寺西貞弘のレビュー一覧

  • 天武天皇

    Posted by ブクログ

    即位前の前半生を含めた生涯を明らかにし、それに立脚した即位後の実態を考察する内容。特徴とされる皇親政治や、天武朝時点で目指された律令体制など、天武記と後世の記述を突き合わせて実相へと迫る手法が興味深かった。

    0
    2025年09月22日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    悪名の元となった虚構色の強い伝承を示した上で、史料の綿密な検証により人物像の再検討を行う内容。淳仁天皇の自律的な意思表明、道鏡が任じられた地位の実相など興味深い視点だった。

    0
    2025年07月31日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    古代史は詳しくなく、道鏡も正座したら膝が3つあったという話ぐらいしか知らず。それもこの本を読んで江戸時代の川柳だったということがわかってよかった。
    資料が非常に限定的だと思うが、それを丁寧に読んで伝承とは違う道鏡の真の姿を見せようとしている。道鏡は物部氏に連なる弓削氏だが名族ではなく傍流であろうこと、称徳天皇にとって父である聖武天皇の看病禅師であったことから寵愛されたのではないかということ、太政大臣禅師など職名は大仰だが称徳天皇の仏道修行の指導のみで実際の職権はなかったであろうこと、宇佐八幡託宣事件も首謀者は称徳天皇自身であろうこと、そして太政官政治をわがものにしていなかったからこそ称徳天皇の

    0
    2024年12月16日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    道鏡と称徳天皇については、いろいろなところで読んできたが、よくわからないところが多かった。
    宇佐八幡宮による天皇になるべき宣託があったのかなかったのか、おぼろげながらに考えていた当時の権力者の中の血みどろの戦い、孤独の中で過ごした称徳天皇の思い、道鏡を天皇にしたいと考えたのは、称徳天皇であろう、と言う指摘には納得させられるところが多い。
    称徳天皇が亡き後、すぐさま失脚させられた。道鏡には政治的、軍事的権力が一切なかったのだろうか?天皇に変わり、自分が天皇になろうとしたと言う。従来の解説では納得できなかったところである。

    0
    2024年07月10日
  • 道鏡 ――悪僧と呼ばれた男の真実

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    <目次>
    第1章  うわさの道鏡
    第2章  仏教との出会い
    第3章  道鏡と律令国家
    第4章  称徳朝政治と道鏡
    第5章  称徳天皇の崩御と道鏡の左遷

    <内容>
    何かと「うわさ」の道鏡。シモネタの対象であろう。それを数少ない史料を基に堅実に証明していった本。なので、読み物としては物足りない。結局は称徳天皇の暴走であり、道鏡は巻き込まれた感じか?感情的には道鏡も天皇を欲したかも知れないが、その後のことを想像できれば、それは不可能に近かっただろう。

    0
    2024年05月12日
  • 天武天皇

    Posted by ブクログ

    皇親政治に詳しい。なんとなく豪族の力を削ぐために皇親を重要ポストに登用していたイメージが定着してると思うが、むしろ皇親を臣下化する(官僚制度のなかに位置づける)ことが目的だったという説。

    0
    2023年07月13日