筑摩書房作品一覧

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  • 日曜日は青い蜥蜴
    3.7
    1巻1,760円 (税込)
    少女時代のエピソードあり、笑える読書日記あり、真摯で豊かなレビューあり……。約10年ぶりに放たれる待望の新刊エッセイ集! 書き下ろしあとがき収録。
  • 養老孟司入門 ――脳・からだ・ヒトを解剖する
    3.7
    「脳」「からだ(人体)」「ヒト」をめぐって「生きるとはどういうことか」を問い続けてきた解剖学者・養老孟司の代表的著作を読みなおし、その探求・思想の世界を一望する。「脳より大切なものがある」、「塀の上を歩け」、「あたりまえ」の本質、「無思想」という思想、「ヒトとはなにか?」……知的刺激に満ちた数々の至言とともに、東大医学部解剖学教室からの愛弟子である著者が、各著作が書かれた当時のエピソードも交え評伝風に語る。一冊でわかる、養老孟司のすべて!
  • 母のレシピノートから
    3.7
    古い大学ノートに40年綴られてきた母のレシピ──それは伊藤まさこさんの料理の原点であり、娘にも伝えたい懐かしい味と記憶。じゃがいもを入れるロールキャベツ、大勢が集まる日の定番パエリア、パウンドケーキ、持ち手つき唐揚げ、ポタージュスープなど、日々の繰り返しの中で、くすみもせず、無理もせず、食卓を彩ってきた料理のかずかずは、どんな時代のテーブルも幸せにしてくれます。文庫版では、さらに新しいエッセイを加えました!
  • エマニュエル・トッドの思考地図
    3.7
    時代の趨勢を見極め、その先を見通す知性をいかにして獲得するか。現代を代表する論客が、自身の思考の極意を世界で初めて語りつくす。完全日本語オリジナル。
  • 天皇と戸籍 ――「日本」を映す鏡
    3.7
    「日本人」たることを“証明”する戸籍、戸籍をもたない天皇家――。どちらも「血統」、「家」の存続といった原理に支えられてきた。天皇制と戸籍は、いかなる関係にあるのか? その根底には、何があるのか? 古代に始まり、世界に類を見ない日本独自の制度でありながら、正面から問われることのなかった難問に挑んだ、渾身の書!
  • やわらかい頭の作り方 ──身の回りの見えない構造を解明する
    3.7
    誰にも「考え方の癖」があり、自由な発想が妨げられている。自分の「常識」や「価値観」や「見方」が絶対でないことを知り、創造的思考を広げるヒントにしよう。
  • 古代日本語文法
    3.7
    従来の品詞別、助動詞・助詞別の記述によらず、現代語文法の枠組みで古代日本語文法(古典文法)を解説した画期的文法書。五十音図をはじめとする基礎から、動詞、形容詞、述語の構造、時間表現、そして敬語まで、本書には、平安期を主とする古典文を読み解くための知識が網羅されている。また、文章読解にあたっては、文中における語の配列規則などを扱う構文論と、語形変化や語の構成を考察する形態論、この二つの視点を持つことが重要だと説く。広く日本語文法や日本古典文学に関心を寄せる人々に推奨したい一冊。
  • 土曜日は灰色の馬
    3.7
    恩田陸が眺める世界。小説、漫画、映画に音楽、舞台まで…少女時代からありとあらゆるエンターテインメントを堪能し、物語を愛し続ける作家の眼にはどんな世界が映っているのか? その耳では、どんな響きを感じているのか? どんな言葉で語るのか? 軽やかな筆致で想像力の海原を縦横無尽に楽しみ尽くす、とびきり贅沢なエッセイ集。
  • 平成政治史 ──政界再編とポスト冷戦型社会運動
    3.7
    冷戦の終焉とともに始まった平成政治。選挙制度改革による政権交代の実現と、自民党一党優位制打破が期待されたが、細川・村山政権や民主党政権に国民が失望する一方で、危機に立たされた自民党は自公連立、小泉改革、安倍政治によって政権の盤石化に成功した。なぜこのような結果になったのか。各政党の動きとその時々の内外の政治課題を巧みに織り交ぜて解説しつつ、SEALDsや脱原発運動、在特会など新しい社会運動の動向にも注目。激動の三〇年を俯瞰する政治史決定版。
  • しぐさで読む美術史
    3.7
    西洋美術を鑑賞するには、人物の身振りやそこに込められた意味について知っておくことが重要だ。有名な《最後の晩餐》や《受胎告知》も、よく観察すると、描かれた個々の人物の異なる身振りがそれぞれ別の感情を表すことに気づく。知らないと見過ごしてしまうこれらの身振りや動作に注目すると、絵の中の「物語」が鮮明に見えてくる。古今東西の美術作品200点以上、カラー図版多数。
  • 古代史講義【宮都篇】
    3.7
    日本古代の宮室・都城の発掘調査は昨今急速に進み、研究も活況を呈している。そこで、古代の代表的宮都を、飛鳥の宮々・難波宮・大津宮から藤原京・平城京・恭仁京・紫香楽宮・平安京、さらには大宰府、平泉に至るまで十五講にわたって紹介。最新の調査成果と、深まりゆく研究を紹介しつつ、宮都の実像を叙述するだけでなく、各時代の社会的背景となる古代都市のあり方をも明らかにする。一般読者に向けて先端研究を解説し、旧来の古代史イメージを刷新するシリーズ第三弾。
  • マタイ受難曲
    3.7
    荘厳な響きと、雄大な構想により、西洋音楽の歴史において圧倒的な存在感を誇ってきた“マタイ受難曲”。イエスの捕縛から十字架刑、そして復活までの物語を描いたこの作品には、罪を、死を、犠牲を、救済をめぐる人間のドラマがあり、音楽としての価値を超えて、存在そのものの深みに迫ってゆく力がある。いまなお演奏ごとに、そして鑑賞のごとに新たなメッセージが発見され続ける、すぐれて現代的なテーマを秘めている。バッハ研究の第一人者が、バッハの手書き譜や所蔵していた神学書など膨大な資料を渉猟し、ひとつひとつの曲を緻密に分析して本国での演奏にまで影響を与えた古典的名著。
  • 『論語』がわかれば日本がわかる
    3.7
    理不尽な上下関係や努力信仰が幅をきかせ、抑圧的な組織の論理がまかり通る日本社会――。われわれの多くに刷り込まれたこのような常識や行動様式はどこから来るのでしょうか。江戸時代以降、中国の古典『論語』は、日本人の無意識の価値観のもととなってきました。本書では、『論語』や儒教のものの考え方を丁寧によみとき、さまざまな国際比較研究の知見と照らし合わせることで、わたしたち自身を無自覚のうちに縛るものの正体を解き明かします。己を知り、より自由に生きるための、現代人必須の教養書です。
