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弟に毒殺されたデンマーク王の亡霊が王子ハムレットに真相を告げ復讐を迫る。苦悩しながらも復讐を遂げ、自らも毒刃に倒れるハムレット-古くから伝わる復讐譚が、精妙な劇的構造のもとに近代的な心理悲劇に生れ変わった。世界中で愛読され繰返し上演されてきた、詩人の代表作。主人公の解釈は、時代の鏡でもある。新訳。
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まさかシェイクスピアの沼を認識する日があるのか?と思っていたけど本当にそのまさか、1600年代に作られた作品が、この2020年代に読んでもまったく面白いのはすごいのひと言では?
当時の価値観が身についていなくても、国語の教科書よろしく下の方に脚注がついているからしっかりと内容についていけるのが良かった。それどころか、当時の演劇におけるウィットやイングランドの情勢に至るまで読者を置いていかない工夫が凝らされている。他のシェイクスピア作品を読む場合も岩波版が正解なんじゃないか?
舞台映えするであろう動きが見えるようだったし、観劇する機会さえあれば飛びつきたいなと思った。
Posted by ブクログ
ハムレットで私が一番好きなシーンは、お約束ですが御前試合とオフィーリアの狂乱シーン。お花を渡すところ。
岩波はやっぱり固いんだけど、もうちょっと白痴的な口調で書いてあるのを以前読んだんですよ。
あれはどこの出版社だったんだろう・・・。生意気にも小学校の低学年で辞書引きながら読んだので印象に残ってるんです。
そっちの方が好きかな?
岩波では王妃にヘンルーダを渡して、
『あたしにも少し、とっておきましょう』
と言うシーン、その前に読んだ本では
『あたしにも、すこうし、ね』
と言って笑うんですよ。
この微妙な違いが!あれは一体どこの出版社だったのかなあ。読んだ時に、やったら古い本だったのは覚えてるんですがねえ。
岩波のは注が山盛りで、読んでるだけで楽しいです。
脚本だからト書きなワケですが、そこで文章の注だけじゃなくて、芝居の動作の注とかも入れてあるのです。
グローブ座での演出効果まで考えてあるのがスバラシイの一言ですね。
中学校の時に行ったストラットフォードを思い出しました。本当にマザーグースの世界だった事を今でもはっきり覚えています。
Posted by ブクログ
クローディアス。男。デンマーク王である兄を毒殺し、王位を奪う。さらに兄の王妃(ガートルード)と結婚。殺された前王は亡霊となって息子ハムレットの前に現れ、「自分は弟クローディアスに殺された。仇を討ってくれ」と告げる。父を殺され、母はその犯人と結婚し、さらに父の復讐まで背負わされたハムレット。欺瞞に満ちた世界への嫌悪も重なり、「この苦しい人生を、それでも耐えて生き続けるべきなのか」と自問する。“To be, or not to be, that is the question.”(生きるべきか、死ぬべきか、それが問題だ, 3-1)▼ハムレットは亡霊の話が本当なのか確信がないため、狂ったふりをして叔父クローディアスの本性を探る。ハムレットは王を毒殺した男が王妃と結ばれる劇「ゴンザーゴ殺し」を叔父の前で演じさせると叔父は狼狽。ハムレットは亡霊の話は本当だと確信▼しばらくして、ハムレットは、カーテンの背後にいた叔父の側近の男(ポローニアス)を叔父だと勘違いして、刺し殺してしまう。ハムレットに殺された側近の男の娘オフィーリアは、ハムレットと恋仲、恋人ハムレットが父親を殺したことを知って発狂、川に落ちて溺死してしまう▼さらにオフィーリアの兄(レアティーズ)は、父と妹の仇を討つため、ハムレットと決闘、負傷して死んでしまう。ハムレットも毒の剣で負傷するが、なんとか叔父を刺し、毒を無理やり飲ませて殺し、父の仇を討つ。しかし剣の毒によりハムレットは死ぬ。デンマーク王家がほぼ全滅、代わりにノルウェー王子(フォーティンブラスフ)がデンマークの新たな支配者となる。『ハムレットHamlet』1599★
※エルシノア城。舞台の城。
