高齢者の仕事の実態を皮切りに年金生活者の実例を挙げてその実態を明らかにする。国民年金は元々定年の無い自営業者や農業従事者向けで子供と同居するのが前提なので核家族化した現代ではそれだけで老後が賄えるかというとかなり厳しい。また、正社員で企業に勤めて厚生年金で比較的潤沢であっても、自分や家族の病気などが
...続きを読むあるとたちまち困窮してしまう状況も描かれている。せっかく就職できた子供がパワハラあってうつになって離職という実例はやや極端な例とも言えなくもないが無いとも言い切れないだろう。
また非正規雇用が多い氷河期世代の今だけじゃなく老後に厳しさが増すことも指摘している。このように非正規雇用が増えて日本の労働者の給与が上がらないことを、「岩井克人 x 孫泰蔵」の対談を引用して「一周遅れてきた株主資本主義」と批判しています。
すなわち四半期ごとに収支を確認し短期的な視野でしか経営できなくなっていることで、賃金というコストを削減し長期的なビジョンで研究開発ができなくなっている。これこそが日本経済の低迷を招いてる糾弾してます。
まさに今の株価の異常な上昇と経済の低迷の見事な説明に超納得です。高齢者問題についての書籍でしたが日本経済についても素晴らしい示唆を頂きました。