  • ぼくらの中の「トラウマ」 ──いたみを癒すということ
    3.7
    どんな人にもトラウマはある。まずはそのいたみを自覚し、こじらせないことが肝要だ。明日も無事に生き延びるため、トラウマのメカニズムやいたみに向き合いながら和らげる術を豊富な事例から紹介する。
  • ベランダ園芸で考えたこと
    3.7
    ベランダで始めた園芸。ドラゴンフルーツ、朝顔、薔薇、ゴーヤーetc.。花がある側は「ナオガーデン」、食べられる植物がある側は「ナオファーム」。「虫のかじったあとを見て、地球の形もこんな風に変わってきた、と想像する」。ベランダは世界のミニチュア。書き下ろしエッセイ「そのあとのていたらく」を新たに収録。
  • はじめての三国志 ──時代の変革者・曹操から読みとく
    3.7
    三国志のなかでも人気があるのは、劉備、孔明率いる蜀であることは間違いない。しかし、歴史をつぶさにみていくと、後の時代に多大な影響を与えたのは、彼らではなく、魏の曹操なのだ。曹操はどのようにして時代を切り開いていったのか。新たな三国志の一面に光をあてる。
  • 上京する文學 ──春樹から漱石まで
    3.7
    村上春樹、五木寛之、向田邦子、川端康成、松本清張、太宰治、宮澤賢治、石川啄木──進学、仕事、憧れ、様々な理由で上京してきた作家たち。生まれ育った町ではないからこそ、新鮮な想いで風景や人々を眺め、それを作品へと昇華していった。“東京”を目指し故郷をあとにした作家、またそんな若者を描いた作品を“上京者”という視点で読み解く岡崎流文学案内。
  • 川上から始めよ ──成功は一行のコピーで決まる
    3.7
    「川上」とは、仕事のそれぞれの場面において、一番上流にあり、川中、川下を決めていく背骨になるもののことだ。そこで旗印として掲げる言葉は長くなればなるほど伝わらない。企業の「理念」を一行に凝縮したフレーズを「川上コピー」と名付けた著者が、経営、マーケティング、プロジェクト、リーダーシップなどにおける「川上」の重要性と、成功に繫がる一行のコピーのつくり方、それをどう川中、川下に生かしていくかについて解説する。
  • 消えゆく横丁 ──平成酒場始末記
    3.7
    路地裏の狭い通りやガード下に赤提灯や電飾看板が並ぶ横丁酒場。そこには美食や清廉さから遠く離れた人間くさい空気が満ちていた。戦後の闇市を起源とするこれらの横丁も、平成に入ると再開発事業の対象となり、次々と撤去・解体されていった……。昭和と平成の激動の時代を背景に全国各地から消えていった、あるいは消えつつある横丁の生と死、そして再生を見つめた渾身の記録。文庫書き下ろし。
  • ヒューマンエラーの心理学
    3.7
    たとえば直観的に動いて失敗した。だから今度はじっくり考えて行動したのに、やはり選択を誤ってしまった。または、はっきり記憶している経験が、実はぜんぜん違うものだった……など誰でも体験があるだろう。人間とは、間違える動物である。それは認知的な処理能力に制約や限界があるため。だが、それらを知って上手にいかせば、ミスを減らすことができる。自分のことは当然ながら、仕事や教育、災害現場などで、他人を思い通りに動かせるかもしれない。不思議な錯覚・錯視から危険な認知バイアスの理由まで、心理学が解き明かした、人間の知覚の本質とは。
  • パスティス ──大人のアリスと三月兎のお茶会
    3.7
    太宰、漱石、鴎外、賢治、芥川から、ドイル、アンデルセン、ケストナー、ベケットまで。古今東西の名作をもとに編み上げられた16のパスティーシュ小説集。禁酒時代にアブサンの代用酒として作られたパスティスが、以後もずっと人々の口を愉しませ、酔いを誘ってきたように、オリジナル作品を知らなくても、知っていればなお一層、小説の醍醐味を存分に楽しめる珠玉の作品集。
  • 考古学講義
    3.7
    科学的な手法の発達によって、近年、考古学の成果が多数挙がり、考古学の年表は全面的に書き換えられつつある。旧石器捏造事件で考古学の危うさが指摘されて以来、科学的な確からしさが常に問われている。そこで実証的な考古学の最新成果を一般の読者にわかりやすく伝えるとともに、通説をそのままなぞるような水準にとどまらない、挑戦的な研究を紹介。旧石器時代から古墳時代までの全貌がわかるだけでなく、考古学ファンの批判に耐え、知的好奇心を満たす最前線の研究案内。
  • 使える!確率的思考
    3.7
    ギャンブル、天気予報、ビジネスから人間関係まで、この世は不確かな事柄でいっぱいだ。私たちは、偶然に翻弄されながら、可能性の高さを見積もったり比較したりして、自らの行動を決断せねばならない。では、賢く適切な選択をするにはどうすればよいか? そこで強い味方となるのが「確率的思考」である。本書は、数字の苦手なわれらにも腑に落ちる平明な語り口で、確率のテクニックを駆使して考える術を伝授する。ツキの正体、統計数字のからくり、人づきあいやビジネスでの意思決定法など、魅力に富んだ事例満載で愉快に学べる一冊。
  • ニーチェはこう考えた
    3.7
    熱くてグサリとくる言葉の人、ニーチェ。だが、もともとはまじめで弱くて、斜に構えた青年だった。徹底的に挫折しても、再び立ち上がることができるのはなぜか? 不安で不確実な現代に、等身大のニーチェがいま、よみがえる。
  • 格差社会を生き抜く読書 【シリーズ】ケアを考える
    3.7
    「一億総中流」の夢から醒めた日本。ちょっとした不運で、誰もが転がるように零落する。ひとたび貧困へと転落すれば、ふたたび這いあがるのは容易ではない。波瀾万丈な人生経験をもつ佐藤優さんと、貧困のリアリズムに心理的なまなざしを向ける臨床心理士の池上和子さんが、格差社会の実相を知るための30冊を紹介しながら現代の貧困を徹底的に議論する。貧困と虐待はなぜ連鎖するのか、貧困に陥らないためにはどんな教育が必要なのか、来るべき社会はどうあるべきなのか――。格差社会を生き抜くための針路をくっきりと描く。
  • 「きめ方」の論理 ──社会的決定理論への招待
    3.7
