【感想・ネタバレ】ソポクレス オイディプス王のレビュー

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Posted by ブクログ 2023年12月02日

ずっとドキドキしながら、目を見開いて読み切ってしまいました。
王が問い詰める場面では、ああああ、その辺でやめとこうよ…なんてつぶやきながらハラハラハラハラ。
あぁ舞台で見てみたい!

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Posted by ブクログ 2023年09月15日

ある程度あらすじを知っていても抜群におもしろい。

テーバイの王オイディプスが国の危機を救うための神託を受け、災厄の原因を突き止めることから明るみになる真実。

自身の素性の秘密、父親殺し、妻であり母でもあるイオカステとの交わり。

これほどの悲劇があるだろうか。

ギリシャ悲劇ハマりそうです。

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Posted by ブクログ 2023年01月15日

最初にいつ読んだのか覚えていないのですが、そのおかげで大変面白かったです。
当然あらすじは知っているわけですが、かなり緊迫感を味わえました。
特に第3エペイソディオン以降は、第2以前と比べて短く、テンポが上がるように感じるのですが、その中で悲痛な展開を畳みかけてくるのでたまりません。

父殺しと母子...続きを読む相姦の運命。これ自体は合理的な設定ではないというのは、既にアリストテレスが『詩学』15章で指摘しているのですが、その運命の枠内において迫真の物語が展開されているのがすごいんですよね。
オイディプスは、運命を覆すことのできない無力な人の子に過ぎないし、怒りによって他人(クレオン)を無実の罪で死刑にしかけてしまうような欠点もあります。
それでも悲惨な目の前の状況から逃げずに知力を振り絞り続けるところは尊敬に値するし、オイディプスのこうしたキャラクター性があるからこそ、作者のプロット(アリストテレスのいうペリペティアとアナグノリシス)が最大限に生きてきます。

スピード感のある対話部分に比べて、コロス部分(パロドス、スタシモン)については意味が取りづらかったです。
原文の感じを出そうとした意図は伝わるのですが、私の読解力の低さもあって、別の解説本にお世話になることにしました。

末尾の解説は充実しています。
特にアリストテレス『詩学』の関係箇所引用は、復習の手間が省けて嬉しいところ。

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購入済み

オイディプス王

2021年07月26日

あってはならない恋愛で、それが叶ってしまったことによる辛さ悲しさに共感する。西洋文学の中ではとっつきやすくページ数も少ないため読みやすいと思う。

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Posted by ブクログ 2021年05月03日

オイディプス劇という言葉は、よく使われるので知っているが、実際に『オイディプス王』を読んだことはなかった。古代ギリシャの文脈があまりわからずに読んでも十分面白かったと思う。
ギリシャ悲劇に興味を持ったのは『誰のために法は生まれた』がきっかけで、よくわけもわからずに法学部に入ってしまって途方に暮れてい...続きを読むるときの一筋の希望の光かもしれないと思ったのを覚えている。実際に(やっと)読んでそれは多分間違っていないと感じることが出来た。

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Posted by ブクログ 2021年04月29日

基本会話文で書かれており、ページ数も多くないので、すごく読みやすかった。有名な話なので、ある程度内容も知っていたのもあるかも。

父親を殺し、母親と交わるという話は冷静に考えてみてもぶっ飛んだ話だが、これがいわゆる"エディプス・コンプレックス"の元になっている。

前半オイディプ...続きを読むス王からは王としての威厳が感じ取れるが、真実に近づくにすれ絶望的な心境に陥っていく姿が印象的。なんとも儚い。

「父と子の戦い」と言われると、なんとなくスターウォーズのルークVSベイダーを思い出してしまう。ひょっとして『オイディプス王』の影響を受けていたりするのか、、?

