戸川昌子の作品一覧
「戸川昌子」の「淫花伝」「大いなる幻影/猟人日記」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
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「戸川昌子」の「淫花伝」「大いなる幻影/猟人日記」ほか、ユーザーレビューをお届けします!
Posted by ブクログ
60年近く前の作品なので所々古さを感じるところはあるが今のミステリーファンにも耐えられる傑作だと思う。当時直木賞候補になっており、松本清張がその選評で人間が描かれてないという主旨の評を残している。この作品に限らずミステリー作品で度々こういった批評を目にすることがある。それほど謎解き、トリックと人物を同じバランスで描くのは難しいのだろうが、どちらも必要不可欠な要素なのだろう。実際、伏線を複雑に張り巡らせ、トリックのアイデアも斬新で豊富なのだが、技巧に走りすぎるあまり肝心の人間描写に深みが足りず惜しいなと思う作品がしばしばある。その点、この作品に関して言えば松本清張の言うこともわからないではないが
Posted by ブクログ
昭和だなあ、という感慨も抱けそうな、濃厚な短編集。戸川氏というと、『緋の堕胎』を絶賛した筒井康隆氏が、女流作家というはどうしてこんな怖い話が書けるんだろうと記したように、女性性を強調されることが多い気がする。今の目で見ると、そういうのは感心しない、というべきだろうが、それより、戸川氏の側があえて男性が期待する「女流作家」を演じてたんではないかなという気もする。けれども『隕石の焔』みたいな話もある。これは好色譚の定番である「男日照りの村」の底を抜くような話だが、その抜き方が女にしか思いつかない、というより男はまず思いつかないような抜き方なのだな。面白い。
Posted by ブクログ
大いなる幻影
1951年4月、一人の女装の青年が大塚仲町の交差点で交通事故死する。警察も世間も最初はこの異様な姿の事故死を話題にするが、時間とともに忘れてしまう。一方同時期、在日米軍少佐の息子が誘拐される事件が発生。このプロローグから現場近くのK女子アパートの移動に伴い、ここに住むに住む人々(女性)の過去やエピソードがそれぞれがそれぞれの幻影に操られながら語られてゆく。物語の終盤は一気にストーリーが展開するが、最後にドンデン返しが用意されている。
本書に登場するK女子アパートのモデルは同潤会の大塚女子アパートがモデルとのこと。第8回江戸川乱歩賞受賞作
猟人日記
生命保険会社のキーパンチャー尾