作品一覧 2023/08/24更新 「ひきこもり」から考える ──〈聴く〉から始める支援論 試し読み フォロー ひきこもりの〈ゴール〉 「就労」でもなく「対人関係」でもなく 試し読み フォロー 「ひきこもり」の30年を振り返る 試し読み フォロー 1~3件目 / 3件<<<1・・・・・・・・・>>> 石川良子の作品をすべて見る
ユーザーレビュー 「ひきこもり」から考える ──〈聴く〉から始める支援論 石川良子 私は「ひきこもり」当事者側だ。とても良かった。こんな方が世の中に存在するのかとビックリした。もちろん沢山同じ様に活動研究されてる方は沢山いるだろうけれど、こういった本を読んだのは初めてだったので衝撃だった。 こういう人が居てくれるのだなと思うと、今この現実の世界も悪くないかもしれないと思わせてくれた...続きを読む。 また、石川さんという人自体もすごい人だなと思う。違和感を感じたら、考え方や物の見方を変えることができる。私には出来ないことなのでとても凄いなと素直に思った。こんなふうに考え方や見方を柔軟に変えていけたら(簡単ではないとおもうが)、生きていきやすくなるんだろうと思った。 Posted by ブクログ 「ひきこもり」から考える ──〈聴く〉から始める支援論 石川良子 『聴く』とは、なんと尊い行為であろうか! 聴くとは、生きることそのものである。 そんな事に気付かせてくれた、宝物の本。 我々は、「語れなさ」と「聴かれなさ」により、 孤独を感じる。 存在論的不安、つまり自分はここにいるのだろうか という不安は、語れなさと聴かれなさにより、 解消される。 しかし...続きを読む、この語れなさと聴かれなさの解消は、 困難な試みだ。生きることが困難なのと同じくらい。 何かを目的に対話をするのではなく、 対話そのものに幸せがある、という 著者の言葉に心を奪われた。 Posted by ブクログ 「ひきこもり」の30年を振り返る 石川良子 / 林恭子 / 斎藤環 登校拒否、ひきこもり、ニート、家事手伝い、子供部屋おじさん…各年代で様々な言葉で語られてきた家にこもる人々。本書では当事者、研究者、支援団体などが各々の言葉でその変遷を語る。対話や傾聴で解決するかもしれないし出来ないかもしれない。難題を論じる。 Posted by ブクログ ひきこもりの〈ゴール〉 「就労」でもなく「対人関係」でもなく 石川良子 本書の目的は、ひきこもり当事者の経験を描き出し、理解すること。ひきこもりとはどういう経験なのか、ひきこもりから回復するとは何を指すのか、という2つの問いを軸に、当事者とのインタビューや斎藤環など専門家たちの言説を素材として、ともすると第三者には理解しづらいひきこもりの「動けなさ」のリアリティをどうす...続きを読むれば理解できるか、考えていく。 人々のふるまいや語りを読み解くことで浮かび上がったパースペクティブを提示する本なので、実態解明ではない点は注意。ゴフマンのスティグマ理論、アーサー・フランクの物語論が面白かった。 ■キーフレーズ 経験を理解する 理解≠共感 予防は不可能 長期化が問題 スティグマとパッシング 「いま何してるの?」 自己を語るための語彙 語彙の喪失 「病い」の物語は過去と未来の2つの語りを含む 探求の物語 「とりあえず働いてみる」? 回転寿司の喩え 現実の直視 「動けなさ」の正体 意味よりも意思 存在論的な安心/不安 「生き(続け)ている」こと自体が「生きるか/生きないか」への答え ルーティーンの破綻 「回復」は存在しない、なくてもいい 後期近代と自己アイデンティティ 他者の悪魔化 経験の隔離 「私たち」のまなざしが「かれら」をひきこもらせる 誰も排除せずにすむ、生きやすい社会の構想 ■目次 はじめに 第1章 問題意識──フィールドでの経験から 1 はじめに 2 “対人関係の獲得”から“就労の達成”へ 3 〈社会参加〉路線の限界 4 当事者への否定的感情に向き合う 5 本書の課題──「ひきこもり」の当事者の経験を理解する 第2章 「ひきこもり」の社会的文脈 1 一九八〇年代──「無気力化した若者」 2 一九九〇年代──不登校からの分化 3 二〇〇〇年代前半──「ひきこもり」の社会問題化 4 二〇〇四年以降──「ニート」の登場 5 「ひきこもり」からの〈回復〉イメージの変転 第3章 自己防衛戦略としての「ひきこもり」 1 「ひきこもり」というスティグマ 2 生活誌的な匿名性の程度 3 精神的苦痛を助長されうるやりとり 4 自己防衛戦略としての「ひきこもり」 第4章 自己を語るための語彙の喪失としての「ひきこもり」 1 “対人関係の獲得”以後のきつさ 2 コミュニティに参与することの意味 3 自己を語るための語彙の喪失としての「ひきこもり」 4 専門家言説の功罪 第5章 人生における危機/転機としての「ひきこもり」 1 ひきこもるという経験の二面性 2 危機 3 転機 4 振り返って見えてきた危機 5 自己変容の様相 6 「ひきこもり」を“状態”ではなく“過程”と捉える 第6章 問うという営みとしての「ひきこもり」 1 はじめに 2 “対人関係の獲得”その後 3 就労をめぐるジレンマ 4 自己・労働・生を問う 5 問うという営みの必然性 第7章 生きていくことを覚悟する 1 「ここで決めよう、と思ったのね。生きていくか、やめるかをね」 2 「突然、生きたいって、体の声を聞いて」 3 生きていくことを覚悟する 第8章 「ひきこもり」再考 1 存在論的不安としての「ひきこもり」 2 「ひきこもり」からの〈回復〉とは何か 3 〈実存的問題〉としての「ひきこもり」 あとがき Posted by ブクログ ひきこもりの〈ゴール〉 「就労」でもなく「対人関係」でもなく 石川良子 元ひきこもり当事者…だと思っていたのですが この本を読み終わった今、私は「元ひきこもり」ではなくある意味現在進行形でひきこもりなのかもしれないと感じました。 様々な論文や記事からの引用を交え、それを根拠として著者の解釈でひきこもり像を捉えておりなかなか読み応えがあります。 (当事者)本人の中の不確か...続きを読むさや微妙なニュアンスを取りこぼさないように丸々伝えたい、というような目的があるのかもしれませんがインタビュー形式での語りの部分は口語がそのまま使われているのでやや読みにくい。 大きく7名?の当事者の経験談が載っているが(個人の大まかな経緯の紹介はあるものの)1人1人に焦点をあてて全てが時系列になっているわけではなく、あくまで各章のテーマの議論の中でAさんの場合やBさんの発言として断片的に散りばめられているので読んでいる途中で「あれAさんってどうして引きこもった人だったっけ?」と自分の中で整理が追いつかなくなり前の章を振り返りながら読まなければならない事が多々あった。 それは「その(ひきこもり)個人」の物語を本にしたかったわけではなく、あくまで「ひきこもり」の共通項を見出したいという著者の本書における方向性故の構成だったように思う。 Posted by ブクログ 石川良子のレビューをもっと見る