    ある集団のなかでみんなの意思がうまく反映された決定を下すには、どうすればいいだろうか。特に、各人の考えがバラバラで、にもかかわらずそれらを集約して一つの判断を下さなければいけないとき、望ましいきめ方とはどんなものだろうか。これを探究するのが社会的決定理論という分野である。様々な投票方式が生み出す矛盾から、アローの一般可能性定理、さらにはセンの自由主義のパラドックスやゲーム理論まで、この理論が含みもつ広範な内容をかみ砕いて丁寧に解説。社会的決定における「公正さ」「倫理性」とはどのようなものか検討する。最良の入門書として長年親しまれてきた比類なき名著。
  • 赤い猫 ──ミステリ短篇傑作選
    3.7
    「話相手の女性求む」という風変わりな求人に応募した多佳子は、無愛想な老婦人・郁の豪邸で住み込みで働くことになる。ある事件がきっかけで郁との距離が縮まった多佳子は、幼い頃に母が何者かに殺害されたことを郁に打ち明ける(表題作)。車椅子探偵の華麗な推理を描いて日本推理作家協会賞を受賞した表題作ほか、「日本のクリスティー」の珠玉の短篇を堪能できるオリジナル傑作選。
  • 転職のまえに ──ノンエリートのキャリアの活かし方
    3.7
    ほとんどのビジネスパーソンの仕事人生には何度かの「転機」がある。そして、そこには「このままでよいのだろうか」という問いがある。20歳のときの「夢」、20歳のときに知った「現実」も、時間とともに修正される。それは自己の成長の結果である。子どものときの被服がすぐに身の丈に合わなくなるように、「志」も「目的意識」も変わるのだ。さまざまな転職や転換を、中小企業から大企業までの豊富な事例とデータをひもときながら、次の一歩を踏み出す前に一緒に考える一冊。
  • 星か獣になる季節
    3.7
    地下アイドル・愛野真実の応援だけを生き甲斐にするぼくは、ある日、彼女が殺人犯だというニュースを聞く。かわいいだけで努力しか取柄のない凡庸なアイドルである真実ちゃんが殺人犯なんて冤罪に決まっていると、やはり真実ちゃんのファンだという同じクラスのイケメン・森下とともに真相を追い始めるが──。歪んだピュアネスが傷だらけで疾走するポップでダークな青春小説!
  • 中央線で行く東京横断ホッピーマラソン
    3.7
    東京駅から中央線にのって高尾まで32駅、帰りは京王線で新宿まで38駅。各駅でホッピーの飲める店を探し出し、ひたすら飲むという驚異のマラソン。ある時は常連客の会話に混ぜてもらい、お薦めのツマミの教示を受け、そして時々記憶をなくす。『酒とつまみ』編集長の名物連載。文庫化にあたって、各店データを収録するとともに、未踏区間の12駅で飲み書き下ろした。
  • 本質をつかむ聞く力 ──ニュースの現場から
    3.7
    真偽不明、玉石混淆の情報があふれている。耳触りのいい言葉や衝撃的な発言を鵜呑みにしてはいけない。フェイクニュースに惑わされないために、何が本当で何が本質か、見極めるにはどうすればいいのだろう。
  • 欧州ポピュリズム ──EU分断は避けられるか
    3.7
    欧州連合(EU)が、ポピュリズム危機に揺れている。反移民の声は衰えず、ポピュリズム政党への支持は増え続けている。中東欧では政権を担う党すら現れた。いまや、欧州の政治は左右対立ではなく、親EUの既成政党と反EUのポピュリスト政党という対立軸で動いているのだ。ポピュリズムの台頭を招いた要因はなにか。EUの基本理念であるリベラリズムは守られるのか。その統治機構や政策から分析する。
  • この春、とうに死んでるあなたを探して
    3.7
    1巻1,320円 (税込)
    矢口弼は38歳、元税理士。離婚を経験して仕事にも疲れた矢口は、中学時代を過ごした南森町にひとりきりで戻る。新しい住まいは、かつての同級生・小日向の営む喫茶店「レインフォレスト」の上階。外見は変わっても中身は子どものままに騒々しい小日向に矢口は面食らいながらも、少しずつ雨森町になじんでいく。そんなふたりにもたらされる恩師の死をめぐる謎。先生の死は事故なのか? あるいは、生徒からのいじめを苦にした自殺? 23年前の真実を求めて、矢口と小日向は元クラスメイトを訪ねるが──。失くしたものも、ふたりでなら見つけられる。喪失を抱えた者たちの人生を全力で肯定する物語。
  • 飛田ホテル
    3.7
    社会の落伍者が集まるアパート「飛田ホテル」。刑期を終えたヤクザ者の有池が戻ると待っているはずの妻がいない。有池は妻の足取りを追うが、思いもよらなかった彼女の姿を知ることになる(表題作)。昭和の大阪、光の当たらない暗がりで悲しく交わる男女の情と性。自身も大阪のどん底を経験した直木賞作家が「人間の性」を抉り出す、傑作ミステリ短篇集。
  • ニーチェ入門
    3.7
    現代思想に多大な影響を与え、今なお多くの著作が読み継がれているニーチェ。しかしアフォリズム的に書かれたその文章は、他の哲学者にはない魅力である一方で彼の思想の核心を捉えにくくもしている。ニーチェは終生何について考えていたのか? 実はそこには「健康と病気」をめぐる洞察がある、と著者は述べる。みずからも病に苦しみつつ、その経験の中から「身体の健康とは何か、精神の健康とは何か」という身近な問題意識への思索を深めていったのだ。ニーチェの生涯や思想、キーワードを平明に解説し、その思想のもつアクチュアリティを浮かび上がらせる入門書。
  • 東京の昔
    3.7
    幾千年かの歴史の中で、人間というものはどれだけ進歩し、どれだけ洗練することができたのだろうか。下宿先のおしま婆さん、自転車屋の勘さん、帝大生の古木君、実業家の川本さん。いずれも味のある登場人物を相手に、おでん屋のカウンターや、待合、カフェーで繰り広げられる軽妙洒脱な文明批評。第二次大戦に突入する前の、ほんのわずかなひととき。数寄屋橋が本当に橋で、その下を掘割の水が流れていた頃の、慎ましやかで暮らしやすい東京を舞台に、人間と人間の社会を論じた、吉田健一最晩年の珠玉の一篇。
  • ニッポンの肉食 ──マタギから食肉処理施設まで
    3.7
    身近な食材なのに、実はわからないことだらけの肉。畜産肉のシステム化された生産や流通の過程から日本の自然が育んだバラエティ豊かな野生の獣肉まで、多数の写真とともに日本の肉食文化の奥深さを紹介する。
  • ユダヤ戦記1
    3.7
