「空気」の研究

「空気」の研究

693円 (税込)

3pt

昭和52年の発表以来、40年を経ていまだに多くの論者に引用、紹介される名著。
日本人が物事を決めるとき、もっとも重要なのは「空気」である。

2018年3月にも、NHK Eテレ「100分deメディア論」で、社会学者・大澤真幸氏が本書を紹介し、大きな反響があった。
日本には、誰でもないのに誰よりも強い「空気」というものが存在し、人々も行動を規定している……。
これは、昨今の政治スキャンダルのなかで流行語となった「忖度」そのものではないか!

山本七平は本書で「『気』とはまことに大きな絶対権を持った妖怪である。一種の『超能力』かも知れない。」「この『空気』なるものの正体を把握しておかないと、将来なにが起るやら、皆目見当がつかないことになる。」と論じている。

それから40年、著者の分析は古びるどころか、ますます現代社会の現実を鋭く言い当てている。
「空気を読め」「アイツは空気が読めない」という言葉が当たり前に使われ、誰もが「空気」という権力を怖れて右往左往している。

そんな今こそ、日本人の行動様式を鋭く抉った本書が必要とされている。
『「水=通常性」の研究』『日本的根本主義(ファンダメンタル)について』を併録。
日本人に独特の伝統的発想、心的秩序、体制を探った名著である。


解説・日下公人

...続きを読む

「空気」の研究 のユーザーレビュー

\ レビュー投稿でポイントプレゼント / ※購入済みの作品が対象となります
レビューを書く

感情タグBEST3

    Posted by ブクログ 2023年01月10日

    「思考すること」と「自分の軸」の大切さ。

    生きていく上で、「空気を読む」ことは重要ではあるものの、同時に嫌気がさすこともある。職場では特に、空気を読む機会が多く、その空気に屈する機会も多々ある。言いたい意見も空気を読んで発言しないとか、そもそも自由に言えるような空気じゃないとか、そんな空気を何度も...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2022年12月28日

    これは日本文化論として、大事な分析だと思う。空気は確実に存在し、時間が立つと雲散霧消してしまう。海や空、米軍の強さを知りぬいた海軍エリートがなぜ戦艦大和をして、沖縄特攻に向かわせたか。
    コロナ禍の日本でもこの「空気」が未だに続いている。

    0

    Posted by ブクログ 2022年05月18日

    よく「空気が読めないやつ」、とか「そういう空気だった」、とかいう「空気」について、わかりやすい例を上げながら解説されていて面白かった。とはいえ「水」のあたりからだんだん頭がついていけなくなってしまったので、手元に置いてときたま何度も読みたい。

    0

    Posted by ブクログ 2022年01月16日

    「空気」の研究

    タイトル通り,「空気」について解いた本.

    「空気」に翻弄される人と,それに「はてな?」と手厳しく詰める筆者のやりとりには痛快さを感じる.

    「空気」は支配力を持った「判断の基準」であり,その内容が表現されることは避けられ,破った場合はその人を村八分に追いやる.そしてその力は理論的...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年06月18日

    日本人特有の空気。
    何より水をさすの水の話も面白い。
    太平洋戦争だけでなく、西南戦争の話は必読です。

    0

    Posted by ブクログ 2023年07月25日

    本著は「空気を読む」とか「その場の空気」などと言われる「空気」とは何かについて論理的に検証した本です。
    あらゆる理論や論理を超える「空気」の正体を解明していく本著ですが、私には難しく感じられました。
    ぜひぜひ読んでみてください。

    0

    Posted by ブクログ 2022年12月26日

    全体を支配する空気。
    水に流すの意味。
    色々と考えることの多かった本でした。
    ただ、書かれた時代の事柄を例にした部分が多過ぎて話が分かりにくい部分がある。
    本書を最後まで読むのには、そこを上手く理解して(流して?)読み進められるかどうかに係っている。

    0

    Posted by ブクログ 2022年06月26日

    日本人である私たちが自然と触れ合っていた、その時勢で流れる雰囲気や世論としての「空気」を論評しており、自分の日々の行動もその「空気」に左右されていることを振り返られる本。日本人の特性を多様な視点で説かれていて、『確かにそうやな〜!』と思い起こされつつ、「空気」にどう向き合うか、その「空気」を読むか、...続きを読む

    0

    Posted by ブクログ 2021年10月16日

    目に見えないが私たちの回りを満たす空気と水。その不可思議な力を説き起こしています。正直よく分からないところも多くありましたが、雰囲気は伝わったと思います。後々になって、「あっ、これか」という気付きにつながりそうな予感です。

    0

    Posted by ブクログ 2021年09月26日

    日本における「拘束の原理」を解き明かしていく本
    久々に難しい(抽象的な)本を読んだが、日本人のメンタリティを雑に要約すると、
    ①日本人は一神教徒とは異なり、「絶対的な基準」がない
    ②それなら全てを相対化できると思いきや、「絶対化の対象が無数にある」状態
    ③基準や支点となる、「臨在感的把握」の対象を求...続きを読む

    0

「空気」の研究 の詳細情報

閲覧環境

  • 【閲覧できる環境】
  • ・ブックライブ for Windows PC(アプリ)
  • ・ブックライブ for iOS(アプリ)
  • ・ブックライブ for Android(アプリ)
  • ・ブックライブ PLUS for Android(アプリ)
  • ・ブラウザビューア

※アプリの閲覧環境は最新バージョンのものです。

この本をチェックした人は、こんな本もチェックしています

文春文庫 の最新刊

無料で読める ノンフィクション

ノンフィクション ランキング

山本七平 のこれもおすすめ

同じジャンルの本を探す