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人士に求められる節義とは何だろうか。蘇武、顔真卿、文天祥は、それぞれ漢、唐、南宋にあって、過酷な運命に身を置きながら己の節を貫き通した。匈奴に捕らわれ、二十年間、服従を拒み続けた蘇武。安禄山の乱に際し義兵を挙げ、捕殺された顔真卿。モンゴルに追われた南宋の亡命政権を支えようとして抵抗するも、幽閉、処刑された文天祥。己の生きた時代の価値観に殉じ、ノブレス・オブリージュを体現した男たちの生き様とは。
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Posted by ブクログ
日本政府が北方領土を包囲した軍事演習を行い「もし今日戦争が起きたら、これが答えだ」とは言わない。仮に日本国民が残っていれば安全に待避させ、その上で然るべき措置を取るはず。昨日、どうやら彼の国は内政問題であるはずの台湾に対し、その主張の誤りを自ら証明するような威圧をかけたらしい。自国民保護を優先しない...続きを読む(=自国ではないから)。軍事政権国家の欺瞞や稚拙ぶりを浮き彫りにする行為だ。 一方で、経済的にも怪しくなった至近時の情勢に対しギリギリの均衡を保つのは強い権力者でなければならない。民主主義では支持率が高まった時こそ戦争リスクが高まるが、権威主義では権力が不安定なほど軍の暴走を抑えにくい。まだ習近平体制は強いのだから、人民解放軍の100周年には軍事力で併合するのではなく、民主化をカードに真の内政問題に歩み寄るような平和的判断をして貰いたい。さもなければ、隠蔽したがる天安門事件をさらに超える有事で、正統性なく暴力で支配する為政者として歴史に汚名を残す事になるだろう。 来年が今より平和であるように。 本書の核となるテーマは「節義とは何か」という問い。蘇武や文天祥が命を賭して守り抜いた価値とは、単なる忠誠や義勇だけでなく、個人と共同体の倫理的な紐帯そのものであったと著者はいう。 節義なんてあったのだろうか。結論から言えば、中国に「節義」は確かにあった。ただしそれは「普遍的道徳」ではなく、制度と物語に支えられたもので、今それが薄れて見えるのは、制度・物語・生存戦略が変わってしまったからだ。 正統王朝という「守るべき中心」が消え、史書・科挙・廟祀による報酬体系がなくなり、「死して名を残す」価値観は失われた。清末から現代にかけて、「どこに忠誠を向けるべきか」が崩壊した。 「節義に殉ずる」ことが尊敬されずに損をする社会的価値観。毛沢東により、伝統的節義は「封建的」「反革命的」として断罪された。毛沢東は伝統的な「忠義・節義」を拠り所にする人間は、政治的に危険な存在として体系的に解体した。差別・迫害は忠義の向かう先とそれを正当化する知の体系に向けられた。 ー 蘇武の意志力、顔真卿の剛直、文天祥の不撓不屈、それは他のどのような社会習慣、制度が涵養することができるのか。彼らは、社会のいわゆる選良=エリートであった。エリートとは、その漢字表記が示すように、社会のなかで特に優良なえり抜かれた存在といえるが、一般とは違った、一般とは格段の差違をもつものであり、意識、責任、義務が一般人と同程度であることは許されず、同程度であればエリートではない。一般人よりもいっそう、負うべき責任、義務があると自覚し、それを実践せねばならない。社会のエリートとして選ばれた者が有する自覚、責任、義務、それはnoblesse oblige(高貴さが強制する義務)といわれる。私は思う。その社会、その時代の選良意識が強ければそれだけ節義、道義への自負が強い、逆に、「義」への意識は、選良であってこそ出てくるものではないだろうか。心生きもあらゆる方面で格差是正、平等が強調される今日の日本、学力均等、一億総中流意識のなかでは、節義の丈夫を生み出す環境は果たしてあるかと問えば、さあどうであろうか。 さあどうであろうか。 AIやデジタル化により、一人一人が集団の力を相対的に不要化する時代になり、ノブレスオブリージュの質感が変わってきている。だが一旦は人間の尊厳よりその価値を定量的に測る「お金や偏差値」を重んじる社会になっても、AIはやがて人間本来の魅力による序列を取り戻させるはずだ。過渡期の私たちは世知辛い。もう少しの我慢だ。 今年も終わる。少しずつ変わる。
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中国義士伝 節義に殉ず
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冨谷至
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