作品一覧

  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実
    3.3
    1巻880円 (税込)
    女帝・称徳天皇に取り立てられ重用された奈良時代の僧侶、道鏡(?~772年)。女帝に取り入って皇位さえうかがった野心家として、長く悪名が根付いているが、本当にそのような人物だったのだろうか。さまざまな伝説を検証し、最新資料を検討すると、道鏡は実際には政治に関与することなく、天皇への仏教指導に終始した人物としての意外な実像が見えてくる。史料の綿密な検討によって、謎が多く、悪評にまみれた時代の寵児の実像に迫るとともに、古代政治の実態を描き出す。
  • 天武天皇
    3.5
    1巻935円 (税込)
    律令国家の基礎を築き、記紀の編纂に着手した天皇として広く知られる天武天皇。だが、その前半生については不明な点が多い。その生涯を明らかにしつつ、天武天皇の敷いた皇親政治(天皇と皇親〔皇族〕を主体とする政治体制)の実態について考察。さらに天武天皇が導入しようとした律令制度はどのようなものか、なぜ導入しようとしたのかを浄御原令をもとに検証。天武天皇が深く関わった仏教政策の意味についても検討する。天武天皇の実像と古代政治体制の実態を明らかにする入門書。

ユーザーレビュー

  • 天武天皇

    Posted by ブクログ

    即位前の前半生を含めた生涯を明らかにし、それに立脚した即位後の実態を考察する内容。特徴とされる皇親政治や、天武朝時点で目指された律令体制など、天武記と後世の記述を突き合わせて実相へと迫る手法が興味深かった。

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    2025年09月22日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    悪名の元となった虚構色の強い伝承を示した上で、史料の綿密な検証により人物像の再検討を行う内容。淳仁天皇の自律的な意思表明、道鏡が任じられた地位の実相など興味深い視点だった。

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    2025年07月31日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    古代史は詳しくなく、道鏡も正座したら膝が3つあったという話ぐらいしか知らず。それもこの本を読んで江戸時代の川柳だったということがわかってよかった。
    資料が非常に限定的だと思うが、それを丁寧に読んで伝承とは違う道鏡の真の姿を見せようとしている。道鏡は物部氏に連なる弓削氏だが名族ではなく傍流であろうこと、称徳天皇にとって父である聖武天皇の看病禅師であったことから寵愛されたのではないかということ、太政大臣禅師など職名は大仰だが称徳天皇の仏道修行の指導のみで実際の職権はなかったであろうこと、宇佐八幡託宣事件も首謀者は称徳天皇自身であろうこと、そして太政官政治をわがものにしていなかったからこそ称徳天皇の

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    2024年12月16日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    道鏡と称徳天皇については、いろいろなところで読んできたが、よくわからないところが多かった。
    宇佐八幡宮による天皇になるべき宣託があったのかなかったのか、おぼろげながらに考えていた当時の権力者の中の血みどろの戦い、孤独の中で過ごした称徳天皇の思い、道鏡を天皇にしたいと考えたのは、称徳天皇であろう、と言う指摘には納得させられるところが多い。
    称徳天皇が亡き後、すぐさま失脚させられた。道鏡には政治的、軍事的権力が一切なかったのだろうか?天皇に変わり、自分が天皇になろうとしたと言う。従来の解説では納得できなかったところである。

    0
    2024年07月10日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    第1章  うわさの道鏡
    第2章  仏教との出会い
    第3章  道鏡と律令国家
    第4章  称徳朝政治と道鏡
    第5章  称徳天皇の崩御と道鏡の左遷

    <内容>
    何かと「うわさ」の道鏡。シモネタの対象であろう。それを数少ない史料を基に堅実に証明していった本。なので、読み物としては物足りない。結局は称徳天皇の暴走であり、道鏡は巻き込まれた感じか?感情的には道鏡も天皇を欲したかも知れないが、その後のことを想像できれば、それは不可能に近かっただろう。

    0
    2024年05月12日

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