    紀元66‐70年、パレスチナのユダヤ人たちはローマ帝国と戦った。だが、彼らにとってこの戦争の結末ほど悲劇的なものはなかった。聖性が宿ると信じられた都エルサレムと神殿を失ったにもかかわらず、彼らの神は沈黙したままだったからである。神の沈黙は彼らに神の再解釈を迫り、以後、ユダヤ人たちの運命は大きく変わった。2000年にわたる流浪の始まりとなったのだ。この戦争を克明に記録した本書は、古代キリスト教以来、現代に至るまで西欧社会の必読書であり、イエスの神性を保証するプルーフテクストとして機能してきた。第1巻は、アサモナイオス王朝の盛衰から開戦前夜までを収録。
  • 聖書の起源
    3.7
    キリスト教の正典、「聖書」──その奥にひそむのは、古代オリエントやギリシアのあらゆる神々の姿が織り込まれ、ユダヤ民族悠久の歴史が幾重にも積み重ねられた、多文化的な空間であった。異教のバァール神話の死と復活のドラマ。ギリシア神話のアドニスとアフロディテの出会いと別れの物語。エーゲ海であがめられた治療の神アスクレピオス。治癒神イエス登場の背後には、これら異端の神々の系譜を透かし見ることができる。従来の宗教学的解釈では光をあてられることのなかったこの歴史を、宗教人類学の視線から掘り起こし、のちの聖書の読みを決定づけた古典的名著。
  • ライフワークの思想
    3.7
    ライフワークの花を咲かせることはあらゆる人に可能である。この花は晩年になって始めて結実する。そのためには自由時間の使い方を考えなくてはならない。自分の生きがいとなり、人生の豊かさにつながる、能力の備蓄をすることが必要だ。バッテリーは使い切るまえに絶えず充電しなくてはならない。輝かしい、円熟したフィナーレを迎えられるよう、一日一日の生き方を考えてみよう。
  • リアル人生ゲーム完全攻略本
    3.7
    バランス崩壊、謎システム、不明確なゴール……それでも、人生はゲームとして攻略できる! 「説明書」と「攻略本」の2本立てで、キミに理想のプレイングを伝授する!
  • 決定版 感じない男
    3.7
    オトコという存在は実は「不感症」ではないのか。だからこそ、美少女写真集を見てはあらぬ妄想を膨らませ、一人でしては空しさに襲われる──。少なくとも自分にはそうした側面があると気づき、この問題を深く掘り下げ、論じ切った衝撃のセクシャリティ論。男女を問わず大きな反響を呼び、「男の性」の必読本となったこの書に、「その後の、感じない男」についての章を加えた、増補決定版。
  • わたしの中の自然に目覚めて生きるのです ──あたらしい暮らしのちいさな魔法
    3.7
    生き方の岐路に立ったら? 毎日の悩みに、自分の中の「自然」が答えてくれる! 脱毛からセックスまで。孤独からエイジングまで。恋愛から子どもをもつことまで。心にもからだにも美しさにも人間関係にも暮らしにも役立つ知恵の宝庫。
  • あなたのキャリアのつくり方 ──NPOを手がかりに
    3.7
    フルタイムで終身雇用、はもう古い? 自由自在に自分らしいキャリアをデザインできる道を知っておこう。社会とつながるNPOで働く選択肢の可能性と現実からさぐるワークもライフも幸せな働き方。
  • 日本漁業の真実
    3.7
    国境紛争・資源管理・TPP問題・地域衰退・就労者の激減……。漁業は現代日本を象徴する「課題先進産業」である。いまや漁獲量はピーク時の半分以下になり、約40年間で漁業就業者は3分の1にまで減っている。縮小し続ける日本の漁業に、なにが起きているのか? 本書は、漁業の歴史とデータを紐解きながら、その現状と問題点を大胆に描きだす。知られざる日本漁業の全貌を明かす決定版!
  • レジリエンス入門 ──折れない心のつくり方
    3.7
    人生には心が折れやすくなる時期が必ずやってくる。どうすればそれを乗り越え、成長へとつなげられるのか。「レジリエンス」=心の自然治癒力を高めれば、さまざまな困難に対処することができる。その方法をわかりやすく解説する。
  • 初版 金枝篇 上
    3.7
    「肘掛椅子の人類学」と断じ去るのは早計だ。ただならぬ博引旁証に怖じる必要もない。典型的な「世紀の書」、「本から出来上がった本」として、あるいはD・H・ロレンス、コンラッド、そして『地獄の黙示録』に霊感を与えた書物として本書を再読することには、今なお充分なアクチュアリティがあろう。ここには、呪術・タブー・供犠・穀霊・植物神・神聖王・王殺し・スケープゴートといった、人類学の基本的な概念に関する世界中の事例が満載されているだけでなく、資料の操作にまつわるバイアスをも含めて、ヨーロッパ人の世界解釈が明瞭に看取できるのだから。巧みなプロットを隠し持った長大な物語の森に、ようこそ。
  • 組織力 ──宿す、紡ぐ、磨く、繋ぐ
    3.7
    経営の本質とは、一人ひとりでは突破できない難関を、みんなでなんとか切り抜けることにある。そのためには「組織力」を高めることが欠かせない。組織力を宿し、紡ぎ、磨き、繋ぐことで、人々ははじめて組織であり続けることができるのだ──。新入社員から役員まで、組織人なら知っておいて損はない組織論の世界。ビジネスの神髄を理論的に解説。
  • 親鸞
    3.7
    人はだれしも存在の不条理や不安を抱えながら生きざるをえない。だからこそ、その人生を心底納得して死んでゆくための物語=宗教が必要とされる。親鸞とは、何よりも、「末法」という大転換期にあって、その時代に生きる人々が切に必要とする新しい「物語」を、仏教の中から引き出した人であった。ひたすらに念仏することを説いた法然の教えを伝承し、なぜ念仏すれば仏になることができるのか、人間の真実に照らし、その根拠を明らかにしようと努めたのである。親鸞の手にした「信心」の全貌を、現代に生き生きとよみがえらせる一冊。
  • 恥をかかないスピーチ力
    3.7
    新年度に自己紹介をしたり、結婚式やちょっとした集まりで人前で話したりする機会は意外と多い。そんな時に役立つ、スピーチやコメントのコツ、心構え。恥をかかないレベルから「なかなかうまいな」と思われるレベルまで、どうステップアップするか。「時間感覚」「身体感覚」の重要性、始まり方と終わり方、小ネタの集め方、シーン別のコツやNGポイントまで、人前で話す時にはこれさえあれば大丈夫!