●クローディアス。ハムレットの叔父。ハムレットが側近ポローニアスを殺害した後、ハムレットをデンマークからイギリスに追放。イギリス王にハムレット暗殺を依頼。
●ガートルード。ハムレットの母。前デンマーク王の夫が死亡し、その夫の弟が王として即位すると、その弟とすぐに再婚(息子ハムレットは母親の変わり身の早さ・貞操観念の無さが許せない「弱きもの、汝の名は女」1-2)。クローディアス王がハムレットを殺そうとして用意していた毒の酒を間違って飲んでしまい死亡。
●ポローニアス。内大臣。クローディアス王(ハムレットの叔父)の側近。ハムレットの父がクローディアスに暗殺されたことを知らない。詮索好き。権力に従順。ハムレットに刺し殺される。
●レアティーズ。ポローニアスの息子。ハムレットに父を殺され、妹オフィーリアも溺死。ハムレットを憎む。ハムレットと決闘。両者ともに負傷し、死亡。
●ローゼンクランツとギルデンスターン。ハムレットの旧友。クローディアスは、ポローニアスを殺したハムレットを危険視し、二人に同行させてイギリスへ送る。二人が持たされた国書には、「ハムレットを到着後ただちに処刑せよ」というイギリス王への命令が書かれていた。航海中、ハムレットは国書を盗み読み、その内容を知る。そして国書を書き換え、逆にローゼンクランツとギルデンスターンを処刑するよう命じる文書に差し替える。その後、船が海賊に襲われ、ハムレットは海賊船に移り、最終的にデンマークへ戻る。二人はそのままイギリスへ向かい、処刑される。
〇オフィーリア。ポローニアスの娘。ハムレットに父を殺され、発狂、川に落ちて溺死。※ジョン・エヴァレット・ミレーMillais(1829-1896)の絵、「落穂拾い」のジャン=フランソワ・ミレーMillet(1814-1875)とは別人
〇ヨリック。宮廷道化師。ハムレットが幼い頃によく遊んでもらった。物語開始時にはすでに死んでいる。オフィーリアの墓を掘っていた墓掘り人が偶然ヨリックの頭蓋骨を掘り出し、ハムレットはそれを手にして回想。かつて陽気で機知に富んだ人間も、最後には骸骨に。
〇ホレイショ。ハムレットの親友・忠僕。ハムレットは死ぬ直前、親友ホレイショに自分の物語を後世に伝えてくれと頼む。
■金を友に貸せば、金と友、両方を失う(ポローニアス) 1-3
■何か腐っている、このデンマーク国は(マーセラス) 1-4
■簡潔こそ知恵の真髄(ポローニアス) 2-2
■あの女は誓いすぎる(ガートルード) 3-2
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危険へと続く道は平坦である。『ヴィーナスとアドニス』1594
招かれないのに来た客は、帰るときにいちばん歓迎される。『ヘンリー6世』1594
悲しみは1時間を10時間にする。『リチャード2世』1595
ロミオ。青年。仮面舞踏会でジュリエット(14歳)に一目惚れ、結婚。しかし、ロミオはジュリエットの従兄を決闘の末、斬り殺してしまい、町から追放されてしまう。ジュリエットに別の男との結婚話が持ち上がる。好きなのはロミオだけ。ジュリエットは2日間だけ仮死状態になる薬を飲み、墓場に埋葬してもらい、ジュリエットが墓場で目覚めたときにロミオに迎えにきてもらう計画を立てる。しかし、ロミオに計画は伝わっておらず、ロミオはジュリエットが死んだと誤解し、毒を飲んで死んでしまう。その後、目覚めたジュリエットはロミオの死を知り、短剣を胸に刺して息絶える。『ロミオとジュリエットの悲劇』1597
〇ロレンス。修道士。仮死状態になる薬をジュリエットに渡す。
〇パリス。伯爵。男。ロミオ追放後、ジュリエットの父親が娘を嫁がせると約束。その後、ロミオに殺される。
※ロミオのモンタギュー家とジュリエットのキャピュレット家は昔から仲が悪かったが、ロミオとジュリエットの不幸な死を前にして仲直りする。
※ロミオ、どうしてあなたは「ロミオ」なの? 「薔薇」はどんな名前に変わっても同じ香りのまま(ジュリエット)。
