筑摩書房の検索結果
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引き裂かれた自己 ――狂気の現象学
世界から隔絶されているように感じられ、絶望的な孤独のなかで自分自身が分断されていく―統合失調症とはそうした病である。しかし、患者の世界に徹底的に寄り添い、彼らの声に真摯に耳を傾けていくなかでみえてくるのは、苛烈な現実に身を置かざるをえなかったひとりの人間が、それでもなんとか生きようと苦闘する、その姿である。従来の精神医療のあり方に疑問を抱き、反精神医学運動の旗手となった異才の精神科医R.D.レイン。その主著にして、ドゥルーズ=ガタリらの現代思想や、今日のサブカルチャーにも多大な影響を与えつづける古典的名著。 -
ひっくり返す人類学 ――生きづらさの「そもそも」を問う
常識をひっくり返して「そもそも」を問う思考法には、問題を定義し直し、より本質的な議論に導く力があります。学校教育や貧富の格差、心の病など、身近で大きな社会・環境危機に人類学で立ち向かう一冊。 【本書で扱う一例】ヘヤー・インディアンは「教わる」という概念を持たない⇒学校ってなぜ行くの?そもそも学ぶって何?/プナンは獲物もお金もみんなでシェアして貧富の差がない⇒格差や権力はそもそもなぜ生まれるの? -
「人妻」の研究
「ヒトヅマ」―既婚女性を意味するこの平凡な単語が、なにゆえ男たちの胸に、かくも狂おしく淫らに響くのであろうか?本書では、近・現代の文学作品や映画、ドラマ、歌謡曲のなかで性的関心の対象として描かれてきた人妻像を手がかりとして、男を惹きつけてやまぬ彼女たちの魅力の核心に肉薄するとともに、彼女らを恋愛や不倫へといざなう「仕掛け」について明らかにする。妻を知り己を知るために必読の一冊。 -
ひとり空間の都市論
同調圧力が強い日本社会における「ひとり」。彼らが異質な存在としてみなされる一方で、現実の日本の都市には、カプセルホテル、ひとりカラオケ、ひとり焼肉店など、ひとり客向けの商業施設が溢れかえっている。そもそも孤独と自由が背中合わせの都市生活では、「ひとり」でいることこそ、歴史的にも“正常”だったはずだ。今日ではさらに、「ひとり」が存在する空間は、モバイル・メディアの普及を受けて増殖し、新しい形態へと進化を遂げつつある。その新しい特性とは何か。「みんな・絆・コミュニティ」へと世論が傾くいま、ひとり空間の現況と可能性を、いまいちど問い直す。 -
ヒューマンエラーの心理学
たとえば直観的に動いて失敗した。だから今度はじっくり考えて行動したのに、やはり選択を誤ってしまった。または、はっきり記憶している経験が、実はぜんぜん違うものだった……など誰でも体験があるだろう。人間とは、間違える動物である。それは認知的な処理能力に制約や限界があるため。だが、それらを知って上手にいかせば、ミスを減らすことができる。自分のことは当然ながら、仕事や教育、災害現場などで、他人を思い通りに動かせるかもしれない。不思議な錯覚・錯視から危険な認知バイアスの理由まで、心理学が解き明かした、人間の知覚の本質とは。 -
評伝 市川房枝 ――日本最大の女性政治家
市川房枝(1893~1981)は戦後政治で異端の存在ながら、党派に属さない無所属議員として他に類を見ない国民の支持を得た政治家だった。戦前・戦時期には社会運動家として婦選運動を牽引し、戦後は87歳で亡くなるまで参院議員を務めた市川が、常に男性政治家によって動かされてきたこの国の政治世界で、生涯をかけて追求した「女が望む政治」とはなんだったのか。その生い立ちから、最晩年までの軌跡を詳細にたどり、政治理念と政治手法を明らかにする決定版評伝。 【目次】はじめに──混迷する政治と市川房枝/Ⅰ 戦前──1893年5月~1931年8月/第1章 生い立ち──時代の流れと運動家の形成/第2章 平塚らいてうとの出会いと別れ、そして渡米/第3章 イエ社会で婦選運動を展開──特殊日本的な保守社会と市川の対応/Ⅱ 戦時期──1931年9月~1945年7月/第4章 準戦時期・抵抗の実相──反戦活動と切り拓いた市民的活動/第5章 戦時期・転向の軌跡──「婦選の灯」のともし方/Ⅲ 戦後──1945年8月~1981年2月/第6章 占領期・公職追放──時代の寵児から「格子なき牢獄」の日々まで/第7章 クリーン・ポリティックスの模索──婦選の経験はどう引き継がれたか/第8章 「ストップ・ザ・汚職議員」運動への道──婦選の経験の今一つの展開/第9章 平和と女性の人権──婦選の政治の行き着いた地平/あとがき/主要参考文献/市川房枝略年表 -
