度も幾度も突き刺すが、その常軌を逸した行動を自然だと思わせてしまえる程の(それでも読んでいるだけの者は身を縮めてしまうが)、真に迫りくる運命の足音があり(これを演出とひとは言う)、納得させてしまえる程の隠喩・換喩があった。ラカンにおいて我々は何人たりもエディプス期を逃れられない運命にあり、ギリシアにおける一(いち)神話が、全人類が必ず遭遇したであろう悲劇を描いていると想像すると恐ろしい気持ちがこみ上げられるのは至極当然と言える。ソポクレスはエディプス期のことなど絶対に考えなかっただろう。しかし、人類を観察する過程でこのようなもの、あるいはこれに準ずる悲劇を見、そして書いたのであれば、その縮図はひとつの幾何学として、我々の幼少期にも現れるようなかたちで浮かんでくる。そうして見たとき、オイディプス王は、エディプス期の悲劇と、社会基盤の上に拡大されたその再現とも言える二度目の悲劇を被ったことになる。我々は、どのような人であれ、幼少期を懐古するならば、ひとりの偉大な小さな王であったし、オイディプス王に登場する幾人かの人物も、我々の小さな身近な人物の抽象である気がしてならない。
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