作品一覧

  • モノクロの街の夜明けに
    4.2
    1巻2,750円 (税込)
    1989年,ルーマニア.独裁が続くこの街で,高校生のクリスティアンは密告者になった.自由を夢見る17歳は,東欧諸国の民主化を伝える海外ラジオに耳をすませ,任務を逆手にとって,世界に真実を知らせようとする――抑圧された人々の祈りが,ついに国を動かすとき.革命の希望と痛みを描く,渾身の歴史フィクション.

    試し読み

    フォロー

ユーザーレビュー

  • モノクロの街の夜明けに

    Posted by ブクログ

    1989年ルーマニア
    1989 ペレストロイカ、
    ブルガリア、ポーランド、チェコスロバキアと社会主義体制が崩れて、
    ベルリンの壁が崩壊して、
    なのにルーマニアではチャウシェスク大統領の独裁が続いている、
    国が混乱しているときって、ほんとに苦しい。
    勇気を持って行動した人もたくさん亡くなっていく・・・
    そうした人の犠牲の上に新しい世界が広がっていく。
    けれど、それも一概にいいものとは限らない。
    世界はそうして動いていくのだろう。
    願わくば、良い方向に、幸せになれる世界を!

    0
    2024年07月09日
  • モノクロの街の夜明けに

    Posted by ブクログ

    恐ろしい。身の毛もよだつとはこのことか。
    国家規模で行われた洗脳と支配。
    孤立させ、暴力と恐怖でお互いを監視させて、疑心暗鬼にさせる。日本でも何件か事件(北九州や尼崎など)があったが、あれを国家規模で。
    これは、主義や思想などでは決してなく、ただの犯罪だと思う。
    戦時中の日本もこのような感じだったのだろうか?
    そして、今現在の隣の国も。

    これはノンフィクションではないが、それゆえか、主人公の心情がこちらに迫ってきて、苦しくなった。
    最後が、きれいに終わってないところも作者の意図らしいが、この革命はまだ終わっていないと感じた。

    平易な文で書かれているので、中学生にもすすめたい。(小学生には刺

    0
    2024年06月17日
  • モノクロの街の夜明けに

    Posted by ブクログ

    1989年のルーマニア革命までの、社会主義国家が舞台の話。
    とにかく読んでいて辛い。本当にこんな状況の国が、私が生まれてからもあり続けたのかと思うとゾッとする。周りを盗聴されながら生活する。周りの人間が、家族でさえも密告者ではないかと疑いながら日々を生きる。お粗末なインフラ。毎日店に並んでやっとパン1個買えるかどうか。比べるのはよくないけど、太平洋戦争時の日本より悲惨なのでは…と考えてしまう。でもルーマニアの場所すら覚えてなかったので、この歴史を知ったことはよかった。

    0
    2025年10月01日
  • モノクロの街の夜明けに

    Posted by ブクログ

     ルーマニアと聞いて、人々は何を思い浮かべるだろう?

     15世紀、吸血鬼ドラキュラのモデルになったワラキアの梟雄ヴラド・ツェペシュが活躍した。第二次大戦後には”社会主義国家”となったものの、“独裁者”チャウシェスクが君臨し、彼もまた、吸血鬼と言われた。本編は二人目の吸血鬼の時代である。

     1989年のルーマニア、ブカレスト。17歳のクリスティアンは、物おじせず自分の意見を言う祖父と、働く母と三人暮らしだ。ある時、秘密警察に目をつけられ、米大使館員の息子から家庭の情報を得るように迫られる。体調の悪い祖父の薬と交換条件に任務を引き受けるが、家族や親友にも話せず、誰も信じられず過酷な精神状態に追

    0
    2025年09月12日
  • モノクロの街の夜明けに

    Posted by ブクログ

    社会主義・全体主義政権のもとで抑圧されていた、革命前夜のルーマニアを舞台とした小説です。

    それまで「嘘」だと信じていた西側諸国の豊かな生活が本当に存在することや、ベルリンの壁崩壊を中心に周囲の社会主義国家が続々と自由化してゆくことを知り、自分たちだけが取り残されていることに言いようのない不安を感じます。
    また、密告が横行する社会の中で、友人・恋人はもとより家族のことさえも信じられない状況や、「周囲の目・耳があるために事情を離せない」ことで生じた誤解によるすれ違いや仲違いは見ていて辛くなります。
    たしかにこの作品は「フィクション」ですが、当時のルーマニアでは本当にあった生活がリアルに描かれてい

    0
    2024年03月09日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!