山本七平の作品一覧
「山本七平」の「「空気」の研究」「聖書の常識」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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Posted by ブクログ
上下巻を通して特に印象に残ったのが、「百人斬り競争」についての考察です。
私は昔この話を聞いた時から、「あの繊細な日本刀で、しかも戦場で百人も斬れるものだろうか」と疑問を感じていました。
山本さんは実際に従軍した経験をもとに、当時の戦場の実態や日本刀の特性を挙げながら、その疑問を理路整然と説明されています。感情ではなく、経験と論理によって語られているので、とても納得できました。
そして何より心に残ったのは、「百人斬り競争」の記事がもたらした悲劇です。
一度報じられた内容は、多くの人に事実として受け止められ、その後も大きな影響を及ぼしました。山本さんの考察を読みながら、報道が人の人生や運命さえ左右してしまうことの重さを改めて考えさせられました。
だからこそ、何が報じられたのかだけでなく、「何が報じられなかったのか」という視点を持つことの大切さも強く感じました。
この本は戦争体験記であると同時に、情報とどう向き合うべきかを教えてくれる一冊でもあります。
歴史を学ぶときは、一つの情報だけを鵜呑みにせず、様々な資料や立場に触れながら、自分自身の頭で考え続けることの大切さを改めて感じました。
Posted by ブクログ
【書名と著者】
「空気」の研究
山本七平
【目的】
空気が云々というけれど、一体全体どういうことなのか。この空気の状態に肉薄するには本書を読まねばならないと思った。
空気に対する読む前の認識は以下。
空気とは、共同体の維持に寄与する主体なき意思決定の作用である。
共同体内の利害関係の対立が強ければ強いほど、作用が強い。
空気は客観的なデータ、事例、理論を超越して意思決定に関与する。
特徴は3つある。
・意思決定は権力者にとって都合のよいものである傾向が強い。
・権力者は意思決定の判断に対して、結果責任を負わない。
・権力者以外の共同体の構成員は意思決定が吉と出れば僅かの恩恵を享受するが、凶と出た場合の被害を全て負う。最悪の場合、死ぬ。
【読後感】
期待してた通りの、空気が研究された本ではなかった。ただ、空気の醸成と水を差すという概念を世に知らしめた点は大きな功績と思う。
一方で空気に水を差す方法論にまでは届いておらず、わたしの勝手だが求めていた実践知の手がかりはなかった。
一方で空気と水、西洋と日本を比較して引用多めで日本に物申すが主旨の本だったような気がする。
ただ、1970年台はインターネットもなく情報を得る方法がテレビと新聞と書籍と人、くらいに限られたのだろうから現代において山本七平が再度書くならどう書かれるのか、興味深いなと感じた。
【印象に残ったポイント】
・進化論と神話の矛盾に対するダブスタ
猿から人間が生まれた論説の時代だと、神武天皇は否定するがイエスキリストや釈迦やムハンマドは否定はしないのだな、不思議。
・昔のインテリ文章はとかくわかりにくい
自分の頭の中で名付けた概念を複数並べ、主張の論拠は冗長な引用で権威づけ、自分産の概念をこねくり回してわかりにくくじっく。論じる。
読者迎合無用の文書にノスタルジーを感じる。
・空気に対して水を差せ、が解なのか?
空気と水しかないと言いながら、水を差せるのも空気による
んだったら水を差す空気と差せない空気の違いは?と問いだけが残る。
Posted by ブクログ
小松真一氏の虜人日記などの記述から当時の日本の問題を論理的に考えられた作品。
当時の日本軍が悲惨で残酷な状況であったかがよくわかるものだった。いかにアメリカとの戦争が無理なものであったか、いかに杜撰な体制でのぞまれた戦争であったのかが分かるものとなっている。戦争から80年以上たっていて、戦争を体験した人はほとんど居なくなっている今日、戦争の恐ろしさを知れるとても良い本であると感じた。
また、現代にも通ずる問題が色々と書かれていて考えさせられるものだった。自分がまったく意識すらしていなかった問題などもあり、多くのことに気付かされた。この問題はどのように解決したらいいのだろうかと考えながら読むのも楽しかった。
Posted by ブクログ
文字がぎっちり詰まっている。難しい。分からん。こんなに難しい本だとは思わなかった。
開始数ページで既に「空気」がゲシュタルト崩壊した。空気とは何か。改めて考えると、辞書的な意味も取れなくなる。
以下、本書を読んだ私の理解。
「空気」とは自身の外部にある判断基準であり、共同体の中で共有しているものであり、客観的な事実とは無関係の、みんなで支える虚構である。
事実をもって「空気」に「水を差す」ことはできるが、その水を差せるという「自由」自体が空気を作り出しているので、水を差したところで問題は解決しない。
うーん、人に説明できない。誰かに解説してもらいたい。