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2021年02月01日

読み進めるにつれ、読者にまで緊迫感がありありと伝わってくる。
最高水準の表現がちりばめられていた。

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Posted by ブクログ 2019年08月03日

運命を聞いて逃げようとしたのに、結局予言通りになってしまった悲しい話。オイディプスの娘たちへの想いを語るとき、とても辛い気持ちになった。

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Posted by ブクログ 2018年03月07日

ギリシア神話。率直なところでは、非常な驚愕と共に心の内で叫びをあげる程に恐るべき作品だと感じた。まさに驚異・驚嘆であり、その震えをこの身で感じたまま、作品そのものを抽象的に述べることが許されるならば、爆破と爆発であったと表現しても過言ではない程の、怒涛の劇的進行だった。オイディプス王は、所謂フロイト...続きを読むの提唱したエディプス・コンプレックスで有名であり、並のひとであれば知る物語であるし、ラカンにおいても最重視する項目であるから、概要はわたしも以前から知っている。むしろ知っているからこその驚異が文面にあり、最低でも二度読むか、確実に記憶に留めて序盤を正確に回想することが想定されているだろうと考えられてしまう程に、緻密に言葉が選ばれているように思われた。オイディプスは、終局において装飾品を手に取り、絶叫と共にこれを自らの両目に幾度も幾度も突き刺すが、その常軌を逸した行動を自然だと思わせてしまえる程の(それでも読んでいるだけの者は身を縮めてしまうが)、真に迫りくる運命の足音があり(これを演出とひとは言う)、納得させてしまえる程の隠喩・換喩があった。ラカンにおいて我々は何人たりもエディプス期を逃れられない運命にあり、ギリシアにおける一(いち)神話が、全人類が必ず遭遇したであろう悲劇を描いていると想像すると恐ろしい気持ちがこみ上げられるのは至極当然と言える。ソポクレスはエディプス期のことなど絶対に考えなかっただろう。しかし、人類を観察する過程でこのようなもの、あるいはこれに準ずる悲劇を見、そして書いたのであれば、その縮図はひとつの幾何学として、我々の幼少期にも現れるようなかたちで浮かんでくる。そうして見たとき、オイディプス王は、エディプス期の悲劇と、社会基盤の上に拡大されたその再現とも言える二度目の悲劇を被ったことになる。我々は、どのような人であれ、幼少期を懐古するならば、ひとりの偉大な小さな王であったし、オイディプス王に登場する幾人かの人物も、我々の小さな身近な人物の抽象である気がしてならない。

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Posted by ブクログ 2018年01月21日

言わずと知れた名著。
人間世界を支配する無気味で非情な運命を、最高度の技法で描かれているという評価の通りの作品。

古典にはいつも圧倒されます。

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Posted by ブクログ 2014年10月04日

フロイトの精神分析や大学の講義でよく耳にしたこの話を初めて読んでみた。「近親相姦」というテーマはさておき、「親殺し」といテーマはインドが舞台の「ブッダ」でも登場した(マガダ国のアジャセ王子による国王殺し)ので、結構昔から東洋・西洋でとりあげられたトピックなのではないかと知り興味深かった。

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Posted by ブクログ 2018年11月24日

これはすごい。
こんなものが2400年以上前に書かれていたなんて。

デュレンマット「巫女の死」に関連する。

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Posted by ブクログ 2014年08月19日

現在を生きる自分はそりゃあもう沢山の物語に囲まれています。それなのに遥か昔のギリシアで書かれた物語が今でも人々の心を掴むことは良いものに時代は関係ないということを示してくれているのでしょう。自分はなにも懐古主義者というわけではありませんが時の洗礼を受けてもなお人々に読み継がれてきた作品はやっぱり充分...続きを読むな魅力をたたえていると思っています。

今は昔と違い手軽に本を読めるようになり読者の層も広がっていますね。そのせいか教養、あるいは文化としての読書から娯楽のためだけの読書になっている気がしてなりません。もちろんそれが一方的に悪いことだとは思いません。けれどもこのような風潮の中でギリシアの偉大な作品たちのように時代を超えて人々を虜にする物語が生まれるかどうかには疑問が残ります。そしてもしそういったものが生まれないとしたらそれはすごく寂しいことだと思います。

これから、いったいどのように本と向き合ったら良いのでしょうか。売れる作品だけが世に蔓延りまだ見ぬ名作が陽の光も浴びぬうちに埋れているようで、すごく寂しく感じます。って何様。

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Posted by ブクログ 2015年02月16日

絶対と信じていた現実があっけなく崩れていく恐怖。おぞましい罪の上に生きていた自分。これまでの人生は何だったのか?
でも、これって他人事かな?

