筑摩書房の検索結果
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紀貫之
紀貫之は「古今集」の重要な歌人かつ中心的な編者であり、「土左日記」の著者としても知られ、また「伊勢物語」の作者にも擬せられている人物である。しかし「下手な歌よみにて古今集はくだらぬ集」と正岡子規によって痛罵されて以来、つねにその言葉がつきまとい、正当な評価が妨げられてきた。はたしてそうだったのか? 本書は、詩人の魂による繊細な鑑賞によって「子規以来」のイメージを覆し、貫之が「フィクション」として豊かな才能に恵まれていたことや古今集の特徴である象徴と暗示を体現した歌人であったことなどを、精緻に論証していく。貫之の復権を成さしめた画期的歌人論。読売文学賞受賞。 -
呪われた部分 ──全般経済学試論・蕩尽
「“全般経済学”とは、生産よりも富の“消費”(つまり“蕩尽”)のほうを、重要な対象とする経済学のことである。」経済合理性の範疇に収まらない蕩尽・祝祭・宗教・エロス・芸術は、人間の喜びの本質が有用性の原理に拠って立つ生産・蓄積過程にあるのではなく、消費・蕩尽にあることを示す。本書は人間が不可避的に内包せざるを得なかった「過剰」を考察の対象にして人間存在の根源に迫り、生を真に充実させるために、蕩尽・神聖・恍惚に代表されるこの「呪われた部分」の再考を鋭く強く促す。意識の「コペルニクス的転回」に賭けたバタイユ作品の新訳。巻末に先駆的重要論文「消費の概念」を収録。 -
世界に広がる日本の職人 ──アジアでうけるサービス
流行に敏感な中間層が急速に形成されつつあるアジアのグローバル都市。日本で技術を身につけ腕を磨いた人々が、そうした都市をめざし移住を始めている。彼らが提供する高度な技術とサービスは、現地の消費欲求に応え、徐々に都市のライフスタイルを変化させている。彼らはなぜ移住を決意したのか? どのような日本のサービスがアジアでうけるのか? 彼らを鍛えた日本の仕事現場こそが、グローバルな価値を生み出しているのではないか? 香港の寿司店、バンコクの美容室、シンガポールのバー、台北の日本語学校など、日本人海外移住者が働く現場を分析し、日本の仕事が創る価値を見つめ直す。 -
柄谷行人講演集成1995‐2015 思想的地震
われわれは、もはや脱構築ではなく、建設をこそ語らねばならない──。あらゆるものが瓦解したこの20年間に、思想家・柄谷行人は、はたして何を考え、語ってきたか。本書は、その崩壊が誰の眼にも明らかとなった1995年以降の講演を著者みずから精選した、待望の講演集である。近代文学の使命とその盛衰を反照的に論じた「近代文学の終り」、日本にいつしか根づいた特異な民主主義観を、近代における個人化という根源から再考する「日本人はなぜデモをしないのか」など、計11本の講演を収録。その言葉には、いま最も必要とされる強靭な思想が確かに宿っている。学芸文庫オリジナル。 -
古代史おさらい帖 ──考古学・古代学課題ノート
考古学的な知見と、『日本書紀』『古事記』などの文献資料を織り合わせてはじめて、古代の真の姿が浮かび上がる。この考えから「古代学」を提唱する学界の重鎮が、古代の読み解き方を根本から問い直し、「土地」「年代」「人」の見方をめぐって、具体的かつ革新的な方策を提案する。「土地」の見方では変貌する河内と摂津から国生み神話の鍵などを考察。「年代」の見方では銅鏡の「年代」や「暦」を通して、古代人が時間をどう記述したかを探る。「人」の見方では、倭人=「呉の太伯」の後裔伝承の重要性などを提議。未解明の謎の数々や、古の人びとの心に想いを馳せながら、古代史を総ざらいで生きる入門書。 -
天災と日本人 ──地震・洪水・噴火の民俗学
日本は、災害が多い国である。毎年のように、地震、津波、洪水、噴火、土砂崩れ、雪害等が起こっている。古来、日本人はそのような災害と付き合いながら生活を営み、その「復興」と「予防」の知恵を豊富に有していた。そして、それは各地の風習や伝承、記念碑として受け継がれてきたのである。本書では、日本各地の災害の記憶をたずね、掘り起こし、日本人と天災の関係を探っていく。自然に対する感性が鈍ってしまった現在において、必読の一冊! -
