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かつてあった川、暗渠の存在を知るとまち歩きが一気に楽しくなる。著者は、歴史を掘り下げ情緒豊かに描き上げる吉村生と、調査データを元に俯瞰的に暗渠に迫る髙山英男、二者が織りなす暗渠偏愛本。東京(杉並、巣鴨、荒川等)をはじめ近郊三県、札幌から那覇、台北まで。文庫化にあたり、下北沢、横浜、豊橋(暗渠上ビル)、堺(古墳)の暗渠40頁分を書し下ろした。
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Posted by ブクログ
面白い。こう言う目線で町を見ることが無かった。家族が東京に住んでいて、やたらに緑道が目に付いたのが手に取るきっかけ。この本のおかげで私の住む地域の暗渠にもアンテナを巡らす事ができた。
・ 私が吉村生・高山英男「暗渠マニアッ ク! 増補版」(ちくま文庫)を買つたのは暗渠好きだからではない。暗渠とはおもしろさうだといふ程度の興味からであつた。つまりはいつもの本を買ふ理由と大差ない。ところが買つて目次を見て驚いた。本書の増補の1つ、第7章 「新たな観光資源としての暗渠探訪」の3つ目に「...続きを読む水上ビル、 酒と肴と水路と人と 愛知県豊橋市」といふのがあるではないか。「新たな観光資源としての暗渠」である。あれはさういふものになりうるのか。かういふ見方もあるのだと思つたものである。この一編で本書は、私にはおもしろい本だといふことになつた。 ・水上ビルと言へば豊橋市民なら知らない人はないはずである。その名の通り水上に建つビ ルである。水上と言つてもそこが暗渠である。用水の上に蓋をしてビルが建つてゐるのである。「水路の上に被さっているすべてのものを、『暗渠蓋』と呼んでいる。暗渠蓋はコンク リート製の板であることが多いが、時たま、想像の斜め上をゆく物件と出会うことがある。とりわけ驚かされたのは、『ビル蓋』だ。」(271頁)このビル蓋は3棟あつて、「その蓋の名は豊橋ビル、大豊ビル、大手ビルで、あわせて通称『水上ビル』、その長さ800メートルである。」(同前)当然「てくてく歩いてゆけば、ビルの合間に橋が残されている。」(同前)これを吉村氏は「類を見ない珍景だ。」(同前)と書いてゐる。私などは子供の頃から見てゐるから、「珍景」と言はれても全くピンとこない。下に水が流れてゐるのだから、橋があつて当然だと思つてゐた。本書にはこの類の橋の名残がいくつか出てゐるが、その中でも珍しいものであるらしい。「一昔前は、豊橋のみならず全国に水路上建築物の事例はあった。(中略)現行の法律では、水路の上に建物は建てられない。つまり、その建物が消えれば、二度と水上に建つことはない」(同前)といふ。言はば水上ビルは絶滅危惧の暗渠蓋である。さういふものだとは知らなかつた。そんなに珍しいものではない、ごく普通の風景だと思つてゐた。ところがさうではないのである。本書を読むまではそれを知らなかつた。探せば地元の人の書いたこの類の文章等もあると思ふが、それにしてもかくも珍しいものであるとは。あれは「珍景」であつたのかと思はず納得してしまつたのである。水上ビルに関する簡単な説明もある。下の用水に水は流れてゐるといふ。「今は田んぼが減ったので、少しずつずっと流れている」(274頁)さうである。 開渠部の用水を見ると「少しずつ」かどうかは分からないが、 確かに需要期以外でも水は流れてゐるらしい。と、まあ、水上 ビルのことを書いてきたのだが、実は豊橋駅近辺の暗渠はここだけではないといふのが私の更に知らなかつたことである。「新幹線を降りてすぐ、西口の飲み屋街を見にゆき、そして違和感を覚えた。」(同前)とある。豊橋では西口と言はずに西駅である。この駅から見て右側に飲み屋が並んでゐる。ここがあやしいと言ふのである。私は名古屋へ行く時、こちらの駐車場を使つてゐた。だからこのあたりはよく知つてゐるつもりな のだが、暗渠のことを知らないゆゑに違和感を覚えたことはなかつた。ところがさすがプロ、 いやマニアの吉村氏、1度でそれを見破つたのである。「微妙な曲がり方に地面の盛り上がり(中略)わたしの嗅覚が正しければ、下に川があるはずだ。」(同前)といふことで、暗渠蓋、ここは普通の蓋である、を見つける。このあたりの嗅覚はさすがである。と書いてゐたら字数が尽きた。暗渠はかくもお もしろいの1例である。観光資源としての水上ビル、最近の流行りであつた。
<目次> 序章 ようこそ暗渠ロジーへ 第1章 暗渠、私の「見方」 第2章 名所と暗渠 第3章 境界と暗渠 第4章 湧水と暗渠 第5章 暗渠への視線 第6章 東京近郊一都三県、暗渠勝負! 第7章 新たな観光資源としての暗渠探訪 <内容> 2015年刊の「暗渠マニアック」(柏書房)は...続きを読む読んでいる。その増補版。著者の吉村さんが女性なのに驚き(最初に読んだときにもそうだったはずだが)!まあ、ともかく濃すぎ!彼らの啓蒙により、自分も暗渠への視線を持ち始めたが、ここまで突き詰めていない。自分はどちらかというと、地形を見てしまう(ちょっとタモリ寄り?)ので、谷筋とかから考えていく。マニアはここまで行くんだな、と感心しつつ、自分の「銅像愛」も変わらないか…と思う。
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