【感想・ネタバレ】脱・下流老人 年金、生きがい、つながりを立て直すのレビュー

あらすじ

「ただ、人間らしく暮らしたい」――高齢者の尊厳回復への道筋を示す

人生100 年時代、生きがいや健康のために働き続けようとの掛け声の一方で、低年金に苦しみ、生活を補うため働かざるを得ない老年層は多い。さらに生活保護以下の水準で暮らす高齢者は600万人超もいる。
『下流老人』から7年、賃金は伸びず物価が上昇する中で、今後誰もが直面しうる危機が、老後の貧困である。超低年金、超低賃金、シニア労災等の横行を座視してはならない。
公助(年金)、自助(生きがい)、共助(つながり)の立て直しを訴える著者が、誰も取り残さない社会実現への具体策を提言する。中でも高齢者が安心して生きられる、貧困打開への究極の処方箋とは、全員へ一律の生活扶助費を支給する「最低保障年金」の実現だ。

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Posted by ブクログ

高齢者の仕事の実態を皮切りに年金生活者の実例を挙げてその実態を明らかにする。国民年金は元々定年の無い自営業者や農業従事者向けで子供と同居するのが前提なので核家族化した現代ではそれだけで老後が賄えるかというとかなり厳しい。また、正社員で企業に勤めて厚生年金で比較的潤沢であっても、自分や家族の病気などがあるとたちまち困窮してしまう状況も描かれている。せっかく就職できた子供がパワハラあってうつになって離職という実例はやや極端な例とも言えなくもないが無いとも言い切れないだろう。
また非正規雇用が多い氷河期世代の今だけじゃなく老後に厳しさが増すことも指摘している。このように非正規雇用が増えて日本の労働者の給与が上がらないことを、「岩井克人 x 孫泰蔵」の対談を引用して「一周遅れてきた株主資本主義」と批判しています。
すなわち四半期ごとに収支を確認し短期的な視野でしか経営できなくなっていることで、賃金というコストを削減し長期的なビジョンで研究開発ができなくなっている。これこそが日本経済の低迷を招いてる糾弾してます。
まさに今の株価の異常な上昇と経済の低迷の見事な説明に超納得です。高齢者問題についての書籍でしたが日本経済についても素晴らしい示唆を頂きました。

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2024年04月17日

Posted by ブクログ

現代の日本が抱える最も大きな社会問題について、丁寧に他の著書などを引用しながら説明してくれている。
とてもわかりやすくて理解を深めることができた。
この本はあらゆる人に読んで貰いたい。引用されていた本も、改めて読んでみたい。

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2023年02月08日

Posted by ブクログ

著者の言う通り、私の周りでも高齢と思われる人がサービス業や駐車場整理などに就いているのを見かけることが多くなった。生活保護を受けている人の約半数が高齢者だということも、言われてみればそうだろうな、と納得する。社会保険料削減と声高に叫ばれる昨今、高齢者に厳しい目が向けられているが、高齢者も決して安穏としているわけではないのだ。昭和に構築された年金制度が持続不可能のまま放置されてきたツケを払わされているのは若者だけではない。仮想敵を設定して世代間の分断を進め、失政から目を逸らすという常套手段に与したくはない。次、『棄民世代』読みます。

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2025年11月28日

Posted by ブクログ

これからも増え続ける高齢者が幸せで豊かな暮らしができるようにという観点から現状や今後の方策を論じる。
前半の内容は、定年退職後にお世話になっていた就労の場をまもなく去り、年金生活者になる自分にはひしひしと伝わった。
特に、年金だけでは暮らせず、70~74歳で3割強の人が働いている実態を知り、焦りを感じた。
マクロ経済スライドによる年金減額を緩和してほしいとも思った。
一方で、社会貢献やエッセンシャルワークの重要性、協働労働やコミュニティにおける連帯、私的所有から共有財産(コモン)への転換にも目を向けなければならないと感じた。

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2025年03月01日

Posted by ブクログ

このシリーズも二冊読んでおりある程度は免疫があったもののやはり内容は辛辣で考えさせられるものが多かった。
国や社会の仕組み上どうしても貧困になるざるを得ない人も確かにある一定数は居るけど自助努力の有無もやっぱり考慮するべきなと思うのが持論。
周りにあまりにも何もしないで文句ばかり言う人達が多いので。

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2023年04月12日

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