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勤倹貯蓄、これは実に長い間の日本人の徳目であり、これを行なうことが美徳とされて来た。美徳とされて来たことはそれが一つの独立した価値、いわば宗教的ともいえる価値をもっているからであり、それが価値を持ちうることは、一つの思想の帰結だからである。 では一体その思想はどのように形成され、どのような影響を与え、どのようにして現在に結果しているのであろうか。それを探求しようと試みたのが本書である。本書が、自己を律している伝統的規範を明らかにし、将来への予測の一助となり得れば幸いである。
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Posted by ブクログ
鈴木正三と石田梅岩の思想を読み解きながら、日本人の勤勉性がどのような性格のものであるかということを明らかにするとともに、非西洋諸国であるにもかかわらず日本が近代化に成功した理由をさぐる試みがなされています。なお巻末には、小室直樹による70ページを超える分量の「解説」が収録されています。 マックス・...続きを読むウェーバーは、西洋において資本主義が成立した理由を、プロテスタンティズムのエートスのうちに求めました。これに対して著者は、神道・儒教・仏教をひとつに帰するものとしてあつかい、プラグマティックに「薬種」として参照しながら「勤勉」という、日本人に受け継がれているエートスにせまった思想家として、鈴木正三や石田梅岩らを参照しています。著者によると、剣道や書道といった「道」への随順によって一種の悟りに達することができるという彼らの思想は、農業や商業といったそれぞれの労働のなかに「生きがい」を見いだす態度に通じています。こうした職業観のおかげで、日本は非西洋諸国であるにもかかわらず、資本主義の精神が定着することが可能になったと著者は主張しています。 梅岩にかんしてはわたくしはほとんどなんの知識ももっていないので、著者のような理解のしかたがはたして正しいのかどうかわからないのですが、すくなくとも正三の禅道にかんしては、著者の理解と禅思想家の秋月龍珉の理解には、かなりへだたりがあるように感じます。なによりも正三は禅者であり、世俗的な価値観の否定をひとたびくぐり抜けたうえで「道」に徹するという立場が説かれているのに対して、著者の解釈では世俗的価値観から一歩も抜け出ることはおこなわれておらず、そのうちに埋没しているといわざるを得ません。わたくしには、こうした著者の解釈は、龍珉のそれにくらべると魅力の乏しいもののように感じられました。
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