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ヴァティカンの正体 ──究極のグローバル・メディア
19世紀半ばに至るまで、広大な教皇領の支配を通じて宗教的支配者としてのみならず、地上における君主としても絶大な権力を振るったヴァティカン。黎明期より多くの地域に特派員を派遣し、情報収集、編集して世界へ向けて再発信する国際的メディアという側面を持っていた。激動の転換期を幾度となく生き延びてきたヴァティカンの、メディア戦略を歴史軸で俯瞰し、宗教改革、対抗宗教改革における生き残り策に焦点を当て、いま日本が学ぶべきことを検証する。現世での支配権を失った後、文化的存在へと変容を遂げることで、普遍的地位を強固なものにした経緯について、多角的に考察を行う。 -
読む聖書事典
天地創造、アダムとエバの楽園追放、モーセの十戒、イエスの誕生、最後の晩餐──聖書には有名なエピソードは多いが、その全容はあまり知られていない。本書では多くの人名、地名、用語をとりあげ、物語のつながりや深層がわかるように説く。豊富な図版とともに読めば、西洋・中東文化にいまも色濃く影を落とす歴史の背景が目に見えるように浮かんでくる。巻末には旧約・新約聖書の内容や成り立ちをはじめ、ユダヤ・キリスト教の基礎を押さえられる解説、年表、関連地図などを収録。用語事典としてはもちろん、読み物としても楽しい、聖書入門書の決定版。 -
私の体がワイセツ?! ――女のそこだけなぜタブー
「この本を手にされた方は、少しびっくりするかもしれません。あの3文字があふれ返っているからです。まんこは人間の女性なら誰でも持っている体の一部。なのにどうして日本人は毛嫌いしたり、無視したりするの? そんな疑問からわたしはまんこのアートを作りました。(……)どういうわけか、警察に2回も逮捕されてしまいました」(「まえがき」より) 女は誰もが持っているものを作品にしてなぜ逮捕? 留置場で世の中のおかしさを深く考えた。その三文字で大あわてするこの国のおかしさを痛快に笑い飛ばそう! 「ワイセツ」裁判を闘うアーティストが、事件と半生を描く抱腹絶倒エッセイ! -
市川房枝 ――女性解放運動から社会変革へ
現在より遥かに女性の地位が低かった戦前に、周囲の反発や無理解を乗り越えて婦人参政権運動に取り組み、女性の地位向上につとめた運動家の生涯。(巻末エッセイ・辻元清美) -
ふるさとは貧民窟なりき
板橋の貧民窟・岩の坂で育った社会派ルポライターが綴る、壮絶で切ない、怒涛のような少年時代の思い出。木賃宿・長屋の住人。梅毒で鼻が無い“フガフガのおばさん”、正体不明のインテリ「ゴライ博士」、ヒロポン中毒のマアちゃん、初恋のパンパンガール……。強靱で、悲惨で、温かで、そして何より自由だった戦中戦後の「東京スラム」を、深い郷愁を込めて描く。 -
美人好きは罪悪か?
男同士の美人談義は、なぜか熱くなりやすい。「雨夜の品定め」の時代からミスコンテスト反対論議のあった時代を経て、男が何人か集まれば、今も行われる会話である。では、果たして美人好きは罪悪なのか? 小説のヒロイン、ロリコンや萌え、髪型やヌード、歴史上の美人などさまざまな観点から、新しい「美人論」を展開する。 -
前田敦子はキリストを超えた ──〈宗教〉としてのAKB48
AKB48の魅力とは何か?なぜ前田敦子はセンターだったのか?“不動のセンター”と呼ばれた前田敦子の分析から、AKB48が熱狂的に支持される理由を読み解いていく。なぜファンは彼女たちを推すのか、なぜアンチは彼女たちを憎むのか、いかにして彼女たちの利他性は育まれるのか…。握手会・総選挙・劇場公演・じゃんけん大会といったAKB48特有のシステムを読み解くことから、その魅力と社会的な意義を明らかにする。圧倒的情熱で説かれる、AKB48の真実に震撼せよ。 -
二〇世紀の自画像
二〇世紀は日本にとって、実にめまぐるしい百年間でもあった。空前の豊かさと膨大な人的犠牲という強烈なコントラストに彩られたこの世紀は、その時代を体験した人間にどのように映ったのだろうか。優れた文明批評家として知られる著者が、この百年を再考し、新たな混沌が予感される現代を診断する。 -
迷信博覧会
たとえば「鬼門」、たとえば「十三日の金曜日」、あるいは「媚薬」。今となってはただコッケイな昔の話から、身近に残るちょっとこわいことがらまで、迷信のパワーはすごくて、魅力がある。―「どうでもいいことの力」「役に立たない知識の面白さ」をしみじみ感じさせる、変り種の百科全書。 -
関東連合 ――六本木アウトローの正体
