福家崇洋の作品一覧
「福家崇洋」の「思想史講義【戦前昭和篇】」「思想史講義【大正篇】」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「福家崇洋」の「思想史講義【戦前昭和篇】」「思想史講義【大正篇】」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
大正期を代表する思想と歴史を、15の講義と11のコラムにより論じたもの。
編者の「はじめに」で大まかな見取り図が示されている。明治期の政府は、文明化の推進と「国体」の確立をめざした、しかし、この試みは、天皇の死と代位に伴う「国体」のほころび、及び第一次世界大戦の衝撃による文明化の変容(西洋化ではない「文化」の発見)により大正期に入るころから変化を強いられてきて、それがこの時代の思想や運動に現れてくるという。
興味を持ったところを以下簡記。
吉野作造の民本主義(第3講)や天皇機関説論争(第2講)、大正マルクス主義(第5講)や大正アナーキズム(第6講)などは定番のテーマだが、要領よくまと
Posted by ブクログ
この昭和戦前期を「国体」の再構築と「文明化」の超克が目指された時代として意義付け、それに応じたテーマで各講が取り上げられる。一つ一つがかなりの歴史的背景を持ったものであるので、項目によっては消化不良を感じるものもあるが、最新の研究動向を知ることができて大変勉強になる。興味を持ったものについては、各講末に付されている<さらに詳しく知るための参考文献>によって、更に深堀りすることもできるだろう。
以下、個人的に特に興味を持ったもの
〇第3講「講座派と労農派」
講座派と労農派の対立点などについて一応の知識は持っていたが、両者の相違点がよりクリアに理解できた、①日本資本主義の発展の起点となった