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Posted by ブクログ
ディズニーを代表する映画、「白雪姫」「シンデレラ」「眠れる森の美女」を、ジェンダーの視点から分析する本書は、女子大学での授業実践(受講生のコメント)も紹介されていて、作品に対する「憧れ」や「夢」を持っていた女子の作品への視線が変わってゆく様子が明確に示されているところなど、とても興味深く読みました。
ディズニーの古典的な「プリンセス物語」は、なんとなく「性別役割分担を補強しそうだな」という認識ではいたものの、根はもっと深く様々な「課題」があることに驚かされましたし、単に女子(女の子)にステレオタイプな性別役割を刷り込むだけではなく、男子(男の子)にも小さくない影響を与えていることもわかり、「大衆文化」として大量生産・大量消費されることの意味を改めて感じさせられました。
これらの作品はもちろんジェンダーの視点から問題があるということで文学的・文化的に価値が失われるわけではありません。しかし、「どういったメッセージがふくまれているのか」ということを(少なくとも大人は)認識して視聴することが大切なのかなと思います。
これらの作品を通して、一度でも「お姫様」にあこがれたことがある女性はもちろん、これからなお一層進めるべき男女共同参画社会の担い手となる若者世代、さらには「”古い”男女観を抱き続けている昭和の男たち」にも読んでもらいたいと思います。
文章も読みやすく、高校生くらいから十分に読めると思います。
Twitterなどではフェミニストやミソジニストが感情的に怒りをぶつけあう風景も見られますが、建設的な社会を作ってゆくためにも、お互いの「理想」を話し合い、共有してゆくことが必要なのだろうと思います。社会的なシステムをどう変革してゆくか、ということを考える前に、現代の社会がどのような思想のもとで作り上げられてきたのかを冷静に見ることは大切だと思います。
Posted by ブクログ
著者(2007年没)が、2001-2002年に、ある女子短大で行ったジェンダー学の講義を再構成したものである。「白雪姫」や「シンデレラ」「眠れる森の美女」を題材に、その原作の変遷(改変など)をざっくり紹介し、授業でディズニー版の映画を鑑賞し、その感想を話し合ったり、表象的なものの見方について教えていく授業だ。学生は、いわゆるフツーの若い女性(エリート女性ではない)であるため、当時の一般的な若者の反応が見て取れる。
思えば私も「ジェンダー」というワードに出会って、衝撃を受けたのが大学に入学してすぐの頃(90年代半ば)。いまだに担当講師や、当時買わされた(笑)教科書を覚えている(ちなみに経済学の授業だった)。それまで当たり前すぎてなにも考えたことのなかったジェンダー的価値観について、私の中でパラダイムシフトが起こったと言っても過言ではない経験だった。卒論で「少女のアイデンティティ形成」にまつわるテーマを選んだのも、よく考えれば、この授業がスタートだったのかもしれない。
さて、こういったプリンセスストーリーがジェンダー的視点から問題があるという指摘は、今となっては真新しいものではないし(ボーヴォワールの時代からある)、ディズニー映画ですら、自立した女性をヒロインに据えるように変わってきている。
本著の「はじめに」には、こういったジェンダーに関する問題意識を、当事者である女性たちに、まずもたせたいという主張がある。実際、授業を受けた当時の女子学生の反応は興味深い。表面的な理解に留まる(ある意味、素直な)学生の感想ほど「女の子の永遠の憧れ」などと、大きい主語で語っているのだ。批判的な見方を身につけた(これが学問において最重要だと思うのだが)上級生のほうが、感想の主体を「自分」としているものが多く、両者の間にある分断または成長について研究してみるのも面白そうだと思った。
高等教育機関でジェンダーを学問として教え始めてから、まだそれほど間がなかった時代のこの講義から25年経った現在、変わったことも、まだ変わっていないこともある。現在は、ジェンダー問題は、当事者たちの間ではある程度の共通理解があり、それを男性や社会へと広げていく過程であるように思う。
だがしかし、こういう時代があったこと、その時代を辛酸を舐めながらも切り開いてきた先輩たちがいたことを、改めて思い出した。
またこの著者は、大学教員としてながく女子学生と関わってきたことから、性暴力被害について身近に多く見聞きしてきた。その苦い経験からも、ジェンダー教育の重要性を説いているのがこころに残った。
Posted by ブクログ
初めて読んだジェンダー論の本。誰もが知っているディズニープリンセスを例に説明されているので、理解がしやすいし、読みやすい。若干著者の主張が強いなと感じた箇所があったが、その部分はそういうものとして読めばいいので特に気にはならなかった。自分自身、プリンセスにはまっていなかったし、王子様が迎えにきてくれるという幻想は持っていなかったけど、思い返すと、そのようなスタンスの女性は周りにいたし、なんとなくそれが女性らしいとされている雰囲気があったと思う。なんとなくモヤモヤしていた思春期の時に読みたかったなと思う反面、今だからこそ腑に落ちるというか、納得がいくのかもしれないとも思う。いずれにしても、出会えてよかった。
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