アントニオ。ヴェニスの若い貿易商人。温厚。友人の結婚資金を得るため、高利貸しのシャイロック(ユダヤ人)から金を借りる。シャイロック「期日までに金を返せなかった場合、あなたの肉を1ポンド(450g)切り取ります」。しばらくして、アントニオの所有する船が難破してしまい、期日までに借金が返せなくなる。アントニオは裁判にかけられるが、アントニオの友人の妻が裁判官になりすまし、アントニオに有利な判決を下す。「アントニオの肉を切り取ることは許可するが、一滴の血も流してはならない」。アントニオは命を救われる。『ヴェニスの商人』1598 喜劇
〇バッサーニオ。アントニオの友人。富豪の娘ポーシアに求婚。
○ポーシア。娘。聡明。機知に富む。裁判官になりすます。
〇ジェシカ。シャイロックの娘。ユダヤ教徒にもかかわらず、キリスト教徒の男ロレンゾと駆け落ちし、シャイロックは激怒。
※悪魔も聖書を持ち出して屁理屈を言う。邪悪な魂の持主が、聖なる言葉を引き合いにだす。悪党が外面だけは笑顔を作るのと同じ。見かけだけ立派でも、芯は腐ったリンゴだ(1-3)。
自由とは何だ、言葉だ、言葉とは何だ、空気の振動だ▼年中休日を楽しむとしたら、気晴らしも仕事と同じように退屈なものになる。『ヘンリー4世』1600
頭がいいから阿呆の真似ができる。『十二夜』1602
俺のものはお前のもの、お前のものは俺のもの(平等)。『しっぺ返し』1603
イアーゴ。ヴェニスの軍人。同僚のオセローに嫉妬している。オセローはムーア人(北アフリカのイスラム教徒)で、軍人として出世が早く、美人妻と良い仲にある。イアーゴはオセローに「お前の奥さんは浮気している」と嘘をつく。オセローは怒り狂い、妻の首を絞めて殺害。その後、誤解だったことが分かり、オセローは絶望、自らの命を絶ってしまう。『オセローOthello』1604
〇デズデモーナ。オセローの妻。美人。
〇キャシオー。イアーゴがデズデモーナの不倫相手に仕立て上げた男。
〇ロダリゴー。イアーゴからオセロー暗殺を依頼されるが失敗。イアーゴに殺される。
※I am not what I am. (イアーゴ)
ハーミア。貴族の娘。父親が決めた結婚相手(ディミトリアス)がいたが、別の男ライサンダーと駆け落ち、森へ逃げる。結婚相手の男ディミトリアスもハーミアを追って森へ。そのディミトリアスに片想いする娘ヘレナも森へ。森では妖精パックが「目覚めて最初に見た人を好きになる」媚薬を恋人たちに誤って使い、大混乱に。『夏の夜の夢』1605 喜劇
〇ディミトリアス。男。ハーミアの父が決めた結婚相手。
〇ヘレナ。女。ハーミアの幼馴染。ディミトリアスに片想い。媚薬でディミトリアスと結ばれる。
〇オベロン。妖精の王。
〇タイターニア。妖精の王妃。
〇パック。いたずら好きの妖精。
※恋。甘いものほど取りすぎると飽きがくる。嫌気がさしてくる。
※メンデルスゾーン(1809-1847)「夏の夜の夢」
リア王。ブリテンの王。80歳。傲慢で虚栄心が強い。3人の娘に「わしを最も愛している者に領土を譲渡する」と言う。長女と次女は口先で「愛しています」と言うが、三女コーディリアは「父を想う気持ちは口に表せられない」と答える。それを聞いて、リア王は怒り、コーディリアを勘当。コーディリアは相続権を奪われ、フランス王と結婚してフランスへ渡る▼リア王は長女と次女に領土を譲渡。しかし、相続が終わると、リア王は長女と次女から次第に冷遇されるようになり、ついには居場所を失う。絶望したリア王は城を出て、激しい嵐の中をさまよう▼三女コーディリアはフランスから兵を率いて、父を救おうとするが、捕まってしまい、獄中で絞殺され、リア王は娘の遺体を抱えて悲嘆のうちに息絶える。コーディリア「最善を願いながら、最悪の結果に終わったのは、けっして私たちが初めてではない」『King Lear(リア王)』1605★
※悲劇を成立させるために、登場人物、とりわけリア王が不自然なほど愚かな判断をする。娘たちの愛情を言葉の巧拙で判断。最も誠実なコーディリアを追放。忠臣ケントの忠告を拒絶。生前に統治権を譲渡しながら、王としての待遇だけは維持できると考える。権力を失えば、娘たちへの影響力も失われるという当然の危険を予測できない。
※身分の高い人物が乞食に変装する。エドガーがPoor Tomなど。ホメロス『オデュッセイア』などの先例。
※元になった作品『レア王実年代記』(フィクション)では、舞台は紀元前800年頃の設定。