六本木界隈で事件が起こると、あるいは芸能スキャンダルがあると、必ずと言っていいほど、あるグループの関与が取り沙汰される。捜査当局から、ついに準暴力団と規定された関東連合だ。いったい彼らは何者なのか。なぜそれほど影響力を持てるのか。数々の事件の背景には何があるのか――。捜査当局はもとより、関東連合幹部、暴力団関係者を直撃。さらに、暴走族、チーマー、ギャングと変遷した昭和・平成の不良少年シーンを、著者の実体験も交えて辿る。綿密な取材・分析から見えてきた、新しい反社会的なネットワークの正体に迫る。 -
明治・大正・昭和 不良少女伝 ──莫連女と少女ギャング団
明治から戦前昭和の転換期に、社会の規範を超え、自由に生きた少女たちがいた。彼女たちは、不道徳と破廉恥の代名詞として「莫連女」「バッド・ガール」と呼称された。良妻賢母型の女性モデルが賛美された時代に、早熟な彼女たちは、何に反抗し、何に憧れたのか? すれっからしの不良少女たちが帝都を跋扈する様子を生き生きと描き、近代少女の真実に迫った快列伝。 -
歌舞伎一年生 ──チケットの買い方から観劇心得まで
歌舞伎を見るのに知識は必要ありません。見れば、難解ではなく、かっこよくて美しいと分かるはず! 贔屓の役者やお気に入りの演目を見つけるまでのドキュメンタリー的入門書。 -
深く「読む」技術 ――思考を鍛える文章教室
受験技術をみがけば、大学には受かる。でも「点が取れる」ことと「読める」ことは、実はまったく別。設問から眺め、問題文の型を見抜いて効率的に解答すれば点は上がるが、「読む力」「考える力」は培えない。しかし社会に出れば、「判断と根拠をきちんと展開した文章が書けない」「自分の意見が好き/きらいしか言えない」「そもそも文章が読めていない」現実に突き当たる。ではどうすれば「読む力」がつくのか? 読んでほんとうに理解したうえで自分の思考を紡いでいくにはどんな訓練をすればいいのか? 読み込む技術、考える力・書く力を鍛え、問題解決力をつけるための徹底講座。 -
世界が変わるプログラム入門
現代人の基礎教養?! 新しいプログラムを書くことは新しいコンピュータの使い方を発見すること。難解な数式不要! まずは紙と鉛筆と頭で入門しよう。新しいプログラムを作ることは新しいコンピュータの使い方を発見すること。たかが技術と侮るなかれ。プログラムのかき方を学ぶと世界が違って見えてくる。 -
まじめの崩壊
日本の経済成長を支えたのは、日本人のまじめさであった。数多くの場面で、この国ではまじめを前提として、さまざまな仕組みが作られ、維持されてきたのだ。しかし、社会を見渡すと、日本人のまじめさはすでに崩壊している。精神医学からの性格の変化、競争させない教育、アメリカに倣った拝金主義などを通して、なぜ、まじめが崩壊したのかを探っていく。そして、まじめを前提とした日本に、まじめの崩壊がどのような影響を与えるのかを考察する。 -
新版 文科系必修研究生活術
「卒論を準備する時期になった」「(文科系の)研究者を目指したい」と思ったとき、何から手をつけたらよいのだろうか? 「学問研究は、しかるべき方法・手順を身につければ誰にでも可能」と主張する本書では、研究テーマの見つけ方や指導教員の選び方、読書術、論文執筆法、留学など、研究生活に必要な事柄を丁寧に解説する。 -
欲張らない死に方 ――賢く老いるヒント
幸福な最期を邪魔するのは“欲望”です 本人も、家族も 医師作家が贈る、70歳からの「死に方」入門。 「元気に長生きしたい」「迷惑をかけたくない」「苦しまずに死にたい」――欲張りすぎると、老いも死も不幸なものになる。 上手に死ぬためには、死とはどういうものかを知ることから。 高齢者医療、終末医療の生々しい現実と、身もふたもない医師の本音を交えながら、賢い老い方、死に方を考えます。 大切なのは、受け入れる心の準備。 70代になった医師作家が、人間の欲望をテーマに書き下ろした一冊。 死はワンチャンス。 「上手な死に方」を、医師が本音で教えます。 【幸福な最期のために、知っておきたいこと】 ◎救急車を呼ばない。病院では安らかに逝けない ◎日頃から健康に気を使わない ◎健診や検査は、異常のないときに受けない ◎延命治療は、苦しみを長引かせるだけ ◎死に目に間に合う、は家族のエゴ ◎寝たきりのシミュレーションをしてみる 【本文より】 ……私は高齢者医療の現場に長くいたので、老いとか死について多くの患者さんからいろいろ学ばせてもらった。苦しい老い方をしている人や、あまり好ましくないというか、下手な死に方をした人をたくさん見て、なぜ多くの人が同じ失敗を繰り返すのかを考えると、その背景には、当たり前のことながら、死にたくないとか、苦しみたくないとかいう、人間の本能的な欲求があることに気づいた。 本能的な欲求、すなわち“欲望”である。… “欲望”というキーワードで考えれば、老いや死の受け入れ方だけでなく、生きていく上でのさまざまな苦を減らせるのではないか。