  • すし 天ぷら 蕎麦 うなぎ ──江戸四大名物食の誕生
    3.7
    日本料理の基礎が出来上がった江戸時代。後期に入り経済事情が安定すると、ふだんの食事にも胃袋を満たす以上のものが求められるようになる。こうした中で生まれ、洗練されていったのがすし、天ぷら、蕎麦、うなぎだ。腕利きの料理人が現れると、食べ手にも粋人が現れる。この両者が出会い、食の世界に変革がもたらされていった。たとえば、日本橋南詰の天ぷら屋台の名店「吉兵衛」の客が、隣り合わせた屋台のかけ蕎麦に天ぷらを浮かべることを思いつく、といった具合に──。膨大な史料を読み解き、江戸四大名物食誕生の知られざる歴史に迫る、江戸食文化史の決定版!
  • 即効マネジメント ──部下をコントロールする黄金原則
    3.7
    自分の直感と経験だけで組織と人を動かそうとするには、限界がある。マネジメントの基礎知識を学べば、誰でも一定レベルの上司になれるのだ。「雇用のカリスマ」である著者が、クイズ形式でわかりやすく解説する「2W2R」とはWhatとWay、ReasonとRange。何を、どうやって、なぜ、どこまでを決めてあげること。「三つのギリギリ」とは、(1)易しすぎず難しすぎず、できるかできないかの線を提示する。(2)活かし場を用意する。(3)逃げ場をなくす。というギリギリの目標を用意すること。
  • 仏教と日本人
    3.7
    水子地蔵、閻魔が死者を裁く地獄、妻帯する僧侶、神仏の併用、そしてお葬式……インドに発し中国を経て伝来した仏教は、わが国独特のすがたに変容し、定着した。こうして日本人の心情に深く根ざした仏教は、では、どのような民族的精神風土の上に受け容れられたのか。また、仏教とふれることで、日本人の宗教意識にどのような変化が生まれたのか。日本文化のはらむ「業」、その光と影を透徹した思惟で見定める一冊。
  • 消えた赤線放浪記 ──その色町の今は……
    3.7
    戦後間もない昭和21年に定められ、かつて日本のいたるところにあった「赤線」は昭和33年に廃止された。ところが地域によっては様々な風俗産業の業態に姿を変えながら、現在に至るまで賑わいを続けている。全国各地の元赤線地帯を訪ね、風俗産業の栄枯盛衰と、そこで働く女性たちの声を書きとめることで「赤線後の色町」を浮かび上がらせた貴重な記録。新取材の書き下ろしと未発表写真多数収録。
  • 写真のなかの「わたし」 ──ポートレイトの歴史を読む
    3.7
    携帯電話やスマートフォンで、誰もが気軽に撮影する。撮った写真を人に送ったり、SNSで広めたりもする。いちばん多く撮るのが、ポートレイト写真。なぜみんな撮りたがる? それにはどんな意味がある? 写真の誕生からプリクラ、自撮りまで。
  • ニュートリノって何? ──続・宇宙はこう考えられている
    3.7
    ニュートリノに質量がある!の何がそんなに事件なの? ニュートリノの解明が宇宙や人類の成り立ちの研究にもたらすものとは? 世界一わかりやすい宇宙の本『宇宙はこう考えられている』続編。
  • 「反戦・脱原発リベラル」はなぜ敗北するのか
    3.7
    安保関連法を成立させ、原発再稼働を進める自公政権。十万人以上を官邸前へ国会へ集めても勝てなかったデモ。若者を巻き込んだ楽しくかっこいい社会運動を礼賛し歓迎したメディアと知識人たちは、論点を巧みにすり替えていなかったか。丸山眞男、柄谷行人、小熊英二、高橋源一郎、SEALDsらの言説から、リベラル勢力を劣化させる病巣を徹底摘出。これは勝ちたいリベラルのための真にラディカルな論争書だ。
  • 「超」進学校 開成・灘の卒業生 ──その教育は仕事に活きるか
    3.7
    「受験の勝者が実力ある者とは限らない」「頭でっかちは打たれ弱い」あるいは「13歳からすでに選別ははじまっている」「難関大学、優良大企業へのパスポート」……難関中高の卒業生について、よくも悪くも両極端な物言い、さまざまな印象がある。イメージだけで語られがちだったそれらを、アンケートをもとに、具体的な数字や事例で統計分析。超進学校の出身者は、どんな職業に就き、どれくらいの年収を得ているか。中学高校での経験は、卒業後にどれほど活かされているか。中高時代はどのように生活し、何に悩んだかなど、彼らの実像に迫り、そこから日本社会と教育の実相を逆照射する!
  • 大人のためのメディア論講義
    3.7
    二四時間モバイル機器を手放せず、情報産業に囲い込まれた現代人の生活。人間が二足歩行へと進化した文字を持ちはじめた時から宿命づけられたこの現象は、二〇世紀に、二つのメディア革命を経て加速する。写真・電話・映画などの技術が人間の意識できない瞬間を記録し、広告・マーケティング技術が我々自身より先に消費・欲望を生み出し、デジタル機器が人間の生活全体を統治していく。人間は自分自身の意識をもう一度わが手に取り返すことはできるのか。そのために何ができるのか。
  • 性風俗のいびつな現場
    3.7
    わずか数千円で遊べる激安店、妊婦や母乳を売りにするホテヘル、40から50代の熟女をそろえたデリヘルなど、店舗型風俗が衰退して以降、風俗はより生々しく、過激な世界へとシフトしています。一方、参入するハードルが下がり、多くの女性が働けるようになった反面、大半の現場では、必ずしも高収入にはならない仕事になっているのが実態です。それでは、これから風俗はどこへ向かっていくのでしょうか? 様々な現場での取材・分析を通して、表面的なルポルタージュを超えて、風俗に画期的な意味を見出した一冊です。
  • 心理学の名著30
    3.7
    人間の心への興味はつきることはない。それらに答える心理学はジャンルも多岐にわたるため、なにを読んで学べばよいか、迷う人も多い。そこで本書では、「生物としてのヒト」「個人的な人生を展望する存在としてのひと」「社会的な存在としての人」という三つの側面に着目して、それぞれの名著を一気に紹介する。加えて、それぞれの研究者の関わりが描いているため、心理学の展開も理解できる。古典から最新の理論までを網羅する入門書!