評伝 岡潔
「K.OKAとはひとりの数学者の名前だったのか」。当代一流の世界の数学者たちをもってしても手に負えなかった難問の数々を、ただひとりで次々と解明し、深遠な高みに達した生得の数学者・岡潔。野の花を摘むように数学の果実を摘みながら、ベストセラー『春宵十話』をはじめとして多くのエッセイを通じ、日本人の情緒の奥深さを語り、大切さを説き続けた。数学の世界に日本的情緒を開花させた天才の思索と発見の諸相を、全生涯にわたり克明に描いた圧巻の評伝。全2巻のうち、第1巻は、人生を彩る多彩なエピソードを交えながら、誕生から絶頂期に向かう三十代までの軌跡を収録する。 -
平賀源内
18世紀江戸。内外の品を集めて全国物産会をひらき、戯作・浄瑠璃の人気作家となり、秩父に金山を開発、油絵を描き、オランダ製の静電気発生器エレキテルを復元……と多彩に活躍した平賀源内。さぬきの地に生まれ高松藩を脱藩し、のちに杉田玄白、司馬江漢、鈴木春信、大田南畝、小田野直武ら同時代人と広く交流、刺激しあった源内の生涯は、豊かなヴィジョンと果敢な試行錯誤、そして失意と焦燥と挫折とからなっていた。「分」と「仕来り」の時代にあって、自身の志と好奇心とによって奔放に生き、殺傷事件の果てに獄中で死去したとされる「非常の人」の生涯を鮮やかに描く、評伝文学の傑作。 -
広島第二県女二年西組 ――原爆で死んだ級友たち
原爆で全滅したクラス全員の死までの足どりとさいごの姿を求めて、 8月6日から15日までを再現する。 1985年第33回日本エッセイスト・クラブ賞&1985年日本ジャーナリスト会議JCJ賞奨励賞受賞作 8月6日、勤労動員にかり出された級友たちは全滅した。当日、腹痛のため欠席して死をまぬがれた著者が、40年の後、一人一人の遺族や関係者を訪ねあるき、突然に逝ったクラス全員それぞれの足跡をたどりながら彼女らの生を鮮やかに切り取った貴重な記録。「(遺族の)辛すぎて話したくない気もち、その後の40年間の苦しみも含めて、全員のことを書き残したかった。また同じ組で机を並べていた私が書く以上、単なる被爆記録でなく、一人一人を人間として書きたかった。」(あとがきより) 解説=山中恒 「広島市に住んでいる人が、雑魚場地区(爆心から約一キロの地点で多数の少年少女が死んだところ。第二県女の碑もここにある)の碑を見て、こんなところに碑があるなど知らなかったと驚いていた。風化に、私も衝撃を受けた。文庫版六刷を多くの人に、できることなら中、高校生に読んでもらい原爆の実相を知ってほしい。年若い、少年少女たちが犠牲になったことを忘れないでほしいと願う。(……)私が心の傷を忘れられる日があるとすると、それは、核兵器が完全に廃絶される時と思っている。被爆者のできることは実相を後世に残すことしかない。戦争を知らない若い人々にとりあえず、この本を読んでくださいとお願いしたい。」(「文庫版六刷にあたって」より) 【目次】 序章 8時15分―広島市雑魚場町 第1章 炎の中で 第2章 学校に帰った級友たち 第3章 “南へ”―業火に追われて 第4章 島へ 終章 8月15日 章外の章(1)耐えて生きる 章外の章(2)原爆と靖国 “スキャンダル”のあと―『広島第二県女二年西組』余聞 62年目の再開―『広島第二県女二年西組』余聞② 解説 生涯にひとつの作品 山中恒 -
美少年美術史 ──禁じられた欲望の歴史