…… === 【目次】 第一章 善意にひそむ欲望――地獄への道は善意で舗装されている 安らかな最期を阻むのは、家族の欲望/善意の裏にあるもの/最良の看取りとは/在宅での看取りの不安/残酷な心肺蘇生/がん治療、励ましの功罪/がん告知すべきか否か/子育てにひそむ欲望/親切なヘルパーが引き起こす不幸/善意という名の欲望 第二章 欲望とは何か、執着とは何か 「それが欲望なんですか?!」/“欲”につきまとう悪印象/欲求の五段階/欲望に貴賤あり?/世代別の欲望/自然に消える欲望/誤解による欲望・その1「長生きしたい」/誤解による欲望・その2「偉くなりたい」/誤解による欲望・その他もろもろ/叶わぬ欲望、それは執着/安易な「優しさ」が執着を増大させる 第三章 宗教化する現代医療 医療にはバイアスがかかっている/検査をしすぎる日本人/出来高払いと包括払い/やりすぎる医療の弊害/批判する者はまず実行せよ/悲惨な延命治療とは/悲惨な延命治療を避けるには/なんで救急車を呼ぶの/死が目の前に迫ったときに人生を楽しむには/医療の進歩がかき立てる欲望/不都合な真実とネガティブ・ケイパビリティ/医療は宗教か 第四章 老いる欲望、死に方と欲望 高齢者の後ろ向きな欲望/『がんばらない』のヒット/かつての規範が否定される現代/欲望肯定主義の蔓延/老いの欲望につけ込むビジネス・その1 サプリメント業界/老いの欲望につけ込むビジネス・その2 美容業界/老いの欲望につけ込むビジネス・その3 週刊誌業界/老いの欲望につけ込むビジネス・その4 高齢者施設業界/「長生き=善」を疑う/大往生からピンピンコロリへ/さらには平穏死へ/デス・リテラシーが低い日本人/大新聞の有害記事/安楽死考 第五章 介護における欲望のズレ 新聞の人生相談から/介護される側の欲望/介護する側の欲望/介護にひそむ二律背反/尊厳か、安全か/虐待につながる欲望/よりよい介護を実現するには 第六章 あれも欲望、これも欲望 欲望のバリエーション/ほめられたい欲望、尊敬されたい欲望/差別やイジメにひそむ欲望/正義にひそむ欲望=善行欲/終活は欲望の表れ/「人に迷惑をかけてはいけない」考/一七歳の葛藤/「欲の一元論」 第七章 欲望から抜け出せない不幸 人の幸せを喜べない悩み/叶わぬ欲望の宝庫/苦しみをもたらす欲望・その1 死にたくない/苦しみをもたらす欲望・その2 楽に死にたい/苦しみをもたらす欲望・その3 生きた証を残したい/苦しみをもたらす欲望・その4 子どもがほしい/苦しみをもたらす欲望・その5 子どもに幸せになってほしい/苦しみをもたらす欲望・その6 志を遂げたい/「一番病」の苦しみ 第八章 欲望を飼い慣らす 老いと欲望の功罪/欲望をコントロールする方法=AIの答え/欲望と思慮の関係/現状肯定のすすめ/寝たきりのシミュレーションをしてみよう/古人の言葉に学ぶ/父から受け継いだもの/「どっちゃでもええ」主義/死はワンチャンスのみ === -
ゲームで生きていく ――eスポーツが変える教育とキャリア
「好き」を本当の武器にしよう 「ゲームばっかりしてないで勉強しなさい!」 「ゲーム禁止!」 そう叱る大人はいまだ多いが、世界のeスポーツ人口は6億人を超え、一つの文化・産業になっている。教育効果に関する最新研究から、プロ以外の道も見据えたキャリア戦略まで、「本気」になったら知るべき情報が一冊に。 ▼△▼△▼△▼△▼△▼△ eスポーツは遊びじゃない。 「好き」を本当の武器にしよう! ▼△▼△▼△▼△▼△▼△ ◎著者からのメッセージ ゲームに本気になることは、本当に「悪いこと」なのか。そして、eスポーツに真剣に取り組むことで、人は何を学び、どんな道を開けるのか。本書では、さまざまな研究成果や具体的な事例を見ながら、その答えを一緒に探していきたいと思います。 ◎本書でわかること ・eスポーツの歴史と現状 ・eスポーツで非認知能力を伸ばす方法 ・「ティルト」に負けない強さについて ・強いチームの特徴はどこにあるのか ・世界各国でのeスポーツ教育導入例 ・eスポーツの市場分析 ・なぜeスポーツは「観る」文化が育ったのか ・「ゲームで生きていくから大学は不要」は本当か? ・プロも含めた広いキャリアをつくる方法 ・AI時代になぜeスポーツが重要になるのか === 【目次】 はじめに──「ゲームが好き!」でなにが悪いの? 第Ⅰ部 eスポーツで学ぶ 第1章 データで解き明かすeスポーツのリアル 第2章 eスポーツで身につく非認知能力 第3章 世界が注目する「eスポーツ教育」革命 第Ⅱ部 eスポーツで生きていく 第4章 熱狂を生み出すコンテンツとしてのeスポーツ 第5章 eスポーツで生きていくためのキャリア戦略 第6章 巨大なビジネスの中で「支える」仕事 終章 AI時代のeスポーツの未来 === -
正義の暴走 ――凡庸な悪についての心理学