小泉八雲 ──日本を見つめる西洋の眼差し
明治時代、日本に魅せられ日本人となった西洋人がいた。「怪談」の作者にして西洋への日本文化の紹介者、ラフカディオ・ハーンの生涯を描く。帰るべき故郷のない男が、世界各地を転々とした末に遠く異国の地に見出した安らぎとは? -
独仏「原発」二つの選択
東日本大震災後の原発事故は、世界の原子力政策に大きな影響を及ぼした。欧州を牽引するドイツとフランスも同様。ドイツは二〇二二年までに全原発の停止を決め、フランスは原発依存の低減を目指しながら依然、国策として重視する。廃止を目指すにしても存続するにしても激しい対立と軋轢が起こる。日本ばかりでなく、世界が直面するジレンマである。特派員として両国で取材した記者二人が見た、独仏国内のルポルタージュ。欧州連合(EU)加盟の隣国同士ながら、対応が両極端に分かれたそれぞれの苦悩に迫る。 -
ハーン・ザ・ラストハンター ──アメリカン・オタク小説集
大人気アクション小説〈ニンジャスレイヤー〉原作者ブラッドレー・ボンド氏のアメリカン・オタク同人小説コレクションの中から、日本をテーマにした作品を厳選したアンソロジー! ノッペラボウを銃殺する表題作「ハーン・ザ・ラストハンター」をはじめ、SFサスペンスから、ソリッド・ゴア・ホラー、奇跡と感動のカルチャーギャップMMOモノまで、選りすぐりの9編を収録! イラストレーション担当は久正人氏! -
日本地図のたのしみ
日本地図を鑑賞しよう。「ムカツク」地名や人名にしか読めない地名、不思議な飛び地や奇妙な県境など楽しい発見の宝庫だ。その由来を探れば、地形や歴史、あるいは地図制作者の意図が見えてくる。地図の見方や古地図の味わいなど、マニアならではの目のつけどころを、初心者にもわかりやすく紹介する。「机上旅行」を楽しむ地図鑑賞入門。 -
古墳の古代史 ──東アジアのなかの日本
紀元前一~四世紀の中国・朝鮮・日本。この時代の東アジアでは、中国の影響を受け、朝鮮・倭など周辺地域において、大小の「渦巻」が発生するごとく社会が階層化し、やがて「王」と呼ばれる支配者が登場する。その状況を最も雄弁に語る考古資料が「墳墓」だ。領域の明確な境界も形成されていなかった時代、ひととものが往来し、漢文化が大量に流入する一方で、東アジア諸地域の「ちがい」はむしろ拡大の方向へと向かった。明白に存在するそのちがいとは? それは何から生まれたのか? 最新考古学の成果に基づき、古代アジアのグローバリゼーションとローカリゼーションに迫る。 -
宗教以前
われわれの祖先の素朴な宗教的感覚は、仏教が輸入されてもなお生き続け、ついには仏教そのものを日本的なものへと変容させる根強さを持っていた。近代に入り、科学との出合いや共同体の崩壊を経ても、その感覚は人々の心から完全に消え去ることはなく、今日にいたっている。とりわけ「死」といった日常を超える問題に対する時には、この素朴な感覚が、当然のように顔を出す。本書では、民俗学・歴史学の手法により、日本人の伝統的な宗教意識の諸相を明らかにする。そしてそこを起点に、日本人を救う普遍的な宗教のあり方を探る。民俗学者と宗教家、二人の碩学の出逢いによって生まれた伝説の名著。 -
歴史
紀元前5世紀の古代地中海世界。スパルタ陣営との大激戦、ペロポネソス戦争で疲弊したアテナイでは屍が累々とし、人びとは疫病と困窮のなか、運命の手の弄ばれるままになっていた。この混迷から立ちあがった著者が綴った大戦の長大な記録が、本書『歴史』だ。四半世紀におよぶ激闘で諸国の力がぶつかりあうなか、何が失われ、何が生まれていったのか? 迷信や伝説を典拠としたヘロドトスと異なり、夥しい資料を駆使し、多様な視点を盛り込むことで実証的「歴史学」の礎を築いたとされるトゥキュディデスが、透徹した眼差しで古代地中海の姿を活き活きと記した不朽の名著。 -