  • 地図で読む「国際関係」入門
    3.7
    近年大きな転換期を迎えていると言われる国際関係。その歴史的背景や今後のテーマについて、地図などの基礎資料を使い読み解く。国際情勢が2時間でわかる。
  • ルポ 過労社会 ――八時間労働は岩盤規制か
    3.7
    「世界で一番、企業が活動しやすい国にする」。このスローガンをかかげ、安倍晋三首相は労働基準法の改正案を国会に提出した。社員がいくら働こうが、会社は残業代を支払わなくてもいい「残業代ゼロ制度」法案だ。近年、規制緩和が進んだ結果、非正規雇用が拡大し、過労死やメンタル不調、パワハラなど職場環境が劣化し、長時間労働や違法な働かせ方が横行している。にもかかわらず、さらなる規制緩和は本当に必要なのか? 長期間にわたる緻密な取材をもとに、「働きすぎの日本人」の実相を検証し、規制緩和の暗部をリポートする。
  • 大人のADHD ――もっとも身近な発達障害
    3.7
    今まで「ADHD(注意欠如多動性障害)」は、一般的に子供の「病気」とみなされてきた。しかし近年、ADHDと診断される大人が急増している。その数は成人の約3%(クラスに1人!)にも及ぶ。本書は、最近とみに注目されるようになってきた「大人のADHD」について、専門医が解説する一冊である。ADHDとは何か、特有の症状はどんなものか、ASD(自閉症スペクトラム障害)との相違点は何か、どんな治療法があるのか。この不思議な「疾患」について知るための、決定版といえる一冊である。
  • 私はこうしてストーカーに殺されずにすんだ
    3.7
    ストーカー殺人事件が後を絶たない。法律ができたのに、なぜ助けられなかったのか? 自身の赤裸々な体験をもとに、どうすれば殺されずにすむかを徹底的に伝授する。大事なのは、殺されないこと! なぜ私は生きられたのか? 実体験にもとづく鮮烈なメッセージ。
  • 通貨を考える
    3.7
    いま、国際金融の構造が揺らぎ、次々に新しい問題が湧出している。「円高が続くのはなぜか」「ユーロ危機はなぜくすぶり続けるのか」「人民元の国際化はすすむのか」。こうした議論の補助線として、「財政」と「決済」という側面に光をあて、まったく新しい観点から国際金融を問いなおす。ケインズやハイエクの議論を参照しながら、「これから何ができるのか」を考える未来志向の経済学。
  • ルポ 高齢者ケア ――都市の戦略、地方の再生
    3.7
    「高齢者ケア」は、いま正念場を迎えている。超高齢社会となった現在、大都市圏では独居高齢者や生活困窮高齢者の増加、地方では人口減と市街地の限界集落化などの深刻な問題を抱えている。そのような切迫した事態に対応し、利用者にとって最善のケアとは何か。本書は、各地で奮闘した先進的な取り組みを進めている人びとを取材し、その答を追い求めていく。また、東日本大震災の被災地では、困難な状況下で、新しい取り組みが果敢に進められている。その取材を通して、地域医療、生活困難者支援の未来を考える。
  • カラダが変わる! 姿勢の科学
    3.7
    猫背などの「悪い姿勢」は、肩こり、腰痛、冷え性、メタボ、ロコモなど、さまざまな体の不調の原因になる。つまり姿勢をよくすることは、見た目だけでなく、健康にもよいのである。では「よい姿勢」を手に入れるために、何をすればよいのか。本書は、身体運動科学の第一人者である石井直方教授が、身体のメカニズム、姿勢と健康・加齢の関係をわかりやすく解説し、姿勢改善に効果的なトレーニングを伝授する一冊である。姿勢、健康に悩む人必読!
  • 新しい道徳
    3.7
    情報化し、多様化した現代社会には、道徳を感情的に押しつけることは不可能だ。バラバラに生きる個人を支えるために必要な「理性的な道徳観」を大胆に提案する!
  • 戦略思考ワークブック 【ビジネス篇】
    3.7
    Suica自販機はなぜ1・5倍も売れるのか?ホンダ「N‐ONE」の大成功の秘密とは?1着25万円のスーツをどう売るか?…etc.20問、20答、1プロセス!戦略コンサルタントの思考の手順、教えます。
  • 東電国有化の罠
    3.7
    福島第一原発事故を起こし、経営破綻寸前だった東京電力。事故の直後の銀行による緊急融資に始まり、政府の支援公約、原子力損害賠償支援機構の設置、公的資金の注入と手厚い保護を受けて生き延びている。しかし、その裏では、財務省、経済産業省、銀行、官僚がそれぞれの組織の論理を押し通すために、権謀術数を繰り広げていた。なぜ東電は国有化されようとしているのか。すべての負担を国民に押し付ける政策はどのようにして決められたのか。その果てに、日本を待ち受けている悲劇とは。いままで誰も語ることができなかった真実に迫る。
  • 本田宗一郎 ――ものづくり日本を世界に示した技術屋魂
    3.7
    下町のバイク修理工場を世界的な自動車メーカーに育てあげ、F1レースにも優勝。創意工夫と独立の精神で、戦後復興の象徴となった男の生涯。(巻末エッセイ・田原総一朗)
  • USTREAMがメディアを変える
    3.7
    ユーストリームとは、インターネットで生放送を配信できるサービスである。様々なシーンで活用され、いまや約500万ものチャンネルが存在する巨大メディアだ。なぜ、にユーストリームは注目を集めているのだろうか? テレビなど既存メディアとどう向き合うのか? その仕組みから可能性まで徹底的に検証する。
  • 「資本」論 ――取引する身体/取引される身体
    3.7
    「私的所有」が制度化され、市場経済が発展し、資本主義の秩序が支配する世界は、それ以前の「自然」な状態よりも、おおむね有益である。だがそうした世界は不平等や労働疎外をも生みだす。それでもなお、私たちはこの世界に踏みとどまるべきであり、所有も市場も捨て去ってはならない。本書はその根拠を示し、無産者であれ難民であれ「持たざる者=剥き出しの生」として扱われることがないよう、「労働力=人的資本」の所有者として見なすべきことを提唱する。「所有」「市場」「資本」等の重要概念を根本から考察した末に示されるこうした論点は、これからの社会を考える上で示唆に富む。
  • イギリス英語の裏表
    3.7
    ビジネスであれ映画や音楽であれインターネットであれ、我々の周囲に充ち溢れる英語のほとんどはアメリカ英語である。今では、英語は元来イギリスの言葉である、などと言えばかえって奇異に思われるほどに、イギリス英語は実用の舞台から消え去ってしまった。とはいえ、いくたの歳月をへて他のヨーロッパ諸国のみならず世界のあらゆる言語と接触するなかで、イギリス英語は諸言語の語彙を貪欲に取りこみつつ実りゆたかな発展をとげてきた。独得の風土と歴史を通して育まれたイギリス英語の面白さを軽妙な筆致で描く快著。