この世には「自分は正しい」が多すぎる! 人の心の癒したい/クマを駆除するのはかわいそうだ/この動画、拡散しないと/「われわれ」以外はすべて敵/被害者だろうと許さない/エビデンスなんてしったことか/もうこの手段しか残されていない こうなってしまうのは、全部「こころ」のせいだ。 === 【目次】 第1章 「正しさ」が衝突するとき――クマの駆除は悪か 相次ぐクマ被害/クマ被害の背景/二つの「正義」の衝突/不幸を「自己責任」に変換する心理/基本的帰属の誤り/後からなら何とでも言える/なぜ人は単純な説明を求めるのか/「クマがかわいそう」という正義/不可視化される自己関与/「正義」が暴走するとき 第2章 制裁という快楽――いじめ動画の拡散とネットリンチ 相次いだいじめ動画の拡散/動画拡散は「正義」の行為か/いじめとは何か/傍観者効果/道徳的免罪と道徳的不活性化/匿名性が攻撃のハードルを下げる/集団極性化/告発と私刑は同じではない/制裁の快楽 第3章 分断か共生か――外国人を排斥する心理 増える外国人、強まる「違和感」/外国人犯罪増加という噓/ゼノフォビアの心理構造/内集団バイアスと「われわれ」意識の肥大化/確証バイアス/島国的「同質性神話」という前提/スケープゴート化される外国人と政治/日本人ファースト/共生は可能か ―― エビデンスが示す事実/排外か共生か ―― 「正義」を問い直す 第4章 被害者バッシングはなぜ起こる――スターを育てるという「正義」 公然の秘密が前代未聞の世界的スキャンダルになるまで/BBCによるドキュメンタリー/性暴力とは何か/世界に広がる子どもへの性暴力/性暴力への対応/「才能を見出し、育てる」という「正義の仮面」/組織文化が「共犯」となるとき/被害者が受けたトラウマ/男性性被害者特有の問題/文化としてのジャニーズ/被害者バッシングという二次加害 第5章 世間にはびこる自称カウンセラー――「人の心を癒したい」という思い上がり 「人を助けたい」という動機の正しさと危うさ/心理支援という非対称な関係「誰でも名乗れる」制度が生む問題/海外のカウンセラー制度/善意が専門性の/錯覚に変わるとき/「自分も苦しかった」という経験の一般化/ケース・フォーミュレーション不在の危険性/倫理なき支援がもたらす二次的被害/診断ラベルが「支援」から「管理」に変わるとき/自己成就予言という呪い/自称カウンセラーが不用意に与える予言/専門家を名乗る「正義」が暴走したとき 第6章 パンデミックの恐怖心の果てに――「敵」は心の中にいる コロナ禍という異常事態/緊急事態宣言が明けたとき/曖昧さ耐性とリスク認知/「コロナ警察」の出現/斉一性への圧力/コロナ警察の「正義」/コロナでの分断/都会の人お断り/分断と排斥/心と体のソーシャルディスタンス/ある保健所の話/「敵」はわれわれの外にあるのではなく、心のなかにいる/隠喩としての病/コロナと隠喩/人々の恐怖心/隠喩の生まれる理由 第7章 エビデンスと物語の相克――人は事実より信じたいものを信じる マスクや感染対策を拒否する人々/矛盾する二つの意見/エビデンスに基づく医療/エビデンス・ピラミッド/医師Aと医師Bのどちらを信じるか/エビデンスと人間の心理/エビデンスを活用するために/専門家への誹謗中傷という構造的問題/複雑な因果推論の誤り/オンライン脱抑制と転移性攻撃/曖昧さ耐性と極端化/敵意帰属バイアスと脅威認知/ゆがんだ「正義」と道徳的不活性化/誹謗中傷の強化学習モデル/ダーク・テトラッド・パーソナリティ/誹謗中傷の代償/オンラインでの誹謗中傷を減らすために 第8章 人はなぜ陰謀論にハマるのか――デマこそ広がりやすい 陰謀論とデマ/陰謀論とは/陰謀論という生き方/陰謀論の害/陰謀論を語る自由はあるのか/陰謀論への対策/具体的な誤情報対策/1 常に誤情報のモニタリングをする/2 人々の声を聴く/3 正確な情報を提供する/誤情報を放置しないこと 第9章 人生をかけた正義の暴走――安倍元首相暗殺の心理 元首相の暗殺/事件をエンターテインメントとして消費する人々/「専門家」による加害者の心理分析/山上徹也被告と「私的正義」の形成/生い立ちと家族崩壊 ―― 喪失が日常化する家庭/怒りの方向転換/標的の転換/人生の意味/偶然か必然か/ほとんど語られてこなかった「孤立」の問題/セントラルエイト/なぜ「止められなかった」のか/個人の凶行で終わらせないため === -
父っちゃんは大変人
