山本七平の作品一覧
「山本七平」の「「空気」の研究」「池田大作と日本人の宗教心」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「山本七平」の「「空気」の研究」「池田大作と日本人の宗教心」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
●感想要約:
日本社会を支配する「空気」という無言の圧力を分析し、理性よりも場の雰囲気に流される危うさを指摘する.著者の洞察は現代にも通じ,思考停止を戒める鋭い警鐘として心に響いた.「水を差す」行為が重要ではないかと感じた.
●科学博士の書評指数:
楽しみ度:★★★☆☆
共感度 :★★★★☆
学び度 :★★★★★
話題度 :★★☆☆☆
お薦め度:★★★★★
●本の概要:
日本社会を支配する無言の同調圧力「空気」という概念を分析した評論である.著者は,理性や論理ではなく「空気」によって意思決定が行われる日本の特徴を,太平洋戦争の戦時体制などの具体例を通して明らかにする.個人の判断よりも場の雰
Posted by ブクログ
「空気」が醸成される原理原則は、対象の臨在感的把握である。そして臨在感的把握の原則は、対象への一方的な感情移入による自己と対象との一体化であり、対象への分析を拒否する心的態度である。
兵庫県知事への「空気」が気になり本書を通読。人が自死している事実が、臨在感的把握で絶対視され、自死させた知事が悪いという感情移入、対象との一体化が、冷静な疑問を呈するコメンテーターを一掃する「空気」をつくったとみると判り易い。森友問題で自殺者が出た時も同様の「空気」ができたが、なぜか鎮静化できたのは、冷や水を差す行為があったか、その「空気」を上回る別の「空気」が官邸とマスコミとにあったのか?ジャニーズ問題も同様
Posted by ブクログ
鎌倉幕府、三代執権北条泰時を中心とした、日本的革命論
公家から武家への階級闘争は、鎌倉幕府の成立ではなく、承久の乱の過程で生じたと論ずる。
東国を支配していた鎌倉幕府は、それまで、西国については、支配することはできていない。天皇および上皇・院が西国を支配していたからだ。
しかし、乱以降は、京都に六波羅探題を置き、以後明治に至るまで、武家が全国統一して日本を支配することになるのである。
北条泰時の偉業は以下のとおりである。
・ゆるやかな武士の連合である、鎌倉幕府が、京都の天皇連合軍を破り、源頼朝でさえ成し遂げられなかった武家の全国統一を成し遂げた。
・三上皇を地方に流して、鎌倉幕府に都合の
Posted by ブクログ
マックス・ウェーバの「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」に、対して、山本七平がぶつけてきた、「日本資本主義の精神」論。
日本の伝統と倫理に根づいた日本的特質を論じたものである。
そして、江戸時代の三人から描かれている。それは、鈴木正三、石田梅岩、そして、上杉鷹山である。
気になったのは以下です。
・では、いったい、日本資本主義の「見えざる原則」は何なのか。という疑問である。ここで忘れてはならない点は、その「見えざる原則」が外部にとっては確かに「見えざる」だが、内部においては当然自明の原則であり、それを少しも隠さずに、堂々とそれで動いているということである。商店の番頭は、「日本資本
Posted by ブクログ
「思考すること」と「自分の軸」の大切さ。
生きていく上で、「空気を読む」ことは重要ではあるものの、同時に嫌気がさすこともある。職場では特に、空気を読む機会が多く、その空気に屈する機会も多々ある。言いたい意見も空気を読んで発言しないとか、そもそも自由に言えるような空気じゃないとか、そんな空気を何度も味わった。そもそも空気ってなんだろうと思い、この本を読んでみた。
空気とは
・感情移入の絶対感
・こうあるべきであるという絶対感
によって生まれる。
感情移入の絶対感とは、例えば上司が「俺がいいと思うからお前らもそう思うよな」とか「こんなのできて当たり前だよな」といった個人の感覚によるものを出して