キリスト教の真実 ─―西洋近代をもたらした宗教思想
キリスト教は、出現した当時のギリシャ世界において、既存の宗教の枠を超える「型やぶり」な思想であった。ユダヤ教から派生した「突然変異」ともいえるキリスト教が、ギリシャ思想の精髄を吸収しながら古代ローマ世界に浸透し、やがて近代ヨーロッパを覚醒させる。本書では、教義に内在する普遍主義の歴史的連続性を読み解き、修道院がその伝承を担った中世の世界をさぐる。近代主義者たちはキリスト教の歴史事実を意図的に否定するが、その歪曲がなぜ必要だったのかを考える。キリスト教という合わせ鏡をとおして、現代世界の底流にある設計思想を解明する探究の書。 -
ヘレン・ケラー ――行動する障害者、その波乱の人生
生後19ヶ月で視力と聴力を失いながら不屈の心で障害を克服し、平和と福祉のために闘った〈世界一有名な障害者〉、その壮絶な生涯。(巻末エッセイ・高橋源一郎) -
大人の敬語コミュニケーション
敬語は必要だ。その場に相応しい敬語が自然に使えれば、ビジネスでもプライベートでも、より望ましいコミュニケーションができるに違いない。でも敬語は難しい。「尊敬語」か「謙譲語」か混乱する。間違いに目クジラを立てる人も多い。どうしたら、より洗練された敬語を使えるようになるのだろう…。本書では、敬語をコミュニケーション全体のなかで捉え、相手を尊重しながら自分自身を表現する手段として体系的に整理、具体的なシーンを想定しながら「敬語コミュニケーション」能力を磨く。 -
マーガレット・サッチャー ――「鉄の女」と言われた信念の政治家
疲弊したイギリス経済を立て直したヨーロッパ初の女性首相。敬虔なクリスチャンで勤勉なパパの教えを生涯守り続けた「鐵の女」の素顔に迫る。(巻末エッセイ・浜矩子) -
アルベルト・アインシュタイン ――相対性理論を生み出した科学者
20世紀を代表する天才は学校の落ちこぼれだった。激動の時代に翻弄されながらも、学問の領域を越えて世界平和を訴え続けた科学者の生涯とは。(巻末エッセイ・茂木健一郎) -
さいごの色街 飛田
遊廓の名残りをとどめる、大阪・飛田。社会のあらゆる矛盾をのみ込む貪欲で多面的なこの街に、人はなぜ引き寄せられるのか! 取材拒否の街に挑んだ12年、衝撃のノンフィクション。 -
帰ってきたもてない男 ──女性嫌悪を超えて
ついに、あの男が帰ってきた! 一度は結婚し、裏切り者呼ばわりもされたが、今また、独り身になり、より弱気になって帰ってきた。二十一世紀を数年経過した現在における「もてない男」、とくに今度は「男のセカンドヴァージン」「三十代美人どもの高飛車ぶり」などの観点から、恋愛、結婚、負け犬、出会い系サイト、女性嫌悪、等々の男女関連諸問題を斬ってゆく。痛快無比な真剣勝負。 -
ケータイ小説は文学か
なぜケータイ小説はウケたのか? ケータイ小説を文学として認め、その構造を徹底的に分析する刺激的な試み。リアルとリアリティー、二項対立の構造、作られた「本当」の気持ち、ホモソーシャル、セックスは軽いか……。小説の「読み」「書き」に起こる異変を解き明かし、現代文学の新しい境地を見出す。 -
カルロス・カスタネダ
「呪術師ドン・ファン・シリーズ」の著者、カルロス・カスタネダはその実在すらが疑われ、著作の内容も常に毀誉褒貶にまみれていた。カスタネダとは一体何者だったのか? 著述の内容をつぶさに検証し、仮面の下に潜む素顔とその思想を白日のもとに曝す。カスタネダ神話を脱構築し、新たな相貌の獲得を目論む挑発的な試み。 -
アダルト系
死体清掃や盗聴、身元調査にブラックジャーナリズム、さらにはパンチラ、AV、風俗、ノーパン喫茶、女装にデブ専・フケ専、刺青、浣腸などなど……。オトナじゃないとわからない世界にハマる、いまいちオトナになりきれない人々の知られざるディープな生態を徹底的にリポートする。
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