一晩で大富豪、起業・買収・ホスト(!?)を経て遂に独立国家を樹立 この男、めちゃくちゃだけど爽快、面白過ぎる! マンボウ先生驚愕の誇大ユーモア小説復刊 巻末解説・斎藤喜美子 妻が語る「夫・北杜夫と『父っちゃんは大変人の頃』」 一晩で大富豪に/税金の高さに戦慄く/オリンピック出場/何故かホストになる/日本国から独立を宣言/球団買収/ラーメン会社設立そしてついに…… いまだかつて味わったことのない読書体験。空前のスケール、予想を超えた展開へと疾走する物語。 「とにかくわしは断じてデンキチ王国を独立させる。わしは必然的に国王になる」 数あるマンボウ先生の作品の中で、ここまで振り切ったものがあっただろうか! 妻と中学生の息子とつましく暮らしていた桜井伝吉。突如莫大な遺産を相続して税金の高さを実感、激怒のあまりに日本国から独立を宣言! ラーメン工場とホストで金を稼いで球団買収、オリンピック出場、そしてついに日本政府と正面衝突する日が来た…。想像を遥かに超える空前絶後の物語。 解説 倉橋由美子 「夫・北杜夫と『父っちゃんは大変人の頃』」齋藤喜美子 カバーデザイン 芦澤泰偉 【目次】 第一章 父っちゃん、突如、大富豪となること 第二章 父っちゃん、突如、ケチになること 第三章 父っちゃん、突如、ラーメン長者と呼ばれること 第四章 父っちゃん、突如、金を稼ぎはじめること 第五章 父っちゃん、突如、オリンピックに出場すること 第六章 父っちゃん、突如、独立を宣言すること 第七章 父っちゃん、突如、王国づくりに励むこと 第八章 父っちゃん、突如、プロ球団の監督になること 第九章 父っちゃん、突如、精神鑑定を受けさせられること 第十章 父っちゃん、突如、日本国に宣戦すること 解説 倉橋由美子 「夫・北杜夫と『父っちゃんは大変人』の頃」 齋藤喜美子 -
京の社 ――神と仏の千三百年
この本を持っていけば、京都旅行ががぜん面白くなる 有名寺社を巡って学ぶ神と仏の一三〇〇年の歴史 === 古代から近代まで、神社の歴史がすべて一望できる貴重な都市、京都。本書はその京都を舞台に、各時代を代表し、それぞれの神社の系統の特色を持つ約二十社を取り上げ、神仏の歴史をひもといた画期的な入門書。下賀茂神社や八坂神社、伏見稲荷など、よく知られた観光名所ばかりなので、旅行気分で学ぶことができる。神社といえば古代から一貫して不変の存在と認識されることが多いが、時には仏教寺院と一体であり、祀られる神も同じ神社の中で時代ごとに変わってきた。祭や神社の建築様式などを仔細に検討し、国家神道が創られる明治以前の神々の多様な姿を明らかにする。(解説 佐々田悠) 【目次】 はじめに──なぜ京都を選んだか 第一章 県主の神から王城鎮護の神へ──二つの賀茂神社 第二章 稲荷の翁と東寺──伏見稲荷大社 第三章 比叡山の鎮守 日吉山王権現──日吉大社 第四章 八幡大菩薩の宮寺──石清水八幡宮 第五章 初めて人を祭った社──北野天満宮 第六章 牛頭天王の社──祇園社(八坂神社) 第七章 神社と神職の家元──吉田神社 第八章 神になった武将たち──豊国大明神と東照大権現 第九章 流された天皇と維新の志士たち──白峰神宮・水無瀬神宮・霊山護国神社 第十章 神になる天皇──平安神宮・護王神社・梨木神社 あとがき 参考文献 解説 変わりゆく社と生きる 佐々田悠 -
虚偽論入門
まやかしの議論を見破る 練習問題満載! 切れ味抜群のトレーニングブック 詭弁にも「型」がある。様々な虚偽のパターンを豊富な練習問題を交えて紹介した、まやかしの言説を見破る格好のトレーニング書! 解説 植原亮 === 説得力があるようでいて何かがおかしい──。そうした虚偽的な言説は誰にでも聞き覚えがあるはずだ。本書は論理学の基礎知識を押さえた上で、不当な内容で聞き手を幻惑するさまざまな虚偽を紹介する。支持者の数だけを根拠に正しさを主張する「多数派の強弁」、歪曲した論点を攻めたてる「藁人形攻撃」、確率事象への誤解に基づく「賭博師の錯誤」など、本書で挙げたパターンを理解し(覚えなくても大丈夫!)、具体性に富んだ練習問題の数々に当たれば、詭弁を見破る論理的思考力を着実に養えるだろう。政治的議論から日常会話まで、幅広い場面に応用可能な実践的トレーニングブック。 【目次】 緒言/凡例 1 論証とは? 演繹と帰納/妥当性/重要な論証型:三段論法/その他の重要な論証型 2 不当予断 ――論点の先取り―― 自明の教唆/予断冠飾句/循環論法/循環定義/不当予断の問/全称的予断/特称的予断/詐術等値表現 3 権威詐称 ――論点の虚飾―― 詐術阿世/詐術威風/虚偽儀式/専門僭称法/格言詐術/権威転写法/称号詐術/長老主義/多数派の強弁/利益誘導法/筋違いの権威/先験主義/偶像詐術/妄信の強要/権威の僭称/権威の捏造 4 すり替え詐術 ――論点の転嫁―― 威力強弁術/憐憫導引法/歪曲論証法/人身攻撃/素姓攻撃/劣類攻撃/不純動機/変節攻撃/しがらみ錯誤/畏怖導引術/不当理由/当為の現実への転移/現実の当為への転移/瑣末事例の攻撃/藁人形攻撃/誇りのくすぐり/純真主義の虚偽/証文詐術/弁解詐術/可能世界錯誤/術詐はぐらかし 5 幻法攪乱 ――論点の混濁―― 意味論詐術/構文論詐術/強調詐術/詐術洒落のめし/予断矛盾/偽計怒りの演出/詐術トボケ/末梢攻撃/妖術情動語法/論証もどき/語源詐術/例外の誤用/不当反問/意昧の私物化 6 弁別錯誤 ――論点の歪曲―― 観念的連続性/凡庸主義/虚偽択一法/合成錯誤/分解錯誤/虚偽快刀乱麻/本質的に曖昧な語句/不当対比 7 権謀術 ――論点の捏造―― 目的は手段の免罪符か?/後塵拝戴主義/新奇マニア/旧式嫌い/詐称語句/御都合主義/詭計反復主張/黙認の曲解/詐術劣等比較/僭越性の誇称/奸計引き延ばし戦術/杞憂の逆用/幻法水煙/理想主義的誤謬/詐術諸行無常/根性主義者の錯誤/凶法愚民政策 8 帰納錯誤 ――論点の飛躍―― 短絡帰納/偶有性/不当原因/賭博師の錯誤/類推錯誤/統計詐術/百分率詐術/総数詐術 参考文献 訳者あとがき 解説と読書案内(植原亮) 索引/練習問題解答 -