人生は、そのほとんどが不確実な地盤に立っている。

ソポクレスが「コロノスのオイディプス」を遺してくれて良かった。

「暗い不義の臥床が、父上に失明を招いた...続きを読むのだ」『リア王(福田恒在訳)』これって昔話のお約束みたいなものなのかな。

人は皆、彼らが当然知らなければならないことをすべて知っているということは、到底できるものではない。自分一人だけでは、求めている事柄のすべてを見つけることができないのは確実だ。

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Posted by ブクログ 2023年11月01日

話の構成自体(内容は別として)は、今となっては定番というか、ある話。
が、セリフの言い回しがすごく含みというか、わかりやすく奥もある感じがとても良い。
古典傑作は伊達ではなかった。
この悲劇もそうだけれど、喜劇、笑劇等々の作品は読むことが少なかったけれど、読んで愉しいとわかったので他のも読んでみたい...続きを読むと思った。
次はマクベスでも。

ちなみにあらすじはある程度知っていたオイディプス王ですが、事前に知っていても知らなくても面白いです。

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Posted by ブクログ 2023年08月25日

概要は知ってしまっていたのでどんなものかが分かればよい程度で捉えていたが、なかなかどうして、想像以上に面白かった。
結末を知っていてもなお楽しめる。これが演出の力か。

巻末の解説にもあるが、各登場人物が良かれと思って行動することによって少しずつ真実が明らかになっていく構図にワクワク感があり。
また...続きを読む予言を避けようとして、結果的に予言の通りとなってしまうという無情さもまた心を打つ。

複雑なのは、真実を知らねば、オイディプスはイオカステや子供たちとも幸せに暮らせていたという点。
ただ、その真実が明らかになってしまったが故に苦しみ、自殺し、光や未来を閉ざしてしまう。
それならば、真実など知らない方が良かったのではないか、と思ってしまう。
その行為自体によって悪影響は出ておらず、その情報が一部の真実を知る者の記憶の彼方や神託の中にのみ存在しているだけなのだから。

冒頭で「疫病が広がり、畑が枯れ、家畜が死に…」とあるが、現実的にはオイディプスとその家族の不実が疫病を広げ、畑を枯らし、家畜を死に絶えさせることなどありえない。
また最終的にオイディプスが国を出ることによってそれらの災厄が回復したという情報も出てこない。

オイディプスが先王ライオスを亡き者にした犯人をなんとしてでも見つけ出して追放または処刑すると発奮するのが質が悪いので、厳しく言えば身から出た錆なのかもしれない。

こういった考えを出来るのは、論理的、科学的、物理的な基礎知識を我々が備えているからであって、この登場人物たちはそういった歴史の積み重ねをまだ経ておらず、災厄は神々による罰や気まぐれという風に考えているため、無理もない。

いずれにせよ、悲劇は起こってしまったものの、登場人物みんなに今の自分から見てヴィランが存在せず、みなが善良であるという点においては、清々しさがある。もちろん、ライオス殺しを正当化することはできないが、この時代では、そういったことはありふれたことであったことだろう。

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Posted by ブクログ 2023年04月19日

テーバイ国のライオス王は神から「お前はわが子に殺される」と神託を受ける。怖くなったライオス王は生まれたばかりの息子オイディプスを野獣がうろつく森に捨てる。しかしオイディプスは羊飼いに助けられて、子のいないコリント王に献上される。オイディプス、コリント王子として育てられ成長。ある日、オイディプスは神か...続きを読むら「お前は父を殺し、母と交わる」と神託を受ける。オイディプス、おぞましい神託を回避しようと隣国テーバイ(じつは生まれ故郷)へ逃げる。途中、傲慢な老人に会い、侮辱されたので殺した。それが父ライオスだったが、オイディプスは知らない。テーバイに入り、オイディプスはテーバイ王に即位。実の母の夫となる。妻となった母と交わる。が、オイディプスは知らない。▼テーバイ国に疫病が流行。オイディプスは神に救いを求めると、神は言う「ライオス殺害の犯人を見つけて処罰せよ。そいつが災いの源だ」。オイディプス、犯人探しをしているうちに、自分こそが犯人であると真実に気づき絶望。▼神々が導くとき、人間はそれから逃れられない。ソフォクレス『オイディプス王』悲劇