  • 民俗学への招待
    3.7
    なぜ私たちは正月に門松をたて雑煮を食べ、晴れ着を着るのだろうか。雛祭りやクリスマスなどの年中行事。富士講などの民間信仰。震災とユートピア。真夏の夜を賑わせる幽霊や妖怪たち。「トイレの花子さん」や「メリーさん」と呼ばれる老婆など、超高層ビルの片隅で生まれては消える都市のフォークロア。民俗学のまなざしから見えてくるものはいったい何か。柳田国男、南方熊楠、折口信夫、渋谷敬三などの民俗学研究の豊かな遺産を受け継ぎながら、世相の根っこから掘り起こされた日本人の文化の深層を探る、現代人のための民俗学入門。
  • 独学の技術
    3.7
    長引く構造不況のなか、知識や技能を見につけ、自分の価値を高めたいという動機から「勉強ブーム」が続いている。しかし、勉強への意欲はあっても、何を、どのように勉強したらよいのかわからない向きも多い。本書では、勉強には「技術」があり、それは人に伝達することができるという考えのもと、その方法・手順を、独学者に向けて具体的に解説する。
  • 藤子・F・不二雄 ――「ドラえもん」はこうして生まれた
    3.7
    富山の朴とつな少年が、一生の親友と出会い、プロの漫画家を目指す。SF(すこし・ふしぎ)漫画「ドラえもん」の誕生と日本漫画界の青春時代。
  • よみなおし戊辰戦争 ――幕末の東西対立
    3.7
    一度つくられた歴史観はなかなか変えられない。明治維新によって「近代国家」が形成される際に、薩摩藩・長州藩らの連合軍は、敵対する旧幕府・会津藩らに「朝敵」の呼び名を使い、国民感情を鼓舞する点で大きな効果をあげた。一方、京都守護職として御所の警備に当たっていた会津藩はいわれのない汚名を着せられたことになる。本書は、明治維新後一三〇年以上を経てもなお「朝敵」や「賊軍」という言葉が安易に使われている現実を直視し、維新前後の歴史事実をていねいに掘り起こすと同時に、日本近代史のよみなおしを迫る。
  • 思考を鍛える論文入門
    3.7
    ニューヨーク同時多発テロ以後の一連の事件は、現代を生きる私たちにとって、実存にかかわる痛切な問題といえる。これと連関するかのように、二〇〇一年前後の大学入試論文問題は、西欧とアジア、南北の格差、グローバリズム、文化相対主義といったテーマをめぐって出題されてきた。ここに、日本の戦後責任を問い、歴史における主体性を問うといったテーマが加わり、あたかも現代思想のミニ舞台の観を呈している。このような状況を踏まえ、倫理とは何かを問いかけながら、論理力と思考力、そして書く力をいかにして身につけるかの指針を示す。受験生、大学生、社会人のための論文入門。
  • 思想なんかいらない生活
    3.7
    「思想」というものは、私たちの生活に必要なのだろうか?あるいは、思想や哲学が、今のこの状況下の私たちに、果たして有効な何かを示唆してくれるのだろうか?本書では、日本の各方面で活躍中の知識人を片っ端から取り上げて、彼らの思考・表現活動が、いったいどれだけの意味をもち、一般読者大衆にどれだけの影響を与えているのかを考え、「ふつうに暮らすふつうの人びと」の立場から「思想・哲学」を問いなおす。
  • 星間商事株式会社社史編纂室
    3.7
    川田幸代29歳は社史編纂室勤務。姿が見えない幽霊部長、遅刻常習犯の本間課長、ダイナマイトボディの後輩みっこちゃん、「ヤリチン先輩」矢田がそのメンバー。ゆるゆるの職場でそれなりに働き、幸代は仲間と趣味(同人誌製作・販売)に没頭するはずだった。しかし、彼らは社の秘密に気づいてしまった。仕事が風雲急を告げる一方、友情も恋愛も五里霧中に。決断の時が迫る。
  • 考えあう技術 ――教育と社会を哲学する
    3.7
    「ゆとり教育」は「学力低下」の事実によって追いやられ、「学びのすすめ」へと方針転換された。さて、では「学び」と「教え」との間に生じる関係性、つまり教師と生徒の間の知識伝達の共有は、どのように起こるのだろうか。本書では「わかる」の現象学的な試みを、教育社会学者と哲学者との間で徹底してつめていく。「いま、なぜ勉学をするのか?」という問いかけから、「私」よりも「公」を重んじようという風潮に疑問を投げかけつつ、個人の自由と社会的平等の両方が成り立ちうる地点をめざして、「ともに考え、わかりあう」みちすじを模索・考察する。
  • 友達がいないということ
    3.7
    「便所めし」という言葉がある。友達がいないということは、なかなか人に言えないことだ。「もてない」よりも、場合によってはつらいことだ。文学作品を始めさまざまな視点から描く、ネット時代の友達論。
  • こういう男になりたい
    3.7
    男が元気がないといわれて久しい。バブル崩壊後は無残でさえある。失業不安にさらされ、やたらと元気な女たちからはやりこめられ、子どもに遠慮し、どこにも居場所がない。かつての「男らしさ」とは何だったのか。―こうした男受難の状況の下、生き方のありようとしての“中間”を、結果としてではなく、積極的に選び取っていくことこそが根源的で普遍的であるという独自の理論を立ち上げ、このどん詰まりの中から、ふたたび男として生きることの意味を展開しなおす、現代男性必読の一冊。
  • 社会思想史を学ぶ
    3.7
    九〇年代以降、明日への不透明感は増す一方であり、人びとの抱く閉塞感も高まるばかりだ。社会思想史を学ぶとは、まさに、過去の思想との対話を通じて現代世界を眺める座標軸を獲得することにほかならない。近代啓蒙からポストモダンまで、重要思想の核心をクリアに一望する入門書決定版。
  • 保守思想のための39章
    3.7
    バブル崩壊と冷戦の終焉から十年すぎた。しかし今なお、経済の立て直しから有事への対処などに至るまで、依然として議論だけが続いている。しかも、その空疎な対立と不毛な論争の蔭で、学級崩壊、官民を問わない不正行為の続出、各種犯罪の増加など、日常の社会そのものは緩慢な自死の過程をたどりつつある。そして、資本主義の挫折と帝国主義の再来、それが世界の大状況となっている。この危機に、私たちはどう臨めばよいのだろうか。単なる郷愁やかたくなな復古ではなく、美徳と良識にもとづいて公共空間を再建するため保守思想の真髄をさぐる。
  • デモクラシーの論じ方 ――論争の政治
    3.7
    民主主義、民主的な政治とは何か。現代社会の基本的な価値理念であるデモクラシーが重要であることは間違いない。しかし、それを共有している社会において、意見の対立や争点が生まれてくるのはなぜなのか。物事を「民主的」に決めるとは、どういうことか。古くて新しいこの難問について、対話形式を用いて考える試み。
  • これも経済学だ!