総力戦研究所の真実 ――歴史の法廷に立つNHK
史実歪曲ドラマは こうしてつくられた 初代総力戦研究所長・飯村穣を 卑劣な人間として描いたNHKと映画監督・石井裕也。 その製作姿勢を告発し 「戦争シミュレーション」の真の姿に迫る。 NHKの番組で「祖父の名誉が傷つけられた」として、元外交官の飯村豊が、NHKや映画監督、制作会社などを相手取り損害賠償を求める訴えを東京地裁に起こした。2025年8月16・17日に「NHKスペシャル 戦後80年番組」として「シミュレーション~昭和16年夏の敗戦」が放送され、総力戦研究所の所長が、飯村豊の祖父で実際の所長であった飯村穣陸軍中将とは全く異なる、卑劣な人間として描かれていたからだ。なぜこのようなことが起きたのか。それは、現実の総力戦研究所で行われてきたことを学ばず、目先の利益のためにはフィクションの衣を被れば史実を歪曲し、実在の人物を品性下劣に描いても良いと考えたからだ。総力戦研究所の「机上演習」がいかなるものだったのか。最新の研究も交えつつ、その実態に迫る。 <目次> まえがき Ⅰ 事件はなぜ起きたか 第1章 止められなかった史実歪曲ドラマ 1 発端 2 NHKとの事前協議 3 放送を見て、さらに憤慨 4 逃げるNHK 5 反撃のための第一歩 第2章 NHKとの闘い 1 より多くの人々へ呼びかけるために 2 ドラマ制作の内幕とBPOの見解 3 ついに法的手段に訴える 4 対NHK提訴記者会見 5 第一回口頭弁論 Ⅱ 総力戦研究所とは何だったのか? 第3章 総力戦研究所長・飯村穣の実像 1 二つの総力戦研究所 2 初代総力戦研究所長・飯村穣とはどのような人物であったか 3 戦中・戦後の飯村穣の動向 4 祖父の横顔 第4章 本当の総力戦研究所 1 総力戦研究所の実態とは 2 初代所長・飯村穣をめぐって 3 総力戦研究所のシミュレーションの実際 4 NHKは責任逃れのため、雲隠れをしようとしている Ⅲ 最新研究と資料から見る総力戦研究所 特別寄稿 調査研究機関としての総力戦研究所 中村 陵 はじめに/1 総力戦研究所設立の目的と設立趣旨/2 総力戦研究所における総力戦研究の分析視角/3 戦争指導機構への批判とその改善策/4 総力戦研究所が示すアメリカの国力判断/おわりに――会報にみる「克服」したセクショナリズム 資料1 皇国総力戦指導機構ニ関スル研究(概案) 資料2 戦争術に関する講話案 飯村 穣 あとがき -
「とりあえず」でキャリアは決まる
「とりあえず正社員かな」。 「とりあえず進学するつもり」。 「とりあえず買っとこうかな」。 「とりま連絡するね」。 なぜ若者は「とりあえず」と言うのか? 人生の大きな決断から日常の小さな判断にまで現れる「とりあえず」という言葉。その背景に隠された心理と、「とりあえず志向」の実態、そして意外な効用を説きます。 決めきらない、でも動くという最良の人生戦略について。 ◆著者のメッセージ(序章より) 戸惑いや不安がある状態で、リミットが差し迫るなか、どう転ぶか曖昧な状態から脱するための積極的な方策が「とりあえず」であると筆者は考えています。人生(キャリア)は、自分で探し、決断していくことの連続です。長い人生において、トランジション(転換期)やターニングポイントとなる経験が幾度かあるでしょう。しかし、進学にしても就職にしても、決める時点では多くの人は先のことがどうなるか完全に見通せないまま選択をします。そして後から、「あの時、こうだった」「あれが良かったんだ」と後付けしているに過ぎません。ですから、「とりあえず」をきっかけに物事を選択するのはある意味でもっともなことです。結論めいたことを最初から言いますが、「とりあえず」でアクションを起こしたあとどう過ごすかの方がむしろ重要なことなのです。 === 【目次】 序 章 「とりあえず志向」について 第1章 「とりあえず」があなたのキャリアに与えるもの 第2章 「とりあえず進学」とその後の人生 第3章 「とりあえず友達」で築ける人間関係 第4章 「とりあえず正社員」ではダメなのか? 第5章 「とりあえずフリーター」はどういう心理か? 第6章 「とりあえず地元」という選択 第7章 「とりあえず志向」が人生を変えた事例 終 章 「とりあえず」でひらくキャリア === -