※スフィンクス。道行く者になぞなぞを出して、解けない者を食べてしまう化物。オイディプスにスフィンクスが出したなぞなぞ「朝は四本足、昼は二本足、夜は三本足で歩くものはなんだ」。答えは人間。はいはい赤ちゃん、成人、杖つく老人。

オイディプスの娘アンティゴネ。彼女の兄が戦死。しかし彼女の兄は国法に反したとして埋葬を禁止される。しかし彼女は埋葬した。家族を埋葬するのは自然の法だ。国法に反していても。ソフォクレス『アンティゴネ』
*自然法の原型。

真理の言葉は単純である。ソフォクレス

総大将アガメムノン。トロイア戦争から帰ると妻とその愛人に殺される。妻はわが娘をアガメムノンに殺されていた。愛人の方も、父がアガメムノンの父に殺されていて恨みがあった。▼倒れた者を、さらに蹴りつけようとするのが人間の生まれつきの性である(ミケーネ王)。▼少しも羨望せず、友人の成功を喜ぶほど、強気性格をもつ者は稀である。▼苦しみの報酬は経験である。アイスキュロス『アガメムノン』悲劇

真の悲しみは苦しみの支えである。アイスキュロス『断片』

女は臆病で、戦争に怯える。しかし、夫婦の間の誠が踏みにじられると女は残虐で非情な心となる。エウリピデス『メデイア』悲劇

長い話を切り詰めて、短い言葉で適切に語るのは賢人である。エウリピデス『アイオロス』

心の底を傾けた深い交わりは禁物。 愛情の紐は解けやすくしておいて、会うも別れるも自由なのがよい。エウリピデス『ヒッポリュトス』

待っていたことはやって来ず、思いがけないことがやって来る。▼すでに過ぎ去った困難を思い出すことは、何と快いことか。プルタルコスの道徳論より▼経験こそが人にとり万事の教師となる。▼沈黙は真なる英知の最上の応答なり。エウリピデス

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Posted by ブクログ 2023年04月11日

テーバイの王オイディプスは国に災いをもたらした先王殺害犯を追及するが、それが実は自分であり、しかも産みの母と交わって子を儲けていたことを知るに至って自ら目を潰し、王位を退く。アポロン神の残酷な神託から逃れようとすればするほど、父子ともに神託のとおりに陥っていく救いようのない悲劇。
そもそも文字で楽し...続きを読むむものではないので、機会があれば舞台で見てみたい。とにかく筋立てが恐ろしくよく出来ている。が、単なる物語ではなく、「哲学」である。これがギリシア悲劇の奥深いところ。オイディプスは優れた人間で、しかもヒーローであるが、己れが“何者か”を知らない。人々のために災いの真相を解き明かそうとして、実は自分が災いの張本人だと知ることになる。
人は知らないでいる方がよい時もあるが、人生の絶頂期にあった血気盛んなオイディプスには、自分になし得ないことなどないと思えたのだろう。ギリシアの神は恐ろしく残酷である。運命の前に、人間という生き物がいかに卑小であるかを思い知らされる。
眼が開いていた時には見えず、眼を潰した時にようやく見えた・・・というお話。
いやはや、こんな凄い話を2500年も前に書かれてたんじゃ、我々、現代人には残せるものなど何もないように思う。
満天の星空に星座が浮かんで見えてしまうように、古代ギリシアの詩人の耳には本当に神の声が聴こえていたのかも知れない。

