作品一覧
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3.01巻1,320円 (税込)和食の原型は江戸時代に形作られた。そう聞くと江戸の料理は素朴なものだったと思われるかもしれないが、さにあらず。魚は天然、野菜は有機、その上調理方法にも技巧が凝らされており、江戸の食文化はとても豊かだった。例えば刺身一つとってみても今はたいてい醤油を添えるが、江戸時代は魚の種類ごとに煎り酒や生姜酢などの各種調味料を使い分けていた。薬味もわさびだけでなく、からし、おろし大根、蓼など多様だ。本書ではそんな豊かな江戸の料理と食材を季節ごとに紹介し、各種行事食の由来も解き明かす。第一人者による人気連載を初書籍化。江戸時代の図版も約150点収録。
ユーザーレビュー
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Posted by ブクログ
面白いとは言う中身ではなく、蘊蓄、更には教養の一環に歯素朴なものと思われて来た和食うな説明 その面影を感じさせる当時の挿絵をふんだんに掲載した文庫本。
中身ずっしりです。
筆者は教鞭をとりつつ 歌舞伎世界で料理を再現する裏方を長年なさって来た御大。帯に有るように当時の食生活が素朴なものと思われて来た和食を隅々まで語りつくさんかの様なち密な分析紹介をしている。
今の社会,時代と大きく異なるその時間の流れがあり 電気が無かった時間は太陽の元での自然との営みを中心に あらん限りの力を駆使した そんな生活を感じた。
今は鶏・豚・牛~それも食肉用に飼育した肉が中心だが、当時の多彩な獣肉食生活にはち -
Posted by ブクログ
・松下幸子「江戸 食の歳時記」(ちくま文庫)を読んだ。書名通りの書である。歳時記とある通り、春夏秋冬に分けて約50の話題でできてゐる。そのものズバリの食物は少なく、「おせちの移り変わり」に始まり、「蕎麦屋と年越し蕎麦」で終はる。その間、きんとんや鯛、鮎、瓜、サンマ等が出てくる。いづれも当時の料理書からの紹介を中心に、著者自身がそれを作つた時の経験談等が入つてゐる。書物ゆゑに味も臭ひもしないが、そこは想像力をたくましくして読む。しかし、分かつたような分からないやうなであるのはどうしやうもない。そんな中でも、私におもしろかつたのが冬であつた。冬は「江戸の飴と飴売り」から始まる。最初に飴の製法を述べ