増補 新橋パラダイス ――駅前名物ビル残日録
サラリーマンの聖地、新橋のランドマークである新橋駅前ビルとニュー新橋ビルには、東京のど真ん中で昭和の懐かしさを色濃く残すディープな飲食店、小売店、マッサージ店がひしめき合う。しかし、駅前再開発計画が進められており、これらを楽しむ時間はそれほど多くは残されていない。ビルで働く人々の証言を多数の写真と共に伝える異色の探訪記であり、東京最後の秘境の記録。 解説 平松洋子 -
鈴木大拙 ――世界の禅を生んだ男
西洋と東洋を繫ぎ 禅ブームを巻き起こした 異色すぎる宗教者── 重層的な思想、屈折した生涯 仏教は こうして世界を 魅了した! 世界的「禅」ブームを巻き起こした鈴木大拙は、近代仏教においてひときわ異彩を放つ存在だった。大学を中退して単身渡米。既存の宗派を疑い、西洋と東洋、神秘と伝統を大胆に往還しながら自らの思想を形成した。ハイデガー、ユング、フロムら世界的知識人と交流し、日本人の生き方とは何かを問い続けながら、アメリカで仏教を講じ時代の寵児となる。「禅」はいかにして世界を魅了したのか? 型破りな仏教者の重層的な思想と屈折した生涯を、最新の研究成果と共に描く決定版。 === 【目次】 序章 近代仏教と大拙 1 世界宗教としての仏教 2 俗人たちの仏教 第一章 悟りと進化論 1 貞太郎の成長 2 大拙の悟り 3 『新宗教論』 第二章 世界宗教としての大乗 1 ケーラスと科学の宗教 2 西洋人の仏教観 3 『大乗仏教概論』 第三章 神秘から伝統へ 1 学習院、ビアトリス、神智学 2 『スエデンボルグ』 3 「伝統」の再発見 第四章 戦時下の日本的霊性 1 日本仏教のマイノリティ 2 『日本的霊性』 3 戦争、敗戦、復興 第五章 禅とアメリカ文化 1 アメリカとの再会 2 『禅と日本文化』 3 禅ブームの実相 第六章 未完の東西対話 1 キリスト教と仏教 2 『禅と精神分析』 3 東洋的「自由」を求めて 終章 大拙の逆説 1 大拙批判は何を語るか 2 人に固有の霊性 あとがき 鈴木大拙略年譜 参考文献 === -
吹奏楽のための心づくり・体づくり
勉強もあるし、部活動は縮小されて、現代の吹奏楽部員はなかなか練習の時間をとれない。体のつくりや音が出る仕組みを根本から理解して、効率的に吹奏楽を楽しめる心と体をつくるトレーニングの方法を教えます。解剖学に認知科学、栄養学に心理学。楽器演奏の科学から導かれた、今日からできるトレーニングがこの1冊に。イメージトレーニングの方法、体の整え方、休み方まで。 【目次】はじめに――楽器を練習することだけが練習ではない!?/第一章 頭のトレーニング/第二章 身体のトレーニング/第三章 心と身体をつくる休み方/第四章 食事が心と身体をつくる/1 最良のパフォーマンスのための食事と栄養とは?/第五章 心のトレーニング/あとがき -
グアヤキ年代記 ――遊動狩人アチェの世界
1963年、南米パラグアイ。フランスの若き人類学者クラストルは、深い森で遊動生活を送ってきた先住民族グアヤキ(自称アチェ)の調査に赴いた。彼らは白人に圧迫され衰退の道をたどっていたが、出産、通過儀礼、復讐の殺人、食人習慣など、様々な文化を保持していた。クラストルは不合理な事象の数々に時に戸惑いつつも、それらを精緻に観察し、背後にあるグアヤキの論理を鋭い視点で解明していく。暴力ではなく言葉によって自らの権威を証明しなければならない首長など、この調査で得た着想の一部は、後に『国家に抗する社会』として結実する。文学性にも優れた民族誌の傑作。解説 松村圭一郎 -
草莽論 ――その精神史的自己検証
明治維新を語るうえで外せない「草莽」。吉田松陰の「草莽崛起(そうもうくっき)」という言葉で知られる通り、それは、野にありながら天下危急のときにおのれを顧みず、大道に立つ壮士たちをさす。孟子に由来するこの言葉は、江戸時代後期に特異な思想的背景を孕むようになり、維新前夜、つかの間の煌めきを放った。その精神を鮮烈な筆致で描き出したのが、二・二六事件の先駆的再評価などで名高い評論家・小説家・歌人、村上一郎である。蒲生君平、高山彦九郎といった「草莽の処士」のさきがけから、頼山陽ら文化・文政の文人、水戸学、そして松陰と系譜的に論じ、その終焉を見届ける比類なき名著。解説 桶谷秀昭 -
ラテン語とギリシア語
ヨーロッパ文明の礎であるラテン語とギリシア語。印欧語族の古層に属する両言語は、近代語が失った複雑な規則を持つことから、現代人が習得するのは容易ではない。本書は文字、発音から形態に至るまで、二つの言語を対比させながらその全体像を描き出す。名詞や形容詞の格変化、動詞の細かな時制と態(ギリシア語特有の「アオリスト」や「中動態」)、その動詞がさらに変化した分詞──。様々な特徴を古典の例文とともに見ることで、複雑さに支えられた豊かな表現を持つ、ラテン語とギリシア語の輪郭が浮き彫りになる。古典語のエッセンスを凝縮したコンパクトにして本格的な案内書。 解説 吉川斉 -