神々が愛したかわいくエロティックなクピドたち。古代の英雄や皇帝たちを狂わせ、歴史の運命を大きく動かした少年愛のめくるめく世界。中世キリスト教社会で、激しい抑圧のなか密かに紡がれた同性愛的嗜好。そしてルネサンス期を迎え、ふたたび花開く男たちの肉体美――。西洋美術には美少年を描いた傑作が数多く存在する。彼らはなぜこれほどまでに芸術家たちを虜にし、その創造力をかきたててきたのか? ときに勇ましく、ときに儚げに描かれたその姿に、人類のどのような欲望が刻み込まれているのか? アート入門としても最適。カラーを含む200点以上の図版とともに辿るもうひとつの西洋史。 -
ビジネス英語を学ぶ
グローバル時代の現在、多くの会社で英語での実務が必須となっている。学生時代の辞書を引き引きの「読む」英語とは違う、「書く」「話す」「聞く」英語は、はたしてどのように勉強したらよいのか。著者は国際ビジネスの第一線で活躍したのちビジネス英語のプロになった異色の経歴の持ち主。その著者が自らの英語学習体験と国際交渉の経験をふまえて、ビジネス英語のエッセンスを解き明かす。「英語論理にもとづくコミュニケーションがうまくなれば英語も上達する」「英語は短文かつ単文であるべし」という持論を軸に、英語上達のコツを手ほどきする実践的入門書。 -
ビジネスマンの精神病棟
男たちは家族を持ち、日々の仕事に打ち込み、日本の繁栄を支えてきた。何が原因で彼らの人生はなぜ挫折したのか? 何がきっかけで彼らの心はなぜ崩壊してしまったのか? 20年以上にわたって精神科の医師として治療を続けてきた著者が、心病める12人の不器用な男たちの人生の軌跡を描く「愛と冒険」の物語。 -
美人好きは罪悪か?
男同士の美人談義は、なぜか熱くなりやすい。「雨夜の品定め」の時代からミスコンテスト反対論議のあった時代を経て、男が何人か集まれば、今も行われる会話である。では、果たして美人好きは罪悪なのか? 小説のヒロイン、ロリコンや萌え、髪型やヌード、歴史上の美人などさまざまな観点から、新しい「美人論」を展開する。 -
微分と積分 ──その思想と方法
「微分積分という学問の本質的性格をていねいに解き明かした教科書はあんがいに少ないのではあるまいか。たしかに微分積分学はきわめて広い応用範囲をもっていて、それらをすべて網羅しようとすれば、何冊あっても足りないだろう。だが、その思考法の本質にねらいを定めて解説すれば意外に簡単なものである」(本書「はしがき」より)。微分積分法をその根底にある思想から数学史に即して語り、微積のエッセンスを基本から丁寧に分かりやすく説明する。数学者数学教育者として一流であった著者による、曖昧な説明や証明の省略を一切排した微積分学最高の入門書。 -
病気と治療の文化人類学
どれほど科学技術が発達しようと治らない病気はある。だからこそ人間は病気に強い関心を抱き、さまざまな意味づけを行ってきた。民俗医療や治療儀礼、宗教・民間信仰・シャーマニズムは、どのように病気とかかわってきたのか。本書では「病マケ」と呼ばれる家筋への差別構造、奄美のユタによる治療実態、明治期のコレラが引き起こした社会的混乱など、豊富で多様な民族誌的事例も踏まえつつ、文化と社会における病気に焦点をあて、総合的な文化人類学理論を構築しようとする。「医療人類学」を切り拓いてきた著者による先駆的名著。 -
貧乏人の逆襲!【増補版】 ――タダで生きる方法
大変だ大変だ! 「3人デモ」から、2万人規模の「原発やめろデモ!!!!!」まで呼びかける「素人の乱」のアジテーター・松本哉の代表作がついに文庫化。最終章と年譜を増補。「家賃をタダに」「俺のチャリを返せ」デモ等の独自のデモや、「こたつ闘争」「路上鍋」等大学内や路上でできる作戦も満載。第1章では、安い衣食住の方法を伝授。金がなくても自由勝手に生きられる。 -
ビールを愉しむ
ビールへの関心はいまひとつな日本人。同一タイプ・大量生産のビールばかり飲んでいれば「ビールなんてどれも同じ」と思うのも無理はない。しかし、ビールは本来、多義な味わいをもつ飲み物だ。日本の地ビール第一号を生んだ著者が、造り方から愉しみ方まで基礎知識を分かりやすく説いた「ビールの新しい常識」となる一冊。 -