    3.7
    経済学は、「なんでもカネで考える」非人間的な学問なのか?否。これこそは、人間が人間らしく生きるために欲望をいちばんうまく活用する方法を見つけ出す、きわめて応用範囲の広い思考ツールなのである。本書では、従来、経済学のテーマとしてはあまり取り上げられてこなかった、各種の「伝統文化」、「宗教活動」、さらには障害者などの「弱者」について、その奥に潜む合理性の仕組みを明らかにする。具体的な「問題解決」に役立ち、多くの人が幸せになれる世の中を作る「道具としての経済学」入門書。
  • さみしい男
    3.7
    いま、日本の男たちは、本当に元気がない。中年男の多くは、家庭ではうっとうしがられ、会社では上司と部下の板ばさみに遭い、どこにも自分の居場所を持てずにいる。若い男たちにしても何事につけ消極的で、女を口説くことすらできない。いったい、日本の男に何が起きたのか?なぜ、かくも「さみしい」のか?本書は、「さみしい男」から抜け出す道を探り、これからの男たちの生きる指針を提示する。
  • 環境思想とは何か ――環境主義からエコロジズムへ
    3.7
    今日の地球環境危機は、産業革命以来の物質文明のあり方に対して、われわれに根本的な変革を迫っているといっても過言ではない。そのために本書ではまず、このような危機的状況をもたらした近代産業主義思想そのものを問いなおし、近代から現代に至るまで「環境問題」をめぐってどのような思想が展開されてきたのかを多角的に検討していく。これらの作業は“緑の社会”を実現していく上で重要な示唆を与えてくれるだろう。
  • 害虫の誕生 ――虫からみた日本史
    3.7
    江戸時代、虫は自然発生するものだと考えられていた。そのため害虫による農業への被害はたたりとされ、それを防ぐ方法は田圃にお札を立てるという神頼みだけだった。当時はまだ、いわゆる“害虫”は存在していなかったのだ。しかし、明治、大正、昭和と近代化の過程で、“害虫”は次第に人々の手による排除の対象となっていく。日本において“害虫”がいかにして誕生したかを、科学と社会の両面から考察し、人間と自然の関係を問いなおす手がかりとなる一冊。
  • 論語力
    3.7
    多くの人々の「精神の基準」となった大古典『論語』。そこに収められた言葉は、学びへの意欲を高め、社会の中での自分の在り方を探るのにこの上ないヒントを与えてくれる。また、柔軟で合理的に、弟子たちに対してそれぞれに配慮した言葉をかける孔子の生き方は、多くの現代人にとって最高のロールモデルともなるだろう。「学び」を軸にして、人生を向上させる、決定的入門書。
  • 独学の精神
    3.7
    なぜ私たちはかくも「無教養」になったのか。本書は、現代の日本人が見失った「独学の精神」をめぐる思索である。「ほんとうに大事なことは何ひとつ教えることなどできない」「学ぶことは身ひとつで生きる自分が学ぶというあり方でしかなされえない」―単純で大切な事実について、根っこから考え抜く。
  • 創造的福祉社会 ――「成長」後の社会構想と人間・地域・価値
    3.7
    「限りない経済成長」を追求する時代は終焉を迎えた。飽和した市場経済のもと、われわれの社会は「平等と持続可能性と効率性」の関係をいかに再定義するべきか。新たな価値原理とは、人間と社会をめぐる根底的思想とは、いかなるものか。再生の時代に実現されるべき社会像を、政策と理念とを結びつけ構想する。
  • 心の底をのぞいたら
    3.7
    自分で自分がわからない、つかまえどころのない自分の心。知りたくてたまらない他人の心。動物の心と人間の心はどうちがう? 身近で遠い、なぞにみちた心の中をわかりやすく案内し、無意識の世界へ誘う。若い人のための心の名著。
  • お姫様とジェンダー ――アニメで学ぶ男と女のジェンダー学入門
    3.7
    「白雪姫」「シンデレラ」「眠り姫」などのプリンセス・ストーリーは大量に生産され、消費されている。本書では、ディズニーのアニメを題材に、昔話にはどんな意味が隠されているかを読み解く。いつの間にか思い込まされている「男らしさ」「女らしさ」の呪縛から、男も女も自由になり、真の男女共同参画社会を目ざす。
  • 教育改革の幻想
    3.7
    二〇〇二年度の新学習指導要領がめざす教育改革のねらいは「ゆとり」と「生きる力」の教育であり、それを実現するものが「総合的な学習の時間」である。これらをつなぐ論理は「子ども中心主義」だが、本当に子どもたちのためになるものなのか? また、詰め込み教育は罪悪か? 教育と日本社会のゆくえを見据えて提言する。
  • ストレスに負けない生活 ――心・身体・脳のセルフケア
    3.7
    現代人は子どもから老人まで、ストレスを抱えて生きている。心と身体がクラッシュする前に、自分を解放してあげよう。カギは「力まず、避けず、妄想せず」。ストレスとリラクゼーションのメカニズムを知り、行動医学や脳科学の知見をもとに、自分でできるストレス・マネジメントの方法を伝授する。
  • 哲学マップ
    3.7
    哲学の多様さと難解さにひるんでしまう人は多い。しかし、各思想のエッセンスと思想間のつながりを押さえて眺めると「なぜそれが問題になるのか」「どうしてそういう考え方をするのか」という勘所が見えてくる。古代ギリシアから現代哲学まで、西洋形而上学から東洋思想までを網羅し、哲学を活用するためのガイドブック。

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