松本清張と水上勉
ほぼ同時代を生きた松本清張と水上勉には、意外にも共通点が多い。最大の共通性は雑食性。ともに社会派ミステリ作家として出発するもミステリ以外にも手をつけ、清張は小説・ノンフィクションの二刀流を展開し『昭和史発掘』『古代史疑』など歴史評論にも進出、水上勉も『寺泊』で川端康成文学賞を受賞した私小説路線と並行して、寂れゆく辺境や滅びゆく伝統工芸のルポルタージュ、一休や良寛といった高僧の評伝に新境地を切り開いた。好一対だった大作家の歩みと名作を読み解く。 【目次】序章 清張と勉――その軌跡/第1章 文壇作家時代の松本清張/第2章 初期水上勉は私小説家だったのか/第3章 清張の乱歩批判/第4章 『天城越え』は『伊豆の踊子』をどう超えたか/第5章 清張の江藤淳批判/第6章 映画「砂の器」は小説をどう補修したか/第7章 『点と線』から『日本の黒い霧』へ/第8章 推理小説家時代の水上勉/第9章 日本型私小説を究める――その後の水上勉/第10章 国民的文化人・松本清張――『読書世論調査』の結果から/第11章 言葉を超えた世界へ・水上勉――『才市』の奇跡/あとがき/松本清張・水上勉年譜/人名索引 -
日本の社会保障
私たちはいつ、病気で働けなくなったり、障害を負ったり、会社が倒産して仕事を失ったりするかわからない。個人の努力ではどうしようもない場面に遭遇した時にも健康で文化的な最低限度の生活が維持できるように憲法の生存権を保障する仕組みが社会保障だ。自分の力や家族や地域での支えあいではどうにもならないことが多いからこそ、この仕組みが必要である。では、法律と運用はどうなっているか。生活保護、年金、医療、公衆衛生、介護保険と高齢者福祉、労災保険と雇用保険、子育て支援、障害者福祉、社会保障財源としての消費税など、その仕組みと財政の最新事情から課題まで網羅する一冊。 -
写真が語る敗戦と占領
ポツダム宣言を受諾した日本は、1945(昭和20)年8月15日、終戦を迎えた。そして新たな支配者となったGHQによる民主化と非軍事化、天皇の人間宣言、新憲法の公布、東京裁判と戦争責任の追及がはじまった。80年前の占領下日本で、私たちはどんな地獄を見て、何を糧に生き抜いたのか。焼け跡に生まれた自由市場ヤミ市、街を闊歩する進駐軍とパンパンガール、東西冷戦下で目まぐるしく進む復興。本書は1951(昭和26)年のサンフランシスコ平和条約締結によって国際社会に復帰するまで、焦土から復活へと向かう混沌と激動の日本の姿を、250点の貴重写真でたどる。 -
増補 古典としての旧約聖書
旧約聖書とはいかなる書物なのか。古代ユダヤの人びとはそこに何を読み込み、何を託してきたのか。本書は、半世紀にわたって旧約聖書と取り組み、古代オリエント学者としても豊かな学識をあわせもつ著者が、複雑で多層的な性格をもつ旧約聖書をさまざまな角度から読み解いていく珠玉の講演集である。文庫化にあたっては、定評ある旧版に、物語構造論の観点から聖書を分析する「旧約聖書における物語文学の構造と主題」など、5本の講演を大幅増補。その言葉は今を生きる私たちに何を投げかけるのか。旧約聖書の魅力を、第一人者が余すところなく語りつくす。 -
色彩について
色の概念の論理は見かけ以上に複雑だ──。病床にあった晩年のウィトゲンシュタインは、ゲーテの『色彩論』に触発され、死の直前まで「色彩」の問題を考察し続けた。透明で白いガラスはなぜ想像できないのか、「赤っぽい緑」というような色はありうるか、全員が色盲である民族を想像してみよ……。『哲学探究』で示された「言語ゲーム」などの視点を採り入れた「色の論理学」ともいうべき思考実験は、われわれが自明視しがちな色彩概念を根本から揺さぶり、深い探究へと読者を誘う。同時期の遺稿『確実性の問題』にも通底する点がみとめられる、晩期の思想が端的に表れた断片集。 -
民のモラル ――ホーガースと18世紀イギリス
徹底的な史料の読み込みと、図像の分析で文化史研究に新たな地平を拓いたあの先駆的な名著に、図版を増補。本書では18世紀ころのイギリスで行われていた制裁の儀礼「女房売り」「シャリヴァリ」から食糧蜂起にいたる、いじめと騒ぎの歴史をひもとき、イギリス民衆の正義や秩序の意識を解読。さらにジェントルマンの日記やローカル新聞の記事、裁判記録などから、統治者といえども時代の作法・約束事にしたがわざるをえなかった事情を明らかにする。そうした観点からホーガースなどの風刺画を解析してみると―。当時のイギリスの街中を旅して、人々と出あえるような、出色の一冊。
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