作品一覧

  • 平賀源内
    -
    1巻1,595円 (税込)
    18世紀江戸。内外の品を集めて全国物産会をひらき、戯作・浄瑠璃の人気作家となり、秩父に金山を開発、油絵を描き、オランダ製の静電気発生器エレキテルを復元……と多彩に活躍した平賀源内。さぬきの地に生まれ高松藩を脱藩し、のちに杉田玄白、司馬江漢、鈴木春信、大田南畝、小田野直武ら同時代人と広く交流、刺激しあった源内の生涯は、豊かなヴィジョンと果敢な試行錯誤、そして失意と焦燥と挫折とからなっていた。「分」と「仕来り」の時代にあって、自身の志と好奇心とによって奔放に生き、殺傷事件の果てに獄中で死去したとされる「非常の人」の生涯を鮮やかに描く、評伝文学の傑作。
  • 大君の使節 幕末日本人の西欧体験
    3.5
    1巻792円 (税込)
    「西洋世界の挑戦に対してこの国が発した返答」の鮮やかなモデル・ケースとして、幕末日本のエリートの西欧文明に対するさまざまの知的・心理的・感性的反応と外国側の彼らに対する反響を探り出し、一八六二年の遣欧使節団の行動を評価し直す。従来、外交史家にしか顧みられなかった使節一行の諸記録は、ここに初めて興味深い記録文学としての姿を現わす。新文明に接して急激に自己変革を迫られる幕末日本の鼓動を伝える、比較文学徒の労作。
  • 詩歌の森へ 日本詩へのいざない
    5.0
    1巻1,034円 (税込)
    一篇の詩が、苦境から脱出するきっかけになったり、人情の奥行きをかいま見せたりすることは、誰しも経験するだろう。そんな、心に働きかけてくる詩を知れば知るほど、人生は豊かになる。本書は、記紀万葉のいにしえから近現代までの、日本語ならではの美しい言葉の数々を紹介するエッセイである。古今東西の文学・藝術に精通した著者が、みずからの体験を回想しつつ、四季折々の詩歌味読のコツを伝授する。

ユーザーレビュー

  • 詩歌の森へ 日本詩へのいざない

    Posted by ブクログ

    生涯の一冊というべき143編の日本詞華集。☆10個。古代から機代までの和歌、短歌、俳句、詩、訳詩、漢詩、唱歌、俗謡、小説、随想、伝記、手紙など、あらゆる日本文から取り出した詩的なかけらたちを集め、鑑賞と著者の想いを寄せた唯一無二の書籍である。たくさんの素晴らしい詩的ことばを操る人たちを教えてもらった。今まで折に触れ、ページをぱらぱらとめくり読み返していたが、今回一か月ほどを掛け、もう一度最初から読み通してみたが、ため息が何度も出る読書体験だった。
    著者にも、特に親しみがある作者はあるようで、与謝蕪村、斎藤茂吉、夏目漱石、清少納言、菅茶山、金素雲などは何度も出てきた。私も一つだけ挙げておく。

    0
    2022年02月19日
  • 詩歌の森へ 日本詩へのいざない

    Posted by ブクログ

    敬愛して止まない芳賀徹氏の汲めども尽きぬ詩(短歌、俳句含む)への愛情を、深くも豊かな造詣に満ちた芳醇にして凛々しい文章で読めることの至福。絶えず手元において、折に触れて読み返したい大切な一冊。

    0
    2021年10月27日
  • 大君の使節 幕末日本人の西欧体験

    Posted by ブクログ

    徳川幕府は、その最末期の7,8年の間に、ほとんど一年おきないし連年という忙しさで大小の外交使節団を欧米に派遣したいました。
    一番よく知られているのは、いうまでもなく日米修好通商条約の批准交換のため、1860年アメリカに行ったこと。
    そして、第二回がこの本に描かれた1862年の遣欧使節で、江戸・大坂・兵庫・新潟の開市開港の延期をヨーロッパ諸国に認めさせることを主目的にしていたものである。
    何しろ、極東の島国である長年鎖国を行っていた日本からの使節が当時のヨーロッパ諸国では大変珍しいものであり、歓待されたのである。
    そんな使命を受けた日本の優秀な武士官僚が経験した様々なことが政治史の視点からではな

    0
    2018年09月29日
  • 大君の使節 幕末日本人の西欧体験

    Posted by ブクログ

    比較文化史の観点から、文久の遣欧使節を題材に、人が新しい文化に触れた時にどのような反応をするのかに関心を持って書かれた本。事前の知識と現地で新たに見聞したこと、さらに現地での新聞やヒアリングによる情報収集などを元にそれぞれが特徴的な反応を示す。表面的な感想に留まらず、社会構造の分析や日本社会への適応など深い分析を行う福沢諭吉の才能に驚く。

    0
    2018年05月06日

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