作品一覧 2023/11/22更新 漢唐法制史研究 試し読み フォロー 韓非子 不信と打算の現実主義 試し読み フォロー 中華帝国のジレンマ ──礼的思想と法的秩序 試し読み フォロー 中国義士伝 節義に殉ず 試し読み フォロー 中国歴代刑法志 試し読み フォロー 木簡・竹簡の語る中国古代 増補新版 書記の文化史 試し読み フォロー 四字熟語の中国史 試し読み フォロー 1~7件目 / 7件<<<1・・・・・・・・・>>> 冨谷至の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 韓非子 不信と打算の現実主義 冨谷至 韓非→始皇帝→焚書坑儒。この図式は儒家にとって嫌悪するものでした。漢籍を学ぶもの(儒家)は韓非をことさら貶めてきました。 韓非子のなかに老子が収録されているのも、ことさら法家(韓非子)の宣伝工作のようなものだと批判してきました。 老子、韓非子の本文を精査するのではなく感情論が先行していたのではな...続きを読むいでしょうか。 著者は、老子と韓非の結びつきを明らかにしました。つぎのように述べています。 「萌芽の措置」という韓非の主張が老子に思想的根拠を見つけたこと、ここに両者の交渉の一端があったのだと考えたい。(第三章 韓非と法家思想) 漢籍から学問へ、中国古代思想の研究が根をおろしたようです。 Posted by ブクログ 韓非子 不信と打算の現実主義 冨谷至 紹介文に「その冷徹な思考は秦の始皇帝をも魅了し・・・」「究極の現実主義」などと書いてあって興味を持った。今まで全然知らなかったのだが、読んでびっくり、ロジカルですばらしい考え方だ韓非子は。これは著者の説明もうまいかも。 「君主は法に従って、臣下は法を師として、あたかもメジャーをあて、量を測るごと...続きを読むくに案件を粛々と処理していけばよい。そこには、非凡な政治的手腕、行政的力量は要求されない。」 「韓非の主唱する法による統治は不条理な法適用、残酷な刑執行、恐怖政治では決してない。きわめて理にかなった、現実的な考え方であり、むしろ理屈に合わず、情に流され、それゆえ論理性に欠けるのは儒家の徳治主義なのかもしれない」 このように、性善説はお話しにならず、せめて性悪説を、理想的には韓非思想をということになるのだが、現代の企業ではまるで逆になってしまっている。社員を信じる性善説的経営はすばらしく、管理ばかりの性悪説経営はダメと言われる。現代の感覚が間違っているのではないか?自分もサラリーマンだから厳しいのは嫌だけど、韓非子のようなルールにのっとった信賞必罰の経営こそが目指すべきものではないかと思う。 最後に、韓非子は現実的で完成度が高すぎるが故に、本音と建前という新たな現実主義を生み出したという皮肉もおもしろかった。 Posted by ブクログ 木簡・竹簡の語る中国古代 増補新版 書記の文化史 冨谷至 蔡倫=紙の発明者ではなかったということが語られます。 そこから始まる古代の紙発見の流れ、そして紙が 発明されたのになぜ木簡、竹簡を使うのかという 疑問(本題)へと話は移っていきます。 木簡、竹簡にも様々な種類や用途があるということを 図や写真で分かりやすく提示してくれています。 また、書写材料の変...続きを読む遷や、字体の変化、書記官の仕事など 木簡、竹簡に関りのあるところもしっかり書かれているので この時代の雰囲気を感じることが出来ます。 木簡、竹簡の歴史を知るためには とても分かりやすくて読みやすい一冊だと感じました。 Posted by ブクログ 韓非子 不信と打算の現実主義 冨谷至 まず序文にある古代中国における法医学の現代性に驚く。 人間とは何ぞやという点は無視して、法の整備で社会を回していこうやという韓非子の先見性にも驚かされる。 Posted by ブクログ 韓非子 不信と打算の現実主義 冨谷至 韓非は性悪説の立場に立っている。非違の行いを礼による徳化で矯正するとした 荀子の考えに対し、法によって抑えるべきだと主張した。 徹底した現実主義者で現代の多様な価値観の中でも十分通用する内容をふくんでいる。 自分の主張が自分の国に受け入れられず、敵対する秦の始皇帝に重用され、秦が大陸を統一...続きを読む、大帝国を打ち立てたという歴史はなんと皮肉なことだろう。 Posted by ブクログ 冨谷至のレビューをもっと見る