ピンチに備える解剖学
どういうわけか、日本の中高の理科や生物の授業では、ヒトのからだの仕組みに関する内容が少ない。分子生物学などやたら先端的なはなしがあるかと思えば、肺も肝臓も膵臓もでてこない。樹状細胞は出てくるのに胸腺もリンパ節も出てこない。そこで本書では、解剖学の骨子を借りて、ヒトのからだを概観できるようにした。60点以上のイラストを収録、見て分かるようにもなっている。本書は、前後二部構成になっていて、前半の第1章では、「骨格系」「筋系」「神経系」というように、系統解剖学のやりかたで人体をおおまかに学んでいく。後半の第2章は、学んだ知識を実地に活かしてみるためのケーススタディ。鼻血、頭痛、親指の腱鞘炎、肩や胸の痛み、急な腹痛や腰痛など、日常生活で誰もが耳にするような「からだのピンチ」から、高校生や大学生くらいの読者に起こりそうな例をとりあげて、これらを、解剖学に基づいて解読していく。 【目次】第一章 ヒトのからだのあらまし/第二章 あなたにも起こるかもしれないピンチ -
ピース・フィーラー ――支那事変和平工作史
支那事変(日中戦争)の特徴は、戦争遂行と和平への努力が、ほぼ全期間を通じ並行してなされたことにある。この和平工作の舞台には外交官のみならず、中国通の経済人やジャーナリストなど様々な人物が登場した。本書はまず、極秘裡になされたがゆえに捉えづらい和平工作の基礎事実を確定し、これに従事したピース・フィーラーたちの実像を描き出す。宇垣工作、汪兆銘工作をはじめとする数多の試みは、なぜ一つとして成功しなかったか。日本側の事変処理政策や政府声明の決定過程を詳しく追跡することでその原因を解き明かした。日中関係、戦時外交を考えるうえで欠かせない名著。 -
ファシズムの解剖学
危機は本当に消えたか 運動の始まりから、権力の掌握と行使、そして破局へ その過程を精緻に分析し、現象の本質に迫った名著 20世紀を代表する政治的産物、ファシズム。それは、民族共同体の没落への恐怖を強迫的なまでに抱くとともに、民族の活力や純潔への熱狂に駆られた政治行動の一形態である。本書は従来の思想的定義に留まらず、ファシストの「行動」や保守派・社会との「相互作用」に焦点をあて、その機能的側面を解剖する。イタリアとドイツの事例を軸に、第一次世界大戦の経験から誕生し、権力の掌握と行使を経て、自壊へと到る運動の過程を精緻に分析。現象の本質を余すところなく論述する。ファシズム研究の第一人者による集大成であり、現代の危機を捉えなおすための視座を与えてくれる名著。 【目次】 序文 ドイツ語版および日本語版への序文 第1章 序論 第2章 ファシズム運動の始まり 第3章 根をおろすファシズム 第4章 権力の掌握 第5章 権力の行使 第6章 ファシズム破局への行程――過激化か、それとも拡散か? 第7章 戦後のファシズム、ヨーロッパ以外のファシズム 第8章 ファシズムとはなにか? 注記 訳者あとがき 文庫版訳者あとがき 人名索引 事項索引 -
ファック・キャンサー ――愛と科学と免疫療法でがんに立ち向かう
「がんは人生最低のギフト!」仕事と子育て真っ最中のNY在住ライターが、ある日突然メラノーマ(皮膚がん)に。がん=命にかかわる厳しい現実に直面…しかし、幼い娘たちとの日常は変わらず、ユーモラスにパワフルに。―親友から届いた「ファック・キャンサー」Tシャツを着て病院へ。―頭の手術痕を膣ブラシと浣腸ボトルで夫に洗浄してもらう日々。―母娘3人、アタマジラミと格闘。―親友もがん罹患、最期の時間と別れ。…ドラマチックなのに平凡で、決して闘いなどではない、治療の日々。胸が張り裂けそうな悲しみと、感謝の気持ちを同時に感じるがん患者のリアルな心の内。最高峰のがんセンターでの手術と、がん治療を変えた免疫療法の治験の実際を含め、ユーモアを交え率直に歯切れよく語る。がんという現実を受けとめ、明るくたくましく、愛を与え合いながら生きる姿に胸を打たれるノンフィクション。
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