作品一覧

  • 思想史講義【明治篇II】
    -
    ひとつの時代が終わり、新たな時代が幕を開けつつあった明治20年頃の日本。その中心にあったのは立憲政治の開始。それはいまからは想像しづらいほどの大事件だった。大日本帝国憲法に始まる、超然主義、民力休養、教育勅語など立憲政治の役者から、平民主義、国民主義、国粋主義など様々な新時代の「主義」、世紀転換期に意味が大きく変わった批評や宗教、日清・日露戦争後の日韓合邦論、東西文明論、そして明治末年の「新しい女」まで、当時の言葉から思想史を豊かに紡ぎ出す。
  • 思想史講義【戦前昭和篇】
    3.0
    「大正デモクラシー」から「ファシズム」・戦争へと移行した戦前昭和期は「国体」の再構築と「文明化」の超克がめざされた時代だった。大正期の民主化運動は衰退し、アジア回帰、国家総動員、文化主義は戦前昭和期にアジア進出、総力戦体制、日本主義・国体論へと展開。大正期の「文明化」との差異化が「転向」の時代をへて「近代の超克」へ推し進められていった。様々な思想がせめぎ合い、複雑に絡み合いつつ日本がいかに戦争へと向かい、戦争を遂行したかを最新研究に基づき検証する。
  • 思想史講義【明治篇Ⅰ】
    3.0
    四巻シリーズによる近代日本思想史の起点となる本書では、明治維新をめぐるさまざまな思想を考察する。文明開化は単なる「西洋化」だったのか。富国強兵は本当に維新当初からスローガンだったのか。最新の実証的研究に基づく16のテーマと8本のコラムにより、諸思想を掘り下げて検討。多彩な論点で歴史を行きつ戻りつたどることで、思想史の力を引き出し、従来の単線的な明治維新像を刷新する。過去を考える意味とおもしろさがわかる、これまでにない明治維新思想史入門。
  • 思想史講義【大正篇】
    3.0
    明治~戦前昭和の思想史を通覧する四巻シリーズの第1回配本の本書では、大正期に焦点を当てる。明治以来の「国体」の確立と文明化推進の動きはこの時期に変容し、現存する日本を改造し解放への希望を与える思想と運動が盛んとなった。国家主導だった文明化と「国体」の設定を、民衆の側から再設定する動きが広がり、知識人や運動家がその動きを担っていく。こうした大正期の多様な思想を15のテーマと11のコラムで、最新の研究成果と学術的知見を交えつつわかりやすく解き明かす。
  • はじめての明治史 ──東大駒場連続講義
    3.9
    1巻935円 (税込)
    「幕府はどうして倒れたのか?」から「明治はどのように終わったのか?」まで―大きな問いに答える形で、第一線の歴史家が東大駒場で連続講義。近代日本の原点を探る、知的探究への誘い。
  • 天皇の歴史1 神話から歴史へ
    値引きあり
    3.3
    1~10巻885~1,116円 (税込)
    三輪山の麓、大和に生まれた王権はどのように古代国家を形成したのか。古事記、日本書紀に描かれた神話の解読や考古学の最新成果などから、神武以降の天皇の実像を解明。群臣に擁立された天皇中心の畿内政権が、全国を統一していく過程を検証する。また東アジア情勢の緊張により、大化の改新が引き起こされ、律令国家形成が促進された背景も明らかに。天皇号と日本の国号の誕生も解析し、日本の歴史の原点を究明する。

ユーザーレビュー

  • はじめての明治史 ──東大駒場連続講義

    Posted by ブクログ

    幕末の江戸幕府や明治時代への印象が変わる本。
    徳川家茂は一橋派との跡継ぎ争いに勝利し将軍の地位についたものの若くして病死した程度の印象しかなかったが、実際には積極的に上洛を行っていたらしい。
    また、江戸幕府は保守的だったため倒れたのではなくむしろ改革を行ったことにより瓦解していったという見方も面白かった。
    そして始まった明治時代に関しても、江戸幕府が倒れた後武士は一体どうしていたのか、明治時代の終わりはどのようなものだったか等が、明治時代の人間の視点から考えられている点も良かった。

    0
    2023年11月16日
  • はじめての明治史 ──東大駒場連続講義

    Posted by ブクログ

    明治史は高校までの歴史の授業では、あまり深く教えられていないと感じているが、大学でこのような講義が行われていることに感心した.明治維新の内容を細かに追跡した 第二講 幕府はどうして倒れたのか? は、まとまった論考だ.文久インパクトと名付けた解説は秀逸.第六講 日露戦争はどうして起きたのか? も、元老の存在を前面に掲げて解き明かす感じのストーリーは楽しめた.また、第五講で解説されている「華族」については、知らないことの連続だった.面白かった.

    0
    2019年06月30日
  • はじめての明治史 ──東大駒場連続講義

    Posted by ブクログ

    2019年3冊目。日本史は受験科目ではなかったので、明治史は大きな出来事しか知らなかったけれど、この本でいろいろなことを知ることができました。徳川幕府は倒されたのではなく瓦解したのだとか、内閣総理大臣の権力は強くなかったとか、日露戦争の前には満韓交換論で纏まろうとしていたなど。
    そして、明治天皇、大正天皇、昭和天皇と崩御の際の祭り事が少しずつ簡略化されてきていることは、今上天皇の御退位に向けて、最も参考になりました。昭和の終わり、M社では事前に喪章を準備していて、崩御の報と同時に店の社員、アルバイトさんに喪章を付けるよう連絡しようとした時、当時の副社長級の方から、準備していたという印象を与えな

    0
    2019年01月11日
  • はじめての明治史 ──東大駒場連続講義

    Posted by ブクログ

    明治維新150周年が終わったとたん、明治に興味が涌く。。ちくまプリマーにしては難しめだと思うけれど、だからこそ学ぶところ多し。

    0
    2019年01月04日
  • はじめての明治史 ──東大駒場連続講義

    Posted by ブクログ

     最近,「西郷どん」の影響か,明治が気になります。
     本書を読むと,「明治時代とはどんな時代だったのか」…その概略がつかめます。年号と天皇の世が一致していた最初の時代。天皇は死んだ後,明治天皇と呼ばれていますが,こういう風な諡のようなことは,明治からです。明治・大正・昭和・平成…このような日本のやり方がこれからも続くのか,それとも年号や天皇などはなくなっていくのか,それは,後世の国民の選択に俟つべきでしょう。
     少なくとも,この明治の時代は,そこで生きていた本人たち自身が「私は明治の時代を生きている」と思っていたということです。だからこそ,「明治史」という視点で歴史を見る必然性も出てくるのでは

    0
    2018年12月02日

新規会員限定 70%OFFクーポンプレゼント!