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昭和52年の発表以来、40年を経ていまだに多くの論者に引用、紹介される名著。
日本人が物事を決めるとき、もっとも重要なのは「空気」である。
2018年3月にも、NHK Eテレ「100分deメディア論」で、社会学者・大澤真幸氏が本書を紹介し、大きな反響があった。
日本には、誰でもないのに誰よりも強い「空気」というものが存在し、人々も行動を規定している……。
これは、昨今の政治スキャンダルのなかで流行語となった「忖度」そのものではないか!
山本七平は本書で「『気』とはまことに大きな絶対権を持った妖怪である。一種の『超能力』かも知れない。」「この『空気』なるものの正体を把握しておかないと、将来なにが起るやら、皆目見当がつかないことになる。」と論じている。
それから40年、著者の分析は古びるどころか、ますます現代社会の現実を鋭く言い当てている。
「空気を読め」「アイツは空気が読めない」という言葉が当たり前に使われ、誰もが「空気」という権力を怖れて右往左往している。
そんな今こそ、日本人の行動様式を鋭く抉った本書が必要とされている。
『「水=通常性」の研究』『日本的根本主義(ファンダメンタル)について』を併録。
日本人に独特の伝統的発想、心的秩序、体制を探った名著である。
解説・日下公人
Posted by ブクログ 2023年01月10日
「思考すること」と「自分の軸」の大切さ。
生きていく上で、「空気を読む」ことは重要ではあるものの、同時に嫌気がさすこともある。職場では特に、空気を読む機会が多く、その空気に屈する機会も多々ある。言いたい意見も空気を読んで発言しないとか、そもそも自由に言えるような空気じゃないとか、そんな空気を何度も...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年01月16日
「空気」の研究
タイトル通り,「空気」について解いた本.
「空気」に翻弄される人と,それに「はてな?」と手厳しく詰める筆者のやりとりには痛快さを感じる.
「空気」は支配力を持った「判断の基準」であり,その内容が表現されることは避けられ,破った場合はその人を村八分に追いやる.そしてその力は理論的...続きを読む
Posted by ブクログ 2022年06月26日
日本人である私たちが自然と触れ合っていた、その時勢で流れる雰囲気や世論としての「空気」を論評しており、自分の日々の行動もその「空気」に左右されていることを振り返られる本。日本人の特性を多様な視点で説かれていて、『確かにそうやな〜!』と思い起こされつつ、「空気」にどう向き合うか、その「空気」を読むか、...続きを読む
Posted by ブクログ 2021年09月26日
日本における「拘束の原理」を解き明かしていく本
久々に難しい(抽象的な)本を読んだが、日本人のメンタリティを雑に要約すると、
①日本人は一神教徒とは異なり、「絶対的な基準」がない
②それなら全てを相対化できると思いきや、「絶対化の対象が無数にある」状態
③基準や支点となる、「臨在感的把握」の対象を求...続きを読む
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