福家崇洋のレビュー一覧

  • 思想史講義【大正篇】

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     大正期を代表する思想と歴史を、15の講義と11のコラムにより論じたもの。
     編者の「はじめに」で大まかな見取り図が示されている。明治期の政府は、文明化の推進と「国体」の確立をめざした、しかし、この試みは、天皇の死と代位に伴う「国体」のほころび、及び第一次世界大戦の衝撃による文明化の変容(西洋化ではない「文化」の発見)により大正期に入るころから変化を強いられてきて、それがこの時代の思想や運動に現れてくるという。

     興味を持ったところを以下簡記。
     吉野作造の民本主義(第3講)や天皇機関説論争(第2講)、大正マルクス主義(第5講)や大正アナーキズム(第6講)などは定番のテーマだが、要領よくまと

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    2024年02月02日
  • 思想史講義【戦前昭和篇】

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     この昭和戦前期を「国体」の再構築と「文明化」の超克が目指された時代として意義付け、それに応じたテーマで各講が取り上げられる。一つ一つがかなりの歴史的背景を持ったものであるので、項目によっては消化不良を感じるものもあるが、最新の研究動向を知ることができて大変勉強になる。興味を持ったものについては、各講末に付されている<さらに詳しく知るための参考文献>によって、更に深堀りすることもできるだろう。

     以下、個人的に特に興味を持ったもの
    〇第3講「講座派と労農派」
     講座派と労農派の対立点などについて一応の知識は持っていたが、両者の相違点がよりクリアに理解できた、①日本資本主義の発展の起点となった

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    2023年09月30日
  • 思想史講義【明治篇Ⅰ】

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    <目次>
    第1章  王政復古
    第2章  祭政一致
    第3章  公議
    第4章  修史
    第5章  万国公法
    第6章  征韓と脱亜
    第7章  自由民権
    第8章  政論
    第9章  郡県と封建
    第10章  富国強兵
    第11章  文明開化
    第12章  人種改良
    第13章  国語
    第14章  自治
    第15章  衛生
    第16章  元気

    <内容>近現代の思想史のシリーズ第1巻。前半は政治史などとリンクしやすかったが、中盤以降難しめになり、後半は教科書レベルではついていけなかった。

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    2023年04月08日