●ゴネリル。長女。執事オズワルド。夫オールバニーと対立し、エドマンドと愛人関係になる。エドマンドをめぐって妹リーガンと争い、妹を毒殺するが、夫の殺害を企てた陰謀が発覚し、自殺する。
●リーガン。次女。夫コーンウォールの死後、エドマンドを新たな夫にしようとするが、長女ゴネリルに毒殺される。
●コーンウォール侯爵。次女の夫。妻とともにリア王を冷遇し、嵐の中へ追いやる。リア王の逃亡を助けたグロスターを反逆者として捕らえ、両目をえぐり取る。その残虐行為を止めようとした召使いに剣で刺され、負傷が原因で死亡。
●エドマンド。リア王の臣下グロスター伯の愛人との間に生まれた私生児。嫡子である異母兄エドガーを陥れ、父グロスター伯にエドガーが謀反を企てていると信じ込ませる。さらに、リア王に味方する父を裏切ってコーンウォール公に密告し、グロスター伯の爵位を手に入れる。その後、リア王の長女ゴネリルと次女リーガンの両方から愛され、権力を拡大。終盤、エドガーとの決闘に敗れて致命傷を負い、死の間際にリア王とコーディリアの処刑命令を撤回しようとするが、間に合わなかった。
○ケント伯。リア王の臣下。リア王が末娘コーディリアを勘当しようとした際、その判断を諫めたため、国外追放を命じられる。しかし、変装してリア王を仕え続ける。リア王の窮状をフランスに嫁いだ三女コーディリアに伝える。
○道化(Fool)。リア王に仕える宮廷道化。機知に富み、冗談や謎かけ、皮肉を交えてリア王の愚かさを指摘。
○グロスター。リア王の忠臣。エドガーとエドマンドの父親。弟エドマンドの策略によって長男エドガーを誤解し、コーンウォールに両目をえぐり取られる。
○オルバニー公。長女の夫。前半では優柔不断で存在感が薄いものの、後半では妻の残虐行為を非難し、秩序の回復に努める。
○フランス王。ブリテンへの大規模な軍事介入を決断したにもかかわらず、その政治的目的も、途中帰国する事情もよくわからない。
■悪意のない者は、他人の悪意を見抜くことができない(エドマンド, 1-2)
■知恵を身につけてから年を取るべきだったのに(道化, 1-5)
■人間、衣装を剥ぎ取れば、憐れな裸の二本足の動物にすぎない(リア王, 3-4)
■いちばん賤しい者、いちばんひどい逆境に沈んでいる者は脅えることがない(エドガー, 4-1)
■「これがどん底だ」と言っていられる間はどん底ではない(エドガー, 4-1)
■人は生まれるときに泣く。愚か者(道化)ばかりの舞台に放り出されたと知って(リア王, 4-6)
マクベス。武将。3人の魔女から「お前は王になる」と予言される。妻からも「アンタは王位を取れる」とそそのかされる▼マクベスは王を殺害。眠りは、もつれて、ほつれ、からまりあった心労を解きほぐし、紡ぎ直してくれる。日ごとの命の最後に訪れる安らかな死。マクベスは(罪を知らぬ)眠りを殺した。マクベス「この手に付いた血を洗い清めることはできない。この手は、緑の海原を朱一色に染めるだろう」▼王となったマクベスは悪行を重ねるが、前王の子供に討たれて死亡。『マクベスMacbeth』1606
〇ダンカン。スコットランド王。マクベスに殺される。
〇バンクォー。マクベスの友人。マクベスに殺される。
〇マクダフ。武将。ダンカンの息子の仲間。マクベスに妻子が殺される。
〇マルカム。ダンカンの息子。王子。マクベスを討伐し、王国を奪還。木の枝で身を隠した兵たちで進軍、マクベスに「(バーナムの)森が動いた」と勘違いさせる。
※眼前の恐怖も想像力の生みなす恐怖ほど恐ろしくはない▼どんな荒れ狂う嵐の日にも時間は経つものだ▼破壊そのものが破壊に飽きてしまうがいい。
剣で脅すよりも、笑顔で脅せ。『アテネのタイモン』1607 悲劇
プロフペロー。魔法使い。気難しい。嵐を起こし、悪人アントニオを乗せた船を沈没させる。『テンペスト』1611
この世はすべて、ひとつの舞台。男も女も人はみな役者▼逆境が人に与える教訓ほどうるわしいものはない▼人生。この摩訶不思議な七変化の仕上げとなるは赤子返りと全き忘却。歯も無くし、眼の光も失い、好きも嫌いも忘れ去り、何もかもが消え失せる。『お気に召すまま』1623
『終わりよければすべてよし/All's well that ends well』1623
