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Posted by ブクログ
現代の若者がいかに厳しい社会状況に置かれているかについて書かれた本。
近年、若者の貧困が提言されるようになり、興味があったので本書を読んでみたのだが、その実態の深刻さに驚かされた。何より驚いたのは、私自身の状況も、周りの環境によっては貧困に陥る危険性があるということに気づかされたことだ。
私は現在社会人1年目であり、実家に住みながら毎日片道1時間半ほどかけて通勤している。
なぜ独り暮らしをしていないかというと、私の会社は関東圏出身者には住宅補助が出ず、今の給料では東京での独り暮らしは厳しいと考えたからだ。
それでも、私は幸運なことに家族との仲が良く、また通勤時間も読書等に当てることができるので、特に不便を感じることはなかった。
しかし、それはあくまで家族との関係が良好であるという「幸運な」環境があるからに他ならない。もし家族との仲が悪く、家を出ていかなければならないとしたら、たちまち貧困に陥るだろう。
また、私の同期には地方出身者が多いのだが、その中の一人に話を聞いたところ、住宅補助(月5万)をもらっていても、入社してから今まで(12月)の9ヶ月で貯蓄できた額はたった5万円だと言っていた。ちなみに、彼女は奨学金の返済を行っている。
もう一人の同僚(男性)は、貯金が少ないために、今付き合っている彼女に、結婚しようと言うことができないと言っていた。
貧困は、こんなにも身近にあったのだ。
現代での消費の落ち込みと共に語られることの多い、「若者のモノに対する興味の薄さ問題」だが、今の若者たちの状況では興味を持ちたくても持てないのではないだろうか。それこそ車なんて「贅沢の極み」なのではないだろうか。
著者も述べていたが、現在の若者の置かれている状況を改善しなければ、少子高齢化、消費の落ち込みなどの問題を止めることはできないだろう。
唯一の希望は、このような本が出版されることで、私のように貧困がいかに身近にあり、深刻な問題になっているかということに気づく読者が増えるとこである。
今後の日本がより良い社会を創り上げていくためにも、もっと多くの人に関心をもってもらいたい問題である。
Posted by ブクログ
「下流老人」で高齢者の貧困と格差の問題をあぶりだした著者が若者の貧困について「貧困世代」という衝撃的なネーミングで暴き出した。若者の貧困は、バブル景気の崩壊以降、人件費を削減するため、若者を犠牲にしながら、企業の成長や経済成長、あるいはシステムの延命や存続を進めるようになった。そのために1990年代後半以降に増えている非正規雇用は意図的に作られており、若者の貧困も同時に拡大を続けている。この構造的な変化に社会自身も若者自身も気づいてない中で声をあげれないでいる実情がある。また世界で最も高等教育に自己負担が多い日本では、親世代の収入減でバイトに頼らざるを得ず、また、そのバイトもブラック化が進んでいる実情、奨学金も米国並みにローンとなっている実情など、想像以上に現代の若者が置かれている状況が大変なことが分かる。加えて日本の福祉政策に住宅政策が抜けている点を指摘し、少子高齢化の原因を貧しい住宅政策を指摘する点は論理が飛躍しすぎな感じもしないわけではないが、納得の論考であった。貧困問題に関心がある人は必読本であると思った。
Posted by ブクログ
20160518
下流老人に続き、日本が抱える社会福祉の問題点を具体的に明らかにした一冊。
現代の若者たちが感じる生きづらさ。日本に蔓延る閉塞感の根本が、若者たちが当たり前に生きることすら難しいという状況にあるのだろうと思える。
例えば、日本が進める住宅政策。持ち家が当たり前にあり、誰もが目指すべきというような考え方事態がおかしいのだろう。それでも、住宅ローンの金利が低いと言って、35年ローンを組ませ、新築で住居を買うことを進め、そこへの控除を行う政策。また、持ち家を持つことが人生の目標とも言えるような世論。
こういった認識を変えることが、まず一歩であると著者は言う。
自分自身、教育現場に携わるものとして、学費が賄えないために教育を受けることができない若者に出会う機会が非常に多く、とても他人事には思えない。
少しでもこのような認識が広まり、私たち貧困世代が生きやすい世の中になるために、行動をおこさなければならないと強く感じた。
Posted by ブクログ
色々と納得させられたり、考えさせられました。
子育てしている中で薄々感じている、周囲の境遇や、
何かふと、レールから外れてしまった後の苦しさや怖さの正体を、
活字として知れた感覚でした。
自分(40代後半)も、比較的貧しい境遇のなか、生き抜いてきた思いがあるし、
親の世代は更に、苦労しながら頑張って育ててくれていたことを
同じ世代になり、子どもを育てる中で、より深く感じていますが、
今の子供たちは、より搾取的で複雑な環境に置かれている事を知り
愕然としました。
まずは自分の子ども、周囲の子供たちを丁寧に見守りたいです。
住宅の問題や、奨学金ローンの件など、もっと改善できるのではないか?
生まれてきた人が、そのまま当たり前に暮らせる環境を整備することが
政治や福祉の原点ではないのか?
なぜ日本では、頑張らなければ暮らせない社会なのか?
そもそも、の所を、考えさせられ、変えていく必要性を強く感じました。
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