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Posted by ブクログ 2022年02月13日

読みやすい分量にも関わらず、物語にのめり込ませ、悲劇のストーリーを無駄なく訴求する名作。アリストテレスも随所でおすすめしている様子。

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2022年01月22日

一気読みしました。


ギリシャ悲劇の中でも傑作と謳われる
理由がわかった気がします。
思わず一気読みしてしまいました。

最初どうなるかと思っていましたが、
中盤を読んだらもう止まらない。

オイディプス王の悲劇は、
現代に例えて、教訓にするのであれば
知らない事実もあって良い
ということです。
...続きを読む
ソポクレスさんありがとう

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Posted by ブクログ 2020年09月21日

こんなに短い、内容だって知ってる、何千年も前に書いた話が、読むと未だにめちゃくちゃ面白いし興奮するなんて、人間にとって時間て何なの?

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Posted by ブクログ 2020年01月02日

オイディプスが自らの人生を知って絶望していく中でも、それを逃げずに恐怖しながらも受けれていき、そして自分の子どもにも自らの口で伝えていくことは、私が目標としている自己受容のお手本と言ったら軽くなるかもしれないが、本当に尊敬できる態度である。

自分が仕事を放置してしまい、今明るみに出ると評価が下がる...続きを読むだろうな こわいなとおもって事実から目を背けていることが本当に恥ずかしく思う。

こんな自分の弱さを伝える勇気も与えてくれた自分にとって1つのきっかけとなる良書であった。

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Posted by ブクログ 2019年08月27日

ギリシア悲劇として名高い作品。
恐ろしい神託から逃れようとし、自分の治める国のために努力し、予言通りの悲惨な道を辿る。
「父親を殺し」「母親と交わる」とても有名な予言だけに誰もが結末を知っているわけだけれど、それだけに、自分の罪を知らぬ主人公が、国が衰退した訳を探し周り、故郷から離れ、羊飼いを問いた...続きを読むだす様子が、あわれで、救いがない。無知の罪を知る瞬間の絶望感。あらすじを知っているだけでは、主人公の衝撃と絶望は伝わらないのだと思った。

一度、劇で見てみたい。

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Posted by ブクログ 2014年09月13日

言うまでもなく、古代ギリシャ悲劇最高傑作との誉れ高いソポクレスによる戯曲。成立は紀元前427年と言われ、エディプス・コンプレックスの語源としても有名。知人からオススメされて初読。

もちろんオイディプスのエピソードは知っているので、話の筋は判って読んでいるのだが、それでも次々と提示される恐ろしい予言...続きを読むと、徐々に破滅への道を突き進むオイディプスの姿には惹き込まれた。翻訳も非常に読み易く、これは確かに人にオススメできる傑作だ。

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Posted by ブクログ 2014年02月15日

藤沢令夫、高津春繁、呉茂一など。
このオイディプス王でも複数の訳本を、
その他のギリシア悲劇のものもあわせて
複数の訳者の本を読んで、本当に印象が
大きく変わることを実感。

この藤沢訳本は、原典に忠実でない、というような評価があるが、私が読んだ中では感じ入りやすいものだった。

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Posted by ブクログ 2023年10月07日

出てくる人みんな、そんな大げさな……という感じだが、戯曲ということを考えるとまあそんなものか。
実の母を妻にするっていう呪われた設定を思いついたソポクレス怖いな。どういう人だったんだろうか。
ってか2000年以上読みつがれるって普通にヤバくない?(頭悪い感想)

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Posted by ブクログ 2020年12月25日

「先王を殺したやつを探せー!」と号令をかける主人公が実は犯人であることを読者は最初から知っていて、散りばめられたピースが回収されるたびに物語が破滅に向かってまっしぐらな様子を神の視座から楽しめる、こんな構造を2400年前に編み出していたソフォクレスさんすごい。

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Posted by ブクログ 2020年08月02日


古代ギリシャ三大悲劇詩人の一人、サポクレスの作品(戯曲)
なんと紀元前427年頃の作品
完成度が高過ぎて驚く
これほど時代が移り変わっても、違和感なく受け入れられる不条理作品だ