他人もまた同じ悲しみに悩んでいると思えば、心の傷はいやされなくても、気は楽になる。ウィリアム・シェイクスピア
※オクシモロン(oxymoron)。冷たい炎。熱い氷。病んだ健康。陽気な悲劇。相反する言葉を組み合わせて鮮烈な印象を与える技法。
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フォースタス(ファウスト)博士。ドイツ人。通常の学問に嫌気がさし、魔術に魅了される。魔術を使えるようになることと引き換えに、24年後、堕天使ルシファーに魂を譲り渡す契約を結ぶ。竜に乗って天空を飛んだり、ローマ法王にいたずらしたり、ギリシア人の美女ヘレネを愛人にしたり。しかし、フォースタス博士は得たと思った権力・名声・栄華は幻影と気付き、キリストに救いを求めるが、ルシファーとの契約により地獄に堕ちる。メフィスト「地獄に境界はなく、我々のいる所が地獄であり、地獄があるところが我々の永久の住処(すみか)」。クリストファ・マーロウMarlowe『フォースタス博士の悲劇』1588 ※元ネタはドイツのファウスト伝説。200年後、ゲーテも題材にする。マーロウはシェイクスピアと同い年。
夜の闇は濃いほどいい。光は絶望した者にとって辱めでしかなく、悲しみは決して癒されない。ジョン・ダウランド『我が涙よ、あふれよ』
小罪は罰せられ、大罪は称賛される。ベン・ジョンソン1572-1637 イングランドの詩人
悲嘆(ひたん)にくれている人々は、他人が十分にそう感じているとはけっして考えない▼思慮分別は人生を安全にするが、往々にして幸せにはしない。サミュエル・ジョンソン1709-1784 イングランドの文学者
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シェイクスピアの四大悲劇の一つ「ハムレット」
セリフの掛け合いは、日本語では理解し難いものが多かったが、印象に残ったのは主人公の苦悩である。
「to be, or not to be, that is the question.」
生きるべきか、死ぬべきかという有名な独白は復讐という重い運命を背負った彼の内面的な葛藤を象徴していると感じる。
また、登場人物たちの狂気と正気の境界線もこの物語の重要なテーマであり、それぞれの思惑や行動が悲劇の連鎖を引き起こす要因となっている。
人間の本質的な弱さや狡猾さを描き出しており、心の葛藤、道徳的な問い、そして人間の本質を深く掘り下げた作品であると思う。
Posted by ブクログ
・主人公ハムレットの人格が魅力的だった。不貞の罪を犯した母への忌まわしさと、その母の血が流れている自分自身の穢れの感覚に煩悶しながら復讐に進む主人公には、若者らしい潔癖さと深情の優しさが感じられた。狂人を装いながら、度々口にする気の利いた皮肉も、大学生だという主人公の知性が表れていて、魅力的だ。
ルルーシュみたいな感じ、と言うと卑近すぎるかもしれないけど、ググると製作陣も意識しているらしい。
・後述の脚注で逐次説明されているが、繰り返し登場するキーワードやイメージが、表現を強力にしていて、巧みだった。
・クライマックスの剣術試合は、サスペンスの効果が巧みで引き込まれずにはいられないし、青年二人の決闘は、問答無用で格好いい。ハムレットには黒、レアティーズには白の衣装で戦ってほしい。(ルルーシュとスザクみたいだけれど…。)
・演劇ならではの効果(が発揮されているであろう箇所)は、想像力を働かせないと理解できない部分が多いように思った。シェイクスピアが活躍したグローブ座は、東京にも再現されているらしいので、いつか行ってみたい。普通イメージする劇場と違って円筒形をしていて、平土間は屋根が無い(空が見える)。
・内容からは離れるけれど、脚注と巻末の補注を使って、原文のダブルミーニングや構成の妙、時代背景等々を解説してくれているので、理解を深めるのにとても助かった。注であっても、訳者の熱意が伝わる書きぶりで、退屈ではないと思う。ただ、底本がどうだという話も多いものの、門外漢なのでそこは追う気力が無かった。
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