ネタバレ…というか内容が世間的にあまりにもオープンになっているのでネタバレにあたるのかよくわからないが…
ネタバレ有り...続きを読むです

テバイの王ライオスは、
自分が、やがて生まれる子供の手にかかって亡き者にされ、
またその子は母親とまじわる運命にあることを神託に告げられる

その男の子であるオイディプスは、お前は父親を殺し、母親とまじわるだろうと告げられる

そしてオイディプスは4人の男女の子供を授かる

ああ、悲劇以外の何ものでもない
どうして、こんなひどい運命を授かるために生まれてきたのか

物語は劇として進行するため、登場人物もそう多くなく、シンプルでわかりやすい
いちいち「宮殿の扉が開かれ、〇〇が登場」
といった感じの注釈がある
また劇の本編の対話部分が一段落するごとに、コロス(合唱隊)が登場し正歌と対歌で構成される
作品の補足的かつ、重要な役目をし、韻律を踏んだコーラス部門という感じなのだが、これを訳して活字にしてしまうと、難しく、非常にわかりづらい
想像力が不足し、コロスの重要さが伝わらずとても残念だ
結構な紙面を使っているだけに、もったいないなぁ…
というわけでコロスは気になりつつも、本編に集中することに

不運のオイディプスは、ある時、真実をなんとしても追求しようと、躍起になる
徐々に真実が明らかになる過程の緊張感は、答えを知っていても、ページをめくるのが恐ろしいほどだ
オイディプスが躍起になればなるほど、自分自身が追い詰められていく
読んでいて酸素が薄くなって苦しくなる
皆が楽観的な結論を望み続ける中、悲劇の真実が明らかになるこの逆行する展開もなんとも胸が痛い
全てを知ったオイディプスはどうするのか
オイディプスの母であり、妃は、子供達は…

現代の小説からすればツッコミどころは満載だが、なんせ紀元前に書かれたものである
よくできた構成と、真実に近づいていく緊張感、オイディプスや彼の母親兼妃の心情が手にとるようにわかる
親子、近親者、異性、運命…
人間の本質を突いた作品だからこそ、何世紀に渡って、受け入れられているのではないか

前々から一度きちんと読んでみたかったので満足
コロス部分以外、とても読みやすい(笑)

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ネタバレ

Posted by ブクログ 2014年01月23日

 古代ギリシャで生まれ、長きにわたり世界中で読まれてつづけている一冊。当時の人たちの罪悪感や価値観がよく伝わってくる。
 国を苦しめていたスフィンクスを滅ぼして王となったオイディプスは、飢饉と疫病から国を救うために、彼の前の王を殺害した犯人を探し出して罰しようと試みる。しかし、物語が進むにつれ、オイ...続きを読むディプスは自らの恐ろしい運命と向き合わざるをえなくなる‥。
 偶然の要素が重なりすぎているとか、キャラクターに個性がないとか、色々と文句はいえる。でも、この物語が生まれたのが紀元前だと知れば、この物語はいま世界中にあふれるすべての物語の原点のひとつだったのではないかとも思える。

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Posted by ブクログ 2013年07月12日

世界史でも習う超有名な悲劇。
父を殺し、母と結ばれて子どもまで設けるなんて、まあクレオパトラの時代ならありだと思いながら読んでしまうと感情移入できないのですが、自分に置き換えて想像した時のエグさといったら相当なものです。おえ。
生まれた時から悲劇が判明するまでをずっと追うのかと思っていましたが、人の...続きを読む話を聞くことで過去の悲劇を紐解いていくという構図だったのにはちょっと驚きました。

翻訳は古い言い回しを多用していて読みづらいですが、まあ古代ギリシャ語よりはわかりやすいです。

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Posted by ブクログ 2014年08月09日

ギリシア悲劇の中でも特に有名な作品(多分)

「お前は父を殺し母と結婚する」

そんなことをいきなり言われてねーよ!と思うオイディプス王。
しかし、悲劇は起こってしまうのでした。

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